『The Queen's Gambit (2020)』
<個人的な評価:10点中8点>
下記、個人的な感想。
ネタバレあり
下記、個人的な感想。
ネタバレあり
Netfixの作品で、評価がとても高い作品。Rotten Tomatoの評価をみると、最高だが、あの評価と私の感性はほぼ合わないので、逆に警戒して、観ないでいた。でも私自身、チェスが好きで、チェスセットがいくつか家にもあって、決してうまいわけじゃないけど、凄く下手というわけでもなく、それなりに嗜む程度にプレイすることはできる。というか、将棋や囲碁は一切できないが、チェスはけっこうルールも熟知していて好きだ。
チェスが大好きな弟の影響もあって。ちなみに、私は10歳ぐらいの時に、一つ下の弟からチェスを教わった。
そして弟は今でも私より上手い。
で、チェスそのものに惹かれて、このドラマを観てみた。
予想以上に面白かった。なので、高評価!!
個人的に、10点中8点!!
感動した部分はちょっとあったが、全体的に超面白い!というわけでもないので、満点はいかないけど。
主人公Beth にすごく感情移入できるわけでもないし、Beth が大好きというわけでもない。
孤児で、類まれなる才能の持ち主の天才肌で、アルコール&薬物中毒で、貞操観念が一切ない所など、全て私とは正反対のキャラなので、共感できる点があまりない。それでもなんだろう。嫌悪感はない。
こういう天才がいて、こういう成長があって、こういう人生なんだなと。凄い人だなーとは思う。
とある天才の成長物語かな。
まあ天才ってスゴイからね。憧れる部分はある。
とにかく冷静に第三者視点で見る事ができた。
主人公がとっても類まれなる才能ありつつも、アルコール中毒や薬物中毒など完璧な人間じゃない部分に、リアリティーがあったのが、面白かった。
悲しかった部分は、やっぱり急に、養母が急死した事かな。
なんだかんだで、あの二人は、血の繋がりはなくても、母と娘だったと思う。
お互いの才能を尊重しあいつつ、助け合って生きてるのだ。
養母も、完璧な人間ではなかったのが良いね。彼女もとても寂しい人だったのかな。
なんで、幼い子供じゃあく、あえて、年齢がそれなりにいってるBeth を養子を引き取ったんだろう...と思ったけど、寂しかったから、世話があまり必要がない話し相手というかパートナーというか、そんな家族がほしかったのかな。Beth が養母のピアノの才能を、リスペクトしてたのが良い。
ちなみに、養父はただの無責任な男だけどね。(この男が、妻を捨てたかったから、あえて年齢がいってる養子を引き取って、妻の世話をさせようとしてたようにみえる。実際に死んだときの葬式など全部、Beth がやった。)養母が急死したのは、元々、身体が弱かった点もあるけど、アルコール性肝炎の疑いがあるね。あのホテルの安い酒... 元々弱ってた母親の身体には毒でしかない。でも、あのひと夏の恋人みたいな男のせいでもある!!病気もってたかもね、あの男。養母も寂しかったんだろうね。Bethは二人の関係を快く思ってなかったようだね。そのBethの娘としての気持ちには共感できた。BethもBethなりに、養母の事を心配してた。思いやってた。
養母とBethは、金銭的な事などは割り切るところはハッキリと割り切っていて、でもお互い側にいて助け合ってて、血の繋がりはないとはいえ、絆はあったと思う。躊躇なく、養母を、Motherと読んだり、Mom と紹介したり、Bethにとっては、母親だったんだろう。step motherとか、adoptive motherとか、一々、言う人も結構いるからね。(リアルでも、映画の中でも)でも、Bethが、そういう言葉を使わずに、Mother と紹介した。まるで本当の母親のように。そういう所に、Bethの養母への信頼&感謝&敬愛、として、母親を欲している思いが伝わってきた。実際の母親がアル中でヤバいからね。無理心中してBethを道連れにしようとしてた人だし。
で、その養母も、アル中な部分があったけど、病気になって、あっけなく急死。
突然の死でびっくり。独りぼっちのなったBethは、さらに人肌を求めるようになったのかな。
思えば、Bethのまわりは常に、アルコールや薬の誘惑があった。
それにしても、あんな薬を子供に飲ませる孤児院って.........怖いな。
中毒性があるものだし。
tranquilizer pills = 精神安定剤
普通は、精神病の人に、医者がそれぞれ処方するんだけど、子供たちに全員、精神安定剤を飲ませてたのか...怖い。それぞれ親を失って、精神が病んでいるのかもしれないけど、精神病じゃないんだからさ、鬱病じゃないんだから...なのに、ちゃんと一人一人診察しなくていいのか?薬で、なんとかコントロールしようとしてたのかな。怖い。
もうBethのせいじゃないよね...
不良がドラッグに手を出したーとか、そういう問題じゃない。
薬(精神安定剤)やアルコールは、常に、Bethの側にあった...
あと悲しかったのは、用務員のおじさんが亡くなった事だけど、悲しいというより感動。
年がいってた人だし、いつ亡くなってもおかしくないなと思ったけど、あのおじさんと、Bethの絆みたいなものが良かった。Bethの成長を新聞記事などで、色々みて誇りに思ってたんだね。
Bethは、用務員のおじさんの死を通して、原点に戻り、チェスに真剣にまた向き合って、立ち直っていった。
原点に戻るって大事だなと思う。
あとBethを救った重要なキャラは、あの孤児院の黒人の女の子だよね。
あの子が、お金を貸したおかげで、Bethが試合にいくことができた。
あと、Bethには実の両親がいないけど、思えば、Bethのまわりには、いつもBethを助けてくれる、導いてくれる人たちが沢山いた。みんな、それぞれ天使でも超善人でもなく、ただの人間だけど、みんながいたおかげで、Bethは勝てたんだと思う。
用務員のおじさん、孤児院の親友、養母、そして沢山のチェス仲間達...
1人じゃ無理だろうな。
天才だけど、決して孤独ではなかったし、まわりに人がいたから、Bethの成長はあった。
その点は傲慢になってほしくないなと思う。
このドラマは、Bethが老いるまでのドラマではなく、Bethが、ロシアで、世界最高のチェスのゲームマスターに勝って、ドラマは終了したけど、まだ若いし、Bethの人生はこれからだと思う。
ちなみに、このドラマの舞台は、Kennedy大統領が就任してた頃かな。
キラキラした女の子たちの服装が、みんなJacqueline Kennedyに似てたよ笑。
あえて、今の時代ではなく、あの時代を舞台にしたのは良かった。面白さ倍増。
中々面白いドラマだった。最後のシーンは、原点に戻った感じがして良かった。
私も久しぶりにチェスをしよう。
最後に....
このドラマには一切関係ない話だけど、漫画 Hunter x Hunter のキメラアント編で、王VSコムギの囲碁の対決があって、あのストーリーはすごく良かった。このドラマでは、ロシアの選手が対戦相手として出てきたけど、国によっては、負け=死(家族も含めて)を意味するゲームもあるし、やっぱりそういう国の人は、覚悟が全然っ違う。その中でも、コムギというキャラは純粋に囲碁が全てで囲碁を本当に愛してた人だったな。wスポーツ、チェス、囲碁、何であれ、国を背負って命をかけてやってる人もいる!アメリカや日本とかだと、国を背負っているとはいえ、なんだかんだ個人主義で、個々それぞれの戦い。どっちが良いとかないけど、命をかけてやってる人は、本当に強いよ。そういう相手に勝つには、やはり、能力はもちろん、それに加え純粋にその競技への愛がないと勝てないなと思う。