食前食後にご服用

恵方巻きのルーツを考えてみた

　２月３日は節分で、豆まきをする家族も多いと思う。

子供の頃は、豆まきをした後の豆を一生懸命拾い集め、

年の数だけ食べるんだよ、と言われながらも、

拾い集めるだけ拾い集め、家族で分けあって食べたものだ。

玄関や窓を全開にし、

「鬼は外、福は内」と父親が言いながら、豆をまいた。

「恵方巻き」？

そんなものは福岡では、聞いたことが無かった。

少なくとも私は無い。

一体、どこの誰が「恵方巻き」と言う物を流行らせたのだろうか。

もちろん、食品メーカーであり、お寿司屋さんであり、

食べ物関係者であることは間違いないと思う。

豆だけで十分である。

　なんでも大阪の方が発祥らしいが、

そもそも海苔巻き１本を、縁起のいい方向を向いて、

目を閉じて願い事を思い浮かべながら、

無言で丸かぶり（丸かじり）するなんて、

一体誰が思いつくだろう。

しかもご丁寧に、商売繁盛を願い、七福神にちなんで

かんぴょう、キュウリ、シイタケ、だし巻、ウナギ、でんぶ

などの7種類の具を入れる、とウィキペディアにある。

（残りの１種類は何だ、とは思うが）

恵方とは、歳徳神の在する方位（すなわち恵方）といい、

その方角に向かって事を行えば、万事に吉とされるらしい。

で、今年の恵方は、南南東やや右である。

正確に言うと、北を０度とすると、右に１６５度の方向である。

時計でいうと５時半の方向、だから南南東やや右となる。

　で、恵方巻きだが、なるほど確かに縁起物としてやれば、

やらないよりはやった方が良いと思うに違いない。

しかも海苔巻きであれば、

そう年から年中売れるものでもないので、

バレンタインデーとおなじで、季節商品にすれば、

節分になれば売れるというのは、

なかなかに、いいところに目を付けたものである。

便乗商品としては、ロールケーキや、

ケンタッキーのツイスター等がある。

丸いものは、何でもみんなＯＫらしいようだ。

さらに調べてみると、なるほどと思われるものがあった。

　これはウィキペディアにもあったが、他のサイトにもあった。

それは大阪船場の旦那衆が節分の日に行っていた、

遊女に巻きずしを「丸かぶり」させる

お大尽遊び（花魁遊び）を元とする一説だ。

　これならわかる。

暇を持て余した旦那衆が、遊女に海苔巻きを

男性のあれに見立てて「丸かぶり」させる、

そして、恥ずかしがっている姿を見て喜ぶという図式だ。

　これならわかるが、しかし、

それが恵方巻きに変化していった経緯が謎だ。

しかし考えてみると、

男性の頭はエロでできているのだ。

ビデオデッキが普及したのも、パソコンが普及したのも、

全てエロが見え隠れしている。

これは決して私がそうだったからではない。

あくまでも一般的な認識として言ったまでである。

　これはあくまでも仮説なのだが、

何とか海苔巻きを遊女に丸かぶりさせたい、という思いが、

旦那衆をこれほどまでに必死にさせたのだろう。

「これは縁起ものだから、

縁起のいい方向にむいて食べるものだから、

決していやらしい気持ちで行っている訳ではない、

食べる時には目を閉じて願い事を心の中で言うのだよ、

目を閉じるのは、決していやらしい気持ちでは無いよ、

ちゃんと神様に願いを聞き届けてもらう為だよ、

そして、１本丸ごと食べるのだよ」

　そうやって旦那衆は楽しんでいたのだが、

しかし、純粋にその事を信じたある信心深い遊女が、

別の人に伝え、おぉ、それはいいことだ、と

また別の人に伝え、

しまいには、男性も遊女と同じように、

縁起のいい方向を向き、目を閉じて、願い事をしながら

海苔巻きにパクついたのであった。

男性が海苔巻きを食べている姿を見た旦那衆は、

これをどう思ったのかわからないが、

その遊びを止めてしまったのだろう。

だからずっと、この恵方巻きは廃れていたのだと思う。

そして、その廃れた恵方巻きに近年目を付けたのが、

海苔業界であり、寿司業界であり、外食産業なのだろう。

１０年くらい前から、皆で食べよう恵方巻き、

コンビニ等で売り始めたような気がする。

いずれにしても、テレビの力、コマーシャルの力は

巨大なものだと思ってしまう。

さて、これが恵方巻きのルーツだと思うのだが、

どうだろうか。