2017年05月08日
眠れない?不眠症に腸内環境が影響している! お腹を整えて快眠を
普段から眠れない、と感じる方は寝付きを良くするために、就寝前のパソコンを控えたり、音楽を聴いてリラックスしたりと試行錯誤している人もいるかもしれない。
しかし、もしいまだに快眠効果が得られないのならば、それは腸内環境に問題があるのかもしれない。今回は、睡眠と腸内環境について紹介しよう。
□睡眠には睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が必要
夜の快眠を促すには、睡眠ホルモンである「メラトニン」の分泌を高める必要がある。
メラトニンは、幸せを感じたときに分泌される「セロトニン」をもとに作られる。日中は主にセロトニンが分泌し、夜間は日照の刺激などにより、セロトニンがメラトニンに変わることで、睡眠のリズムをはじめとする体内時計を調節している。
□メラトニンのもと、セロトニンは腸内で作られる
メラトニンの材料となるセロトニンだが、実はこのホルモンは腸内細菌が作用することで作られている。
食事によりセロトニンの材料となるタンパク質が腸内に届くと、腸内細菌の作用を受けてタンパク質がトリプトファンという必須アミノ酸にまで分解される。それが体内に吸収されて脳まで運ばれることでセロトニンが合成される。
人間に有益な働きをする腸内細菌のことを善玉菌と言うが、腸内環境を整えるには善玉菌を増やすなどして腸内細菌のバランスを整えることが大切である。
□現代人の生活は腸内環境を崩しやすい
食事の欧米化で肉を食べる量が増え、野菜などに含まれる食物繊維の量が減ることで、善玉菌より、人間の健康に悪影響を及ぼす悪玉菌が優位になりやすい。悪玉菌が優位になると、善玉菌がスムーズに働けなくなることで、セロトニンの生成にも影響が及ぶことが考えられる。
□腸内環境を整えて快眠生活を
腸内環境を整えるには、日々の生活習慣を整えることが大切だ。具体的には以下の方法がある。
・食事の中から食物繊維を積極的に取る
・善玉菌を増やす働きのある乳酸食品を取る
・適度な運動をして、腸の動きを促す
その上で、セロトニンの材料となるタンパク質(トリプトファン)を多く含む食べ物を摂取すれば、セロトニンが生成されやすくなる。セロトニンの材料となるタンパク質を含む食べ物には、バナナや牛乳、鶏肉などに含まれている。
一見、睡眠とは無関係に思える腸内環境。腸内環境は食事や運動など毎日の生活習慣を象徴するものであり、これを整えることが快適な睡眠生活に役立つことだろう。