第4回「知覚心理学と絵画芸術の接点」で錯覚と美術史の関係が詳しく説明されている。パブロ・ピカソの「やっと子どもらしい絵が描けるようになった。」という言葉から講義が始まり、
・人はこうして世界を見る
・子どもの絵はなぜ面白い
・絵画の巨匠たちと認知心理学
といった内容が説明された。
子どもの絵は「知的写実主義」と言われ「透明画法」や「分かち描き」による「疑似展開図」として描かれており5〜7歳までに見られる特徴だと言う。幼児では「頭足人」といった絵が描かれるとのこと。
紀元前から中世まで「多視点展開図」といった絵画が描かれ、日本でも「やまと絵遠近法」や「上下遠近法」で「洛中洛外図屏風」等が描かれてきた。
ルネッサンス時代となり「カメラ・オブスキュラ」の利用や解剖学の進歩により15世紀に絵画の遠近法が発明された。レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」が有名だ。
1841年「ネガポジ法」の写真技術が開発されたことにより19世紀後半には線遠近法に忠実な絵画から「人間性・恒常性を回復しようとする試み」として印象派が生まれた。
参考:カメラの歴史をみてみよう
https://global.canon/ja/technology/kids/mystery/m_03_01.html
そして現代美術としてピカソの言葉が繋がると説明された。この美術史と錯覚の話が私の記憶に残っていたから、
・サントリー美術館「京都・智積院の名宝」
・国立西洋美術館「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」
・東京国立博物館「博物館に初もうで 兎にも角にもうさぎ年」
・東京国立博物館150周年記念特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」
に行ったら面白かったのはこの美術史の歴史を復習していたからだった。
第2回「視覚の錯覚 見ることは考えること」では「知覚とは無意識の推論と同等である」というヘルムホルツの言葉から「個人の既知の知識・経験・期待(スキーマ)」による概念駆動型のパターン認識で「見えたものの決定」が行われるとの説明があった。
「あなたは世界を創り出している」というサブタイトルは中二病みたいだが実際そうだと思うと「知識・経験」が大切だと再認識する。
蛇足ながらピカソの言葉をAIチャット「ChatGPT」に説明してもらったら、
「やっと子どもらしい絵が描けるようになった」という文は、「私はもう子どもらしい絵を描けるようになった」という意味です。つまり、描くことができる技術やセンスが向上したということを表しています。
と禅問答みたいになったので「パープレキシティ」に尋ねたら、
パブロ・ピカソは「ラファエロのように描くには4年かかったが、子供のように描くには一生かかった」という有名な言葉を残しています。これは、どんなに有名な芸術家でも、子どものような自由な創造性を発揮することは難しいということを示唆している。ピカソの発言は、晩年になってようやくこのレベルの創造性を獲得したことを暗示している。
と知りたいことを教えてくれた。AIの進歩もまた面白い。
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