<個人的な評価:10点中5点>
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
金田一耕助シリーズの中でも、変わっているエピソード。
原作が宮本音禰の手記であるというのもあって、他の金田一耕助シリーズとは、一際、異質な部類だ。
そして、他の作品と比べて、エロスもある方だ。
ヒロインの宮本音禰は、今までの金田一耕助シリーズのヒロインの中では、個人的に一番美人だと思うけど、どうも性格は意味不明で、共感も同情もできない。(他の作品のヒロインに共感できるというわけでもないけど)
で、結局、高頭俊作&宮本音禰は、大人が決めた、幼少期からの婚約者同士で、お互いをよく知らないのに、しかも、高頭俊作は強引にも、宮本音禰を犯したのに、よくあんな相思相愛になるなーと。
最初は、ストックホルム症候群かと思ったけど、そうでもなさそうだったし、監禁されてたわけでもないのに、最終的には、宮本音禰が、高頭俊作を頼り、助けた感じ。
まあ、あれが、本物の高頭俊作であり、犯人ではないってのは、すぐにわかったけど。
高頭俊作は、本当に、宮本音禰を愛していたのだろうか?幼い頃に一度あったっきりの女の子だし。
でも、俊作は、自分自身の存在をかき消されて、偽りの名前と人生を与えられて、でも、宮本音禰という存在が、彼自身に、彼自身の事を忘れさせないでいてくれたのかもしれない。
だから、彼は、「音禰」と、「自分の手形」にこだわった。それが自分自身の存在に繋がるから。
彼は、宮本音禰を愛していたというより、自分自身を取り戻したかったんだろう。
物語の構成上、しょうがないけど、金田一耕助の活躍が、ちょっと少ないのが残念。