2017年10月20日
映画「湯を沸かすほどの熱い愛」の感想…今更書くのも恥ずかしいのですが良い映画です。
今日は映画「湯を沸かすほどの熱い愛」の感想です。
ラジオでダイノジの大谷さんがずっとお勧めしていたし、
知り合いの人からも絶賛されていたので観たいとは思っていたのですが、
今となっては色んな賞を取って多くの人が評価している映画になっています。
なかなかそういう映画って今更感想を書くのって少し気合がいるというか、
逆にもう少し年月が経っていれば書きやすいかなとも思ったのですが、
DMMの月額レンタルで送られてきてしまったので、
これは「いい加減観ろ!」という事かなと。
という訳で、今回はDMMのレンタルDVDにて鑑賞です。
映画「湯を沸かすほどの熱い愛」は2016年公開の中野量太監督作品。
なんと中野量太監督はこの映画が商業用の長編デビュー作。
この映画までにも監督した映画作品で受賞などはしているのですが、
全く観た事はありませんでした。
正直、凄い監督出てきたなと思いました。
監督だけじゃなくて映画「湯を沸かすほどの熱い愛」では脚本も手がけています。
まずこの映画は話の構成が上手いと思う。
もう漫画やアニメの実写化の乱発とかは止めて、
こういうオリジナルで本が書ける人にお金が集まる仕組みを作った方が良いよ。
その方が絶対日本映画の底上げにつながるから。
さて、簡単なあらすじですが、
夫が蒸発した家族の幸野家の話。
母の双葉と娘の安澄は2人でたくましく生活をしていた。
そんなある日、双葉はパート先で倒れてしまう。
運ばれた病院で検査の結果は末期のガンだと知らされる。
自分の残りの命が短い事を知った彼女は、
するべきことのため立ち上がるのであった…という感じかな。
キャストですが、
ガンを宣告され家族のために奔走する母の幸野双葉を演じるのは宮沢りえ。
もともと何か特別な存在感のある人ではありましたが、
今回の映画を観た後ではこの人しかありえないと思えるほど、
凄くハマっていたと思います。
特に、映画前半と後半の演技の幅と説得力はさすがだなあと関心しました。
娘の安澄を演じるのは杉咲花。
彼女の素朴感というか、彼女じゃなかったら涙は出なかったかもと思うシーンもある。
いい役にしっかりと期待に応えたと思います。
蒸発した夫の一浩を演じるのはオダギリジョー。
あの独特の雰囲気がダメな夫感と言えばそう見えるかも。
途中まではオダギリジョーじゃなくてもって気もしたのですが、
映画のクライマックスで、あっ、やっぱりオダギリジョーで良かった。
そんな感じに思いました。
その他、伊東蒼、松坂桃李、篠原ゆき子、駿河太郎などが主な登場人物を演じています。
で、映画「湯を沸かすほどの熱い愛」の感想ですが、
これは久々に号泣した邦画でした。
こんなに映画で泣いたのは映画「この空の花-長岡花火物語」以来かな。
今更、「湯を沸かすほどの熱い愛は本当に良い」とか言うのがどうなんだと思うけど、
本当に良いから仕方が無い。
中野量太監督の事を書いているところでも書いたのですが、話の構成が上手い。
1つの物語の中に色んな話が入っているのですが、
ちゃんとそれが最終的に1つにつながっていく感じは上手い。
この映画もあんまりネタバレしない方が良いというか、
「こういう事がある」ってのは知らない方が良いと思います。
ちょっとこの映画が気になってるって人は、なんの情報も入れずに観て欲しい。
という事で、あんまりネタバレになる事は書かない様にしますが、
どうしても書いてしまう可能性もあるので、
少しでもネタバレしたくない人はここから先は読まないでくださいね。
ファーストカットの銭湯の煙突。
なんでファーストカットが煙突なんだろうって思ったら、
最後の展開で「こういう事か!」って…なるほどなあと。
「湯気のごとく店主が蒸発しました。
当分の間、お湯は沸きません。」という張り紙ですが、
壮大な伏線じゃないですか。
物語の基本って始まる前と終わった後で何が変わっているのか、
主には主人公がどう成長したのかってのを考えるのですが、
端的にいうと、物語の前はお湯が沸いてなかった、煙突からは何も出てなったのが、
物語の後ではお湯は沸き、煙突からは何かが出ているという訳で。
何かというか、「湯を沸かすほどの熱い愛」ってタイトルだからあれは「愛」なんでしょうね。
学校でいじめを受ける安澄ですが、
あの壁の落書き「笑って」というのが、辛い時こそ笑うというのが、
いじめの問題が終わってからも…病気の母の前では笑おうとするところに思い出される。
あの時の杉咲花の演技は絶妙だったなあ。
いじめで登校拒否の時の口げんかも凄く良いシーンですが、
「今逃げたらダメ」というところで、救命病棟24時の江口洋介が頭に出てきました。
その後に、勝負のブラジャーというか下着を付けての登校。
ちょっとサイズが合ってないところに、自分で一歩踏み出す感じが出てて良い。
結構この映画には泣かされたのですが、杉咲花に泣かされたところは多い。
いじめに対して小さな勇気をだして立ち向かったあとの、
「お母さんの遺伝子少しあった」って言わせ、
松坂桃李から「あの人から産まれた君達が羨ましい」と言われた時に、
連れ子の鮎子はうつむくのに対して、誇らしげな安澄。
それなのに、その後にまさかの展開が待っている…これは鬼畜展開じゃねえか!!
って思いながらも号泣。
なんでか知らないけど「世界は残酷」って水原希子が言った気がした。
あとは手話のところかな…泣くよね、あそこのシーン。
ほんと、それぞれの話が良いので、1つ1つ書いていったら、
それこそ全部の話を書いてしまうので、極力書かない様にしますが、
連れ子の鮎子の「家にいたい」と言うところは泣ける。
こんな小さい子にこんなことを言わせるってどういうことなんだ!
あと鮎子の話では、「いない方が良いんだよね」って言ってアパートに行く時の、
階段から部屋の前へのカメラワークは何気に良いですよね。
あそこはカットじゃなくてカメラワークで見せるからこそ良いと思いました。
家族の誕生日にはしゃぶしゃぶをするというルールがあり、
鮎子の誕生日を祝うしゃぶしゃぶするシーンを入れることで、
彼女が家族として受け入れられたって食卓で表現するって上手いなあ。
そして一浩ですよね。
エジプトに行きたいってのがまさかこんな展開になるとは。
「俺が支える」からってのを視覚的に表現するのに、よくこんな事を思いつきますね。
基本ダメな男なんだけど、映画のクライマックスで一点特化に見せる感じはオダギリジョー合ってた。
その後の流れも彼だからなんか良い感じだったなあって思う。
ラストの展開にも書きたい事はあるけど、これは本当に知らない方が良いので止めておきます。
その他、映画序盤で自転車の二人乗りをするシーンで、
なんとなく映画「この子を残して」のおんぶシーンを思い出した。
「おんぶ」っていう行為ができる事がどれだけ貴重な事なのか、幸せな時間だったのかってね。
あと、話も上手いのですが、さらに見せ方も上手いんですよね。
ガンを宣告された後の銭湯の暗い引き画で電話をするところ。
もちろん画面が暗いのは心の暗さを表してるのですが、
このシーンをずっと引き画でみせるのはやるなあと思いました。
あと高脚蟹の話でほのぼのしてるシーンからパッと画が切り替わって、
手のしびれを感じるシーンへの上がり下がりの変化のつけ方。
落差をつけることでのドキッとさせる演出、編集も良かったです。
家から出発する車がクラクションを鳴らすというシーンが2度あるのですが、
どっちも同じ空撮カットでのみせ方とか、言い出したらキリがないのですが。
もちろん、そんな状態なのに遠出の運転はさせちゃマズイだろとか、
パン屋での仕事中にあの感じで倒れたら普通に外傷できるだろとか、
ネクタイを閉め直したんだけど、そのせいでいがんでしまってるとか、
いやそれは結構な犯罪だからってツッコミもなくはないけど、
まあそれは大した話ではない。
それよりも、あの回想はあの人のだったのかとか、
映像だからこその見せ方は本当に良かったです。
あと映画前半と後半の幸野双葉のみせ方、
手の色とかね…こういう視覚的な表現もしっかりこだわってくれると、
ああ映画って良いなあって思わせてくれます。
あと言葉を言わなくても分かるって感じのシーンは映像ならでは。
もちろん、あの家族たちの決意を見た後の「死にたくないよお」は、
溢れる涙を抑え切れませんでしたが。
そんな訳で、なんか中途半端に書いてしまいましたが、
とりあえず観て損はない映画です。
ダイノジ大谷さんの言葉を借りるなら、
「母から生まれてきた全ての人にオススメ」の1本です。
ラジオでダイノジの大谷さんがずっとお勧めしていたし、
知り合いの人からも絶賛されていたので観たいとは思っていたのですが、
今となっては色んな賞を取って多くの人が評価している映画になっています。
なかなかそういう映画って今更感想を書くのって少し気合がいるというか、
逆にもう少し年月が経っていれば書きやすいかなとも思ったのですが、
DMMの月額レンタルで送られてきてしまったので、
これは「いい加減観ろ!」という事かなと。
という訳で、今回はDMMのレンタルDVDにて鑑賞です。
映画「湯を沸かすほどの熱い愛」は2016年公開の中野量太監督作品。
なんと中野量太監督はこの映画が商業用の長編デビュー作。
この映画までにも監督した映画作品で受賞などはしているのですが、
全く観た事はありませんでした。
正直、凄い監督出てきたなと思いました。
監督だけじゃなくて映画「湯を沸かすほどの熱い愛」では脚本も手がけています。
まずこの映画は話の構成が上手いと思う。
もう漫画やアニメの実写化の乱発とかは止めて、
こういうオリジナルで本が書ける人にお金が集まる仕組みを作った方が良いよ。
その方が絶対日本映画の底上げにつながるから。
さて、簡単なあらすじですが、
夫が蒸発した家族の幸野家の話。
母の双葉と娘の安澄は2人でたくましく生活をしていた。
そんなある日、双葉はパート先で倒れてしまう。
運ばれた病院で検査の結果は末期のガンだと知らされる。
自分の残りの命が短い事を知った彼女は、
するべきことのため立ち上がるのであった…という感じかな。
キャストですが、
ガンを宣告され家族のために奔走する母の幸野双葉を演じるのは宮沢りえ。
もともと何か特別な存在感のある人ではありましたが、
今回の映画を観た後ではこの人しかありえないと思えるほど、
凄くハマっていたと思います。
特に、映画前半と後半の演技の幅と説得力はさすがだなあと関心しました。
娘の安澄を演じるのは杉咲花。
彼女の素朴感というか、彼女じゃなかったら涙は出なかったかもと思うシーンもある。
いい役にしっかりと期待に応えたと思います。
蒸発した夫の一浩を演じるのはオダギリジョー。
あの独特の雰囲気がダメな夫感と言えばそう見えるかも。
途中まではオダギリジョーじゃなくてもって気もしたのですが、
映画のクライマックスで、あっ、やっぱりオダギリジョーで良かった。
そんな感じに思いました。
その他、伊東蒼、松坂桃李、篠原ゆき子、駿河太郎などが主な登場人物を演じています。
で、映画「湯を沸かすほどの熱い愛」の感想ですが、
これは久々に号泣した邦画でした。
こんなに映画で泣いたのは映画「この空の花-長岡花火物語」以来かな。
今更、「湯を沸かすほどの熱い愛は本当に良い」とか言うのがどうなんだと思うけど、
本当に良いから仕方が無い。
中野量太監督の事を書いているところでも書いたのですが、話の構成が上手い。
1つの物語の中に色んな話が入っているのですが、
ちゃんとそれが最終的に1つにつながっていく感じは上手い。
この映画もあんまりネタバレしない方が良いというか、
「こういう事がある」ってのは知らない方が良いと思います。
ちょっとこの映画が気になってるって人は、なんの情報も入れずに観て欲しい。
という事で、あんまりネタバレになる事は書かない様にしますが、
どうしても書いてしまう可能性もあるので、
少しでもネタバレしたくない人はここから先は読まないでくださいね。
ファーストカットの銭湯の煙突。
なんでファーストカットが煙突なんだろうって思ったら、
最後の展開で「こういう事か!」って…なるほどなあと。
「湯気のごとく店主が蒸発しました。
当分の間、お湯は沸きません。」という張り紙ですが、
壮大な伏線じゃないですか。
物語の基本って始まる前と終わった後で何が変わっているのか、
主には主人公がどう成長したのかってのを考えるのですが、
端的にいうと、物語の前はお湯が沸いてなかった、煙突からは何も出てなったのが、
物語の後ではお湯は沸き、煙突からは何かが出ているという訳で。
何かというか、「湯を沸かすほどの熱い愛」ってタイトルだからあれは「愛」なんでしょうね。
学校でいじめを受ける安澄ですが、
あの壁の落書き「笑って」というのが、辛い時こそ笑うというのが、
いじめの問題が終わってからも…病気の母の前では笑おうとするところに思い出される。
あの時の杉咲花の演技は絶妙だったなあ。
いじめで登校拒否の時の口げんかも凄く良いシーンですが、
「今逃げたらダメ」というところで、救命病棟24時の江口洋介が頭に出てきました。
その後に、勝負のブラジャーというか下着を付けての登校。
ちょっとサイズが合ってないところに、自分で一歩踏み出す感じが出てて良い。
結構この映画には泣かされたのですが、杉咲花に泣かされたところは多い。
いじめに対して小さな勇気をだして立ち向かったあとの、
「お母さんの遺伝子少しあった」って言わせ、
松坂桃李から「あの人から産まれた君達が羨ましい」と言われた時に、
連れ子の鮎子はうつむくのに対して、誇らしげな安澄。
それなのに、その後にまさかの展開が待っている…これは鬼畜展開じゃねえか!!
って思いながらも号泣。
なんでか知らないけど「世界は残酷」って水原希子が言った気がした。
あとは手話のところかな…泣くよね、あそこのシーン。
ほんと、それぞれの話が良いので、1つ1つ書いていったら、
それこそ全部の話を書いてしまうので、極力書かない様にしますが、
連れ子の鮎子の「家にいたい」と言うところは泣ける。
こんな小さい子にこんなことを言わせるってどういうことなんだ!
あと鮎子の話では、「いない方が良いんだよね」って言ってアパートに行く時の、
階段から部屋の前へのカメラワークは何気に良いですよね。
あそこはカットじゃなくてカメラワークで見せるからこそ良いと思いました。
家族の誕生日にはしゃぶしゃぶをするというルールがあり、
鮎子の誕生日を祝うしゃぶしゃぶするシーンを入れることで、
彼女が家族として受け入れられたって食卓で表現するって上手いなあ。
そして一浩ですよね。
エジプトに行きたいってのがまさかこんな展開になるとは。
「俺が支える」からってのを視覚的に表現するのに、よくこんな事を思いつきますね。
基本ダメな男なんだけど、映画のクライマックスで一点特化に見せる感じはオダギリジョー合ってた。
その後の流れも彼だからなんか良い感じだったなあって思う。
ラストの展開にも書きたい事はあるけど、これは本当に知らない方が良いので止めておきます。
その他、映画序盤で自転車の二人乗りをするシーンで、
なんとなく映画「この子を残して」のおんぶシーンを思い出した。
「おんぶ」っていう行為ができる事がどれだけ貴重な事なのか、幸せな時間だったのかってね。
あと、話も上手いのですが、さらに見せ方も上手いんですよね。
ガンを宣告された後の銭湯の暗い引き画で電話をするところ。
もちろん画面が暗いのは心の暗さを表してるのですが、
このシーンをずっと引き画でみせるのはやるなあと思いました。
あと高脚蟹の話でほのぼのしてるシーンからパッと画が切り替わって、
手のしびれを感じるシーンへの上がり下がりの変化のつけ方。
落差をつけることでのドキッとさせる演出、編集も良かったです。
家から出発する車がクラクションを鳴らすというシーンが2度あるのですが、
どっちも同じ空撮カットでのみせ方とか、言い出したらキリがないのですが。
もちろん、そんな状態なのに遠出の運転はさせちゃマズイだろとか、
パン屋での仕事中にあの感じで倒れたら普通に外傷できるだろとか、
ネクタイを閉め直したんだけど、そのせいでいがんでしまってるとか、
いやそれは結構な犯罪だからってツッコミもなくはないけど、
まあそれは大した話ではない。
それよりも、あの回想はあの人のだったのかとか、
映像だからこその見せ方は本当に良かったです。
あと映画前半と後半の幸野双葉のみせ方、
手の色とかね…こういう視覚的な表現もしっかりこだわってくれると、
ああ映画って良いなあって思わせてくれます。
あと言葉を言わなくても分かるって感じのシーンは映像ならでは。
もちろん、あの家族たちの決意を見た後の「死にたくないよお」は、
溢れる涙を抑え切れませんでしたが。
そんな訳で、なんか中途半端に書いてしまいましたが、
とりあえず観て損はない映画です。
ダイノジ大谷さんの言葉を借りるなら、
「母から生まれてきた全ての人にオススメ」の1本です。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/6898829
この記事へのトラックバック