2018年10月19日
映画「氷菓」の感想…魅力的なキャラクターの良さは薄くなっているが実写化に対してのバランスは絶妙だと思う。
今日は映画「氷菓」の感想です。
以前、映画「劇場版 零〜ゼロ〜」の感想を書いた時や、
アニメ「氷菓」を観たって時に話題にしましたが、
実写版の映画「氷菓」です。
DMMの月額レンタルで届いたのでDVDで鑑賞しました。
映画「氷菓」は2017年公開の安里麻里監督作品。
安里麻里監督が携わった作品では先ほど書いた映画「劇場版 零〜ゼロ〜」以外にも、
このブログでは映画「ゴメンナサイ」や映画「×ゲーム」の感想を書いています。
個人的には期待している監督です。
映画「氷菓」はアニメ化もされた同名の小説が原作。
小説は読んでいませんがアニメは全話観ました。
アニメを観た感じでは実写化しない方が良いだろうなと思っていましたが、
どんな感じになっていたでしょうか…それは後ほど。
映画のあらすじですが、
高校生になった折木奉太郎は姉からの手紙によって、
神山高校の古典部に入部をしたのだが、
同じく一年の千反田えるも古典部に入部をしようとしていた。
ひょんなことから友達の福部里志も入部をして、
古典部の部活動が始まるのだが…という感じかな。
キャストですが、
主人公の折木奉太郎を演じるのは山ア賢人。
もうアニメの実写化には山ア賢人を使わなきゃいけないんだろうね。
一般人には知らされていない契約的なものがあるに違いない。
まあそれでも映画「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」の
東方仗助だけは違うと思うけどなあ。
それに比べたら今回は全然ありだと思った。
ヒロインの千反田えるを演じるのは広瀬アリス。
先ほど書いた「氷菓は実写化しない方が良い」と思う理由は、
この千反田えるという存在なのだが、
実写化で一番の壁は彼女だろうと思っていた。
これについても後ほど詳しく。
奉太郎の友人福部里志を演じるのは岡山天音。
色々な映画に出ているのですがあんまり記憶に残っていない。
なんとなく窪田正孝感があるような気はする。
このキャラも実写化に際して難しいとは思った。
里志に想いを寄せる伊原摩耶花を演じるのは小島藤子。
映画「劇場版 零〜ゼロ〜」で鈴森リサを演じていましたが、
あの映画の感想でも書きましたが、
アニメのままのキャラでは実写化難しいですよね。
…って、ほとんど実写化が難しいキャラの映画やんか!
という事に書きながら気がついた。
その他、本郷奏多、斉藤由貴などが出演しています。
さて、映画「氷菓」の感想ですが…結論から言うと良かったです。
もともと実写化には否定的だったので、
ハードルが高くなかったってのもありますが、
悪くない…というか、アリなんじゃない?って思わせてくれる出来でした。
まず、実写化には向いていない理由として、
個性的な登場キャラクター達を実写化してしまうと、
ありえないバランスになってしまうだろうなという危惧。
これは結構難しかったと思うのですが、結果的に悪くない。
特に千反田えるの魅力は広瀬アリスで大丈夫なのか?と、
失礼ながらも思ってしまいました。
…が、広瀬アリスの千反田が思ったほど悪くない。
さすがに安里麻里監督は
そのままアニメ感を引きずって実写化はしないと思っていたが、
絶妙な実写化バランスで映像にしているのは腕だと思った。
千反田だけでなく、里志や摩耶花も悪くない。
言い換えると、アニメほどキャラが濃くないので、
キャラクターに思い入れのある人がこの映画を観たら、
たぶん物足りないという感情になりそう。
言い換えるなら原作やアニメの持っていた良い部分を無くしているとも言える。
ただ、実写の映画である事を考えると、
これぐらいのバランスが一番良いのではないだろうか。
あれぐらいのカメラ目線の「私、気になります!」で良いと思う。
あまりにもキャラクターを立たせたら観ていられないものになっただろうし、
その場合は行き着く先は実写化しない方が良かったって事になった気がする。
今回、キャラクターを薄くしても「氷菓」というストーリーを、
実写で描くという意味というか意義を安里麻里監督は考えていただろうなと思う。
まず好感が持てるのは全体的に丁寧な作りという事。
雑な手持ち撮影とかも無いし、
安心して画を観ていられるのは嬉しい。
考えに入る時のカメラがグルグルって回るのも、
今から思考に入りますよって合図なので、
映画ならではの親切な見せ方だと思う。
映画冒頭に姉からの手紙のイメージ映像として、
葬式の街「ベナレス」が流れるのだが、
無駄にロケーション撮影凝ってるなあと。
ほんと撮影や画作りは丁寧だし、
見せ方として過去と今、関谷と主人公の対比とかも分かりやすく映像にしてるので、
「映画化・映像化の意味」はここにあったと思う。
もちろん、小説みたいに想像を膨らませる楽しみはないので、
原作好きな人が「こんなんじゃない!」という気持ちも分からなくはない。
が、小説を読まずにこの映画を観た自分としては、
こういう映像に仕上がっているだけで「氷菓の実写化の意味はあった」と思う。
あと見せ方の上手さとしては、
最初の謎解きの「ロック音に気がつかない件」で、
ちゃんと映像でカギをかける時にガチャって音を出していて、
映画を観てる人が「この音、気がつくでしょ!」って思わせる作り。
ちゃんとその後に、映画内で音に気がつくだろとツッコミがあって、
それはこういう事があってと説明がある…テンポが良いと思う。
古典部とスコンブが似ているってのはサラッといったけどね。
あと千反田の家でやる推理会って面白そうだよね。
自分の家とか友達の家で、
あんな家があったら楽しいだろうなって思った。
そんな気持ちが昨日の夢を見せたのだろう。
あとこの映画は一応「学園祭映画」でもある。
映画「斉木楠雄のψ難」の感想でも書いたのですが、
学園祭映画ってものがあるのだが、
この映画は文化祭ではあるけど、まあ学園祭映画みたいなものだと思う。
学園祭映画を観ると、学生の力ってこんなにあるんだなって思わされる。
自分が高校生だった時の学園祭の記憶なんて、なんにもない。
もったいない時間を過ごしたなあと後悔する。
もっと熱い時間を過ごせたはずのイベントだったんだなと。
あんまり詳しく書くとネタバレになってしまうので書きませんが、
この映画も文化祭の「学生のエネルギー」ってのは凄かったんだなと。
そんな事を思わせられる映画だった。
そんな感じかな。
なんか褒めてばっかりで最高の映画みたいな感じ読めなくもないけど、
そういう訳でもないという事は書いておきたい。
実写化の意味はあったし、悪くはない映画だと思った。
それは安里麻里監督のバランスの良さだと思う。
ただ、先ほども書いたけどキャラクターの良さは薄れているため、
キャラクターが好きな人は受け入れられないだろうなと。
あと、本格ミステリー映画としてハードル高く期待していると、
「それ?」っていう展開に感じてしまうかも…まあそういう話だからなあ。
あと角川映画40周年って大々的に書かれていたけど、
これがそれで良いのだろうかと思わなくはないかなとか。
あ、あと「大事なのは真実じゃない」ってそうですよね。
これは本当に色んな事に通じると思う。
まあ、「強くなれ」って事ですよね…何がだって話だけど。
…確かに弱いと文句さえ言えないですよね…パワハラとかさ。
以前、映画「劇場版 零〜ゼロ〜」の感想を書いた時や、
アニメ「氷菓」を観たって時に話題にしましたが、
実写版の映画「氷菓」です。
DMMの月額レンタルで届いたのでDVDで鑑賞しました。
映画「氷菓」は2017年公開の安里麻里監督作品。
安里麻里監督が携わった作品では先ほど書いた映画「劇場版 零〜ゼロ〜」以外にも、
このブログでは映画「ゴメンナサイ」や映画「×ゲーム」の感想を書いています。
個人的には期待している監督です。
映画「氷菓」はアニメ化もされた同名の小説が原作。
小説は読んでいませんがアニメは全話観ました。
アニメを観た感じでは実写化しない方が良いだろうなと思っていましたが、
どんな感じになっていたでしょうか…それは後ほど。
映画のあらすじですが、
高校生になった折木奉太郎は姉からの手紙によって、
神山高校の古典部に入部をしたのだが、
同じく一年の千反田えるも古典部に入部をしようとしていた。
ひょんなことから友達の福部里志も入部をして、
古典部の部活動が始まるのだが…という感じかな。
キャストですが、
主人公の折木奉太郎を演じるのは山ア賢人。
もうアニメの実写化には山ア賢人を使わなきゃいけないんだろうね。
一般人には知らされていない契約的なものがあるに違いない。
まあそれでも映画「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」の
東方仗助だけは違うと思うけどなあ。
それに比べたら今回は全然ありだと思った。
ヒロインの千反田えるを演じるのは広瀬アリス。
先ほど書いた「氷菓は実写化しない方が良い」と思う理由は、
この千反田えるという存在なのだが、
実写化で一番の壁は彼女だろうと思っていた。
これについても後ほど詳しく。
奉太郎の友人福部里志を演じるのは岡山天音。
色々な映画に出ているのですがあんまり記憶に残っていない。
なんとなく窪田正孝感があるような気はする。
このキャラも実写化に際して難しいとは思った。
里志に想いを寄せる伊原摩耶花を演じるのは小島藤子。
映画「劇場版 零〜ゼロ〜」で鈴森リサを演じていましたが、
あの映画の感想でも書きましたが、
アニメのままのキャラでは実写化難しいですよね。
…って、ほとんど実写化が難しいキャラの映画やんか!
という事に書きながら気がついた。
その他、本郷奏多、斉藤由貴などが出演しています。
さて、映画「氷菓」の感想ですが…結論から言うと良かったです。
もともと実写化には否定的だったので、
ハードルが高くなかったってのもありますが、
悪くない…というか、アリなんじゃない?って思わせてくれる出来でした。
まず、実写化には向いていない理由として、
個性的な登場キャラクター達を実写化してしまうと、
ありえないバランスになってしまうだろうなという危惧。
これは結構難しかったと思うのですが、結果的に悪くない。
特に千反田えるの魅力は広瀬アリスで大丈夫なのか?と、
失礼ながらも思ってしまいました。
…が、広瀬アリスの千反田が思ったほど悪くない。
さすがに安里麻里監督は
そのままアニメ感を引きずって実写化はしないと思っていたが、
絶妙な実写化バランスで映像にしているのは腕だと思った。
千反田だけでなく、里志や摩耶花も悪くない。
言い換えると、アニメほどキャラが濃くないので、
キャラクターに思い入れのある人がこの映画を観たら、
たぶん物足りないという感情になりそう。
言い換えるなら原作やアニメの持っていた良い部分を無くしているとも言える。
ただ、実写の映画である事を考えると、
これぐらいのバランスが一番良いのではないだろうか。
あれぐらいのカメラ目線の「私、気になります!」で良いと思う。
あまりにもキャラクターを立たせたら観ていられないものになっただろうし、
その場合は行き着く先は実写化しない方が良かったって事になった気がする。
今回、キャラクターを薄くしても「氷菓」というストーリーを、
実写で描くという意味というか意義を安里麻里監督は考えていただろうなと思う。
まず好感が持てるのは全体的に丁寧な作りという事。
雑な手持ち撮影とかも無いし、
安心して画を観ていられるのは嬉しい。
考えに入る時のカメラがグルグルって回るのも、
今から思考に入りますよって合図なので、
映画ならではの親切な見せ方だと思う。
映画冒頭に姉からの手紙のイメージ映像として、
葬式の街「ベナレス」が流れるのだが、
無駄にロケーション撮影凝ってるなあと。
ほんと撮影や画作りは丁寧だし、
見せ方として過去と今、関谷と主人公の対比とかも分かりやすく映像にしてるので、
「映画化・映像化の意味」はここにあったと思う。
もちろん、小説みたいに想像を膨らませる楽しみはないので、
原作好きな人が「こんなんじゃない!」という気持ちも分からなくはない。
が、小説を読まずにこの映画を観た自分としては、
こういう映像に仕上がっているだけで「氷菓の実写化の意味はあった」と思う。
あと見せ方の上手さとしては、
最初の謎解きの「ロック音に気がつかない件」で、
ちゃんと映像でカギをかける時にガチャって音を出していて、
映画を観てる人が「この音、気がつくでしょ!」って思わせる作り。
ちゃんとその後に、映画内で音に気がつくだろとツッコミがあって、
それはこういう事があってと説明がある…テンポが良いと思う。
古典部とスコンブが似ているってのはサラッといったけどね。
あと千反田の家でやる推理会って面白そうだよね。
自分の家とか友達の家で、
あんな家があったら楽しいだろうなって思った。
そんな気持ちが昨日の夢を見せたのだろう。
あとこの映画は一応「学園祭映画」でもある。
映画「斉木楠雄のψ難」の感想でも書いたのですが、
学園祭映画ってものがあるのだが、
この映画は文化祭ではあるけど、まあ学園祭映画みたいなものだと思う。
学園祭映画を観ると、学生の力ってこんなにあるんだなって思わされる。
自分が高校生だった時の学園祭の記憶なんて、なんにもない。
もったいない時間を過ごしたなあと後悔する。
もっと熱い時間を過ごせたはずのイベントだったんだなと。
あんまり詳しく書くとネタバレになってしまうので書きませんが、
この映画も文化祭の「学生のエネルギー」ってのは凄かったんだなと。
そんな事を思わせられる映画だった。
そんな感じかな。
なんか褒めてばっかりで最高の映画みたいな感じ読めなくもないけど、
そういう訳でもないという事は書いておきたい。
実写化の意味はあったし、悪くはない映画だと思った。
それは安里麻里監督のバランスの良さだと思う。
ただ、先ほども書いたけどキャラクターの良さは薄れているため、
キャラクターが好きな人は受け入れられないだろうなと。
あと、本格ミステリー映画としてハードル高く期待していると、
「それ?」っていう展開に感じてしまうかも…まあそういう話だからなあ。
あと角川映画40周年って大々的に書かれていたけど、
これがそれで良いのだろうかと思わなくはないかなとか。
あ、あと「大事なのは真実じゃない」ってそうですよね。
これは本当に色んな事に通じると思う。
まあ、「強くなれ」って事ですよね…何がだって話だけど。
…確かに弱いと文句さえ言えないですよね…パワハラとかさ。
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