2015年06月10日
豊平川支流の虹鱒をドライで
私用を済ませてから、小雨の中を豊平川の様子を見るために白川・砥山栄橋まで車を走らせた。橋から見る中流域は、まだ水位が高く遡行は勿論、立ち込んでの釣り下りも難しい状況。
十五島公園から砥山ダムまでの中流域は、川幅が広いために遡行や釣り下りが絶対条件となる。夕方までまだ時間があるので、本流を諦めて豊平川の支流に入ることにした。某支流の下流域を見る限り、川の流れは安定しており上流への遡行は問題なさそうだ。
ただ、この川の釣行で良い思い出はない。この川に入ったのは、最近では4〜5年ほど前と古い。国道から小道に入って、人家も途絶えた道を左に下った崖の底が入渓地点だった。
道路を直進すると、林道のゲートに突き当たる。そこから先は熊の出没地帯で、よく「熊の出没注意」の看板が掛けられている。古くから、放流活動で知られているだけに常連の釣人も多く、入渓地点にはいつも多数の車が止まっていた。
その後、放流したやまめや虹鱒を持ち帰る釣人が増えたことで、一時期「魚のいない死の川」として汚名を着せられた。
上流の川幅は3〜4メートルほどで、フライを打ち込むには問題はない。ただ、入渓地点からすぐ上流に砂防ダムがあるために、釣人は下流にある砂防ダムの大きなプールまで釣り下る。その当時も、そこまで降りなければ魚はいなかった。
また下流域では何度も、一番会いたくない蛇を目撃、そのたびに悲鳴を上げて逃げ帰った。
こうした負のイメージがあるにも関わらず、今回下流域から入渓したのは、この川で遣り残したことがあったから。そして「この雨で蛇も出てこないだろう」という思いも少なからずあった。
以前の下流域からの入渓では、遡行地点から100メートルほど行った先に砂防ダムがあり、上流に行くためには高巻きするしかなかった。しかし、「これだけ釣れないのだから、上流に行っても釣れないだろう」という思い込みから、そこで遡行を打ち切った。
実際には、この上流こそがこの川のメインスポットということがつい最近分かった。今回、それを確認して見てみたいという気持ちから入渓した。
遡行を始めて10分ほどで砂防ダムが姿を現した。落ち込みから流れ出しに替わる淵にカディスを打ち込むと、一投目で15センチほどの虹鱒がヒット。その後、何度か流れ出しに打ち込むも反応がなくなったので、ダム横の崖を上って高巻きを開始。
ダムサイトを回って上流に踏み入ると、下流とは打って代わって自然河川の様相。流れが穏やかで、まるでジャングルを流れている川のようだ。例えれば、千歳・紋別川の流れの緩やかな地点が当てはまるかもしれない。また、それだけに熊の気配もヒシヒシと伝わってきて、鳥の鳴き声や風の音にも耳をそば立てる。
流れのない深場は、底まで見通すことのできるほど透明度は高く、フライを流してもすぐに見破られそうだ。流れ出しや落ち込みで作る淵を中心に、今度はメイフライを打ち込む。すると、すぐに食いついて派手なジャンプを二度三度繰り返したのは虹鱒。一箇所のポイントで3〜4匹という濃さ。この区間には、虹鱒以外の魚はいないようだ。
25センチが最大だが、最近行った釣場でこれだけフライに反応したところはあまりない。早瀬だけではなく、水深のある平瀬でもヒットする。圧巻は5匹の虹鱒がヒットした大淵。
川は遡行する毎に蛇行を繰り返し、砂利や玉石が多くなる。次第に傾斜もきつくなってきているようだ。今回の脱渓地点は上流にある巨大な砂防ダム。その上流が初めに触れたプールだ。
ダムに通じる道路を探して、そこから戻ることを考えていた。ところが、雨あしが強まってきた。この川はゴルジュ状ではないので、鉄砲水の心配はないとはいえ、流れに濁りが混じってきたことから、遡行した川を下り入渓地点まで戻った。
これまで様々な渓流に釣行したが、この川では思いもかけない体験をした。人工構築物の砂防ダムが何基も連続して設けられている合間の場所に、こうした原始河川に近い川が残っていたことに正直驚いた。
川が甦ったのは、放流活動を続けてこられた方々の賜物だろう。そのためにも、ここで釣った魚はリリースしなければいけない。釣るだけ釣って持ち帰ると、また「魚のいない死の川」になってしまう。この地区での熊の相次ぐ出没は、それを防ぐ役割を担っているのかもしれない。
いつも、このブログでは釣行先を明記するが、今回明記しなかった理由はこうした事情から。川の様子をyoutubeに投稿したので、よかったら見てください。
写真上左:遡行からすぐに姿を現す巨大な砂防ダム、同右:ダムを高巻きして着いたのは自然河川そのものの流れ。熊の気配もヒシヒシと感じる、同下左:淵から飛び出した元気な虹鱒、同下右:この流れの先にも砂防ダムが待ち構えている。下は投稿した動画(https://www.youtube.com/watch?v=66BEkNNSK7c)
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十五島公園から砥山ダムまでの中流域は、川幅が広いために遡行や釣り下りが絶対条件となる。夕方までまだ時間があるので、本流を諦めて豊平川の支流に入ることにした。某支流の下流域を見る限り、川の流れは安定しており上流への遡行は問題なさそうだ。
ただ、この川の釣行で良い思い出はない。この川に入ったのは、最近では4〜5年ほど前と古い。国道から小道に入って、人家も途絶えた道を左に下った崖の底が入渓地点だった。
道路を直進すると、林道のゲートに突き当たる。そこから先は熊の出没地帯で、よく「熊の出没注意」の看板が掛けられている。古くから、放流活動で知られているだけに常連の釣人も多く、入渓地点にはいつも多数の車が止まっていた。
その後、放流したやまめや虹鱒を持ち帰る釣人が増えたことで、一時期「魚のいない死の川」として汚名を着せられた。
上流の川幅は3〜4メートルほどで、フライを打ち込むには問題はない。ただ、入渓地点からすぐ上流に砂防ダムがあるために、釣人は下流にある砂防ダムの大きなプールまで釣り下る。その当時も、そこまで降りなければ魚はいなかった。
また下流域では何度も、一番会いたくない蛇を目撃、そのたびに悲鳴を上げて逃げ帰った。
こうした負のイメージがあるにも関わらず、今回下流域から入渓したのは、この川で遣り残したことがあったから。そして「この雨で蛇も出てこないだろう」という思いも少なからずあった。
以前の下流域からの入渓では、遡行地点から100メートルほど行った先に砂防ダムがあり、上流に行くためには高巻きするしかなかった。しかし、「これだけ釣れないのだから、上流に行っても釣れないだろう」という思い込みから、そこで遡行を打ち切った。
実際には、この上流こそがこの川のメインスポットということがつい最近分かった。今回、それを確認して見てみたいという気持ちから入渓した。
遡行を始めて10分ほどで砂防ダムが姿を現した。落ち込みから流れ出しに替わる淵にカディスを打ち込むと、一投目で15センチほどの虹鱒がヒット。その後、何度か流れ出しに打ち込むも反応がなくなったので、ダム横の崖を上って高巻きを開始。
ダムサイトを回って上流に踏み入ると、下流とは打って代わって自然河川の様相。流れが穏やかで、まるでジャングルを流れている川のようだ。例えれば、千歳・紋別川の流れの緩やかな地点が当てはまるかもしれない。また、それだけに熊の気配もヒシヒシと伝わってきて、鳥の鳴き声や風の音にも耳をそば立てる。
流れのない深場は、底まで見通すことのできるほど透明度は高く、フライを流してもすぐに見破られそうだ。流れ出しや落ち込みで作る淵を中心に、今度はメイフライを打ち込む。すると、すぐに食いついて派手なジャンプを二度三度繰り返したのは虹鱒。一箇所のポイントで3〜4匹という濃さ。この区間には、虹鱒以外の魚はいないようだ。
25センチが最大だが、最近行った釣場でこれだけフライに反応したところはあまりない。早瀬だけではなく、水深のある平瀬でもヒットする。圧巻は5匹の虹鱒がヒットした大淵。
川は遡行する毎に蛇行を繰り返し、砂利や玉石が多くなる。次第に傾斜もきつくなってきているようだ。今回の脱渓地点は上流にある巨大な砂防ダム。その上流が初めに触れたプールだ。
ダムに通じる道路を探して、そこから戻ることを考えていた。ところが、雨あしが強まってきた。この川はゴルジュ状ではないので、鉄砲水の心配はないとはいえ、流れに濁りが混じってきたことから、遡行した川を下り入渓地点まで戻った。
これまで様々な渓流に釣行したが、この川では思いもかけない体験をした。人工構築物の砂防ダムが何基も連続して設けられている合間の場所に、こうした原始河川に近い川が残っていたことに正直驚いた。
川が甦ったのは、放流活動を続けてこられた方々の賜物だろう。そのためにも、ここで釣った魚はリリースしなければいけない。釣るだけ釣って持ち帰ると、また「魚のいない死の川」になってしまう。この地区での熊の相次ぐ出没は、それを防ぐ役割を担っているのかもしれない。
いつも、このブログでは釣行先を明記するが、今回明記しなかった理由はこうした事情から。川の様子をyoutubeに投稿したので、よかったら見てください。
写真上左:遡行からすぐに姿を現す巨大な砂防ダム、同右:ダムを高巻きして着いたのは自然河川そのものの流れ。熊の気配もヒシヒシと感じる、同下左:淵から飛び出した元気な虹鱒、同下右:この流れの先にも砂防ダムが待ち構えている。下は投稿した動画(https://www.youtube.com/watch?v=66BEkNNSK7c)
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実は、先日のあなたのコメントを読ませていただいた時から、違和感を感じていました。
もしかしたら、私が思っているよりも、ずっとお若い方なのではないかと。
というのも、知り合いでもない限り、相手に出す手紙なりハガキは、用件(主語)だけを書いて送ることはしません。
これは、ブログのコメントでも同じです。どのような内容を送るにしても、挨拶から始めるのが礼儀です。ですから、まだそうしたしきたりに慣れていない方なのかと。
釣人の数だけ「自分だけの釣場」があります。ブログ内容を、その全てのケースにあてはめて気配りすることは不可能です。なので、釣人としての最低限守らなければならないモラルやマナーをどう伝えるか、に重点を置きました。こうした思いが、しっかりとお伝えできなかったのではないかと、反省しています。
今後、読むのを止められるということは残念ですが、長らくブログを訪問していただいたことに感謝申し上げます。
これからも、楽しい釣行が続くことを祈っております。
釣りが荒らされたくない、全くその通りです。
貴方のブログを長く見ている方々が、釣り人としてのマナーを守っていると言い切れるのは、何故でしょうか?
ブログを見ている方々、全員に会ったんですか?
私が言いたいのは、釣りブログにポイントの名前を載せて書くのは自由ですが、私のように、それが嫌な気持ちになってしまう人間が少なからず居る、という事もご承知下さい。
嫌な気持ちになる人間は少数で、ポイントを知りたいという人間のほうは多数でしょうけどね。
私もブログ開設当初から読んでいましたが、失礼呼ばわりされるとは思いもしませんでした。
今まで更新を楽しみにしていましたが、もうこのブログを読む事は無いと思います。ありがとうございました。
とりあえず、匿名ではなくてよかったです。
まず、ひとつお伝えします。このブログは、今回の釣行場所がどこなのか、明記していませんが、場所を分かっているらしい、あなたに向けて発信しているのではありません。
もし、私のブログを読んだ方が、その場所に行かれる機会があったら、放流に努力されている方々の努力を考えてリリースしてください、との思いを記事に込めました。大事にするということはそういうことです。
あなたの理屈では、誰も釣行先の話をブログに載せることができなくなります。
それとも、結論として「いつも行っている自分の釣場が荒らされる。何故紹介するのか」ということを言いたかっただけですか。自分以外の釣人が全て敵だとは思わないでください。
少なくても、私のブログを長く読んでいただいている方々は、このブログの姿勢や考え方を理解していただいていると自負しています。また、釣人としてのマナーをしっかりと守っておられると信じています。
ですので、あなたの言葉はこのブログを読んでいただいている方々に対しても、大変失礼です。
放流をしている有志の方の気持ちを考えて下さい。
その砂防が魚止めだと思って引き返していた人が、これからは入釣します。
某止水のインレットは、明らかに人が増えました。先週無かったゴミが、今週はあります。リップの折れたミノーが捨ててあります。
何年も通ってますが、変化を感じています。
あき缶さんに評価して頂くと、嬉しくなるのは何故なのでしょう。
多分、ブログで訴えていることを一番理解していただいているからだと思います。
これからも、気持ちが伝わる記事や動画を発信していこうと思っています。
ありがとうございました。
動画も雰囲気が良く伝わってきて自分もそこに居るかのようです。
元気な魚に出会えるとサイズに関係なく嬉しいものですよね。
放流など、平素からの尽力をされている方々には本当に頭の下がる思いです。
もはや、熊の雰囲気の濃い場所でなければ
こういう良い環境、無垢な魚達には会えないというのは寂しい事ですけど
このような場所は大事にしていきたいものですね。(^^)