2018年12月29日

足を引っ張ってはいけない

母校での教育実習中、大学のゼミの先生が実習の様子を見に来てくれた。
そのとき、
「おい丹澤。大学院への推薦、決まったぞ…。」
と言われた。

「ちょっと勉強が足りないな。もう少し勉強したいな…」、と思っていたところだったので、本当に嬉しかったことを思い出す。今となれば、ほとんど勉強せずに、修論提出間際では、非常に苦しい生活を強いられたのだが、それもいい経験だ。何年も前に退職したゼミの先生からは、年に二回のゼミコンパの案内が未だに届く。

ただ、進学に伴い、両親にさらに金銭的な負担を強いることなったことは否めない。未だに両親への恩替えしはできていないので、胸が痛む。

と言うわけで、教育実習の最中に、
「来年の非常勤講師の採用お願いします。」
などと、大胆なお願いをして、無事実習を終えることになる。

教育実習で学んだことは数多い。当時は、恩師が勢揃いしていたし、二年連続で数学の先生が担任だったこともあり、本当に学びの多い実習になった。

今だから思えるのだが、教員にとって卒業生が訪ねて来てくれることは、とても嬉しいことだし、ましてやその卒業生が、新人として戻ってきてくれることは、この上ない幸福を感じるものだ。

そういう意味では、非常勤時代(大学院時代)のたった二年間だったが、母校への多少の恩返しはできたのではないか、と思う。

まだまだ若かった私が、大した授業ができるわけではないが、生徒たちにも一生懸命さは伝わったようで、実習の時に書いてもらった生徒の感想や、非常勤時代の資料は、三十年以上経った今でも捨てられない。

だから、教員になって実習生を抱える立場になった時には、どうしてもハードルを上げてしまう。
「本気で教員になる気があるの?」
と、疑いたくなる人だっているわけだし、中には、
「この教育実習が、社会人になった時のいい経験になると思います。」
などと、平気な顔をして挨拶する強者だっている。

教員の仕事のブラック化が叫ばれている中、「人手不足だからで選んでいる場合ではない」、状態に陥りそうな気配だが、やはり私は、教育に情熱を向けられないならば、この仕事に就いてはいけないと思う。

だから、家族を犠牲にしたり、自分の時間のすべてをなげうってでも、生徒と関わる教員を私は非難することはない。「本当に、ありがとうございます」、と労をねぎらいたい。
学校には、一人や二人、そういう教員がいたっていい。

彼らは目に見えない徳を積んでいるのだろう。
勤務時間だの、法律だのを超越した、自己犠牲や奉仕の精神があるからだ。

だが、すべての教員にできることではあるまい。
だからといって、平均レベルや、レベルの低い方に合わせるように、足を引っ張ってはいけない。

私自身、教員になりたくて、教員になり、教員としての人生を過ごしてきた。

まだまだ元気なうちに、できる限り、その思いと、知恵を伝えていきたいと思う。








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