アフィリエイト広告を利用しています

広告

posted by fanblog

ぼくらのチカーノ・ヒーロー

 私は、少し前に、Sunny and the SunglowsのTalk To MeというCDを手に入れました。
 それがどうした、ということだと思いますが、実は、これで同タイトルのアルバムを4枚所有することになったのです。 

     
Talk To Me
Sunny and the Sunglows 

1. Talk to Me (1,2,3,4)
2. Rags to Riches (1,2,3,4)
3. Out of Sight, Out of Mind (4)
4. Carino Nuevo (1,2,3,4)
5. You Gave Me a True Love (4)
6. Got You On My Mind (1,2,3,4)
7. Just a Moment (1,2,3,4)
8. Please Mr. Sandman (1,2,4)
9. Think it Over (1,2,3,4)
10. Golly Gee (1,2,3,4)
11. Cheating Traces (4)
12. I'm a Fool to Care (1,2,3,4)
13. No One Else Will Do (1,2,3,4)
14. Trick Bag (4)
15. His Greatest Creation (4)
16. Every Week, Every Month (1,2,3,4)
17. Something's Got a Hold On Me (4)
18. I'm Not a Fool Anymore (4)
19. Not Even Judgement Day (1,2,4)
20. It's Too Late (4)
21. You Send Me (4)*
22. Hip Huggin' Mini (4)
23. Put Me in Jail (4)*

 入手順は前後しますが、次の4枚です。
 左から、アルバムタイトル、名義、レーベル及び番号、リリース年です。

(1) Talk To Me/Sunny and the Sunliners (TEARDROP LPM 2000)不明 (LP)
(2) Talk To Me/Sunny and the Sunglows (COLLECTABLES COL-5533)'95
(3) Talk To Me/Sunny and the Sunliners (EAGLE MUSIC GECD-7003)'97
(4) Talk To Me/Sunny & the Sunglows (SGRC-118)'不明 
 
 タイトルの前のカッコ書きは、仮りにふった番号です。
 今回入手したのは、(4)のSGRC-118になります。

 そして、曲目リストの各曲の最後にカッコ書きで入れた数字が、それぞれの収録曲です。
 (1)は12曲、(2)は10曲、(3)は12曲、(4)は23曲を収録しています。

 (1)のみ、アナログLPです。
 今となっては確認できませんが、アナログ時代も、同タイトルで別のアルバムが作られていた可能性はあります。
 ここでのアーティスト名義は、サンライナーズです。
 TEARDROP RECORDというのは、ヒューイ・モーの会社でしょうか?
 レコード番号が、2000番丁度というのが気になります。
 プロデュースは、モーが行っています。

 (2)は、コレクタブルズからのリイシュー盤ですが、サングロウズ名義です。
 ストレート・リイシューなのかは未確認ですが、Manny Guerraという人の制作となっています。
 この人は、多分、サングロウズの初期メンバーで、後にマネージャー的役割を担った人ではないかと思います。

 (3)は、EAGLE RECORDから出されたもので、この会社はテキサスの独立系レーベルだと思います。
 サンライナーズ名義となっていて、10曲入りと、CDとしてはあまりにも曲数が少ないので、アナログ盤のストレート・リイシューなのかも知れません。

 そして、今回入手した(4)ですが、ブートレグのようです。
 ジャケットは、カラーコピーのペラ1枚です。
 番号こそ118とそれらしい番号になっていますが、頭の記号のSGRCというのは、おそらくSunglows Recordsという意味だと思います。

 ダグ・サームのヒーローの一人である、サニー・オスーナは、常に私の関心の対象です。
 (1)と(2)のCDは、ヴィンテージ期の録音では、多分、現在最も入手が容易なものだと思います。
 ちなみに、LPも含め、4枚ともジャケット写真は同じものが使用されています。
 この写真は、コンピレーションのライナーなどでもよく使われており、これしかないのかと言いたくなります。

 いずれのアルバムにも、ほとんど情報の記載がありませんが、サニー・オスーナについては、Jazzmanから出ていた、Texas Funkというコンピのライナーで、基本的な情報を得ることができます。

 それによれば、サングロウズとしてスタートし、一旦解散して、サンライナーズとなったようです。
 また、いまいち時期が読み取れませんが、グループの分裂が起こり、一部のメンバーは、Latin Breedというバンドになったようです。

 ラテン・ブリードからは、後にJimmy Edwardという人がソロ・シンガーとして独立して成功しているようです。
 ジミー・エドワードがサンライナーズのオリジナル・メンバーだったのかは不明です。
 おそらくは、違うのでしょう。

 私は、サンライナーズとサングロウズの音源は、基本的に同じものだと思っています。
 なので、今回は、それぞれを聴き比べはしていません。
 ばくぜんとした印象としては、たとえ違っていても大差ないと思います。
 ただ、予断のもとの意見ですので、いつかは聴き比べたいと思っています。
 
 さて、ブートレグではありますが、なかなか興味深い曲が収録されています。
 正規盤Talk To Meに未収録なのは以下の曲です。
 
 Out of Sight, Out of Mind
 You Gave Me a True Love
 Cheating Traces
 Trick Bag
 His Greatest Creation
 Something's Got a Hold On Me  
 I'm Not a Fool Anymore
 It's Too Late
 You Send Me  
 Hip Huggin' Mini
 Put Me in Jail  
 
 このうち、Put Me In Jailは、サンライナーズの代表曲のひとつで、Talk To Meには収録されていませんが、別のアルバムに入っているのだと思います。
 ちなみに、コンピでは、Chicano Soul:San Antonio's Westside Soundというアルバムに収録されています。
 また、代表曲ですので、後年には、複数の新録音があると思います。
 テキサスでは、よくあるケースですね。

 Hip Huggin' Miniは、Hip-Huggin-Minnieのタイトルで、Little Brown-Eyed Soulという、サンライナーズのアルバムに収録されています。
 Eagle Recordからのリリースで、ジャケ写真も若いので、ヴィテージ録音で間違いないでしょう。
 ちなみに、近年のサニーの作品は、Freddie Recordから出ているものが多いです。

 私は最近、チカーノ・ソウル(R&B)は、ドゥワップや、ノーザン・ソウルからの影響を強く受けていると思うようになりました。 
 もちろん、ニューオリンズR&Bの影響は当然です。
 メンフィス・ソウルの影響もありますが、限定的な気がします。

 それよりも、70年代にはJBのファンキー・ソウルの影響も強くなり、さらにフィリーなどのスイート・ソウルの影響も大だと思います。
 サンライナーズは、さらにサイケ、アシッド系の曲もやっています。
 いわゆる、反復ビート系の曲です。

 60年代は、やはりドゥワップの影響を感じます。
 それもドリーミーな曲が多いです。
 You Gave Me a True Loveは、まさにそういった曲です。

 そして、スワンプ・ポップですね。
 こちらが、案外泥臭かったりします。
 Cheating Tracesは、どちらともいえますが、私はスワンプ・ポップとして聴いていました。
 
 Trick Bagは、アール・キングですね。
 これはレアじゃないでしょうか。
 もともとファンキーなリズム・アンド・ブルースですが、ここでのアレンジは、初期JBが模索しているころのファンクみたいです。

 Something's Got a Hold On Meは、エタ・ジェイムズですね。
 こちらは、ほとんど原曲どおりやっています。

 I'm Not a Fool Anymoreは、テキサス、ルイジアナの人気曲ですが、私の知る範囲では、この曲の彼らのヴィンテージ録音を収録した正規盤は知りません。
 王道のアレンジでやっています。 

 It's Too Lateは、チャック・ウィリスの人気曲で、珍しくないですが、サンライナーズ(サングロウス)としてはレアだと思います。
 こういうのがあると嬉しくなります。

 そして、サム・クックのYou Snd Meは、後年に吹き込みがありますが、ヴィンテージ期ではどうでしょうか。
 今のところ、私はこのブートでしか聴いていません。

 近年では、Going Back Timeというアルバムで聴く事が出来ます。
 こちらは、オールディーズ集的なアルバムで、シンセなどが入った演奏ですが、私はあまり気にならず、気に入っています。
 
 サニー・オスーナには、チカーノ・ソウルだけでなく、もう一本の柱として、メキシカン・ルーツに根差した録音があり、今回の収録曲だけで判断できないアーティストではあります。



Put Me In Jailです。




関連記事はこちら

チカーノ・タウンからの贈り物
サニー・オスナに捧ぐ
イーストLAの郷愁



この記事へのコメント

   
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。