アフィリエイト広告を利用しています

広告

posted by fanblog

サニー・ミーツ・ジーン・トーマソン

 これはどうでしょう。
 右瞳から一筋の涙をこぼす、上半身裸とおぼしい男のジャケットです。
 タイトルは、一文字"Cry"のみ。
 そして、アーティスト名は、これまた一文字"Sunny"です。


Cry
Sunny

1. Cry
2. Side Off Your Satin Sheets
3. Turn On Your Love Light
4. Sometimes
5. Come Live With Me
6. Goodnight Baby
7. Put Your Clothes Back On
8. Dancing In The Street
9. Hooked On A Feeling
10. Greater, Greater, Greater

 録音時期、初出時期ともに不明です。
 これはSunny Ozunaのアルバム中、唯一Sunny名義で出されたアルバムだと思います。

 私が持っているCDは、08年Golden Eagle Recordsからのリリースとなっています。
 Golden Eagleは、サン・アントニオの会社で、いつものことながら、クレジットのたぐいは一切ありません。

 とりあえず、全曲英語曲で、リズム&ブルースのカバーが入っているのが嬉しいです。
 クレジットがないためよく分かりませんが、ポピュラー・スタンダードとリズム&ブルースで構成したアルバムのように思います。
 早速聴いてみましょう。

 有名なリズム&ブルースは2曲です。
 "Turn On Your Love Light"と"Dancing In The Street"です。
 残念ながら、"Hooked On A Feeling"は、オヴェイションズのあの曲ではありません。

 まず、第一印象ですが、これはシングルの寄せ集めではなく、アルバム用の吹き込みだなあ、と感じました。
 アルバムには、リズム&ブルースもスタンダードもありますが、良く言えば統一感のあるサウンドです。

 特段の冒険もなく、まとまったアンサンブルだと思います。
 ただ、面白味はないようです。
 いなたさとか、渋みとかいった個性も感じません。
 あえて言うなら、普段からやりなれているツアー・バンドが、手慣れたナンバーをスコアどおりにやりました、という感じに聴こえます。

 ここでは、Bobby Blandの"Turn On Your Love Light"も、Martha & Vandellasの"Dancing In The Street"も、はたまた"Cry"のような曲も、同じようなテイストで演奏されています。

 どちらかと言えば、"Cry"向けのサウンドかも知れません。
 その意味で、2曲のリズム&ブルースは、若干惜しい気がします。
 ここでは、そういった安定感のあるアンサンブルの中で、それぞれの曲への微妙な味付け具合を楽しみたいところです。
 
 "Cry"は有名なスタンダードです。
 誰の曲とかは言えない曲ですね。
 バックは、いかにもジャズっぽい、おとなしめの音に聴こえます。
 これが、全体の基本の音かも知れません。

 対して、続く"Side Off Your Satin Sheets"では、スチール・ギターが入るため、それだけでカントリーっぽさが感じられます。
 でも、いなたくなりすぎず、ピアノのソロがあり、むしろモダンでおしゃれな雰囲気がします。
 
 さて、ここから脱線します。
 
 このアルバムには、"Sometimes"が入っています。
 私が、このアルバムに注目したのは、この曲の存在でした。
 大好きなSunny Ozunaが、大好きなGene Thomasの曲をやっている、それだけで感激です。

 私は、Doug Sahmのバージョンを聴いて以来、この曲と、その作者、Gene Thomasに強い関心を持つようになりました。
 Doug Sahmは、"Sometimes"と同じ作者の"Cryin' Inside"をメドレーでやっていました。
 これがもう最高で、何度聴いても飽きません。
 同じく、Doug SahmによるSunny Ozunaのカバー、"Golly Gee"とともに、私の特別なフェイヴァリットです。

 さて、"Sometimes"ですが、この曲は、作者のGene Thomasによると、公式には"Sometime"が正しいそうです。
 最期に"s"が付かないらしいのです。
 ただ、作者の意向では、本来は"Sometimes"でなければならず、公式タイトルがなぜそうなったかは不明だそうです。

 そういえば、やっている人によって、表記に揺れがあったように思います。
 ちなみに、Gene Thomasのシングルやアルバムでは、"Sometime"となっているようです。
 
 日本人の感覚からすれば、最期の"s"など、どっちでもいい気はします。
 でも、ベタに直訳で考えるとどうでしょう。
 "Sometime"は、「いつか」ですが、"Sometimes"は、「時々」です。
 これって、この日本語訳のニュアンスが正しいと仮定すると、やはり違いますよね。

 歌の出だしはこうです。

 Sometime(s) I cry when I'm lonely
 Sometime(s) I cry when I'm blue

 これを見る限りでは、"s"付きのほうがしっくりくる気がします。
 いえ、むしろ"s"なしだと微妙な感じがします。

 時々 ひとりぼっちのとき ぼくは泣く
 時々 ゆううつなとき ぼくは泣く

 まあ、自然な感じですよね。
 では、これはどうでしょう。
 
 いつか ひとりぼっちのとき ぼくは泣く
 いつか ゆううつなとき ぼくは泣く

 意味が通らないわけではないですし、訳し方次第かも知れませんが、微妙な気がします。

 何よりも、Gene Thomasの歌い方が、私の耳には、"Sometimes"と歌っているように聴こえます。
 こんな風です。

 サムターイ(ム)ザィ クライ ウェナイ(ム) ロンリー
 サムターイ(ム)ザィ クライ ウェナイ(ム) ブルー

 Gene自身は、歌詞にひっかけて、「いつか」正しく記憶されるだろうと言っています。

 今回は(も)、激しく脱線しました。
 Sunny Ozunaも、Gene Thomasも、引き続き追いかけていきたいと思っています。


関連記事はこちら

ハリウッドのサニー
ウエストサイド・ソウル
ぼくらのチカーノ・ヒーロー
ジョー・ジャマの音楽と人生
チカーノ・タウンからの贈り物
サニー・オスナに捧ぐ
ジーン・トーマスを探して
オーギー・マイヤースさん、気を付けて
チカーノ魂の片りんを見ました



コメント

お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのコメント

   
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。