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チカーノ・タウンからの贈りもの

 私は、最近、チカーノ・ソウルという言葉をうれしがって使っています。
 これは、そんなタイトルのコンピレーションを見つけたり、YouTubeでも使われていたからです。
 何でも、ほいほいと影響を受けてしまうのでした。

 しかし、この間、検索していて、チカーノという言葉で最もヒットするのが、メキシコ系アメリカ人ギャングを指すということに気が付きました。
 音楽でしぼると、チカーノ・ラップというのが流行りのようです。


Border Town Jive
Chicano R&B from San Antonino

Side One
1. Up Town / Sunny & The Sun-Glows
2. Can't You See / Rickey At The Keys
3. Suger Baby / Swinging Mike "Keys" Maltinez
4. Born To Be A Loser / Vince Cantu And The Rockin' Dominoes
5. Your Cheating Heart / Tiny Diamond
6. Come On Liza / Rickey At The Keys
7. Love Of My Life / Johnny Jay And His Pompadors
8. Down In The Alley / The Kool-Dips

Side Two
1. Scratchy Part7 / Charlie & The Jives
2. I'm Leaving It All Up To You / Charlie & The Jives
3. Don't Say Goodnight / The Chilipeppers
4. My Love For You / Little Jessie And The Rock'n Vee's
5. When I Think Of You / Sunny And The Sun-Glows
6. On My Knees / Little Joe And The Harlems Combo
7. You'll Tear Our Dream Apart / Sonny Ace & The Twisters
8. Tamales / Sonny Ace & The Twisters


 久々に、LP棚の中に、チカーノR&Bというアルバムがあることに気が付きました。
 Krazy Katという、もう懐かしすぎて涙がこぼれそうなレーベルから、85年にリリースされたものです。

 レイ・トッピング先生がコンパイルして、ライナーも書いています。
 このライナーが、一見して、テックスメックス、チカーノ・ミュージックについて、ビギナー向けに書かれた良い内容なのではないか、と直感で思いましたが、やはり能力と根気にかけるため、ナナメ見で過ごしてしまうのでした。

 このアルバムに収録されているアーティストは、ほとんど無名バンドばかりです。
 チカーノ・グループというのは、ホワイト・ドゥワップ的なハーモニー・グループと、自前の楽器奏者を持つボーカル&インスト・グループに大別されるのではないか、と私は思っています。

 ここに収録されているのは、主にボーカル&インスト・グループだと思われ、アフロ・アメリカンのリズム・アンド・ブルース、とりわけニューオリンズR&Bと、ヨーロッパ経由のポルカの強い影響下にあるバンドが多いことが分かります。

 サックスのブロウのリフと、掛け声のパターンが散見されるのは、間違いなくテキーラの狙いですね。

 はっきり言って、ローカル色がにじみ出た内容です。
 これは、深い意味を込めて褒めているわけではありません。

 とてもナショナル・チャートで勝負するのは苦しい曲が多いです。
 ただ、出色の曲が3曲ほどあります。

 まず、何と言ってもThe ChilipeppersDon't Say Goodnightです。
 ニューオリンズR&Bスタイルが成功していて、ポップ性も高い出来です。
 ただし、普通のポップ・ヒットと比べてしまうと、強烈なイナタさのみが印象に残る、そんな曲ではあります。
 刺激物にはまるとは、こういうことでしょう。

 そして、Tiny DiamondYour Cheating Heart、さらにSonny Ace & The TwistersYou'll Tear Our Dream Apart、これらは、いずれもニューオリンズR&Bスタイルの曲で、やはりこのタイプが強いという印象を受けます。

 特に、ファッツ・ドミノを思わせる、スモーキーなボーカルが魅力のタイニー・ダイアモンドは良いです。
 ハンク・ウイリアムズのブルー・バラードを、ドミノの三連のパターンでやったこのバージョンは、極上の味わいです。

 そのほか、時折りギター・スリムを思わせる朴訥なギターが聴ける、Johnny Jay And His PompadorsLove Of My Life、途中からプリーチのような語りが入る、Little Joe And The Harlems ComboOn My Kneesは、聴いて損はないです。
 まあ、得もしないと思いますが…。

 さて、 最もポピュラーだと思われる、Sunny & The Sun-Glowsです。
 ライナーでは、サン・アントニオの音楽シーンをリードするバンドと、最大級の賛辞で紹介されています。

 ただ、収録されている2曲では、メインをはっているのは、Sunny Ozunaではなく、Manuel Guerraという人のようです。
 バンド名がSun-Glowsとハイフンが入っているのは、単なる表記のゆれではないようです。
 Manuel Guerraが去り、Sunny Ozunaが合流してからSunglowsという表記となり、一旦脱退した後、サニーが新たに組んだバンドがSunlinersとなっていくようです。

 サニーが合流する前から、Sunny & Sun-Glowsという名前なのが解せないので、私の読み違いかも知れません。
 このあたりのことは、とても関心がありますので、引き続き機会をとらえて、調べていきたいと思います。

 このアルバムは、コレクターズ・オンリー的な1枚だと思います。
 チカーノ音楽に特段のこだわりがなければ、素直にニューオリンズR&Bの名作を聴きましょう。



Sonny Ace & The TwistersのYou'll Tear Our Dream Apartです。




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