2015年03月21日
つくば蘭展 2015 春(後篇)
つくば蘭展 2015 春の後篇です。
前回は洋蘭会の展示を中心に紹介しました。
今回はつくば実験植物園の展示を中心に紹介します。
ところで、この会場において、コアなマニアっぽい若者達が衝撃的な会話をしていました。
私は写真を撮ったりして忙しかったので、ところどころしか聞いていないんですが、
若者A「おー、○○じゃん、スゲー」、若者B「これは○○で、××なんだよ(なんかマニアックな話)。こんな珍しい蘭は滅多に見られないよね」、若者A「やっぱここスゲーわ。ところであっちの温室では何やってんの?」、若者B「あー、あっちはアマチュアの人達のヤツでしょ。まあ、見なくてもいいんじゃない?」、若者A「そうだね」
私「、、、、、見てこいやーっ!!(心の声)」
私としてはアマチュアの展示目当てなので、この展開にビックリ。
最近の若者は奇想天外で、何考えてるのかさっぱりわからん!
せっかくお金払ってるのに、一通り見てくればいいじゃん!
専門的に見たらこちらの方が希少な展示なのかもしれないけど、アマチュアの会にも面白い蘭はたくさんあるし、栽培や仕立ても勉強になるんだぞ、と説教してやりたくなったのでした(怒)
そういう訳で、様々な見方と考え方があることに、改めて気付かされたというか、ノックアウトされたのでした、、、
蘭の世界には、ライト層もいるし、趣味家もいるし、コアな人もいれば、専門家もいる。
悔しいですが、今後更に発展していくためには、あの新人類達が惹かれていた蘭のこともカバーしたいと思ったし、ライト層や一般層をもっと取り込む工夫や仕掛けもしていかなければならないのだろうな、と考えさせられました。
そのために自分にできることを考えて、地道に実行していこうと思ったのでした。
そういう訳で、マニアックなばか者、、、じゃなかった、若者達が感動していた蘭達です!
やっぱりヲタクっぽい蘭が多いのか、情報が少なくて、、、、苦労させられました、、、、
Liparis montana
ジャワ島に自生する、色・質感共に美しいリパリス。見て下さい、この透明の質感。綺麗!
Oberonia sp.
オベロニア属は日本にも4種あり、ヨウラクランと言われています。あの尻尾のようなところに、非常に細かい花が無数に、螺旋状に咲いています。小さい花の1つ1つは綺麗なのですが、集合体としてみると奇妙だから面白いのです、、、
Oberonia thisbe
フィリピンの2000mの高地の樹木に着生するオベロニア。属名のOberoniaは、中世およびルネッサンス期の文学・伝承上の妖精王「オベロン(Oberon)」(シェイクスピア「夏の夜の夢」の登場人物)の名からきている。 種小名の thisbe はギリシャ神話に登場する美少女の名に因む、、、
Malaxis sp.
Malaxis属は、東南アジアを中心に約430種が確認される大属の地生蘭(まれに着生)。日本にも約7種あり、和名はヤチラン属。葉も綺麗だし、花も可愛い色と形ですよね。
ここから4つは、後がつかえていて急いでいたのと、例のばか者、、、じゃなかった若者達の会話に気をとられて、奇跡的に名札を1枚も撮っていませんでした、、、
そういう訳で、「キレイ蘭」と勝手に命名します。
いつか新しい情報が分かったら、追記します。
最終日に再訪して、3つ名前が分かりました。
Tainia penangiana
アッサム、ヒマラヤ東部、インド南部、タイ、マレーシア、中国、ベトナム、台湾の600〜1400mの熱帯常緑林に自生するそうです。
Tainia hongkongensis
中国南東部、ベトナムの100〜500mの丘陵地における、森が開けた場所の斜面に自生するそうです。
Tainia elmeri
フィリピンのルソン島の0〜1300m付近に自生するそうです。
さて、私が最近注目している、カランセもいくつかありました!
日本のカランセも綺麗ですが、洋モノは更に魅力的です!
Calanthe rubens
タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナムの300mに自生するカランセ。白〜ピンク、濃赤とカラーバリエーションがあるようです。
Calanthe rubens
Calanthe rubens
Calanthe argenteostriata
中国東南部やベトナムの100〜1600mの石灰岩の斜面に自生する、緑と白のカランセ。以前は「銀墨エビネ」の名前でよく販売されていたそうですが、最近はなかなか見かけない1種だそうです。美しすぎますね!これは私も若者に混じってテンションあがります!
Calanthe vestita
東南アジア(ミャンマー、ベトナム、タイ南部、マレーシア、ボルネオ島、スラウェシ島)の600〜1000mに自生。
Spathoglottis(スパソグロッティス)も数種類展示されていたので紹介します。
アジアの熱帯地域に広く地生し、和名はコウトウシランです。
ギリシャ語の「spatha(刀)+glossa(舌)」からきており、リップのの裂片の形から名付けられたそうです。
株姿も特殊だし、花は丸っこくて色も綺麗なものが多く、面白い属だなと思います。
Spathoglottis pacifica
ソロモン諸島〜フィジー、サモア、バヌアツに自生。種小名のpacificaは「太平洋の」という意味。
Spathoglottis vanoverberghii
フィリピンのルソン島の標高1000m以上に地生する。
Spathoglottis portus-finschii
ニューギニアに自生。種小名のportus-finschiiは「(ニューギニアの)フインシュ港の」という意味。
Spathoglottis sp.
名前が未同定なのか、まだ名前すらついていない新種なのか、sp.の理由はわかりませんが、すごく綺麗でした。
ここからは、セロジネです。
約120種ある大属ですが、今回紹介するのは多少マニアック。
セロジネもどれも魅力的でコレクションしたくなりますが、私はまずはシンビとかエリアあたりを栽培してみたいので、、、
Coel. tenosoerimenus?
良く分かりませんでした。
Coel. venusta
ボルネオ(カリマンタン)島に自生。
Coel. fragrans
セロジネの自生地は東南アジア、ヒマラヤ等が主ですが、Coel. fragransはマルク諸島、ニューギニア島の100〜2000mに自生。ややクール系とのこと。
Coel. aff. longifolia
スマトラ島、ジャワ島に自生。longifoliaという種名は、その長い葉に由来する。テカリ系もそうですが、透明系の花は何故か惹かれますね。
Coel. sp.
フィリピンに自生するそうです。
そして、エリア。
エリアなんてそんなに興味なかったんですけど、会長がエリアのことを綺麗だとか面白いと言っているのを2回くらい?聞いたことがあって(私の勘違いかもしれませんが)、昨年あたりから私もちょっと興味を持って注目している蘭です。
エリアという属名は、ギリシャ語の「erion(=軟毛)」に由来するそうで、毛が生えているものがあり、面白いです。
日本のオサランやリュウキュウセッコクもエリアの仲間。私は枯らしました、、、、乾燥に弱いみたいです。
Eria thao
中国の海南島、ベトナムの低地の600〜2200mに自生。低地の常緑林から高地の雲務林にかけて分布し、低地のものはバルブ間の?間隔が空きやすく、高地のものは小型になるそうです。種名のthaoは、島の意味。花に入ったラインが魅力的だなと思います。
Eria pannea
ヒマラヤ東部、インド(アッサム、シッキム)、ブータン、ミャンマー、タイ、中国南部、マレーシア、ラオス、カンボジア、ベトナム、ボルネオ、スマトラ島の0〜1300mの乾燥した低地林や針葉樹林の苔むした樹木に着生、稀に地生しているそうです。こちらはエリアの中ではややメジャーらしく、いくらか栽培し易いそうです。この毛の感じ、イイですよね。
Eria sp.
エリアにも様々なタイプがあるようで、房咲で毛がないタイプ。
Eria obesa
ネパール、アッサム、ミャンマー、タイの500m付近に自生します。
Eria merapiensis
スマトラ島西部の820〜2500mに自生。
Phreatia stenostachya
ソロモン諸島、ニューカレドニア、フィジー、バヌアツ、サモア諸島の1500程度の森林に自生。Synonyms=Eria cauligeraということで以前はエリアだったようです。コンペイトウみたい。
ここからは少し変わっているデンドロ。
Den. adae
クイーンズランド、オーストラリアの700〜1220mに自生するクール系のようです。
Den. parvulum subsp. minutum
Den. parvulumがまず希少なクール系デンドロなのですが、subsp. minutumはさらに情報がなく、恐らくもっと希少?ニューギニア島〜メラネシアに自生するそうです。この色をどのように表現すれば良いのか分かりませんが、淡い青っぽい色が綺麗でした。
Den. sp.
マレーシアに自生するそうです。なんか栽培が超難しそう、、、
ここからは色々です。
Epi. schlechterianum
メキシコ、ブラジル、ペルー、トリニダードトバゴの670〜1700mに自生するエピデン。葉っぱのような花で、アピールする気がほとほとないところが好きです。
Bulb. sp.
ニューギニアのバルボ。バルボにはいろんな形がありますが、その中でも私の好きなタイプ。
Phal. gibbosa(sny:Polychilos gibbosa)
ラオス、北ベトナムの0〜1000mの低地の森に自生するファレノプシス。小さいし、綺麗だし、葉が落葉するのかあまりなくて変わってるし、惹かれる要素満載でした。
Elleanthus blatteus
エクアドル、ペルーの1100〜2600mに自生する。これも本当に蘭なのか。そこら辺の雑草が鉢の中に混ざって、蘭は枯れたが雑草だけが残ったものを職員の方が間違えて展示しているのではないのか、、、と心配になりましたが、ちゃんとした蘭のようです。職員の方から、「何かの顔にみえませんか?」という追い打ちの問いかけがありましたが、私にはやっぱり雑草にしか見えなくて、、、ごめんなさい!
Pleurothallis dilemma
メキシコ、ボリビア、エクアドルの1200m〜1800mに自生するクール系。Pleurothallisの中でも珍しく、同じ葉に何年も花が咲くそうです。しかもこんな変な人形のような花が。気持ち悪い+可愛い=きもカワイイですね。
Gomesa kautskyi
属名がBaptistoniaとなっていましたが、Oncidium等の様々な紆余曲折を経て、現在はGomesaのようです。ブラジルのエスピリットサント州の600〜800mに自生します。透き通るようなゴメサで綺麗でした。
Oeceoclades saundersiana
熱帯アフリカ(アンゴラ、カメルーン、ガボン、ガーナ、コートジボワール、ケニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネ、タンザニア、ウガンダ、ザイール、ザンビア)の標高1200〜1300mの山の、日陰の湿った場所に自生。地味な美しさというか、渋さというか、わびさびというか、そういう感がありました。
ここで、私が最近注目しているエランギスを、2発。
Aerangis fastuosa
マダガスカルの1000〜1500m、海岸平野と高原の移行地帯に存在する森林の枝に着生する。香りが特に良いので惹かれます。
Aerangis luteoalba var. rhodosticta
中央アフリカ共和国、カメルーン、コンゴ、ザイール、エチオピア、ケニア、タンザニア、ウガンダの1250〜2200m、河を有する湿度の高い森林の茂みや木の枝に着生している。エランギスの中で私はこれが1番好きですが、栽培がやや難しいそうです。
Myrmecophila tibicinis
メキシコ〜ベネズエラに自生するそうです。花茎が長くて面白く、こんなの家じゃ絶対置き場所がないですが、花が非常に美しかったです。
Octomeria sp.
属名のOctomeriaは、8つの花粉塊を有するため、8を意味するギリシャ語に由来。約200種を有し、大半はブラジルに自生するが、熱帯アメリカに自生するものもあるそうです。やや冷涼で暗い環境を好むそうです。小さくて黄色の花も惹かれたのですが、バルブの形とか、仕立て・栽培の仕方とか、全体的に良かったです。
Amesiella philippinensis
フィリピンの400〜1400mの森林の苔むした木の枝に着生しています。株の割に花が大きくて、整っているので見栄えが良いです。
Trichoglottis triflora
タイの南西部やベトナムの1100〜1200mにある森林の木の幹に着生している。香りが良い。そして花がカワイイ。
さらに別棟にもいくつかの蘭が咲いていました。
Spathoglottis gracilis
マレーシア、ボルネオ島の800〜2000mにある丘や低山の岩の間や竹の根もとに地生。
Phaius tankervilleae
鶴頂蘭(カクチョウラン)。中国南部、オーストラリア、太平洋諸島、マレーシア、インドネシア、インドの1300mまでの低森や草地のくぼみに地生する。
ジャマイカやハワイに持ちこまれ、増殖している?らしい。パプアでは、スモークされた花が避妊薬として食されているそうです。場所を取りそうなので私は手を出していませんが、性欲旺盛な私は栽培した方がよさそうな気がします。
Liparis formosana
ユウコクラン。スズムシ草。日本(伊豆諸島、紀伊半島、九州、琉球諸島)、台湾、香港の300〜500mの広葉樹林に自生します。
Pleurothallis phyllocardioides
ハート形の葉を持つミニチュア蘭。グアテマラ、ニカラグア、コスタリカ、パナマ、コロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア、ベネズエラの20〜1800m、湿度の高い森林の中に着生するそうです。
ここからは、今回の蘭展で私のドススメの小笠原諸島の蘭。
2011年に世界自然遺産に登録された、小笠原諸島。
独自の進化を遂げた生物や生態系が、国際的に評価された結果だそうです。
その小笠原諸島には18種類の蘭が自生しており、うち8種類はこの地にしか分布しない固有種だそうです。
その写真展です。
Platanthera boninensis
和名シマツレサギ。
Goodyera boninensis
和名ムニンシュスラン。シュスランの仲間。「ムニン〜」という冠称の意味は、小笠原諸島が以前は無人列島と呼ばれていたことに由来します。
Calanthe hoshii
ホシツルラン。小笠原で最も絶滅の恐れの高い種の1つ。
Bulb. bobinense
オガサワラシコウラン。小笠原諸島では着生ランは少なく、他にムニンボウランがあるのみ。
Luisia boninensis
小笠原諸島のもう1つの着生種ムニンボウラン。乾燥に適応した棒状の葉を持つ。てか、アホ面した私が、、、服もだらしないし、、、、写真を撮ってる時の自分の姿ってこんなアホっぽい感じなんだ、、、ショック。
ここからは、今回の蘭展で私のもう1つのドススメのスポット、オフィリスとオルキスコーナー。
ヨーロッパから持ちこまれた地生蘭は、夏の暑さと蒸れで弱りやすいらしく、何年も栽培するにはテクニックが要るそうです。
逆に、冬は外でも良いそうです(職員の方に聞いた話で私は試していないので、自己責任でお願いします)。
*ちょっと前に、ヨーロッパの地生蘭は共生菌がおらず衰弱することがある、日本のカビ等の被害を受けることがあると記載しましたが、そもそも球根には蘭菌はいないそうで、カビもなんか2種類あって、蘭に悪さするヤツとかあと何かとか、色々カビなりの深い事情があるようで(詳しい話を聞いたのですが忘れました)、関係するのかどうか不明です。
オフィリスはヨーロッパの草原を中心に約25種あり、メス蜂そっくりに擬態しているため、Bee Orchidと呼ばれています。
オフィリスは擬態以外にも、交尾前のメス蜂が放つ性フェロモンと類似した物質を放っててオス蜂をだまします。
だまされたオス蜂が交尾しようとて、受粉が成立します。
オスの抑えようのない性欲を利用しないであげて欲しいです、、、
純粋なオスが何回も騙されて偽交尾するなんて、同じオスとしてあまりに気の毒、、、、
Ophrys sphegodes subsp. mammosa
モンテネグロ〜イスラエルに自生するとのことだが、ヨーロッパ〜中東の1300mまでの草原や牧草地、湿地帯等に地生するそうです。
Ophrys cretica subsp. Ariadnae
ギリシャの南東部、クレタ島、キプロスの1000m程度の道端にあるような草原、農薬を使用していないようなオリーブ畑等に地生するそうです。模様が面白いです。
Ophrys ×flavicans
マルタ諸島固有種であり、自然交雑種(O. bertolonii × O. sphegodes)
特に島の固有種というものは、その島以外の場所では育たないような、とんでもないクセがあるらしいので、うかつに手が出せませんが、こちらは自然交雑種ということで、雑種強勢されて多少強いのかも、、、
Ophrys vetula notho subsp. vetula
トルコ〜ギリシャに分布する自然交雑種(O. fueiflora × O. scolopa × subsp. scolopa.x)白が綺麗です。
Ophrys tenthredinifera
地中海西部沿岸地域(ポルトガル、スペイン、フランス、イタリア、ギリシャ、トルコ、および地中海諸島)、北アフリカの0〜1200m、酸性の岩質の土壌を有する涼しい草原地帯に地生。ピンク系もイイですよね。
ここからは、オルキスです。
どれもまぶしいくらいに美しく、非常に惹かれるので気を付けて見て下さい。
さて、こちらはオルキスの2コのキン●マ、、、じゃなくて球根。
当初、㊎に例えるなんてどうかしてる、と思ってましたが、この写真でみるとあまりにそっくりで妥当すぎる(笑)
あの美しい花の下に、コレがあるかと思うと、、、引きます!!
Orchis anatolica
ギリシャ、トルコ、シリア、レバノン、イスラエル、ヨルダン、イランの0〜2000mの松等の森林に地生するそうです。日本のアワチドリとかにも通じる可愛さがありますね。
Neotinea lactea
地中海沿岸地域(チュニジア、アルジェリア、モロッコ、スペイン、フランス、コルシカ島、サルデーニャ島、シチリア島、イタリア、ユーゴスラビア、ギリシャ、トルコ、ブルガリア)の1800mまでの痩せた草原地帯や、オリーブ畑、開けた森林地帯に地生。よく見ると、リップの斑点が綺麗です。
Anacamptis morio subsp. longicornu
スペイン〜イタリア半島南部に地生。ただでさえこれ程美しいのに、アルバやピンク、濃色等のカラーバリエーションがあるようです。嬉しいことに日本の趣味家の方で咲かせてる方がいらっしゃるので、日本の環境にも合うのかも。
Anacamptis ×gennarii
名札ではOrchis Gennariiとなっていましたが、Anacamptis ×gennarii(Anacamptis morio × Anacamptis papilionaceae)がKewでアクセプトされています。地中海沿岸(ポルトガル、スペイン、フランス、イタリア、コルシカ島、サルデーニャ島、シチリア島、ルーマニア、ユーゴスラビア、ギリシャ、東エーゲ海の島々、キプロス、トルコ、アルジェリア、モロッコ)に自生する自然交雑種。自然交雑種なので多少逞しく、日本の環境でもやっていけるのかも。花が大きく、色も綺麗で、これが交配の素晴らしさ。カトレアとかより、こういう属とかバルボでどんどん交配種を作って欲しいです。
Anacamptis papilionacea
地中海沿岸〜アルプス山脈、カスピ海沿岸(チュニジア、アルジェリア、モロッコ、ポルトガル、スペイン、バレアレス諸島、フランス、コルシカ島、サルデーニャ島、シチリア島、イタリア、ユーゴスラビア、アルバニア、東エーゲ海の島々、ギリシャ、キプロス、トルコ、ブルガリア、ルーマニア、レバノン、シリア、イスラエル、ヨルダン、イラン)の1800mまでの乾燥した草原、低木地、開けた森林の石灰質の土壌に地生します。こういう自生範囲(標高も含めて)が広いものは、適応能力が高いのではないかと想像します。神々しいまでの、原種の美しさ。
Orchis Bornemanii
Anacamptis x bornemanii?よく分かりませんでしたが、美しかったです。そして、写真じゃわかりにくいのですが、花茎が何本も上がり、これも交配による賜物?大株だから?
そういう訳で、あの時の若者達よ、このブログを見ていたら、も一回見に行ってこいやーッ!、じゃなくて、是非行って下さい、なんならそのまま入会していろいろ教えて下さいm(__)m
彼らが何に惹かれていたか、何故惹かれていたのかが少し分かった気がして、面白い蘭展でした。
前回は洋蘭会の展示を中心に紹介しました。
今回はつくば実験植物園の展示を中心に紹介します。
ところで、この会場において、コアなマニアっぽい若者達が衝撃的な会話をしていました。
私は写真を撮ったりして忙しかったので、ところどころしか聞いていないんですが、
若者A「おー、○○じゃん、スゲー」、若者B「これは○○で、××なんだよ(なんかマニアックな話)。こんな珍しい蘭は滅多に見られないよね」、若者A「やっぱここスゲーわ。ところであっちの温室では何やってんの?」、若者B「あー、あっちはアマチュアの人達のヤツでしょ。まあ、見なくてもいいんじゃない?」、若者A「そうだね」
私「、、、、、見てこいやーっ!!(心の声)」
私としてはアマチュアの展示目当てなので、この展開にビックリ。
最近の若者は奇想天外で、何考えてるのかさっぱりわからん!
せっかくお金払ってるのに、一通り見てくればいいじゃん!
専門的に見たらこちらの方が希少な展示なのかもしれないけど、アマチュアの会にも面白い蘭はたくさんあるし、栽培や仕立ても勉強になるんだぞ、と説教してやりたくなったのでした(怒)
そういう訳で、様々な見方と考え方があることに、改めて気付かされたというか、ノックアウトされたのでした、、、
蘭の世界には、ライト層もいるし、趣味家もいるし、コアな人もいれば、専門家もいる。
悔しいですが、今後更に発展していくためには、あの新人類達が惹かれていた蘭のこともカバーしたいと思ったし、ライト層や一般層をもっと取り込む工夫や仕掛けもしていかなければならないのだろうな、と考えさせられました。
そのために自分にできることを考えて、地道に実行していこうと思ったのでした。
そういう訳で、マニアックなばか者、、、じゃなかった、若者達が感動していた蘭達です!
やっぱりヲタクっぽい蘭が多いのか、情報が少なくて、、、、苦労させられました、、、、
Liparis montana
ジャワ島に自生する、色・質感共に美しいリパリス。見て下さい、この透明の質感。綺麗!
Oberonia sp.
オベロニア属は日本にも4種あり、ヨウラクランと言われています。あの尻尾のようなところに、非常に細かい花が無数に、螺旋状に咲いています。小さい花の1つ1つは綺麗なのですが、集合体としてみると奇妙だから面白いのです、、、
Oberonia thisbe
フィリピンの2000mの高地の樹木に着生するオベロニア。属名のOberoniaは、中世およびルネッサンス期の文学・伝承上の妖精王「オベロン(Oberon)」(シェイクスピア「夏の夜の夢」の登場人物)の名からきている。 種小名の thisbe はギリシャ神話に登場する美少女の名に因む、、、
Malaxis sp.
Malaxis属は、東南アジアを中心に約430種が確認される大属の地生蘭(まれに着生)。日本にも約7種あり、和名はヤチラン属。葉も綺麗だし、花も可愛い色と形ですよね。
そういう訳で、「キレイ蘭」と勝手に命名します。
いつか新しい情報が分かったら、追記します。
最終日に再訪して、3つ名前が分かりました。
Tainia penangiana
アッサム、ヒマラヤ東部、インド南部、タイ、マレーシア、中国、ベトナム、台湾の600〜1400mの熱帯常緑林に自生するそうです。
Tainia hongkongensis
中国南東部、ベトナムの100〜500mの丘陵地における、森が開けた場所の斜面に自生するそうです。
Tainia elmeri
フィリピンのルソン島の0〜1300m付近に自生するそうです。
さて、私が最近注目している、カランセもいくつかありました!
日本のカランセも綺麗ですが、洋モノは更に魅力的です!
Calanthe rubens
タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナムの300mに自生するカランセ。白〜ピンク、濃赤とカラーバリエーションがあるようです。
Calanthe rubens
Calanthe rubens
Calanthe argenteostriata
中国東南部やベトナムの100〜1600mの石灰岩の斜面に自生する、緑と白のカランセ。以前は「銀墨エビネ」の名前でよく販売されていたそうですが、最近はなかなか見かけない1種だそうです。美しすぎますね!これは私も若者に混じってテンションあがります!
Calanthe vestita
東南アジア(ミャンマー、ベトナム、タイ南部、マレーシア、ボルネオ島、スラウェシ島)の600〜1000mに自生。
Spathoglottis(スパソグロッティス)も数種類展示されていたので紹介します。
アジアの熱帯地域に広く地生し、和名はコウトウシランです。
ギリシャ語の「spatha(刀)+glossa(舌)」からきており、リップのの裂片の形から名付けられたそうです。
株姿も特殊だし、花は丸っこくて色も綺麗なものが多く、面白い属だなと思います。
Spathoglottis pacifica
ソロモン諸島〜フィジー、サモア、バヌアツに自生。種小名のpacificaは「太平洋の」という意味。
Spathoglottis vanoverberghii
フィリピンのルソン島の標高1000m以上に地生する。
Spathoglottis portus-finschii
ニューギニアに自生。種小名のportus-finschiiは「(ニューギニアの)フインシュ港の」という意味。
Spathoglottis sp.
名前が未同定なのか、まだ名前すらついていない新種なのか、sp.の理由はわかりませんが、すごく綺麗でした。
ここからは、セロジネです。
約120種ある大属ですが、今回紹介するのは多少マニアック。
セロジネもどれも魅力的でコレクションしたくなりますが、私はまずはシンビとかエリアあたりを栽培してみたいので、、、
Coel. tenosoerimenus?
良く分かりませんでした。
Coel. venusta
ボルネオ(カリマンタン)島に自生。
Coel. fragrans
セロジネの自生地は東南アジア、ヒマラヤ等が主ですが、Coel. fragransはマルク諸島、ニューギニア島の100〜2000mに自生。ややクール系とのこと。
Coel. aff. longifolia
スマトラ島、ジャワ島に自生。longifoliaという種名は、その長い葉に由来する。テカリ系もそうですが、透明系の花は何故か惹かれますね。
Coel. sp.
フィリピンに自生するそうです。
そして、エリア。
エリアなんてそんなに興味なかったんですけど、会長がエリアのことを綺麗だとか面白いと言っているのを2回くらい?聞いたことがあって(私の勘違いかもしれませんが)、昨年あたりから私もちょっと興味を持って注目している蘭です。
エリアという属名は、ギリシャ語の「erion(=軟毛)」に由来するそうで、毛が生えているものがあり、面白いです。
日本のオサランやリュウキュウセッコクもエリアの仲間。私は枯らしました、、、、乾燥に弱いみたいです。
Eria thao
中国の海南島、ベトナムの低地の600〜2200mに自生。低地の常緑林から高地の雲務林にかけて分布し、低地のものはバルブ間の?間隔が空きやすく、高地のものは小型になるそうです。種名のthaoは、島の意味。花に入ったラインが魅力的だなと思います。
Eria pannea
ヒマラヤ東部、インド(アッサム、シッキム)、ブータン、ミャンマー、タイ、中国南部、マレーシア、ラオス、カンボジア、ベトナム、ボルネオ、スマトラ島の0〜1300mの乾燥した低地林や針葉樹林の苔むした樹木に着生、稀に地生しているそうです。こちらはエリアの中ではややメジャーらしく、いくらか栽培し易いそうです。この毛の感じ、イイですよね。
Eria sp.
エリアにも様々なタイプがあるようで、房咲で毛がないタイプ。
Eria obesa
ネパール、アッサム、ミャンマー、タイの500m付近に自生します。
Eria merapiensis
スマトラ島西部の820〜2500mに自生。
Phreatia stenostachya
ソロモン諸島、ニューカレドニア、フィジー、バヌアツ、サモア諸島の1500程度の森林に自生。Synonyms=Eria cauligeraということで以前はエリアだったようです。コンペイトウみたい。
ここからは少し変わっているデンドロ。
Den. adae
クイーンズランド、オーストラリアの700〜1220mに自生するクール系のようです。
Den. parvulum subsp. minutum
Den. parvulumがまず希少なクール系デンドロなのですが、subsp. minutumはさらに情報がなく、恐らくもっと希少?ニューギニア島〜メラネシアに自生するそうです。この色をどのように表現すれば良いのか分かりませんが、淡い青っぽい色が綺麗でした。
Den. sp.
マレーシアに自生するそうです。なんか栽培が超難しそう、、、
ここからは色々です。
Epi. schlechterianum
メキシコ、ブラジル、ペルー、トリニダードトバゴの670〜1700mに自生するエピデン。葉っぱのような花で、アピールする気がほとほとないところが好きです。
Bulb. sp.
ニューギニアのバルボ。バルボにはいろんな形がありますが、その中でも私の好きなタイプ。
Phal. gibbosa(sny:Polychilos gibbosa)
ラオス、北ベトナムの0〜1000mの低地の森に自生するファレノプシス。小さいし、綺麗だし、葉が落葉するのかあまりなくて変わってるし、惹かれる要素満載でした。
Elleanthus blatteus
エクアドル、ペルーの1100〜2600mに自生する。これも本当に蘭なのか。そこら辺の雑草が鉢の中に混ざって、蘭は枯れたが雑草だけが残ったものを職員の方が間違えて展示しているのではないのか、、、と心配になりましたが、ちゃんとした蘭のようです。職員の方から、「何かの顔にみえませんか?」という追い打ちの問いかけがありましたが、私にはやっぱり雑草にしか見えなくて、、、ごめんなさい!
Pleurothallis dilemma
メキシコ、ボリビア、エクアドルの1200m〜1800mに自生するクール系。Pleurothallisの中でも珍しく、同じ葉に何年も花が咲くそうです。しかもこんな変な人形のような花が。気持ち悪い+可愛い=きもカワイイですね。
Gomesa kautskyi
属名がBaptistoniaとなっていましたが、Oncidium等の様々な紆余曲折を経て、現在はGomesaのようです。ブラジルのエスピリットサント州の600〜800mに自生します。透き通るようなゴメサで綺麗でした。
Oeceoclades saundersiana
熱帯アフリカ(アンゴラ、カメルーン、ガボン、ガーナ、コートジボワール、ケニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネ、タンザニア、ウガンダ、ザイール、ザンビア)の標高1200〜1300mの山の、日陰の湿った場所に自生。地味な美しさというか、渋さというか、わびさびというか、そういう感がありました。
ここで、私が最近注目しているエランギスを、2発。
Aerangis fastuosa
マダガスカルの1000〜1500m、海岸平野と高原の移行地帯に存在する森林の枝に着生する。香りが特に良いので惹かれます。
Aerangis luteoalba var. rhodosticta
中央アフリカ共和国、カメルーン、コンゴ、ザイール、エチオピア、ケニア、タンザニア、ウガンダの1250〜2200m、河を有する湿度の高い森林の茂みや木の枝に着生している。エランギスの中で私はこれが1番好きですが、栽培がやや難しいそうです。
Myrmecophila tibicinis
メキシコ〜ベネズエラに自生するそうです。花茎が長くて面白く、こんなの家じゃ絶対置き場所がないですが、花が非常に美しかったです。
Octomeria sp.
属名のOctomeriaは、8つの花粉塊を有するため、8を意味するギリシャ語に由来。約200種を有し、大半はブラジルに自生するが、熱帯アメリカに自生するものもあるそうです。やや冷涼で暗い環境を好むそうです。小さくて黄色の花も惹かれたのですが、バルブの形とか、仕立て・栽培の仕方とか、全体的に良かったです。
Amesiella philippinensis
フィリピンの400〜1400mの森林の苔むした木の枝に着生しています。株の割に花が大きくて、整っているので見栄えが良いです。
Trichoglottis triflora
タイの南西部やベトナムの1100〜1200mにある森林の木の幹に着生している。香りが良い。そして花がカワイイ。
さらに別棟にもいくつかの蘭が咲いていました。
Spathoglottis gracilis
マレーシア、ボルネオ島の800〜2000mにある丘や低山の岩の間や竹の根もとに地生。
Phaius tankervilleae
鶴頂蘭(カクチョウラン)。中国南部、オーストラリア、太平洋諸島、マレーシア、インドネシア、インドの1300mまでの低森や草地のくぼみに地生する。
ジャマイカやハワイに持ちこまれ、増殖している?らしい。パプアでは、スモークされた花が避妊薬として食されているそうです。場所を取りそうなので私は手を出していませんが、性欲旺盛な私は栽培した方がよさそうな気がします。
Liparis formosana
ユウコクラン。スズムシ草。日本(伊豆諸島、紀伊半島、九州、琉球諸島)、台湾、香港の300〜500mの広葉樹林に自生します。
Pleurothallis phyllocardioides
ハート形の葉を持つミニチュア蘭。グアテマラ、ニカラグア、コスタリカ、パナマ、コロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア、ベネズエラの20〜1800m、湿度の高い森林の中に着生するそうです。
ここからは、今回の蘭展で私のドススメの小笠原諸島の蘭。
2011年に世界自然遺産に登録された、小笠原諸島。
独自の進化を遂げた生物や生態系が、国際的に評価された結果だそうです。
その小笠原諸島には18種類の蘭が自生しており、うち8種類はこの地にしか分布しない固有種だそうです。
その写真展です。
Platanthera boninensis
和名シマツレサギ。
Goodyera boninensis
和名ムニンシュスラン。シュスランの仲間。「ムニン〜」という冠称の意味は、小笠原諸島が以前は無人列島と呼ばれていたことに由来します。
Calanthe hoshii
ホシツルラン。小笠原で最も絶滅の恐れの高い種の1つ。
Bulb. bobinense
オガサワラシコウラン。小笠原諸島では着生ランは少なく、他にムニンボウランがあるのみ。
Luisia boninensis
小笠原諸島のもう1つの着生種ムニンボウラン。乾燥に適応した棒状の葉を持つ。てか、アホ面した私が、、、服もだらしないし、、、、写真を撮ってる時の自分の姿ってこんなアホっぽい感じなんだ、、、ショック。
ここからは、今回の蘭展で私のもう1つのドススメのスポット、オフィリスとオルキスコーナー。
ヨーロッパから持ちこまれた地生蘭は、夏の暑さと蒸れで弱りやすいらしく、何年も栽培するにはテクニックが要るそうです。
逆に、冬は外でも良いそうです(職員の方に聞いた話で私は試していないので、自己責任でお願いします)。
*ちょっと前に、ヨーロッパの地生蘭は共生菌がおらず衰弱することがある、日本のカビ等の被害を受けることがあると記載しましたが、そもそも球根には蘭菌はいないそうで、カビもなんか2種類あって、蘭に悪さするヤツとかあと何かとか、色々カビなりの深い事情があるようで(詳しい話を聞いたのですが忘れました)、関係するのかどうか不明です。
オフィリスはヨーロッパの草原を中心に約25種あり、メス蜂そっくりに擬態しているため、Bee Orchidと呼ばれています。
オフィリスは擬態以外にも、交尾前のメス蜂が放つ性フェロモンと類似した物質を放っててオス蜂をだまします。
だまされたオス蜂が交尾しようとて、受粉が成立します。
オスの抑えようのない性欲を利用しないであげて欲しいです、、、
純粋なオスが何回も騙されて偽交尾するなんて、同じオスとしてあまりに気の毒、、、、
Ophrys sphegodes subsp. mammosa
モンテネグロ〜イスラエルに自生するとのことだが、ヨーロッパ〜中東の1300mまでの草原や牧草地、湿地帯等に地生するそうです。
Ophrys cretica subsp. Ariadnae
ギリシャの南東部、クレタ島、キプロスの1000m程度の道端にあるような草原、農薬を使用していないようなオリーブ畑等に地生するそうです。模様が面白いです。
Ophrys ×flavicans
マルタ諸島固有種であり、自然交雑種(O. bertolonii × O. sphegodes)
特に島の固有種というものは、その島以外の場所では育たないような、とんでもないクセがあるらしいので、うかつに手が出せませんが、こちらは自然交雑種ということで、雑種強勢されて多少強いのかも、、、
Ophrys vetula notho subsp. vetula
トルコ〜ギリシャに分布する自然交雑種(O. fueiflora × O. scolopa × subsp. scolopa.x)白が綺麗です。
Ophrys tenthredinifera
地中海西部沿岸地域(ポルトガル、スペイン、フランス、イタリア、ギリシャ、トルコ、および地中海諸島)、北アフリカの0〜1200m、酸性の岩質の土壌を有する涼しい草原地帯に地生。ピンク系もイイですよね。
ここからは、オルキスです。
どれもまぶしいくらいに美しく、非常に惹かれるので気を付けて見て下さい。
さて、こちらはオルキスの2コのキン●マ、、、じゃなくて球根。
当初、㊎に例えるなんてどうかしてる、と思ってましたが、この写真でみるとあまりにそっくりで妥当すぎる(笑)
あの美しい花の下に、コレがあるかと思うと、、、引きます!!
Orchis anatolica
ギリシャ、トルコ、シリア、レバノン、イスラエル、ヨルダン、イランの0〜2000mの松等の森林に地生するそうです。日本のアワチドリとかにも通じる可愛さがありますね。
Neotinea lactea
地中海沿岸地域(チュニジア、アルジェリア、モロッコ、スペイン、フランス、コルシカ島、サルデーニャ島、シチリア島、イタリア、ユーゴスラビア、ギリシャ、トルコ、ブルガリア)の1800mまでの痩せた草原地帯や、オリーブ畑、開けた森林地帯に地生。よく見ると、リップの斑点が綺麗です。
Anacamptis morio subsp. longicornu
スペイン〜イタリア半島南部に地生。ただでさえこれ程美しいのに、アルバやピンク、濃色等のカラーバリエーションがあるようです。嬉しいことに日本の趣味家の方で咲かせてる方がいらっしゃるので、日本の環境にも合うのかも。
Anacamptis ×gennarii
名札ではOrchis Gennariiとなっていましたが、Anacamptis ×gennarii(Anacamptis morio × Anacamptis papilionaceae)がKewでアクセプトされています。地中海沿岸(ポルトガル、スペイン、フランス、イタリア、コルシカ島、サルデーニャ島、シチリア島、ルーマニア、ユーゴスラビア、ギリシャ、東エーゲ海の島々、キプロス、トルコ、アルジェリア、モロッコ)に自生する自然交雑種。自然交雑種なので多少逞しく、日本の環境でもやっていけるのかも。花が大きく、色も綺麗で、これが交配の素晴らしさ。カトレアとかより、こういう属とかバルボでどんどん交配種を作って欲しいです。
Anacamptis papilionacea
地中海沿岸〜アルプス山脈、カスピ海沿岸(チュニジア、アルジェリア、モロッコ、ポルトガル、スペイン、バレアレス諸島、フランス、コルシカ島、サルデーニャ島、シチリア島、イタリア、ユーゴスラビア、アルバニア、東エーゲ海の島々、ギリシャ、キプロス、トルコ、ブルガリア、ルーマニア、レバノン、シリア、イスラエル、ヨルダン、イラン)の1800mまでの乾燥した草原、低木地、開けた森林の石灰質の土壌に地生します。こういう自生範囲(標高も含めて)が広いものは、適応能力が高いのではないかと想像します。神々しいまでの、原種の美しさ。
Orchis Bornemanii
Anacamptis x bornemanii?よく分かりませんでしたが、美しかったです。そして、写真じゃわかりにくいのですが、花茎が何本も上がり、これも交配による賜物?大株だから?
そういう訳で、あの時の若者達よ、このブログを見ていたら、も一回見に行ってこいやーッ!、じゃなくて、是非行って下さい、なんならそのまま入会していろいろ教えて下さいm(__)m
彼らが何に惹かれていたか、何故惹かれていたのかが少し分かった気がして、面白い蘭展でした。
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