『Lee Daniels' The Butler
(大統領の執事の涙)(2013)』
(大統領の執事の涙)(2013)』
最近は、歴史映画を観ている。普段は観ないジャンルだが、たまに観たくなる。
これは、2013年のアメリカ合衆国の歴史ドラマ映画。
とても深い物語。個人的に、とっても傑作で良かった。涙なしでは観られない。
I cried though out the entire movie......
一見、奴隷の子供として育ったセシルのサクセスストーリーだが、彼の中にずっとあったモヤモヤ、そして最後の展開、すっごく良かった。セシルのキャラがすっごくいい。実在する人物がモデルだ。
今年は、BLM運動がかなり歪んだ方向に向かっているような気がするが、黒人差別の根深い問題は本当にアメリカだけではなく人類すべてが考える問題ではないだろうか。
白人やアジア人にも色々いるように黒人にも色々いるし、多数の犯罪歴がある黒人を神のように祭り上げて、BLM!に利用するのはどうかと思うし、それを指摘する人達を暴力で押さえつけるのもどうかと思うし、私はそれらには一切賛同しないが、でも、一般的に黒人が過去に受けた差別は本当に酷い。
奴隷=家畜のような時代の中、彼らは、前へ前へ、希望をもって、前進してきて、そして今があるのだ。
私は、日系や中華系を含むアジア人と白人先祖の混血で、肌は白人より白く、髪の毛も、薄い茶色なので、アメリカでは、見た目で差別を受けた事はない。日本にいても、喋らなければ日本人と通じるので、変な差別を受けた事はないが、私がアメリア国籍、または母親がシンガポール人と知ると、妙な偏見をもって接してくる人たちはいる。アメリカでも、マレーシアやシンガポールに住んでた事があるというと、ムスリム嫌悪の連中から変な偏見を持たれたことはある。意地悪ではないし悪意はないので、私はそんな事を一々気にしないけど、モヤモヤする事はある。
ただ私も日本人に対して偏見を持つことがあるので、お互い様かな。
だから、私の感じたお互い様であるモヤモヤと、黒人の人達が受けた悪意ある差別は全く違うものだろう。
黒人の血が一切入っていない私には、到底、理解できない事なのだ。
ただ、こういう映画を観ていると、本当に彼らの苦しみが伝わってきて、とても悲しい気分になるし、主人公のセシルにとても感情移入してしまうし、最後の展開は、本当に感動した。
セシルと長男の考え方の違い。長男と次男の考え方の違い。
誰が正しいとか間違ってるとかないけど、私はセシルに強く共感する。
与えられた仕事を誠実にこなす。あまり文句をいわず、あまりしゃべらず、とにかく善良で誠実。
そうすれば、いつかきっといい時代もくるのだろうという彼の生き方が素晴らしい。
国の為に戦う!!黒人だけどアメリカ人として、国の為に命をかける!
そういう正義感がある次男も素晴らしい。ただ命をすぐに落としてしまった...
黒人だから、前線にいかされたのかな....涙。
長男にいたっては、私自身が、デモするタイプの人間ではないので、こういうタイプの人は、ちょっと...っと思うが、彼のような人たちがいたからこそ、歴史は動いたんだなと思うと、やっぱり、声を出す事の重要性もあるんだなーと感じだ。(長男の彼女は、失礼で無礼すぎて嫌いだけど)
後半のセシルの心の変化。
長男との和解。
長年連れ添った妻との絆。
とても感動した。
長男も別に父親に反抗したいから、そんな行動をしているわけではなく、真剣にアメリカや黒人の事を想っているから、だからこそ、誰よりも父親には理解してほしかったんだろうな。
アメリカの黒人差別について少しでも知りたいなら、ぜひおすすめしたい映画だ。
心を揺さぶられるものがあった。