<個人的な評価:10点中9.5点>
下記、個人的な感想。
ネタバレあり
下記、個人的な感想。
ネタバレあり
ストーリーは、勅選弁護士ウィルフリッド・ロバーツが、純朴な青年レナード・ボールの弁護をすることになる話。
彼は、金持ちの夫人の愛人で、その夫人を撲殺した容疑で逮捕され、直接証拠は無いものの、状況証拠やその家の家政婦の証言などは明らかに彼が犯人であると指し示していた。更には被害者が生前レナードが妻を持っていることに気づかず、死んだ場合はレナードに全財産を譲るという内容の遺言書を書いていたため、金銭目的なら動機も十分にあった。
弁護には難題な案件だったものの、弁護士ロバーツは事件当時のアリバイを証言できる彼の妻ロメインを証人として彼の無実を勝ち取ろうとする。
このレナードって青年が、本当に容姿端麗で、綺麗な目をしていて、純粋な好青年なんだよね。私も騙されたよ。Gossip Girlに出てくるNateのような、純粋そうな美青年で、Nateと同じように年上を含む全ての女性に好かれるタイプで、年上の男性からも好青年扱いされる。まさか、中身は腹黒だったとは。
戦後を生き抜いて、必死に仕事を探していて、妻と慎ましく暮らしている。そんな印象だったんだけど。
私も、まんまと騙されたわ。
この美青年のレナードは、妻がいながらも知り合いになった、富豪の夫人の愛人になるんだけど、レナードから、誘惑したのではなく、夫人の方から誘ったんだよね。だから、レナードは、金持ちの女性に飼われているだけの可哀相な人で、本当は純粋に仕事を探しているだけなんだ...と私も思った。私も美青年には、甘いからね。まんまと騙された!!!!これ、騙されたのは、老弁護士のロバーツもそうなんだよ。
ロバーツは、レナードと、自分の死んだ息子を重なていた。
だから、まんまと、レナードの罠にはまっていった。
これは、アガサ・クリスティーの最高傑作といわれてもおかしくない。本当に傑作だった。
それを、映像化したのも凄い。私も騙された。これこそが、どんでん返しだろう。
殺したのは、私もずっと、メイドだろうなと思ってた。
ロメインが、一世一代の大演技で、夫の無罪を勝ち取ろうとしたのかなと予想はしてたけど、まさか、レナード&ロメイン夫妻は、すでに裏で画策していて、レナードの方も演技をしていたとは!!!!!
最後のどんでん返しで、犯人は、はじめっから、レナードだったというオチと、メイドは本当に無罪で、無実の罪で処刑されてしまったという、そして、真相を知った弁護士ロバーツは、自殺してしまうという。暗いエンディングだったな。しかし、殺人を犯したとはいえ、戦争を経験して、必死に生きてきたのは、レナード&ロメインもそうだから、戦後という事もあって、この二人にも、同情をしてしまうんだよね。だから嫌いになれないというか、全てを知ったあとも、せめて幸せになってほしいと願うんだが、このドラマでは、そのまま逃げ切るんだけど、アガサ・クリスティーの戯曲化では、レナードという男はクズで、妻のロメインも裏切って、最後は、そのロメインに刺殺されるんだよね。ドラマでは、レナード&ロメインは、ハッピーエンドで、完全犯罪で逃げ切ったけど。
法廷ミステリーの中では、私の中でも、最高傑作だろうね。鳥肌がたった。
当時の背景や偏見もうまく醸し出している。
「本当の事をいっても、信じてもらえない」から、それを利用して、レナードの無罪を勝ち取ったロメイン。
実際に、ロメインが法廷で、話したのは、全て本当の事だった。
あえて本当の事を話を話した。レナードが、殺したってね。全て真実だったとは。
まんまと騙された!!