『And Then There Were None
(そして誰もいなくなった) (2015)』
(そして誰もいなくなった) (2015)』
<個人的な評価:10点中9.5点>
下記、個人的な感想。
ネタバレあり
(犯人の正体や結末に関してのネタバレもあり!)
下記、個人的な感想。
ネタバレあり
(犯人の正体や結末に関してのネタバレもあり!)
Ten Little Soldiers
Ten little Soldier Boys went out to dine;
One choked his little self and then there were nine.
Nine little Soldier Boys sat up very late;
One overslept himself and then there were eight.
Eight little Soldier Boys travelling in Devon;
One said he'd stay there and then there were seven.
Seven little Soldier Boys chopping up sticks;
One chopped himself in halves and then there were six.
Six little Soldier Boys playing with a hive;
A bumblebee stung one and then there were five.
Five little Soldier Boys going in for law;
One got in Chancery and then there were four.
Four little Soldier Boys going out to sea;
A red herring swallowed one and then there were three.
Three little Soldier Boys walking in the zoo;
A big bear hugged one and then there were two.
Two little Soldier Boys sitting in the sun;
One got frizzled up and then there was one.
One little Soldier Boy left all alone;
He went out and hanged himself and then there were none.
この作品では、Nursery rhyme 「十人の小さな兵隊さん」が、モチーフに殺人が行われていく。
元々は、10 little Indians という曲で、私は小さい頃に、そっちの方を最初に習った(年齢バレる)が、現在では差別的要素があるので、Indian を、 Soldierに変えてる。
さて、それは置いといて...
これ、個人的評価は、かなり高いです。TV miniseries だから、3話で、合計3時間。
元々、私は、 Agatha Christieの小説のファンで、日本でも有名な、『そして誰もいなくなった』です。
ミステリーの中でも、孤島とか、館とか、とにかくクローズドサークルが大好きな私は、この小説のファン。
ストーリーも、トリックも、犯人も知っているし、これとは別に、実写版は、いくつか観たし、日本版のも観た。でも、あえて、やっぱり、これが一番良かった。まあ、既に内容知ってるから、Charles Danceが出ていなかったら、観なかったけど、本当に観てよかった。
私の大好きな俳優、Charles Dance (Tywin Lannister in GoT)が出てます!!
本当に、この人、すっごく貫禄がある。頭脳明晰で自分にも他人にも厳しい役がぴったり。そして、Lord とか、王族や貴族とか、厳しい父親とか、そういう役がぴったり。
Crownというドラマでは、女王の夫、フィリップ殿下の叔父、Lord Mountbatten を演じている。
これも、本人様にそっくりだし、貫禄がありすぎる。てか、Tywin Lannisterのキャラも、Lord Mounbattan に似ているんだよ。
GoTでも、もちろん、Lordだった。Lord Tywin Lannisterで、冷酷で厳しく頭脳明晰で、誰よりも貫禄があった良い役だったな。
さて、今回、この作品では、どんな役かというと、判事!!!!!!
うん、判事っぽい!
そして、一番、良い役だね。重要キャラ。
私は誰が犯人かわかってたので、最初から犯人の行動や言動に注視しながら観てたけど。
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そして、超ネタバレいいますが、判事が犯人です。
殺人の動機も、個人的に、けっこう気に入った。
1名をのぞいて、個人的な恨みとかそういうのではなく、彼は彼なりに、判事という仕事をしたんだ。
そして、自分自身も最後に自殺。
彼には余命があった。手術は失敗したから、その医者を殺害したというのは、個人的な恨みもあるけど、それ以外は、判事という仕事を全うしただけ。
そして、自分自身も裁かれるべき側の人間だと彼の中ではそうだったんだろう。
最後の自殺は余命もあるけど、彼自身が、自分の手で自分を裁いたというのもある。
最後から最後まで、とても冷静で、自分の死まで、完璧におこなった。
これこそが究極の完全犯罪。
この役を完璧に演じられるのは、Charles Danceしかいない。拍手を送りたい。
それぞれの罪の内容はここに書くのは省くけど、個人的に一番ムカつくのは、Vera Claythorne という元家庭教師。
このVeraって女が一番の偽善者で嘘つきで、最後の最後まで見苦しい。
本当に愉快な人だなーって、判事に言われたのが、しっくりきた。
間抜けで見苦しく滑稽な女だった。
この作品では、もちろん、判事の視点でかかれたり、判事メインでかかれたりしたら怪しすぎるから、あくまでも、判事は最後の最後まで、冷静沈着な脇役で、途中で死んだ人。
(でも、ところどころ、ヒントが出ていたのも良い。)
そして、この作品では、10人の中では、このVeraという女性が、メインで書かれてた。
だからこそ、クズさが際立ってたんだろう。私が一番嫌いな嘘つきで偽善者なタイプ。
しかも、教師。子供殺したあとも、教師やってるのが図々しくヤバい。
それに、やっぱり、自分の事を信頼していた子供を、卑怯で姑息な手で、自分の手を汚さず、殺したってのが最低。その子供の母親からも信頼されていて、とてもよくされていたのに。殺人の動機は、自己中心的な恋愛脳。しかも、会ったばかりの男に対して笑。その男の愛する甥っ子を、金の為に、安っぽい自己中心的な愛の為に殺すとかクズ。個人的に、こういうタイプの女は嫌いなので、だから、10人の中でも、Veraが一番ムカついた。(もちろん、その善良で甥っ子思いの男からは全て見透かされてフラれています笑)まあ、多分、視聴者によっては、10人の中で誰が一番ムカつくか、違ってくるだろう。私の場合は、Vera。
まあ、他にも、大量殺人犯だったり、雇い主の老婆を殺したりするクズもいたし、逆に、殺しではなく事故というのもある。大きな罪、小さな罪、それ本当に悪い事?というのも、あった。
でも、判事の目には、すべて、裁かれるべき事だったんだろう。
そして、人間誰しもがが、多かれ少なかれ、なにかしら罪深い生き物なのだろう。
『そして誰もいなくなった』...というタイトル、めずらしく、日本語でも英語でも同じタイトルだが、
このタイトルを深読みすると、罪があるものを、みんな消していったら、誰もいなくなった...ともとれる。
私も、あなたも。これは、視聴者や読者も含めて、そうだろう。
このタイトル、私は個人的に気に入っている。
さて、実写版は色々みてきたが、今回は、特に、演出の仕方がうまいと思った。
最後に判事が犯人だとわかるが、ヒントみたいなのは、けっこうある。
例えば、Veraが海に向かって走って言った時に、判事は、彼女を追いかけた。
杖をつかってなかったし、脚もぜんぜん問題なかった。
脚が悪い設定、というのは嘘だろうってのがわかる。
それだけで犯人と決めつけられないけどね。
そして、料理人が冷蔵庫をあけると、レバーがなくなってた。
このレバーは、なんかのトリックで使うのかなと、ここでも伏線がはってあった。
そして、医者は、あの中で、判事だけを信頼していた。
ここで、医者と判事は、タッグを組んだというのがわかる。実は、これも伏線だ。
最後に、判事の死にざま。
脳みそまでが飛び散ってる!との事。
グロにみえるが、実際は本当にそうだろうか。
部屋は暗いし、死んだと判定したのは、医者。
そして、前に冷蔵庫からなくなった、レバー。
この死は偽装できるって事だ。
判事は、結果生きてて、全ての犯人だった。
面白かったです!!!
クローズドサークルのミステリー好きは観てほしい。