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『安全地帯V 好きさ』四曲目、「月の雫」です。
ああ、まだ四曲目なんですね。どうも三枚組構成に慣れないためか、一枚目終盤クライマックス感が漂っているような気がしていました。いけないいけない。
「シルエット」に似た、ふたりでしっぽり、の曲なんですが、こちらは愛しさあふれる「シルエット」とはやや違って、何か悲壮感が漂う曲となっています。
なんだよ!シアワセなんじゃん!何が不満なんだよわかんねえなー!
とか思うんですが、ふたりにはふたりにしかわからない、というか、リアルタイムでないと当人たちにもよくわからない、満足感をチクチク阻害する何かを受信してしまうことがあるような気もします。ああー、そんなこともあったかもねーさっぱり覚えてないけど。あとで、「銀色のピストル」でその正体が少しわかる気がして、これは……松井さん、あなた仕込んでおきましたね?という気分になれて好きなのですが、ここまで考えるのは、さすがにわたくしが病的におかしいだけである可能性が高いです(笑)。
さて、アレンジですが、意外なことに、この曲は間奏以外はすべてオリジナルメンバーの五人だけで演奏しているように聴こえます。キーボードが入っていないか、入っていてもごくわずかなのでしょう。左チャンネルから、「冬花」で使われたようなタンバリンを太ももでたたいたような音が聴こえていますが、これを五人以外の誰かが叩いている可能性がわずかにあるくらいで、基本的には五人だけで演奏したとみるべきでしょう。
クリーントーンのバッキングギター(武沢さん?)、わずかに歪ませたリードギター(矢萩さん?)の絡みが、非常に目立って聴こえますね。これはうれしい!そして、六土さんが、ドオーン・グイグイーン・ドオーンという、音がでかいのに目立たない、という、奥ゆかしさ満点のベースで、この陰鬱な感じを最大限に演出します。田中さんのドラムは、よーく聴くと、ずーっと細かくハイハットを刻む音が小さく小さく入っています。単にわたくしのヘッドフォンがヘボいだけかもしれませんが(笑)、この「チチチチチチチチ……」に気がつくと、もう田中さんのトリコです(笑)。あなた、なんて渋い仕事をなさるんですか!これはアップダウン奏法でできるわたくしの最高スピードを越えているような気がしますので、わたくしがこのスピードで叩こうとすると両手でやることを真っ先に考え、次に叩く数を半分にしようとたくらむのですが(笑)、おそらく田中さんは片手でニコニコしながら叩いたのに違いないのです。
間奏なのですが……シンセと、何かホーン……が入ってますよね。尺八?と思ってクレジットを見ても尺八なんて書いてません。しかし、下のほうにフリューゲルホルンなる見慣れない楽器の名があります。これか?と思ってyoutubeでフリューゲルホルンの音を聴いてみるのですが、うーん、これっぽいんだけど……くらいしかわかりません。うう、相変わらずホーンに弱くて情けなくなってきます。悔しまぎれにいうと、フリューゲルはドイツ語で翼を意味します。何を言っているのでしょう。横浜フリューゲルスがなくなったのがいまだに心痛の種なんです。ああ、そういや母体は全日空でしたね、だから翼なのか、くらいに思ってくだされば幸いです(ゴマカシ完了!)。
いよいよ歌詞の話を……わたくし、「ひとりになれない」ことが「かくされた孤独」だというフレーズに、初聴のときから完全にヤラれてしまったのです。なんてものすごい表現なんだ!ひとりになりたくてもなれないのは、孤独の一種なんだ……この後、わたくしが孤独を愛する少年を演じがちになったのは言うまでもありません。「ひとりになれないっていうのも、なんだか寂しいことだよね?」とかいうセリフを口にする瞬間を待ち構えて待ち構えて……とうとう言うチャンスがないまま少年期を終えるわけですけども(笑)。この歌詞全体の話をちょっとでも想像すれば、子ども集団の中で他者と不自然に距離をおこうとする話でないのは明白なんですが、わたくしそのワンフレーズだけの威力にすっかり参ってしまったわけです。
そのころ、そうそう、ハレー彗星なる天体が地球に接近した影響で、少年たちの間でちょっとした天文ブームが起こっていました。わたくしがこのアルバムを聴いたのは時期的にもうちょっと後ですが、まだまだどうして、スーパーやデパートには天体望遠鏡がずらりと並び、親の散財を待ち構えていたのです。恒星はいくら見てもボンヤリでしたが、惑星や月はよく見えました。わたくし月夜の晩には望遠鏡を取り出し、月を見ていたのです。「月の雫」が、恋人たちのどこか乾いてしまった心を潤そうとするかのように、逢瀬の窓から差し込む月光だなんて考えもせず、このアルバムを聴きながら月を見ていました。当時流行っていたミニコンポのグラフィックイコライザーが、暗い部屋の中でピコピコ動いていました。これはかなり異様な光景といえるでしょう。わたくしが親だったら行く末を案じたに違いありません。
そんな始末ですから、この歌詞に正面から向き合ったのは、それよりだいぶ後になります。もうその頃にはわたくしの部屋には天体望遠鏡はなく、かわりにいまでも使っているストラトキャスターが置いてありました。ああ、人間、なんでも発達の段階ってものがあるんですね。
ともあれ、いまは情景が理解できているような気がいたします。玉置さんの、月の光のように染み入る歌というのは、二人でいるがゆえの僅かなイラツキを抱えつつも愛しくてたまらないという、焦りにも似た気持ち、このさき二人がどうなってゆくのかわからないという不安、静かな夜にふと破局・破滅を心のどこかで望んでしまいそうな快楽……ダメだーことばが浮かばない(笑)、けども、こういう複雑な心情を表現するのに、これ以上の歌はないだろうと思われるのです。ひたすら「好きさ」と言い続ける歌と、見事な対照を成しているというのは考えすぎでしょうか。もし、そうであれば、もちろん、それも作戦のうちなのでしょう。
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萩尾望都さんは、SF作品が素晴らしいです。
ブラッドベリ原作の、ウは宇宙船のウ、
オリジナルの 銀の三角 、スターレッドなど、
目から鱗ポロリです。
ゲド戦記が好きな方ならきっと気に入ると思います。
後は、小野弘夢さんの、Lady loveも、宜しければ。笑
荻原美都さんですか、それはまた懐かしいお名前です。わたくしの年代だと、少し上のお姉さんがいる友人の家に並んでいた印象があります。その時代の少女マンガは、ガラスの仮面と、いがらしゆみこさんの作品くらいしかちゃんと読んだことがないのですが、驚くほど面白いんですよね。シャム双生児なんて、とても『別冊マーガレット』とかに載るようなネタじゃありません。マジすぎます。手塚治虫さんとか、藤子F不二雄SF短編集とかのグループに属しますね。ちょっと図書館とかで拝読したいと思います。
楽しすぎます。
うーん、これもラブソングだったか…。
私、これ、萩尾望都 さんの、短編漫画の、
半神 というのをイメージしてました。
腰のあたりがくっついて生まれたシャム双生児の愛憎の
話なんですが、
やがて切り離されて、片割れが臓器不全で醜くなって死ぬ、
というエンディングで。
お互いを憎みあい、それでも愛していたよ、ていう
物悲しい感じが、静かなこの歌にピッタリと思いました。
ずっと一緒だと、角がぶつかってすり減っちゃうんですよね、
愛って。
自由になりたい、って、玉置さんの歌だと、学校の先生による抑圧から逃れたいとかの青臭い意味ではないと断言できてしまいますね。玉置さんの心境やいかに……玉置さんはこの時期から、安全地帯のメンバーを一人ひとり取り戻し、再構築にかかります。そしてあの大ヒット曲「田園」と名作アルバム『CAFE JAPAN』『JUNK LAND』を産み出すのですから、人生わからないものです。薬師丸さんとのお別れがその時期と重なるのは、たまたまだったのか必然だったのか……これは歴史家にもわからないことですし、わたくしのような妄想師ならさらに及ばないところでもあります。
トバさんが仰る『研究』も『穏やかならぬ』も、ちゃんと意味が解ったうえで、「不倫ラブラブ…」は、何か安全地帯に合わないな〜〜もっといいのが無いかな〜と思ったのですよ♪
松井さんの切り取り方が秀逸すぎて、自分が勝手に思っていたことが一文字の解釈の違いで、いくつか『違うかも!』と気が付いて、トバさんの過去記事を読んでもっと研究してみよう!と思ったのです♪
『自由になりたい』って、何度も思ったことがあって(笑)。 何かこう…結婚にまつわる色んな事に一人で対応していくのが面倒になることが多々ありまして…笑
受け取り方もそれぞれの状況や経験値によって変わるものなんだなぁ、と改めて感じました。
解釈の多様性のある詩が、曲を聴く人の幅を大きくさせているのかもしれませんね。
さらに、穏やかならぬランキング、というのは、穏やかでなくて面白いランキングですね、という意味なのです。どうも言葉が足りなくていけません。気を付けます。
ああー、そうかー、(結婚にまつわるさまざまな制約から)「自由になりたい」ですか。「このままふたりで」なんですから、それは十分にありそうな話ですね。「ガレキ」がまた、結婚にまつわる様々なゴタゴタで壊してしまったもの、を示唆している……なんだか、そうとしか読めなくなってきました(笑)。
『不倫ラブラブ…』はネーミングいまいちでした。もっと上品なのを考えます。
『Friend』は絶対そうですよね。あんなつらい歌はそうそう無いです。
『LOVE SONG』は「自由になりたい…」ですっかりそう思い込んでいました。他の可能性もありますよね。これはちゃんと研究せねば!
『切ないランキング』だと、殆どが当てはまってしまい困ります・・・。
不倫ラブラブランキングとは、これまた穏やかじゃないランキングですね(笑)。「あなたに」はもちろんそうですが、あの頃の安全地帯の歌はほとんど不倫ラブラブソングと言えなくもありません。(新しい恋人と)ふたりでいるために、(奥さんともろくに交流せずに)ひとりきりでいる、という、何とも清くない裏事情のせつなさよ……。「LOVE SONG」はもちろん切ない歌ですが、よもや不倫の歌だったのでしょうか……!これは研究の必要がありますね(笑)。
「あなたに」とか「LOVE SONG」とかは不倫ラブラブランキングですかね?
『ふたりでいるために一人きり』ってそういう意味かな・・・って。
ぶっちぎりすぎてランク外としても、「銀色のピストル」は恋愛崩壊ランキングとダブルノミネート、ほかには「ガラスのささやき」とか「アトリエ」がランクイン候補になるでしょうか。これは熱い戦いになりそうです。
アイスでごまかす!それはいけない……夜中のアイスは魅力が強くて、ついごまかされそうになります(笑)。夕食の出前で何をとってもいいぞと言われるのに近い効果があります。「田園」のパワーにはもちろん及びませんが、「田園」は好きな人にしか効果が出にくいという弱点があります(笑)。
そうです、双眼鏡です。ああー、あの頃はスマホなんてありませんでしたから、一つひとつのメカがデカくてハデでしたね。いいんだか悪いんだか。
私はまだ全部の曲を知らないので、トバさんのランキングが気になるところです。
この曲は30位ぐらいなんですね〜
まあ、この曲からいきなり『銀色のピストル』だと急展開すぎますもんね。
ラブラブ度ランキングとか、修羅場ランキングとか考えるの面白そうですよね。
はいー、昨夜は「もう限界・・・考えられない・・・放って帰ろうか」と思った瞬間に『田園』が流れ、最後のチェックまでこぎつけました。
例の上司はアイスクリームで誤魔化そうとしてました〜(笑)
あはっ 変な疑いかけて申し訳ありません。
なるほど、双眼鏡じゃないとダメなんですね(笑)。
次の段階が「銀色のピストル」だと、けっこう展開が速いような気もしますね。実際にはまだまだ数段階あると考えるべきかもしれません。恋愛崩壊度ランキングだと「月の雫」はまだ30位くらいですが、「銀色のピストル」はTOP10入り、とかそんな感じでしょう。
あ、よく見たら、あらぬ疑いをかけられているじゃないですか(笑)。『タッチ』で友達の双眼鏡を壊す達也みたいなことはしてないですよ、というか、天体望遠鏡でそんなことできませんって。ピントが合わないし、合ったとしても上下左右逆です。ここは双眼鏡でなくてはなりません(不自然な強調)。
トバさん、本当に望遠鏡で『月』だけを見ていたんですか〜〜?(笑)
気怠い感じのメロディが妙に心に引っかかります。
恋人達の倦怠期に降り注ぐ月の光ですか・・・・。
一人になれないことが孤独だというのは、もう壊れかける前兆でしょうか?
ちょっとした小さな不満も時間が経つと小さくなくなる。
慣れ親しんだ情はあるけど、愛しい気持ちは変わりつつある・・・としたら、
次の段階は『銀色のピストル』ですか!
ううーーー そうだとしたら、ツライ。
今日は例の上司がいいかげんな指示をするもんだから、何回も修正になり、帰ったら日にちが変わっていた・・・。
作業中、玉置さんの『田園』が流れ、ちょっとニヤつきました〜笑