『Lady Macbeth (2016)』
<個人的な評価:10点中6点>
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
タイトルに騙された。
シェイクスピアのMACBETHのスピンオフ系の物語かと思ったら、それとはまったく関係なく、不倫夫人の残酷な一人勝ちショーだった。
19世紀後半のイギリスの地方の資産家に嫁いだ夫人の物語。
年上の夫も、元々、望んでた結婚ではなく、形式的に結婚しただけで、夫人を放置。
ずっと外泊する(夫には実は結婚前から、長年の妾がいて、その女と既に息子もいて家庭を築いていた)。
かといって、妻に優しさを見せる事もなく、自分は自分で好き勝手する癖に、妻には妻らしく清楚にふるまえと強要。義父もそれを強要。それと喋らない世話役のメイド。世話役なのに最初から乱暴すぎるなー。でも彼女も常に何かにおびえている様子。
こんな夫と結婚した夫人は散歩に出かけるくらいしか楽しみもなく、孤独で抑圧された生活を送り続く。
夫が長い間、家にいなくなるのと知ると、ここぞとチャンスとばかりに、下男と不倫。
なんで、こんな男と.....
どうみても、まともな男ではないが...
夜這いをしかけてくるような失礼なやつとかいう以前に、普通にただの強姦魔にしかみえないんだが。
なんで、こんな強姦魔みたいな奴と不倫関係になるのか理解不能だが、つまらなすぎて、若い男だったら誰でも良かったんだろう。最初は、暇つぶし。それが本気で、その男を求めるようになり不倫は夫がかえってからも続く。そして邪魔者の義父を毒キノコで殺し、そして、夫も殺す。
別にこいつらが死んでも同情はしないが、唯一残酷だなと思ったのは、馬と子供。
妾の子供が夫の後継者になる話だったが、夫人にとっては邪魔者なので、なつかれていたにも関わらず殺す。
最後は不倫男にも裏切られて...
でも、やっぱり、上下関係がある世界。
彼女は、評判の悪い女だったとしても、身分は下男やメイドより高い。
彼女は全ての殺しを、不倫男とメイドに擦り付ける!!
メイドが喋れないのをいいことに...本当に罪を全部なすりつけたな。
そして、そのまま夫人の言い分を信じて、下男とメイドはたぶん死刑。
そして夫人の一人勝ち。
それで彼女はようやく自由を手に入れたのだろうか。
妊娠してたっぽいけど...
それで彼女は幸せになれるのだろうか..?
夫人はクズだけど、でもなんだか憎み切れない。
というか、あの状態だったら、ああなってもおかしくない。
残酷になるさまが、なんだかわかる気がする。
制圧されてたのは夫人という設定だけど、実は、夫の方も望まない結婚に制圧されてたのではないか。
(とはいえ、彼は自由に妾と子供をつくって新たに家庭を築き、その子供を後継者にする自由はあった)
そして、黒人メイドも制圧されていたのではないか。
なかなかユニークな作品だった。