2012年08月26日
アメリカのトウモロコシ干ばつ被害について
アメリカではガソリンの代替品として、
トウモロコシを使ったバイオ燃料が使用されている。
その量は、アメリカのトウモロコシ生産量の
約4割にものぼっている。
私たち日本人からすれば、食べ物をガソリンの代わりに
使うということは、心情的に許しがたいものがある。
お米を作るのに、お百姓さんは八十八の苦労をして
作っているので、だからお米の漢字は、
八十八と書いて米になると教わった。
お茶碗に残ったお米の一粒も残さないようにと、
親から教わった。
食べ物を粗末にしないようにということだ。
だから、アメリカがトウモロコシを使ったバイオ燃料を作った事は、
大量消費を旨とする、昔ながらのアメリカを彷彿させる。
日本の平成23年度の食料自給率は、
カロリーベースで前年度と同率で39%。
自給率を上げないといけない時に、
人間の食料から家畜の餌にもなるトウモロコシを
バイオ燃料にすることには抵抗がある。
世界三大穀物(小麦、米、トウモロコシ)の一つだし、
少しくらいバイオ燃料として使っても問題ないだろう。
バイオ燃料としてトウモロコシを使えば、
トウモロコシの値段も上がり、農家も値段が高くなると
トウモロコシを作るようになり、さらにトウモロコシの
生産量も増えることになり・・・
要は、トウモロコシの値段を上げるために、
アメリカは、食料をバイオ燃料にしたわけだ。
そんなアメリカのトウモロコシだが、
アメリカは世界最大の生産国で、およそ4割を占め、
輸出量も世界最大であり、世界のおよそ7割弱を占める。
トウモロコシの生産地はコーンベルトと呼ばれ、
インディアナ・オハイオ・ミシガン等があるところが
主だった生産地になる。
日本は世界最大のトウモロコシ輸入国であり、
その輸入量の9割をアメリカに依存している。
そんな中、アメリカの中西部の穀倉地帯が、
記録的な干ばつに襲われている。
米シカゴ商品取引所のトウモロコシの先物価格において、
取引の中心になっている12月物の価格は、過去最高の
一時1ブッシェル(約25キロ)=8.4900ドルまで上昇した。
トウモロコシを飼料としている、鶏肉・牛肉も含め、
その関連品(乳製品とか)も
おそらく値上がりはひどいものになるだろう。
良く使うもので、買いだめできるものは
買っておいた方がいい。
アメリカの政策により、穀物からバイオ燃料を作り、
トウモロコシの価格が上がったのは良いが、
トウモロコシが不作で、品薄な時に
価格が上昇するのは非常にまずい状況だ。
大豆もアメリカが世界生産最大の国になり、
ほぼ同じ場所で作られているので、
大豆も値上がりするものとして考えておいた方がいいと思う。
いずれにしても、アメリカはバイオ燃料を
減らさざるを得ないだろうし、
食料が高くなれば、ヨーロッパはさらなる不況に
追い込まれるようになるだろう。
アメリカのトウモロコシが駄目になると、
生産国2位の中国が、外交カードとして、
食料をだしてくるかもしれない。
中国の勢いが、アメリカのトウモロコシの干ばつ被害により
再び活気づいてくるようになるだろう。
自給率の低い日本は、アメリカの食料が無くなると、
ちょっとこれは、ひどい状況に追い込まれるだろう。
ご飯は一粒残さず、食べるようにしよう。
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