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『安全地帯V 好きさ』十一曲目、「声にならない」です。
玉置さんの「ふん、ふん、ふーんふん」が先にあって、それに「No No Voices」をあてた、それを訳して声にならない、という題名をつけたのではないかと考えられますが、それは通常の発想だとそうなるというだけのことであって、天才コンビ玉置&松井のことですから、油断はなりません。もしかしたら雪景色をみた松井さんが「寒くて美しくて、声にならないね」なんて言ったところに玉置さんが「じゃあ、No No Voices〜だね」なんて感じで作ったのかもしれません。このアルバムの発売は冬ですから、普通に考えれば夏に作った曲なんだと思いますが、それでも油断がならないのがこの二人です(笑)。
さて、この曲、伴奏がギターとベースだけです。間奏にハーモニカらしき音が入りますが、基本的にはギターとベースだけです。もしかして田中さんがリムでリズムでも取っているかと耳を澄ましてみましたが、どうも入っていないようです。
それにしてもこの、ハープシコードのような美しいアコースティック・ギターの音!惚れ惚れします。ポール・サイモンのギターこそが最高と思っていたのですが、認識を改めざるをえません。矢萩さんと武沢さんの音がどちらか、なんて全然わかりません。あ、いや、レコーディングが見事なのも、その原因だとは思うのですが、なによりわたくしがアコギの音に疎いのが主な要因でしょう(笑)。
余談ですが、最近はエレクトリック・アコースティック・ギター(いわゆるエレアコ)がものすごく安くてよくなっています。ギターショップで三万円とかで並べられているやつでも、パッと見はおかしいものが全然見当たりません。もちろんショップさんが厳選して並べたのでしょうけども、それにしても「えー、三万でこれかい、むかし買った五万とかのやつは一体何だったの?」と思わされます。個人的恨みですが(笑)。アジア工場の頑張りによるのでしょう。こうなると、いずれアジアの人件費も上がってきますから、いまがチャンスかもしれません。
六土さんのベースは、最初へぼいスピーカーだと鳴っているのに気が付きませんでした。なんと控えめな!おそらくTONEを絞り気味にしているのでしょう。ヘッドホンで耳を凝らして聴けば、この曲でリズムと低音部を担当しているベースがないとこの曲はなんだか抜けた感じになるだろうと気が付きます。ベースの音作りにはあまり自信がない、というか、常にTONE全開TREBLEビンビンの音しか出していなかったわたくしですので、話は全然当てにならないのですが、「今夜はYES」からこの「声にならない」までだけでも、かなりのバリエーションで弾き分けられていることに驚かされます。六土さん、こんなに音を使い分けて、ライブのとき大丈夫ですか、と余計な心配をしたくなるほどです。
さて歌詞ですが……こんなに可愛らしい曲で、穏やかな雪での描写で、こんなに切ないのは芸術的といっていいでしょう。小林武史さんも、色々な制約がなければこういう表現をしたいに違いありません。この時代の安全地帯は技術的にも環境的にも、なにより時代的にも、小林さんがいま抱えているような制約がほぼない状況だったのでしょう。もう、暴れまくりです。ドラムでの盛り上げなし、君を見つけたとか雪で君がはしゃぐとか、そういうベタな描写なし、はっきりサビとわかる箇所なし、ボーカルの叫びなしなんて、ありえません。現代的な基準だとわかりにくすぎです。こんなに可愛らしい曲ですが、こんなにわかりづらくもある曲をメジャーでリリースできるバンドは、わたくしの見渡す限り現代日本にはありません。ああ、現代日本のバンドったって、わたくしほとんど(少しも)興味がありませんのでそんなに見渡してないです(笑)。だから、そんなにあてになる話じゃないです。
北海道で雪が降ると、静かなんです。雪が音を吸収するのでしょう。それなのに雪の上に雪が重なっていく音さえ聴こえるんじゃないかと思われる「サラ…サラ…」という感触があるんですね。空気の震えを触角が感じるのか、実際に微小な音として聴覚で感じるのか、はてまた単に寒すぎて自分の感覚がマヒしつつあるのか(笑)……あの感覚、ベチャベチャとアスファルトに溶けていく雪景色の下でのそれとは、まるで違います。空を見上げると、一面の雲が、雪が反射した地上の光に照らされて浮かんでいるのが見えます。そこから降ってくるのがわかるかのように、遠くから遠くから、次々と結晶が落ちてきます。
静かすぎて美しすぎて、恋人の微笑みが心に浮かんできます。
いやまて!いま、飛躍があったぞ(笑)。
そうなんです、浮かんでこないんですよ。浮かぶ人もあるのかもしれませんが、それはあくまで個人的経験の積み重ねによる、レスポンデント条件付けってやつでしょう。
あー、玉置さんが歌うと、そうそう、雪の降る夜に空を見上げると、恋人の微笑みが心に浮かんでくるよねー、と、あっというまに玉置時空に引きずり込まれますが(宇宙刑事ギャバン)、それは松井さんの詞と、玉置さんの歌の、とてつもない説得力により発生した亜空間なのです。
さみいー!つめたいー!うわー、さっさと帰ろう、こりゃー『まんが日本昔話』の爺さんの気分だね、ではなく、恋人の微笑みを思い出して、しあわせにしたいとか、夢をさがそうとか、そんなロマンチックな気分になるわけですから、時空のひずみはかなり大きいと思われます(笑)。わたくし、第二次性徴期の前にこの時空に引きずり込まれてしまったもので、どうもこのひずみが心身に溶け込んでしまっていけません。
ところでこの曲は、ノンストップで武沢さんの美しいギター・インスト曲「夕暮れ」へと続きます。この流れがあまりに見事で、「雪の降る夜」からいきなり夕方になった珍事に、あまり違和感を感じません。これも玉置時空の後遺症なのかもしれませんが、おそらく、この症状のない人が聴いても、ステキな連結だと感じられるとは思います。
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札幌ファクトリー、私が初めて行った時はもうあったので、
結構、長くあるような気がしてました。
スープカレーは、ここ5、6年で流行ったもののように
思います。
安全地帯のみなさんが過ごされていた、
北海道はもうないのかな……残念。
夜中の除雪車、せっかく作った秘密基地(かまくら)とかを遠慮なく破壊していくので、朝起きてガックリということがよくありました。イノシシとかに夜中畑を荒らされる農家さんに近い心境かもわかりません。
夜中の除雪車、すげぇーって思った。
いい思い出です。
雪の積もらない土地で育つと、あの雪が降ったり
積もったり、除雪車が夜中に雪を巻き上げていく様は
本当にカルチャーショックもので、
見ているだけで感動しました。
一晩、外で寝てみたいですね。
でも、寒いから暮らすのは無理ー。
北海道の雪は、まず自分の安全を確保してから鑑賞しないといけません。わたくし自室で、ストーブをガンガン炊いて、窓を開けるのが好きでした。夜中の雪はほんとうにシンシンとしか表現できません。そうですか、あれが珍しい、いわれてみるとそうですね……。なんだか見たくなってきましたよ。
夜に雪がどんどんふって、静かに着実に積もっていくのが
あまりに珍しかった。
(雪のほとんど積もらない土地で育ったので)
カイロと毛布借りて、窓際に張り付いて眺めていた時を
思い出します。
雪が、しんしん、という聞こえない音をたてるんだなーって、しみじみ思いました。
この曲はそういう歌か……と想うと、
昔、カルピス子供劇場の宣伝で、
冬になると、るふるん るふるん 雪うさぎ〜、という
可愛い歌でウサギの親子がかまくらであったまってる
CMがあったような。
あれの恋人うさぎバージョンが思い浮かんで
ついほっこりしてしまいました。
(ギャバンも好きですけど。)
いいなあ、住めないけど、嫌いではない北海道。
「銀色のピストル」はさすがに眠れません。このあと、不穏な曲オンパレードですから、「夕暮れ」でギター聴き取りに全残力を投入してぜひとも入眠するべきでしょう(笑)。
(いろいろあって、大変だったのでしょうが…)
あー、なるほど。「溶ける雪が少ない」から、何層にも積もっていくのですね。
こちらでは、たまにチラつく事はあっても大きな雪がベチャベチャと落ちてきて、すぐ溶けてしまいます。「積もった」感じまで降るのは1〜2年に一度ぐらいでしょうか。「雪」に対する概念といいますか、経験値が全く違いますから、もし嫁に行っていたら大変だったかもですね。あ、夏は普通に暑いのでしょうか? でも暑い期間が短いのは魅力的ですー!
眠る前、うっかりしていると「銀色のピストル」に突入して疑問が渦巻き、眠れなくなるのです!!
ううーーっ
北海道は、正確には降る雪が多いんじゃなくて、溶ける雪が少ないんだと思います。だから何層も何層も、重みで固く積み重なっていくんです。それが強力な防音効果を持ちますし、雪はゼロ度よりは下がりませんので防寒にもなります。北海道の人であれば、ご友人との付き合いにおいて、そんな固く積み重なってゆく、静かであたたかい人でありたい、なんて思うのかもしれません。
北海道の人と結婚したければ、北海道に住むしかなかったと思いますが、なかなかそんなわけにはいきませんね。もちろん北海道にもいろいろな性質を持つ人がいますから、それらの性質を選べないくらいサンプルの少ない地域にお住まいでは、むしろ避けるべき人種とも言えそうです(笑)。
この曲はほとんど「夕暮れ」と一体化してますよね。レコードだと、歌詞カードがないとわかりませんね。あれ?もう一曲あるはずなのにB面終わっちゃったよ、と不思議に思うけども、だんだんあとからわかってくるということになりそうです。これをご就寝の曲になさるのは、とても快眠を得られそうでよろしいかと思われますが、眠りそこなって「銀色のピストル」が流れてしまうといけませんので、プログラム再生をオススメいたします(笑)。
でも、まわりに北海道出身の人はいなかったのですよー。
なるほど、雪が音を吸収するんですね。
奈良の山奥に住んでいる友人が、同じことを言っていました。雪が積もっていると怖いぐらい静かだと。
積もる量が北海道なら半端ないでしょうから、もっともっと静かに降り積もっていくのですね。
そんな街で雪が降りそそぐ空を見上げてみたかったです。
トバさんが書いてらっしゃるように、可愛い曲。若い恋の美しい情景ですね。
言われてみれば、サビが無い?! 安全地帯、余裕が有り過ぎです〜。
最初は武沢さんの「夕暮れ」が別の曲だとは分からなかったのです。あまりに自然な流れだったので・・。
このCDを買ってからは「声にならない」〜「夕暮れ」が眠る前の曲なんです。
穏やかな気分で眠れそうだからです(笑)。
動画で観た玉置さんの「雪」の話は、すごい感性だな・・・と、とても感動したのです。
時が経って、切なさがとんでもない、玉置時空です。
でも違う曲の話なので書かずにおこうかな、と思ったのですが・・・貼っちゃいました!
御存知だったらごめんなさい。
https://www.youtube.com/watch?v=UuTkFAjeq3c