2024年10月11日
1350番:雄鶏が鳴いたのよ(12)
雄鶏が鳴いたのよ(12)
Un Coq Chanta
−−−−−−−−−【12】−−−−−−−−−−−−−−
Mᵐᵉ d'Avancelles, par malice, retint le
baron près d'elle, s'attardant, au pas, dans
une grande avenue interminablement droite
et sur laquelle quatre rangs de chênes se
repliaient comme une voûte.
−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−
ダヴァンセル夫人は悪意をもって、男爵を自分の
そばに引き止めた.馬を並足にしてぐずぐずし、延
々と真っすぐに延びる4列の樫がアーチのように曲
がっている並木道を進んでいました.
−−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−
malice:(f) ❶茶目っ気、からかい、いたずら、
❷悪意
par malice:悪意から
retint:(直単過/3単) < retenir (他)
retenir:(他) 引き止める
s'attardant:(p.pré) < s'attarder 手間取る
attarder:(他) 遅らせる
au pas:並足で;cheval qui va au pas / 並足で行く馬
avenue:(f) 並木道、(都会の)大通り
interminablement:[アンテルミナーブルマン] 果てしなく、
長々と、延々と
droit, e:(形) まっすぐな
quatre:(数形容詞) 4の、4つの
rang:(m) (横の)列;
quatre rangs:4列の
chêne:(m) コナラ(樫、柏、ナラなど)
se repliaient:(直半過/3複) < se replier
se replier:(pr) ❶折れ曲がる、折りたたまれる、
くねる、うねる、
❷退却する、後退する
voûte:[ヴート](f)⦅建築⦆円天井、アーチ型天井、
穹窿(キュウリュウ)
1349番:雄鶏が鳴いたのよ(11)
雄鶏が鳴いたのよ(11)
Un Coq Chanta
−−−−−−−−−【11】−−−−−−−−−−−−−−
Les chasseurs partirent. Le sanglier dé-
busqué fila, suivi des chiens hurleurs, à
travers des broussailles; et les chevaux se
mirent à galoper, emportant par les étroits
sentiers des bois les amazones et les ca-
valiers, tandis que, sur les chemins amollis,
roulaient sans bruit les voitures qui accom-
pagnaient de loin la chasse.
−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−
狩人たちは出発しました.追い出されたイノシシ
が矢のように走り逃げました.遠吠えする猟犬たち
が藪を通り抜け、その後を追いました;夫人を乗せ
た馬も、狩人を乗せた馬もギャロップで狭い森の小
道を駆け出しました.一方、遠くから狩猟に付き添
っていた馬車は音を立てず柔らかい土の道を進んで
いった.
−−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−
chasseur:(m) 狩人、狩猟者
partirent:< partir (自) 出発する
sanglier:(m) イノシシ
débusqué:(p.passé) < débusquer (他) 追い出す
débusquer:(他) (獲物・敵を〜から)追い出す
fila:(直単過/3単) < filer (自) 矢のように走る、
急いで行く
suivi:(直単過/3単) < suivre
suivre:(他) 〜の後についていく、〜に続く
hurleur, se:(形) 遠吠えする、わめき立てる
à travers:(前句) 〜を通り抜けて、を通して;
à travers champs / 野原を通って
broussaille:[ブルーサイユ](f)【多くは複数】
イバラ(茨)、灌木などの茂み、やぶ
chevaux:(pl) < cheval (m) 馬
mirent:< mettre (他)
se mettre à + 不定詞:〜し始める
se mirent à + 不定詞:(直単過/3複) 〜し始めた
galoper:(自) (馬が)ギャロップで走り出す
emportant:(p.pré) < emporter (他) 運ぶ
étroit, e:(形) 狭い; rue étroite / 狭い通り
sentier:(m) 小道
bois:(m) 森
amazone:(f) 馬に乗った女、
cavalier, ère:(n) 馬の乗り手、騎乗者、騎手
tandis que:❶【同時】〜する間に、している時に;
❷【対立】〜であるのに、に反して、
しかるに、一方;
sur les chemins:道を
amolli:(p.passé) < amollir (他) を柔らかくする、
柔弱にする
roulaient:(直半過/3複) < rouler (自) 転がる、
accompagnaient:(直半過/3複) < accompagner (他)
〜と一緒に行く、付き添う、お供をする
de loin:遠くから
chasse:(f) 狩、狩猟、猟の獲物
1348番:雄鶏が鳴いたのよ(10)
雄鶏が鳴いたのよ(10)
Un Coq Chanta
−−−−−−−−−【10】−−−−−−−−−−−−−−
Dès l'aurore, il fut debout pour re-
connaître où le solitaire s'était baugé. Il
accompagna ses piqueurs, disposa les re-
lais, organisa tout lui-même pour préparer
son triomphe; et, quand les cors sonnè-
rent le départ, il apparut dans un étroit
vêtement de chasse rouge et or, les reins
serrés, le buste large, l'œil radieux, frais
et fort comme s'il venait de sortir du
lit.
−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−
男爵は夜明けとともに跳び起きて、猪が隠れ棲む
場所を探索しました.男爵は猟犬係たちも連れて行
き、出動出番と交替の手はずを整え、自分自身で大
勝利へのシナリオを準備しました.狩猟の開始合図
の笛が鳴ると、男爵は赤と金色のぴったりした狩猟
用上着を着て、締まった腰、広い胸、目覚めたばか
りのような溌剌として輝く、きりっとした目をして
現れたのである.
−−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−
dès:(前) 〜からすぐに
dès l'aurore / 夜明けからすぐに
aurore:[オロール](f) あけぼの、明け方、夜明け
se lever à l'aurore / 夜明けに起きる
debout:(副) ❶立って;❷起きて
reconnaître:(他) ❶それと分かる、見分ける、認める;
❷(土地を)調査する、探査する、
❸(敵を)偵察する
solitaire:(m) ❶隠者、出家者;
❷(群れから離れた)猪
baugé:(p.passé) < se bauger (pr)
se bauger:(pr) (猪などが)巣にこもる
accompagna:(直単過/3単) < accompagner (他)
accompagner:(他) (人と)一緒に行く
piqueur:(m) 猟犬係
disposa:(直単過/3単) < disposer (他) 並べる、
配置する、整理する、準備する
relais:(m) (作業の)交替、引継ぎ
organisa:(直単過/3単) < organiser
organiser:(他) ❶組織する、組織化する、編成する
❷準備する、整える、段取りを考える
préparer:(他) ❶準備する、用意する、支度する;
❷(計画などを)立てる、練る、計画する
triomphe:[トリヨンフ](m) 大成功、大勝利、圧勝
cor:[コール](m) ホルン、角笛、
cor de chasse / 狩猟用ラッパ
jouer du cor / ホルンを吹く
sonnèrent:(直単過/3複) < sonner (自)
sonner:(自) (鐘、ベルが)鳴る、
(他) 〜を鳴らす、〜を告げる
Le cor sonner le départ / 角笛が開始を告げる.
départ:❶出発、発車; ❷開始、始まり
apparut:(直単過/3単) < apparaître (自)
apparaître:(自) 現れる、見えるようになる、
出現する、姿を現す
étroit, e:(形) 狭い、(服が)ぴったりした
vêtement:(m) 【単数】上着、コート;
【複数】衣服、衣類、
vêtement de chasse:狩猟用の上着
rein:(m)【単数】腎臓;
【複数】腰
serré, e:(形) ぎっしり詰まった、ぎゅっと絞られた
buste:(m) 上半身、胸
œil:❶目;❷視線、❸目つき
radieux, se:(形) ❶(太陽が)光り輝く、
❷喜びに満ちた
frais, fraîche:(形) ❶涼しい、❷新鮮な、
❸溌剌とした、若々しい、みずみずしい
fort, e:(形) 強い、
s'il venait de sortir du:
ベッドから飛び出てきたかのように
これは œil を説明する語句なので、それに
合わせて変形します→「目覚めたばかりの」
frais: さわやかな
œil : まなざし
dans ~ :〜といういで立ちで
apparut:現れたのである.
−−−−−−−−−≪注意≫−−−−−−−−−−−−−−
英語畑のかた、rein は「手綱」ではありません.
il apparut....les reins serrés / 彼は手綱を握って現れた
のではありません.どこにも馬は書かれていませ
ん.ぎゅっと締まった腰...そんな姿で現れたと
書かれています.
ちなみに「手綱」はフランス語ではbride (f)
もしくはrênes (f/pl) になります.
(馬の)手綱をとる:tenir un cheval par la bride.
〜の手綱を締める:serrer la bride à ~
1347番:雄鶏が鳴いたのよ(9)
雄鶏が鳴いたのよ(9)
Un Coq Chanta
−−−−−−−−−【9】−−−−−−−−−−−−−−
Une grande chasse allait avoir lieu. Et,
la veille, Mᵐᵉ Berthe avait dit, en riant,
au baron: ≪ Baron, si vous tuez la bête,
j'aurai quelque chose pour vous, ≫
−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−
狩猟大会が開催されようとしていた.その前日に
ベルト夫人は男爵に笑いながら言っていました:
「ねえ、男爵様、あなたが獲物をしとめれば、
ご褒美として何かあなたにして差し上げますわ.」
.−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−
la veille:(副句) 前日に
.−−−−−−−≪ひとこと≫−−−−−−−−−−−−−−
j'aurai quelque chose pour vous. ですが comme un prix
をつけて訳せば、自然な日本語になると思います.
ただし試験本番でこういう和訳が課せられたら、
付け足しは避けたほうが無難です.
1346番:雄鶏が鳴いたのよ(8)
雄鶏が鳴いたのよ(8)
Un Coq Chanta
−−−−−−−−−【8】−−−−−−−−−−−−−−
Il s'était souvenu de cette parole rieuse
et hardie; et, chaque jour, il insistait
davantage, chaque jour il avançait ses ap-
proches, il gagnait un pas dans le cœur
de la belle audacieuse qui ne résistait
plus, semblait-il, que pour la forme.
−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−
男爵は夫人のふざけたような大胆な言葉を屡々
思い起こしていました:そして日々是彼は夫人
に言い寄り、日々是歩みを彼女に寄せ、男爵は
この大胆な美人奥方の心の中に1歩の踏み入り
を勝ち取った.夫人はもはや形式的な抵抗しか
しないように見えたのでした.
.−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−
se souvenu:(p.passé) < se souvenir (pr)
se souvenir de ~:〜を覚えている、思い出す
parole:(f) 言葉、文句
rieur, rieuse:[リュール, リューズ](形) ❶笑う、よく笑う
陽気な、にこやかな;
❷[古] 嘲笑する、からかうような
†hardi, e:(形) 大胆な、思い切った
insistait:(直半過/3単) < insister (自) 言い続ける、
固執する、しつこく言う、言い寄る
davantage:(副) それ以上に、いっそう;
Vous devriez manger davantage. /
あなたはもっと食べないといけません.
Paul est travailleur, mais Jean l'est davantage
encorfe. / ポールも勤勉だが、。ジャンは
もっと勤勉だ.= Jean est encore plus travailleur.
【davantage travailleur とは言わない】
avançait:(直半過/3単) < avancer (自/他) 前に出る、
進める、進捗する、
approche:(f) 近づくこと、接近、アプローチ
gagnait:(直半過/3単) < gagner (他) 得る、稼ぐ、
勝つ、儲ける、獲得する、到達する
un pas:1歩:
il gagnait un pas. / 彼は1歩を達成した.
dans le cœur de la belle:その美女の心の中に
il gagnait un pas dans le cœur de la belle. /
彼はその美女の心の中に1歩の踏み入れ
を勝ち取った.
audacieux, se:(形) 大胆な、大胆不敵な
résistait:(直半過/3単) résister (自)
résister:(自) [à に] 抵抗する、さからう、耐える
pour la forme:形式上、ただ形だけ、儀礼的に、
forme:(f) 形、形式
consulter qn juste pour la forme /
(人)に一応形だけ相談する.
1345番:雄鶏が鳴いたのよ(7)
雄鶏が鳴いたのよ(7)
Un Coq Chanta
−−−−−−−−−【7】−−−−−−−−−−−−−−
Un soir, dans une fête, au dernier
printemps, Mᵐᵉ d'Avancelles avait répondu
à M. De Croissard qui la harcelait de
ses prières: ≪ Si je dois tomber, mon
ami, ce ne sera pas avant la chute des
feuilles. J'ai trop de choses à faire cet
été pour avoir le temps. ≫ .
−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−
この前の春のとある夕べの宴で、ダヴァンセル
夫人はしつこく自分に言い寄るド・クロワサール
男爵に返答していました.「ねえ男爵さん、仮に
私があなたに恋に落ちるとすれば、落ち葉の季節
の前じゃないわよ.この夏はすることが山ほどあ
りますのよ.とても恋に落ちる時間はございませ
んわ.」
−−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−
au dernier printemps:過ぎし今年の春;(今は夏)
この場合のdernier は「最後の」ではなく、
「最近の」の意味になります.なので
「晩春に」と訳すためにはau fin du printemps
とか au dernier jours du printemps になります.
†harcelait:(直半過/3単) < harceler
†harceler:(他) しつこく言う、休みなく言い続
ける.悩ます、いらだたせるほど繰り返す.
英語のharass に相当する
la harcelait:この la はダヴァンセル夫人のことで
男爵がしつこくいいよっていた.
prière:(f) ❶祈り、祈祷; ❷願い、頼み、懇願
ここでは❷の懇願.
懇願=ぼくの女になってくれ
de ses prières:懇願をもって
la harcelait de ses prières:懇願をもって彼女に言い
寄っていた.
Si je dois tomber:もし私が落ちるとすれば
このdois (devoir) は「〜することになる」
(運命・予定・宿命)を表す;フランス語
では助動詞分類ではないが、英語のshould
に相当する語.
mon ami:(呼びかけとか言い出し、言い終わり)
ねえあなた、あのさあ、〜なのよね.
ce ne sera pas avant la chute des feuilles:
それは(私があなたに落ちるのは)
枯葉の落ちる季節の前ではないことよ.
(sera = être の単純未来3単)
pour avoir le temps:時間をもつためには
J'ai trop de choses à faire:あまりにも多くのすべき
ことがあります.
J'ai trop de choses à faire pour avoir le temps:
忙しくてそんな時間はありませんわ.
le temps:そんな時間=あなたに恋する時間
cet été;(副句) この夏は .
1344番:雄鶏が鳴いたのよ(6)
雄鶏が鳴いたのよ(6)
Un Coq Chanta
À René Bollote
−−−−−−−−−【6】−−−−−−−−−−−−−−
C'était l'automne. la saison rousse. Les
feuilles voltigeaient sur les gazons comme
des volées d'oiseaux. On sentait traîner
dans l'air des odeurs de terre dévêtue,
comme on sent une odeur de chair nue,
quand tombe, après le bal, la robe d'une
femme.
−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−
秋だった.紅葉の季節だ.ひらひらと落ち葉が
芝生の上に、小鳥たちが飛び交うように舞ってい
た.樹木という衣服を脱ぎ捨てた大地が土の香り
を漂わせていた.ダンスのあとで、女性が服を脱
ぎ捨て、生身の体がにおいをだすようなものだ.
−−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−
roux, rousse:[ルー, ルッス](形) (髪が)赤い、赤毛の
cheveux roux / 赤毛
feuille:[fœj, フィユ](f) 葉
voltigeaient:(直半過/3複) < voltiger (自)
voltiger:(自) (蝶、小鳥が)飛び回る、
ひらひら飛び交う、風にはためく
gazon:(m) 芝、芝生.
volée:(f) ❶(鳥が)飛ぶこと、❷鳥の一群
oiseau (複_x):[ゥワゾー](m) 鳥
sentait:(直半過/3単) < sentir (他) 感じる
traîner:(他) 引く、引っぱる;
(自) ❶(裾などが)引きずる、❷ ぐずぐずする、
❸散らばっている、散乱している。
❹なかなか消えない、残存する
odeurs:[オドゥール](f) におい、臭気、香り
terre:(f) ❶地球;❷陸;❸地面、大地、地表;
❹土壌、土
dévêtu, e:(形、p.passé) 服を脱いだ
< dévêtir (他) 服を脱がす
sent:(直現/3単) < sentir (他) 感じる
des odeurs de terre dévêtue:服を脱いだ大地のにおい
→ 青葉の無くなった湿った土だけのにおい
chair:(f) (人や獣の)肉、身;
chair vive / 生身
nu, e:(形) 裸の
1343番:雄鶏が鳴いたのよ(5)
雄鶏が鳴いたのよ(5)
Un Coq Chanta
À René Bollote
−−−−−−−−−【5】−−−−−−−−−−−−−−
Tout le jour, les chiens courants hurlaient par
les bois à la suite du renard et du sanglier, et,
chaque soir, d'éblouissants feux d'artifice allaient
mêler aux étoiles leurs panaches de feu, tandis
que les fenêtres illuminées du salon jetaient sur
les vastes pelouses des traînées de lumière où pas-
saient des ombres.
−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−
一日中、猟犬がキツネやイノシシを追いかけなが
ら森中を走り回り、遠吠えをあげていた.そして毎
晩花火が上がり、その花火の大輪に星たちを混ぜ入
れるのでした.同時に客間の明るい窓は広大な芝地
に幾条もの光の筋を投げかけ、通り過ぎる人影を見
せていた.
−−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−
tout le jour:1日中 [トゥ ル ジュール]
tous les jours:毎日 [トゥ レ ジュール]
toute la journée:1日中ずっと [トゥート ラ ジュルネ]
chien, ne:(n) 犬;ここでは猟犬(chien de chasse)
hurlaient:(直半過/3複) < hurler
†hurler:[ユルレ](自) (犬、狼が)遠吠えする
renard:(m) キツネ
sanglier:(m) イノシシ
chaque soir:(副句) 毎晩
éblouissant, e:[エブルイサン, サーント](形) ❶まぶしい、
lumière éblouissante / まぶしい光
❷まばゆいばかりの、絢爛たる;
beauté éblouissante / まぶしいばかりの美しさ
feux:(m/pl) < feu (m) 火
artifice:(m) ❶策略、計略;❷feu d'artifice 花火
allaient:(直半過/3複) < aller
mêler:(他) 混ぜる
étoile:(f) 星
panache:(m) 羽根飾り (軍帽などの);
panache de fumée:もくもく立ち上がる煙
panache des feux d'artifice:ぱっと開く花火の輪
tandis que:[同時] ❶〜しながら、〜する間に;
[対立] ❷〜であるのに、しかるに一方
illuminé, e:(形) 照明された、
salon:(m) 応接間、居間、サロン
jetaient:(直半過/3複) < jeter (他) 投げる
vaste:(形) 広い、広大な.
pelouse:[プルーズ](f) 芝生、芝地
traînée:(f) ❶細長い跡;❷(運動体の引く)尾;
traînée lumière d'une comète / すい星の尾
passaient:(直半過/3複) < passer
ombre:(f) 陰、日陰、影、暗闇、人影
本文では「人影」
1342番:雄鶏が鳴いたのよ(4)
雄鶏が鳴いたのよ(4)
Un Coq Chanta
−−−−−−−−−【4】−−−−−−−−−−−−−−
Elle n'avait encore rien accordé cependant.
Le baron se ruinait pour elle. C'étaient sans
cesse des fêtes, des chasses, des plaisirs nou-
veaux auxquels il invitait la noblesse des châ-
teaux environnants.
−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−
けれども夫人はまだ身を許してはいませんでした.
男爵は彼女のために全財産をつぎ込んでいた.ひっ
きりなしに宴会や狩猟を催したり、新たなる遊び事
を催したりしては周辺の邸宅に住む貴族たちを招待
していた.
−−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−−
accordé:(p.passé) < accorder (他) [à に]
認める、許す、与える
cependant:(接) しかしながら、にもかかわらず、
se ruinait:(直半過/3単) < se ruiner (pr) 破産する
ruiner:(他) 破産させる、破滅させる.
sans cesse:ひっきりなしに
fête:(f) 催し、祝宴、お祝いのパーティー
chasse:(f) 狩り、狩猟
plaisirs:(m/pl) 楽しみ事、娯楽、遊び事
< plaisir (m) 喜び、たのしみ
nouveaux:(形m/pl) < nouveau (形) 新しい
plaisirs nouveaux:新たなる遊び事
invitait:(直半過/3単) < inviter (他)
noblesse:(f) 貴族階級
châteaux:(f/pl) < château (f) 城、城館
environnant, e:(形) 周囲の、周りの
1341番:雄鶏が鳴いたのよ(3)
雄鶏が鳴いたのよ(3)
Un Coq Chanta
À René Bollote
−−−−−−−−−【3】−−−−−−−−−−−−−−
Mᵐᵉ d'Avancelles était au contraire une grande
jeune femme brune et déterminée, qui riait d'un
rire sonore au nez de son maître, qui l'appelait
publiquement ≪ madame Popote ≫ et regardait d'un
certain air engageant et tendre les larges épaules
et l'encolure robuste et les longues moustaches
blondes de son soupirant attitré, le baron Joseph
de Croissard.
−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−
ダヴァンセル夫人は、その反対で背の高い、うら
若い栗色の髪の女性で、毅然とした性格をしていた.
旦那が夫人のことを主人の面前で「炊事夫人」と呼
んだりすると、夫人は高笑いに笑ったりしていた.
また誘惑するようなやさしい感じで彼女に入れ込ん
でいるジョセフ・ド・クロワサール男爵の広い肩や、
頑強そうな首筋、さらに長いブロンドの口ひげなど
を眺めたりするのだった.
−−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−−
d'Avancelles:(苗字) ダヴァンセル;de が冠されると
貴族名になる.日本では平安貴族時代に平
清盛、源頼家など貴族名のしるしに「の」
をつけて呼んだのと同じ.小野小町を
「おのこまち」とは言いません.貴族名
で、「おののこまち」といいます.
au contraire:反対に、逆に、それどころか
brun, e:[ブラン, ブリュヌ](形) 褐色の、焦茶色の、
褐色の髪の、栗色の髪の
−−質問:亜麻色の髪ってどんな色?
−−ゴタ:黄土色やぞ.brun よりちょっと黄色っ
ぽい.
déterminé, e:(形) 明確な、一定の、断固とした
riait:(直半過/3単) < rire (自) 笑う
rire:(過分= ri)(直現) ris, ris, rit, rions, riez, rient
リ, リ, リ, リオン, リエ, リ
(直半過) riais, riais, riait, riions, riiez, riaient
リエ, リエ, リエ, リイオン, リイエ, リエ
sonore:[ソノール](形) よく響く
nez:[ネ](m) 鼻;
au nez de qn 〜の面前で
maître, maîtresse:[メートル, メトレス] (n) 主人
appelait:(直半過/3単) < appeler (他) 呼ぶ
publiquement:(副) 公然と、公に、公衆の面前で
popote:(f) 炊事、
madame Popote:(f) 炊事夫人
regardait:(直半過/3単) < regarder (他)
air:(m) 様子、外観、態度;
d'un certain air ~:ある〜な様子で
Il me regarda d'un air fâché. / 彼は
むっとした様子で私を見た.
engageant, e:[アンガジャン, ト](形) 心を引く、
感じのよい、魅力的な
tendre:(形) やわらかい
épaule:(f) 肩; Il est large d'épaules. /
Il a les épaules larges. / 彼は肩幅が広い.
encolure:[アンコリュール](f) 首、服の襟空き
robuste:[ロビュスト](形) 頑強な、丈夫な
moustache:(f) 口ひげ
blond, e:(形) 金髪の、ブロンドの、
Elle a les cheveux blonds. / 彼女は金髪だ.
soupirant, e:(形) (恋の)ためいきをつく
ここでは名詞として soupirant (m) 恋する男
soupirant:[古風表現](m) 恋する男
soupirer:(自) ❶ため息をつく;❷[文] (pour を)
恋い慕う、(après を)熱望する;
soupirer pour une femme / 女に恋こがれる
soupirer après le bonheur / 幸福を追い求める
attitré:(p.passé) < attitrer (他)
attitrer: (他) 引き寄せる、引きつける
baron:(m) 男爵
Joseph de Croissard:ジョセフ・ド・クロワサール
le baron と同格、「ジョセフ・ド・クロワサ
ール男爵」と訳す.
regardait の目的格補語は.間が離れているので、
注意が必要.d'un certain air 以下のごちゃごちゃ
した言葉はすべてregardaitの付帯状況で目的語
は les larges épaules et l'encolure robuste et les
longues moustaches blondes de son soupirant attitré,
さらに同格のle baron Joseph de Croissard です.
1340番:雄鶏が鳴いたのよ(2)
雄鶏が鳴いたのよ(2)
Un Coq Chanta
À René Bollote
−−−−−−−−−【2】−−−−−−−−−−−−−−
Le mari, M. D'Avancelles, ne voyait rien,
ne savait rien, comme toujours. Il vivait,
disait on, séparé de sa femme, pour cause
de faiblesse physique, que Madame ne lui
pardonnait point. C'était un gros petit hom-
me, chauve, court de bras, de jambes, de
cou, de nez, de tout.
−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−
夫のダヴァンセル氏は相変わらず何も見えず、何
も知らなかった.彼は噂によると、身体の虚弱ゆえ
に奥方とは別居生活をしていたとのこと.奥方には
夫の虚弱な体がどうにも許せないのだという.夫は
太っていて、背は低く、頭は禿、手足は短く、首も
鼻も、何もかもが短かった.
−−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−−
vivait:(直半過/3単) < vivre [ヴィーヴル](自) ❶生きる、
生きている;❷暮らす、生活する、。住む
disaiton:辞書不掲載語.今回これはkindle 側の入力
ミスで、これは「挿入句. disait on ~
「〜という噂だった」の意味になります.
séparé:(形) 分離された、別の、[de から]別れた
< séparer (他) 分ける、分離する.
Elle sépare ses cheveux sur son front.
彼女は髪を額で分ける
cause:[コーズ](f) 理由、原因
faiblesse:[フェブレス](f) 弱さ、虚弱
physique:(形) 身体の
que:(関係代名詞) [先行詞はfaiblesse physique]
faiblesse physique:身体の弱さ、虚弱な体
pardonnait:(直半過/3単) < pardonner (他) 許す
ne ~ point:少しも〜ない
gros, e:(形) 太った、
chauve:(形) 禿げた
court, e:[クール, クルト](形) 短い
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Kindle for PC:Maupassant Nouvelles et contes
(French Edition)
「おんどりが鳴いたのよ」
(訳本はちくま書房)『モーパッサン短篇集』より
訳本の訳と学習の訳とは必ずしも一致しません.
翻訳は文学作品ですから、文法よりも作品とし
てどうかを問題にしますが、学習訳は不自然な
場合でも文法理解に沿った訳になるからです.
そして原文が長文になる場合は、適当に切ると
いう点は同じです.
1339番:雄鶏が鳴いたのよ(1)
雄鶏が鳴いたのよ(1)
Un Coq Chanta
À René Bollote
−−−−−−−−−【1】−−−−−−−−−−−−−−
Madame Berthe d' Avancelles avait jusque- là re-
poussé toutes les supplications de son admirateur
désespéré, le baron Joseph de Croissard. Pendant
l' hiver à Paris, il l' avait ardemment poursuivie, et
il donnait pour elle maintenant des fêtes et des
chasses en son château normand de Carville.
−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−
ベルト・ダヴァンセル夫人は、これまで彼女の熱烈な讃
美者、ジョゼフ・ド・クロワサール男爵から求愛を受け
ていたが、すべて拒絶してきた.男爵はパリで冬を過ご
す間、熱心に夫人を追尾していて、そしてノルマンディ
ーでは、今度は彼女のためにカルヴァルにある彼の城で
宴を催したり、また狩猟にも招待したりしていた.
−−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−−
jusque-là:そこまで、その時まで
repoussé:(p.passé) < repousser (他) @押し返す;
❷拒絶する、はねつける、退ける
supplication:(f) 懇願、哀願
admirateur(trice):(名) 讃美者、ファン
désespéré(e):(形) 必死の、死に物狂いの
baron(baronne):(名) 男爵
Joseph de Croissard:(人名)(人名にdeがあると貴族)
ardemment:[アルダマン](副) 熱心に
poursuivi(e):(p.passé) la が先行しているので女性一致.
< poursuivre (他) 追いかける、追い回す、
追跡する
fête:(f) 祭、祝宴、宴会、パーティー、催し
chasse:(f) 狩り、狩猟
château:(m) 城、城館、館
normand(e):(形) ノルマンディー(地方)の、
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【フランス語テキスト】
Kindle for PC:Maupassant Nouvelles et contes
(French Edition)
【訳本】
『モーパッサン短篇集』より「おんどりが鳴いたのよ」
(ちくま書房)