C. trianaei concolor 'Orion'(MC)
'Orion'は理由はわかりませんが、出回っている株はほぼMCで、OGはまず見かけることがありません。
おそらくですが、OGがウイルスに感染したため、MCにかけて処分したのではないかと思われます。
よって、存在するかどうかはわかりかねますが、もしOG(ウイルス陰性)を持っている方がいらっしゃったら、ウイルスに感染する前に株分けされた貴重な株になると思われるので、大切にされた方が良ろしいです。
私が所有するこの株の特徴は、やや抱え咲き、ペタルの先端に進むにつれて薄っすら筋が入り、セパルの先端も僅かに色付き、リップは大きく黄目もしっかり入り、リップの色が完全なコンカラーではなく、周囲よりやや濃い色がノッて、厳密にはセミコンカラーみたいになるところです。
以前、C. schroederaeやC. quadricolorは、C. trianaeiのvarietyとされていました。
よって非意図的に、あるいは意図的な場合もあったかもしれませんが、これら3種は混血しているものが多いです。
C. trianaei concolorにおいては、C. schroederaeが混血しているものが多いです。
その中で、純粋なC. trianaei concolorを見分ける方法はいくつかあります。
まず、C. trianaeiは本来香りがありません。
そして、花弁のフリルもC. schroederaeほど多くありません。
その視点で判断すると、この個体は香りが強く(ただしC. schroederae単体の香りでもない)、フリルや黄目もしっかり入ります。
以上から判断すると、私が所有しているC. trianaei concolor 'Orion'は、C. trianaei(40%)+C. schroederae(40%)+C. quadricolor(20%)くらいの比率ではないかと予想します。
なお、この成分と比率は、私が勝手におおまかに判断したものなので、真実か否かはわかりません。
生育・根張りとも旺盛で、非常に栽培しやすいですが、裏を返すと、雑種強勢の可能性があるため、生育が旺盛なのかもしれません。
私はこの花をそのようにみましたが、一般的には良いC. trianaei concolorの1つだと思います。
そもそも厳密なC. trianaei concolorは、ほとんど存在しません。
年に1回でも出会えればラッキーな方で、それでも花が小さかったりとかで、良花になるとかなりコアな数名の方しか持っていないでしょう。
さて、1月の埼玉洋らん展において、オリオンが3点展示されていたので紹介します。
C. trianaei concolor 'Orion'(埼玉1)
私の株と同じく花弁に薄っすら筋がはいるが、リップに(セミコンカラー的な)色はノッテおらず、ややオープンリップ。
C. trianaei concolor 'Orion'(埼玉2)
向かって右ペタルがタラーンとなっているが、おそらく1と同じような花で、リップは締まっている。
C. trianaei concolor 'Orion'(埼玉3)
私の株と同じく花弁に筋、リップに色が入るが、セミコンカラー的な色が小さく、かつ薄め。
ここで、何が言いたいのかといいますと、MCはOGのコピーです。
紙をコピー機でコピーする場合もそうですが、やはり原本とは位置がちょっとずれたり、インクの色が異なったり、違いが出てくる場合があります。
MCにおいても同様で、もしもMCの数を沢山とったり、MC株からさらにMCを作る(いわゆる再MC)場合もそうですが、遺伝子情報が傷ついて、正確にコピーされない確率が高くなります。
これがいわゆるMC変異で、これがなかなか厄介です。
MC変異はごく稀に良い方に変異することもあるのですが、ただでさえ銘花と呼ばれるレベルの高い花をコピーしているだけあって、その花よりレベルの高い花に化ける確率は非常に低く、大抵は元の花に届きません。
よって、同じ個体名のMCなのに、様々な個体が出現してしまうのです。
つまり、私の持っている'Orion'と、他の方が持っている'Orion'が異なる場合が出てくるのです。
上記3個体や私の個体が異なるのは、その可能性があります。
ただし、花は栽培環境や株の状態にも影響されるので、断定はできません。
上記のような問題を回避するためにはOGをコレクションした方が良いのですが、OGは高価ですし、古い個体ともなると病気やウイルス等の曝露を受けている可能性も高くなるため、一概にどちらが良いとは言えません。
'Orion'に関しては、OGがおそらくないため、本来の花がどのような花だったのか私には知る由もありません。
ただ言えることは、この花はC. trianaei concolorとして現在でも十分通用する美花だし、そのような歴史的背景を持つ稀な個体で、花もバラついているようなので、出所の異なる株を複数観察したり、各自が持っている株を大切にした方が良いということです。
私は'Orion'を2つ持っていたのですが、1つは栽培スペースの問題で、花を確認せずに手放してしまいました。
いつか複数の'Orion'を並べて、同一の条件下で栽培して、花の違いの有無を確認してみたいと妄想しています。
カトレア トリアネイ ‘オリオン’C.trianaei ‘Orion’【花なし株】 価格:7,560円 |
カトレア マキシマ セルレア ‘ヘクター’C.maxia var. coerulea ‘Hector’ AM/AOS SM/JOGA【花なし株】【原種】 価格:16,200円 |
ソフロニチス セルヌア オーレアS.cernua var. aurea (Yellow x Lemone)【花なし株】【原種】 価格:5,400円 |
カトレア ボーリンギアナ ‘ダーク カタヤマ’C.bowringiana ‘Dark Katayama’【花なし株】 価格:7,560円 |
カトレア ガテマレンシス ‘キャナリー’C.guatemalensisi ‘Canary’【花なし株】 価格:3,780円 |
カトレア ボーリンギアナ アルベッセンス ‘タワーグローブ’C.bowringiana var. albescens ‘Tower Globe’ AM/AOS【花なし株】【原種】 価格:5,400円 |
レリア プミラ セルレア ‘イワシタ’L.pumila var. coerulea ‘Iwashita’【花なし株】 価格:21,600円 |
カトレア パーシバリアナ セルレア ‘オンディーヌ’C.percivalliana var. coerulea ‘Ondina’【花なし株】 価格:21,600円 |
カトレア パーシバリアナ セルレア ‘オンディーヌ’C.percivalliana var. coerulea ‘Ondina’【花なし株】 価格:21,600円 |
レリア シンコラーナ セルレアL.sincorana var. coerulea【花なし株】 価格:3,240円 |
カトレア ルデマニアナ セミアルバ ‘セロベルデ’C.luddemanniana var. semi-alba ‘Cerro Verde’【花なし株】 価格:6,480円 |
カトレア ノビリオール ‘ダークナガラ’C.nobilior ‘Dark Nagara’ BM/JOGA【花なし株】 価格:21,600円 |
カトレア ガスケリアナ コンカラー ‘ジュン’C.gaskelliana var. concolor ‘June’【花なし株】 価格:21,600円 |
カトレア フォーベシー ‘グリーン’C.forbesii ‘Green’【花なし株】 価格:3,780円 |
カトレア スキンネリー セルレッセンスC.skinnerii var. coerulescens【花なし株】 価格:3,780円 |
カトレア ラビアタ アモエナ ‘フォーレイアナ’C.labiata var. amoena ‘Foleyana’(=autumnalis)【花なし株】 価格:7,560円 |
カトレア ビクトリアレギネ C.victoria-reginae【花なし株】 価格:10,800円 |
価格:2,700円 |
カトレア スキンネリ アルバC.skinnerii var. alba【花なし株】 価格:4,320円 |
カトレア フォーベシー アルバC.forbesii var. alba【花なし株】 価格:5,400円 |
カトレア スキンネリ ‘ヘイティージャコブス’C.skinnerii ‘Heiti Jacobs’【花なし株】 価格:7,560円 |
カトレア シレリアナC.schilleriana (‘Sanderiana’AM/HOS x ‘Topasio'Capixaba’)【花なし株】 価格:4,320円 |
カトレア ルデマニアナ ‘ミシマ’C.lueddemanniana ‘Mishima’ BM/JOGA【花なし株】 価格:8,640円 |
カトレア パーシバリアナ ‘アルバーツ’C.percivaliana ‘Alberts’【花なし株】 価格:8,640円 |
レリア ダイアナ セルレア ‘チョージャマル’L.dayana var. coerulea ‘Chojamaru’【花なし株】 価格:4,320円 |
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