アスペ嫁と苦悩夫の奇妙な冒険

自己犠牲を美徳化しないで、
どのように向き合っていくかについては、
一朝一夕で出来るものではありません。

ある意味、小さい頃から、親の教育の一環と称し、
人様に迷惑をかけるな！人の為になることをしろ！
と洗脳されてきた面が多分にあるわけで、
その呪縛を簡単にとるというのは難しいものなわけです。

心理学でいう自己犠牲とは、相手のためというより、
相手のためにこんなに無理して頑張っちゃって、
本当に自分って凄いのね！という自己愛（ナルシスト）
的な側面を持つそうです。

本来、相手のために自分がやりたくてやったのであれば、
その善意が感謝として帰ってこなくても良いはずなのです。

結果的に、自分がやりたくてやったわけだし、
どうしてもやりたくなければ、やらないということも
自分自身が選択することも出来たはずなのです。

やはり、褒められたい、評価されたい、称賛されたい、
見栄、プライド、などなど人目を気にするような事ばかり、
しつこく思ってしまう場合は、無意識領域の中で、
行動の原点が良いことをしようとか、
評価されることをしようという思考が出来上がっています。

逆を言えば、
｢評価されないなら、行動しない｣ということです。

それゆえ、ＡＣの人は、自分のこととなると行動が
もの凄く鈍くなるのです。

腰が重いってやつです。

自分のことを自分で良く評価しているＡＣの人は
あまりいないので、自分が自分を良く評価しない、
駄目な人だと思っていればいるほど、自分のことは
後まわしになってしまうという心理がでてきます。

アスペの思考は、相手が自己犠牲でやってくれている
という発想は持ちにくいので、何も言わないけど、
気の利いたことをやってくれた。ぐらいにしか思ってません。

そして、アスペは1度やってあげたり、世話してあげたり、
物をあげたり、お金をあげたりすると、次も同じようにしてくれ
るだろうという思考が定着してしまうことがおおいのも難点です。

前回もやってくれたから、今回もやってくれると思っているので、
ただでさえ不得意な感謝の表現や言葉がより薄くなったり、当たり前に
思っているように相手へ感じさせてしまうと言う現象が起こります。

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相手の目線からでしか自分を見ることが出来ないＡＣ。
ゆえに、人の言葉に一喜一憂させられる事も多いです。

ただ、相手の目線や相手の言っていることは、あくまで
その人の主観で思っていることなのです。

仮に、
｢あなたって冷たいよね｣と言われたとしても、
それはその人から見たらそう見えると言うことで、
実際に、自分が冷たい人間になってしまうわけでは
ありません。

そして、ＡＣは極端な場合、1人がネガティブな事を
いうと、他の人たちもそう思っているだろうという
思考の罠に陥ります。

これは妄想です。

もちろん、自分の行いが本当に悪いときも
あると思いますが、その時は改善すれば良い
だけです。改善はＡＣは大の得意なはずです。

1人1人、考えていることは微妙に異なりますし、
価値観だって全く同じという人はこの地球上に
1人もいないと思います。

同じＤＮＡをもつ兄弟、姉妹であっても、
一卵性双生児であっても、考え方や価値観は
似ていることはあったとしても、1人1人異なります。

そう考えると、人の価値観や評価にばかり引っ張り回されて、
生活していくと言うことが、いかに難しいことで、もの凄く、
矛盾したことであることがわかるのではないでしょうか。

正直、カメレオンにでもなれないと、周りから見て
良いと思われる色に変化する事は出来ません。

しかし、対する人によって、自分の体の色を変えるという
ことは、本当の自分自身が自分でもわからなくなるということ
でもあります。

自己犠牲を打破するには、やはり自分と向き合うこと
が最短ルートのようです。




自分は本当はやりたくないけど、貴女見てられないから、
仕方ないけどやってあげる、世話してあげる。

でも、世話してあげないと大変なことになる。
嫌われちゃうかもしれない。何て言う人がいるかも
しれません。

大変なことになるなら、大変なことになって相手に
自覚してもらうべきです、ＡＣのあなたがそこまでする
必要は無いのです。

それで、嫌われてしまうのであれば、それまでの
関係だったとむしろ言えるのではないでしょうか。

アスペ嫁の場合は、色々面倒くさいことを世話したり、
やってあげても、そんなに感謝もしませんが、逆に、
私が世話をしなかったり、やってあげなかったとしても
文句を言うと言うことはほとんどありません。
（まあ、なにを話して良いかわからないような頭ですので、
細かい思考は詮索できませんが。）

そう考えると、今までたくさんの物を抱えて
担ごうとしているＡＣは多いと思いますが、
そういうことは卒業していこうと言う話です。

相手のためで無く、自分は本当はどうしたいか？
と言う気持ちをもっと大切に受け止めて、本当は
どうしたいかという行動をなるべくとるような生活を
心がけたいものですね。

「自分のために生きていける」ということ (だいわ文庫) (文庫) / 斎藤学