2024年10月21日
1393番:雄鶏が鳴いたのよ(36)
雄鶏が鳴いたのよ(36)
Un Coq Chanta
−−−−−−−−【36】−−−−−−−−−−−−−−
Il dormit du lourd sommeil, de l'invin-
cible sommeil des chasseurs exténués. Il
dormit jusqu'à l'aurore.
Tous à coup, la fenêtre étant restée
entr'ouverte, un coq, perché dans un arbre
voisin, chanta. Alors brusquement, surpris
par ce cri sonore, le baron ouvrit les
yeux.
..−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−
男爵は眠気が重く押し寄せた.疲れ果てた猟
師たちの眠気は重く、耐えきれず寝入ってしま
いました.そして夜明けまで眠り続けました.
突然、窓が少し開いていたため隣の木の枝に
止まっていた雄鶏が鳴いた.それでこのよく響
く鳴き声に驚いて不意に男爵は目を覚ましまし
た.
−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−
lourd, e:[ルール, ルルド](形) 重い、重くのしかかる、
yeux lourds de sommeil /
(眠気で)重くなったまぶた.
sommeil lourd / 深い眠り、熟睡
invincible:[アンヴァンスィブル](形) ❶無敵の、不敗の、
不屈の:❷克服できない、乗り越えられない
chasseur, se:(n) 猟師
exténués:(p.passé/pl) < exténuer
exténuer:(他) くたびれさせる
entr'ouvert, e:(形) 少し開いた;
porte entrouverte / 少し開いたドア
brusquement:(副) 不意に、急に
sonore:[ソノール](形) よく響く
1392番:雄鶏が鳴いたのよ(35)
雄鶏が鳴いたのよ(35)
Un Coq Chanta
−−−−−−−−【35】−−−−−−−−−−−−−−
Elle ne revenait point, pourtant; s'amu-
sant sans doute à le faire languir. Il
fermait les yeux dans un bien-être
exquis; et il rêvait doucement dans
l'attente délicieuse de la chose tant
désirée. Mais peu à peu ses membres
s'engourdirent, sa pensée s'assoupit, devint
incertaine, flottante. La puissante fatigue
enfin le terrassa; il s'endormit.
..−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−
夫人はさっぱり戻ってきませんでした.けれど
もおそらく男爵をじらして楽しんでいたのでし
ょう.男爵はえも言えぬ幸福感に浸り目を閉じ
ていました.彼は望んでいたことをうれしく待
つ間、しずかに夢想に耽っていました.しかし
少しずつ、手足に感覚がなくなり、意識は、う
つらうつらとぎれて、おぼつかなく、漂い始め
ました.ついに猛烈な疲労に打ち負かされて、
男爵は眠り込んでしまいました.
−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−
revenait:(直半過/3単) < revenir (自)
revenir:(自) 戻る、帰って来る
ne ...point:さっぱり〜ない
pourtant:けれども
s'amusant:(p.pré) < s'amuser (pr) 楽しむ、遊ぶ
sans doute:おそらく
languir:(自) 待ちあぐむ、じれる
faire languir:(人を)じらす、じりじりさせる
s'amuser à + 不定詞:〜して楽しむ
à le faire languir: 男爵をじらして
fermait:(直半過/3単) < fermer (他) 〜を閉じる
les yeux:両目;片目は œil [ウイユ] (m)
bien-être:(m)⦅不変⦆ 満足感、幸福感、
exquis, e;[エクスキ, キーズ](形) 快い、すばらしい、
絶妙な、美味な、甘美な、心地よい、
うっとりするような
rêvait:(直半過/3単) < rêver [レヴェ]
rêver:(自) ❶夢を見る;❷夢想する、夢見る
doucement:(副) そっと、静かに、穏やかに
attente:(f) 待つこと、待機
délicieux, se:(形) おいしい、非常に気持ちのいい、
えも言われぬ、魅力的な
la chose tant désirée:あれほど望んでいたこと
peu à peu:少しずつ
membre:(m) 手足、四肢
s'engourdirent:(直単過/3複) < s'engourdir
s'engourdir:(pr) ❶麻痺する、しびれる、❷まどろむ
pensée:(f) 考え、思い、思考
s'assoupit:(直単過/3単) < s'assoupir (pr) まどろむ、
うとうとする
devint:(直単過/3単) < devenir (自) 〜になる
incertain, e:[アンセルタン, アンセルティーヌ](形) 不確かな、
はっきりしない、おぼつかない
flottant, e:(形) 浮かんでいる、漂う
puissant, e:(形) 強い、強力な、強烈な
fatigue:(f) 疲れ、疲労
enfin:(副) ついに、とうとう、やっと
terrassa:(直単過/3単) < terrasser (他)
terrasser:(他) ❶(地面に)投げ倒す、打ち負かす、
❷打ちのめす、茫然とさせる
s'endormit:(直単過/3単) < s'endormir (pr)
s'endormir:(pr) 眠る、寝つく
−−−−−−≪質問コーナー≫−−−−−−−−−−−−−−
質問者:先生、質問があります.
春の介:だから、ぼくは先生じゃないってば.
質問者:では兄弟、質問じゃ.
春の介:言ってみて!
質問者:à le faire languir の箇所ですが
à le は du になるから du faire languir
としなければいけないんじゃないの?
春の介:すごいこと質問するね.
まず、faire languir は名詞ではないので
その前のle は定冠詞ではありません.
この le は人称代名詞で、ここでは男爵
のことです.du にしてしまっては男爵
の姿がなくなってしまいます.
質問者:待て! faire を辞書で引くと名詞形が
あったぞ.< faire (m)行為> だってさ.
du faire languir 憔悴行為、ってのはどうだ?
春の介:もう帰ってもいいですか?
、
1391番:ピエールとジャン(11)
ピエールとジャン(11)
PIERRE ET JEAN
−−−−−−−−−【11】−−−−−−−−−−−−
Son fils aîné, Pierre, un homme de
trente ans à favoris noirs coupés comme
ceux des magistrats, moustaches et menton
rasés, répondit:
≪ Oh ! pas grand-chose, trois ou quatre. ≫
Le père se tourna vers le cadet:
≪ Et toi, Jean ? ≫
.−−−−−−−−−⦅訳⦆−−−−−−−−−−−−
兄のピエールは当年30歳の男盛り、司法官の
ように、顔は剃ったあごと口髭、刈られた黒いも
みあげがある.そのピエールが答えた:
「何、たいしたことはないですよ.ほんの3, 4
匹です.」
父は弟のほうに向きを変えた:
「ジャン、お前はどうだ?」
−−−−−−−−−〘語句〙−−−−−−−−−−−−
aîné, e:(形) 年長の、最年長の、
fils aîné:長男
à favoris:もみあげをはやした
favori:(m) (王侯の)寵臣、
【複数 favoris で】もみあげ
à favoris noirs coupés:短く刈られた黒いもみあげ
comme ceux des magistrats:
司法官が生やしているようなもみあげ
magistrat, e:(n) 司法官
moustache:(f) 口ひげ
menton:[マントン](m) あご
rasés:(p.passé) <raser (他) 剃る
répondit:(直単過/3単) < répondre (自)
répondre:(自) [à に]答える
pas grand-chose:たいしたことはない
trois ou quatre:3, 4匹ってとこですよ
se tourna vers ~:〜のほうに向きを変えた
(直単過/3単) < se tourner (pr)
se tourner vers ~:(pr) 〜のほうを向く
cadet, te:[カデ, カデット](n) 弟、妹
1390番:雄鶏が鳴いたのよ(34)
雄鶏が鳴いたのよ(34)
Un Coq Chanta
−−−−−−−−【34】−−−−−−−−−−−−−−
Alors, à tâtons, éperdu, les mains trem-
blantes, il se dévêtit bien vite et s'enfon-
ça dans les draps frais. Il s'étendit déli-
cieusement, oubliant presque son amie, tant
il avait plaisir à cette caresse du linge
sur son corps las de mouvement.
..−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−
そこで男爵は手探りで、取り乱しながらベッド
に向かった.震える手で素早く服を脱ぎ、きれい
な布団の中にもぐり込んだ.男爵は気持ちよさそ
うに、もう女友達のことをほとんど忘れて横にな
りました.1日中狩りで動き回った身体には、そ
れほどこの布団の肌触りによろこびを感じたので
した.
−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−
alors:(副)[接続詞的に] それで、
à tâtons:手探りで
éperdu:(形) [de で]取り乱した、
se dévêtit:(直単過/3単) < se dévêtir (pr)
se dévêtir: (pr) 服を脱ぐ
dévêtir:(他) 服を脱がす
s'enfonça:(直単過/3単) < s'enfoncer (pr)
s'enfoncer:(pr) はまり込む、奥に入り込む
drap:[ドラ](m) シーツ、
une paire de draps / 1組のシーツ
(掛け布団、敷布)
frais:(形) 新しい
s'étendit:(直単過/3単) < s'étendre (pr)
s'étendre:(pr) 広がる、伸びる
étendre:(他) ❶広げる、伸ばす、❷塗る、
❸寝かせる
délicieusement:(副) 気持ちよく、楽しく、
魅惑的に
oubliant:(p.pré) < oublier [ウーブリエ](他) 忘れる
las, se:[ラ, ラース](形) 疲れた
corps:[コール](m) 体、身体
corps las:疲れた体
corps las de mouvement:動き回って疲れた体
ここでは狩りで1日動き回って疲れたこと.
caresse:(f) 愛撫、そっとなでること、
linge:[ラーンジュ](m) シーツ
tant:(副) 非常に、それほど、そんなに
avoir plaisir à ~:〜によろこびをおぼえる