サラリーマンの社会保険料は労使折半で半額を会社が負担している。年々この負担が重くなっているので、企業が正社員雇用を抑制する一因となっているという話がある。
参考:不都合な真実? 社会保険料の「労使折半」はやめるべきなのか
https://otonanswer.jp/post/4572/
当然会社経営者は合法的に社会保険料を削減できないか考えている。そう言った要望に応える形で色々なコンサルティングビジネスが行われている。
参考:社会保険料の削減は大きなコスト軽減
http://www.business-sol.jp/article/14025989.html
参考:コラム2 社内規定と社会保険の関係
http://www.iseki-office.jp/column02.html
「通勤手当の支払い方法を変える」や「選択制確定拠出年金を導入する」という話は知っていたが、今回「借り上げ社宅制度を導入する」という方法もあると知り本当に色々考えるものだと感心した。
確かにこれで労使共に社会保険料と所得税が削減することが出来てWin-Winの関係でめでたしめでたし…で済めば良いが当然社宅制度を運用する為の賃貸借契約と給与計算事務処理仕事が増える訳で、このコストをどう計算しているのだろうか。この仕事の為に人員を増しては意味がないのでまた担当者の仕事が増え忙しくなるだけだ。
それに目先の手取りが増えて喜んだとしても定年退職後に年金額の少なさに泣くのであればまるで”朝三暮四”の故事みたいな話になる。実際は有給休暇手当も減るのでもっと早く気づきそうだが、その意味が分かる社員はこの制度を利用することはないだろう。
参考:社会保険料を削減します・・・・ 魔の誘惑??? H24.7月号
https://www.nishimura-roumu.com/information/24-1-12/385-2016-04-20-13-21-37.html
戦後日本の税制、社会保険制度を支えてきた「源泉徴収」と「労使折半」は既に制度疲労を起こし基本理念から外れたコンサルティングが横行している様に見える。
「源泉徴収」と「労使折半」を止めて労働者全員が確定申告を行い全額納めるようになれば税金の高さを実感し政治への関心が高まることだろう。官僚公務員の無駄遣いにも納税者の厳しい目が向けられるようになる。
労働者全員が確定申告を行っていれば毎年手取り額から、生活困窮者への行政の救いの手が正確適切に行うことが出来る。労働生産性向上に貢献しないコンサルティングも無くなるから、税と社会保険制度改革が日本経済活性化の原動力になるのではないかと期待している。
もっとも既得権益を持つ政治家や官僚達は国民に税・社会保険・年金制度へ興味を持ってもらいたくないから必死に抵抗することだろう。そう思うとこれが民主主義の限界かと諦め、長い物に巻かれたくなってしまう。(^_^;;