『Malignant (2021)』
<個人的な評価:10点中7.5点>
下記、個人的な感想。
ネタバレあり
下記、個人的な感想。
ネタバレあり
ホラー、スリラー映画。
まず、建築美がすごく私好み。冒頭に出てきた精神病院のゴシック巨大建築物も超好みだが、主人公の家もとても良い。上からのカメラワークの場面があって、それも良かったな。家の構造がよくわかる。主人公が家の中のキッチンやダイニングや階段などを通って、自室に逃げていく場面が、上から視線でわかる場面があったが、あれは斬新でいい。今おもえば、あの視点も面白い。実際は天井裏に住み着いているガブリエル(主人公の身体に入っているガブリエル)の視点だったのかも。そして逃げまわっている主人公は主人公そのものの潜在意識。
ストーリーは、もちろんいいが、建築美、カメラワーク、恐怖の見せ方もいいし、それだけじゃなく、ちゃんと血が繋がらない姉妹の無償の愛という感動のテーマも描かれている。ホラーで怖がらせるだけじゃなく、ちゃんとしっかりストーリーもテーマもある。
さて、ホラーに関してだが、正体がわからなかった時は、かなり怖かったので、顔を半分隠しながら観たが、正体がわかってからは、もう、アクロバティックなアクションを楽しんだ笑。
そうそう、本当にアクロバティックだった。
そうきたかーーー!!って場面は、天井から誘拐された人がおっこちた場面だ。
あれは吃驚だし面白い。あの場所は、どっかの隠れ家か廃墟かと思ってたが、まさか主人公の家の中だったとは。あの家は、はじめて目にしたときから、外観からして、私好みの素敵な建築物だなとおもったが、まさかあんな重大な秘密が隠れてたなんてー!!!
誘拐された人が実は、産みの母親だったというのも面白い展開だ。
助かって良かった。普通に優しそうな人で、そもそも、その実母も何も悪くないよね...
むしろ彼女は被害者だよ。それでも真っすぐ懸命に生きて、ガイドさんやってたのに。
最後、死ななくて良かった。
途中から、なんとなく殺人鬼の正体はいくつかのパターンで予想してた。
主人公自身が二重人格で殺人鬼なのか、もしくは、腫瘍が、昔に、あったが既に手術されて、その腫瘍が成長して化け物になったパターンか(主人公とは体が別れてると予想)。
まさか、頭にもう一つの顔があったとは。なぜ、それに気づかなかったのかというと、主人公の外見は普通で、見た目も普通で、頭に腫瘍があるようには見えなかったから。
しかし、実際は、冒頭で、DV夫に頭を壁に打ち付けられた時に、傷口が開いて、中に隠れてたはずのMalignantが出てきたのだ。恐ろしい。
そう、主人公のMadisonは、あの有名な都市伝説のエドワード・モードレイクと同じ症状だったのだ。
都市伝説
こんな都市伝説を思い出した。イギリスには、とある都市伝説がある。
2つの顔をもつ男・エドワード・モードレイクの都市伝説だ。
貴族の後継ぎとして19世紀に生まれたエドワード・モードレイクには2つの顔があった。
もう1つの小さな顔は頭の後ろにあり、目も口も鼻もある。
しかし、悪魔のよう顔だった。いや、悪魔そのものかもしれない。
小さな顔は見たり食べたり話したりすることはできなかったが、泣いたり笑ったりよだれを垂らすことができた。邪悪な人格を持っており、夜になるとモードレイクに悪魔のような地獄の囁きをする。モードレイクが喜んでいるときにはそれを冷笑し、悲しんでいるときにはせせら笑った。
モードレイクは医者にこの「悪魔の顔」を取り除くようにお願いしたが、彼らは手術をすることを拒んだ。
もしくは当時の技術では手術できなかたのかもしれない。
モードレイクは、この悪魔のささやきから、逃れる事ができず、23歳で自殺した。
この映画では、この都市伝説については言及されていないが、私は前からこの伝説を知っていたので、真っ先に思い出した。そもそも、この都市伝説は、真実の話だったのかもしれない。
現実にも、Malignant は存在するし、医学では、Malignant Tumor というのは、悪性腫瘍を指す。だから、タイトルは本当にわかりやすい。そのまんまだ。
悪性腫瘍というだけじゃなく、悪質な潜在意識をもっている腫瘍という意味でもあるから、恐ろしい。
そして、実は、腫瘍というより、これは、Parasite Twins なのだ。
フィクションとかではなく、実在する。Parasite Twins と検索したら、本物が色々と出てくる。(人によっては衝撃的な画像も出てくるので検索するときは注意)
この映画の面白いところは、実在するParasite Twinsを基盤に、ホラーを作っているので、ぶっちゃけ幽霊や怨霊とかよりも、リアル感があって、恐ろしい。
それより、もっと斜め上をいって、その寄生双子が、悪意ある人格と超能力さえも持っていたらどうなるか。
一般的に、医学的に、科学的に、まずありえないような事だが、もしかして、実在するのかも?とも思えるような感じが、個人的に面白いと思った。
もしかして、広い世界、どこかの巨大な病院の地下で、こういう人が、入院+監禁されていて、研究がおこなわれているかもしれない。
さて、映画の話に戻るが、血が繋がらない姉妹愛がうまく描かれてたのが良かった。
主人公Madison(本名はEmily)の妹、Sydneyが良いキャラしてた。本当にお姉ちゃん想いの良い子だ。
ちょっと面白い天然な子で、かわいい。
あと、警察にイケメンいた。
過激なポリコレ信者は、人様の個人的な外見の好みさえも、“人種差別だ!ルッキズムだ!性的摂取だ!”と、発狂するけど、私はそういうLoud Minority は無視して、堂々と言うけど、個人的な見た目の好みといえば、金髪碧眼の白人男性だ。しかし、こういうアジア系と白人系が混ざったかのようなミックスな感じも、かなりタイプ。クールで知的な印象する。だから、この映画に出てた警察はタイプのイケメンなんだが、私の彼氏と少し似ているので笑っちゃったよ。身内や友達に似た人が、映画に出ると面白い気分になるよ。
Detective Kekoa Shaw ってキャラ。かっこいいです。
あとから調べたけど、George Youngという俳優さんは、中華系マレーシア人とギリシャのミックスらしい。
だから顔的になんか親近感がでたのか。私も中華系シンガポール人の血が入っているから。
バリバリなアジア系より、欧州の血も入っているところが、自分に近い感じなので親近感で好感。やっぱり似た人を好きになるのかなー。私は日系も入っているので、アジアの血の方が全体的に濃いけど。
うん、彼はやっぱりカッコいいです。
この人、ぜったいにSydneyの事、好きでしょ。進展あるといいな笑。
でも、無事なのかな?最後、大怪我してたけど、もちろん生きてるよね??
最後、姉妹愛で終わったけど、そのあと、どうなったのが描かれてないから、え?ここで終わり??って少し拍子抜けしたのが、個人的に減点理由。本当は、8点(10点満点)の評価にしたかったんだけど。
あのまま終わって、あとは想像に任せます...的なものが好きな人は、別にあの終わり方でいいと思うかもしれない。けど、私としては、ちょっと綺麗ごとにまとめられすぎて、逆に、みんな、これからどうなるの?って興味がわいてしまった。だから物足りない終わり方だった。
キャラに愛着をもってしまったので、警察のKekoa Shaw が、無事なのかどうかも確認したいし、主人公Madison のその後もどういう処置をとられるのかも気になる。
そもそも、この場合、判決はどうなる??
実際、超危険な大量殺人鬼だよ?殺しすぎだよ。殺された医者たちも本当に、Madison(Emily)を助けたかっただけで、悪い人達じゃないし、あんな残忍な殺され方をされて無念だ。
最後は、Madisonが自分の人格を取り戻したけど、警察としても、いや国としても、野放しにできないよね。
やっぱり、精神病院にいれられるのかな?
でも、なにかしら、行動の制限はされるだろうな。超危険人物だ。
とても難しい判決になりそうだ。
だから、そこらへん、どうなったのか、とても気になった。
その点、置き去りにされた感がして、物足りない感がした。
だから、それが、私の減点理由だ。
それでも、個人的に、7.5 点は、高評価な方だけど。
私はホラーはよくみるが、ほとんどは、5点〜7点なので。
その中でも、これは大当たりだった。
久々に面白いホラーを観た。