『安全地帯III 抱きしめたい』四曲目、「ブルーに泣いてる」です。
アップテンポの、このアルバムでは随一のハードロック的ナンバーです。
ハードロックハードロック言っているわたくしには、ハードロックに聴こえるというだけのことで、多くの皆さんにとっては、ちょっと激しめの、普通の安全地帯の曲でしかないかもしれませんが。
玉置さんが、色んなタイプの曲を書く才能に恵まれていたというのは、誰も疑わないことでしょう。
それと同時に、安全地帯のメンバー全員が、それに対応するだけのアレンジ能力と演奏能力に恵まれていた(もちろん、努力の賜物でもあるでしょう)ということにも、わたくしは何度も驚かされるのです。奇跡的すぎる!
さてこの曲、ディレイの効いたサックス風音色のギターシンセで前奏・間奏・後奏が彩られ、寂しさが演出されています。歌詞も、ひたすら孤独な心情を描いていますね。それなのにこの曲は、ぜんぜん穏やかな曲調ではありません。アップテンポなのにちっとも賑やかに聴こえないのが凄いところです。それによって、寂しさがかなり強烈なものであるような印象をもたされているように思えます。
Aメロでは、(おそらく)武沢さんがメロディーを弾いているんですが、(これまたおそらく)矢萩さんが八分でパワーコードを刻んでいます。これが、田中さんと六土さんのリズム隊によって演出されるタイトさ、スピード感をさらに倍加しています。
Bメロでは、武沢さんがアルペジオ混じりの単音を中心に弾き、矢萩さんが裏拍でリズムをとっているんだと思うんです。わたくしこの分担が聴き取れず、どうやって弾いてるんだろう? としばらく悩んだあげく、二人のフレーズをゴッチャにしたそれっぽい(にすぎない)フレーズを弾いていました。
サビですが、(おそらく)武沢さんのフレーズが、ほんとうに叫び声のように聴こえます。『ENDLESS』のライブバージョンではとくにそうです。わたくし、この曲をかけるたびに、誰かが外で叫んだんじゃないか? とドキリとしたものです。玉置さんが歌詞を間違うあたりで、ドキドキ感が最高潮に達します(歌詞の間違いとは関係がないんですけど)。
ギターの音で、こんなにドキドキさせられたのは、初めてのことだったかもしれません。のちにMEGADETHのHoly Warsを初めて聴いたときなみの興奮です(笑)。余談ですが、この曲のキーがEmなのも、のちにわたくしがヘビメタ好きになった原因だったかもしれません(笑)。…と、いつものように話がそれるんですが。
「ひとりきり」が効果的に用いられる歌詞で、主人公は男性とも女性ともとれるんですが、そこがまたニクいところですね。誰もがこの曲を聴いて、一人の夜に酔うことができます。ハードボイルドの小説に出てきそうな情景じゃないですか。探偵沢崎が、夜遅くにブルーバードから降りて、誰もいない渡辺探偵事務所に帰って灯りをつけ椅子に座ったら、窓の外からは風の音が泣き声のように聴こえている……と、ハードボイルド好きにしかわからない話なんですが、これは都会の暮らしに疲れた女性の共感を得そうだというだけでなく、男性のロマンにもピッタリ合いそうだなあ、ということが言いたかったわけです、はい。
ところで『ENDLESS』ライブバージョン最後の、田中さんのライドシンバルが……それは反則でしょう。玉置さんの歌が終わった後で、田中さんのドラムが泣いてる(涙を流してる)!武沢さんのギターシンセが、泣き声のように聴こえます。
わたくしの耳が悪いのか、スタジオ盤にはこのライドシンバルは入っていないように聴こえます。もしかしたら、ライブのために追加したのかもしれませんね。
そんなわけでして、この「ブルーに泣いてる」、ぜひライブバージョンも併せてお聴きになることをおススメいたします。
価格:1,545円 |
鹿鳴館は目黒ですね。メタル系が多かったので、なかなか独特の歴史をもつハコです。ヘッドパワーは新宿ですね。あれも懐かしい……エックスはとっくにメジャーでしたが、フォロワーみたいな人たちが一生懸命自分たちのビラ配りしてるんですよ、なんかイった衣装で、羽毛布団みたいな羽根を散らかしながら……あの頃のアマチュアはまだまだ元気でしたね。
この曲は暗くて迫力がありましたから、メタルに狂ってた当時でもあああいいなあ、カッコいいなあ!と長くハマってました。このアルバムはシングルの目立つ曲は少ないですが、ロックと安全地帯物語の融合が著しい過程にあって、いま聴いても新しい発見があります。
布教活動すばらしい!最近CDプレイヤーない人多いですからサブスクで聴くからいいよと言われそうですけど、いやいや歌詞カードみてよサブスク聴きながらとウザがられそうでちょっと怖いですね。どうかお気をつけて!
気合を入れて、私もトバさん語録を読んで自分の中の記憶も整理出来たら、と願ってます(笑)
ひょっとしたらこのブルーに泣いてる、がドラムやっていた頃のナンバーワン1ソングだった気がします。
ちょっとテンポが速く、曲もメロディアスで、なんていうか、この曲には口では説明することが不可能な色んな音楽の要素が詰まっていそうです。ドラム目線でしかあまり語れませんが、この曲も田中さん上手いですよね!!
ライヴエンドレスもレコードも素晴らしく、私も大好きな3枚目アルバム抱きしめたいを何回聴いたか分かりません(笑)CDはちなみに10までほぼ安全地帯は2枚ずつ持ってます。1枚は自宅用で、もう1枚は車か好きな人にあげられるように。
布教活動しなきゃです(笑)
鹿鳴館は六本木?でしたか。いったことはたぶんありませんが、天窓なら四谷でしたか、広いところですよね。最初に出たのが、今はなき新宿厚生年金会館前にあるヘッドパワー。あのエックスもやったという、元ストリップ小屋だったらしい箱です。
松居和さんって、家庭崩壊論の人じゃなかったかな?と思って調べたらやっぱりそうでした。もともとは音楽の人なんでしょうかね、尺八は趣味でやってましたとかのレベルじゃないようです。玉置さんの曲に目をつけるとは!あのころ、ジョン・ウォーレン(明菜ちゃんのPRIVATEのCM)とか、そういう歌だけアメリカ人のニセ洋楽がいっぱいありましたから、それに近い感じだったのかもわかりませんね。
窓の外に広がる
寒々しい灰色の風景
夕闇に包まれた真珠のネックレス
過ぎ去った日々をたどり返す僕
ハイウェイを見つめていたって
君がやってくるはずもない
長い時をかけ育んだ愛を失うのは
なんと虚しい事だろう
これは悲しみの歌
そう君に捧げる曲だ
君がいなくなったら
僕に残されるのは思い出だけ
これは悲しみの歌
そう君に捧げる曲だ
夜の闇に消えてゆく君
これが最後のつもりで君の家に出かけ
君の名を呼んで見る
いつか応えてくれると望みをかけても
そのたびに裏切られる僕さ
どうしてこんなことになったのか
君を手放したくないんだ
またこんな風にすべてが終わってしまうとは
なんと辛い事だろう
夜の闇に君は姿を消し
思い出だけが残る君がいなくなったら
僕に残されるのは思い出だけ
これは悲しみの歌 君に捧げる曲だ
夜の闇に消えてゆく君
夜の闇に・・・
恥ずかしい話だが英語版の存在を知らなかった
玉置浩二ファンなら周知の事実なのだろうか?
シングル盤が発売されてるが売れたのかな
驚いたのはプロデュース松居和とクレジットされてる
収録されてるLPはKazu Matsui Projectという
複数の歌手が松居和作曲の作品を唄うのだが・・・
子供の教育上日本がいいと戻ってきた松居和だが
当時はロスに住んでいた玉置浩二という存在を知っていたのだろうか?
松居和からのオファーだとしたら鋭い感性の持ち主である
松居和は80年代初め喜多嶋修作品で超絶的な尺八の演奏をしてる
クリカンのも最近は大人向けかな?
よっこいしょーいちは、つい笑いそうですね。
何年か前に、峰不二子と言う女 というスピンオフ作品がありましたが、
旧作に近くて良かったです。
マーロウもいい感じ。そのハードボイルドなのに、ちょっと玉置さんの声の甘味を足してみたいですね。
このまえ比較的新しいルパン(もちろんクリカン)が「よっこいしょういち」とか言っていて爆笑しましたけど、もう子どもに見せる気がないだろと思われるその製作態度に感動しました(笑)。
英語版は、たしか"Song in blue"でしたね。歌詞は……もう難しいでしょうね。音源が残っているのなら根性で聴きとるしかありませんが、そんなにこだわるようなものでもない気がします。
ハードボイルドな感じ、わかります。
峰不二子かルパン三世みたい〜。
(初期の大人向けのほう)
歌詞も曲調もさばっとしてるのに、
ほどよく湿った感じがして心地いいです。
(でも寂しい…)
YouTubeの映像で英語版を視聴したのですが、
歌詞が見つけられず。
無念じゃ。
あー、プロスト懐かしいですね。セナが亡くなるときにはもう観てましたから、プロストなら何とか覚えています。中嶋のころはまだわかりませんが。
そうそう、フォーミュラ・ニッポンならサーキットで観戦したことがあります。速すぎてよく見えませんでした(笑)。美しいどころじゃなかったです。
安全地帯の美しさ、わかっている方がいるという事実は、とても勇気づけられます。有難くおもいます。
私がF1観てたのは、トバさんより若干前でした(笑)。
『孤高の美しさ』
まさにそうですね。誰にも真似できない唯一無二の美しさだと思います。
あーー、その頃私も夜中によくF1観てました。
ドライバーの性格が走りに出てて面白くて。プロストは腹黒い(笑)。自分はセカンドドライバーって事がよく分かってて、裏方に徹するパトレーゼとか。
マシン、美しいですよね。
ああ、その映画は存じませんでしたが、映像の美しさを想像できるような気がしますね。20年くらい前は、よく夜中のTVでF1を観ていました。シューマッハが勝つかハッキネンが勝つかはあまり興味がなく、ただ、キレイだな、と思っていたのです。音はうるさいし古舘もうるさいんですが(笑)、フォーミュラマシンが次々と流れてゆくのがキレイにみえたのです。
安全地帯の音楽には、孤高の美しさがありますね。人から安全地帯のように美しいと紹介されて聴く音楽は、またまたご冗談を、といいたくなるものばかりで、なぜこの美しさが分からないんだろう?と不思議に思っていました。イーグルスとかシカゴ、ビリー・ジョエルでさえわたくしを満足させませんでした。ここまでくると、自分のほうがおかしいんじゃないかと、ちょっと思いました(笑)。でも、わたくしはまだ少し信じています。
フィリップ・マーロウ タイプ
だそうです。マーロウにしては軟弱な選択肢を選んだような気がしますが……「食欲ないから君だけ食えよ」とか。「そんな先のことは分からない」とか答えたらもっとハードボイルド度が上がりそうな気もしますね(笑)。
矢作俊彦さんですか!実は矢作さんは「傷だらけの天使」小説版しか読んだことがないのです。ハードボイルド好きが聞いて呆れますね。こっそり読んでおいて、さも以前からファンだったかのように、所作に矢作テイストを滲ませるよう、努力したいと思います(笑)。
さて、この曲なんですが……そうなんです、間違えているんですよ、歌詞。玉置さん、一瞬動揺した?のがわかる気がするんですよ、この箇所。それがまた切なくてですね……。
都会的、なんですよね。私にとって都会とは、あくまでハードボイルドの聖地新宿ですが(笑)、六本木とか銀座とか、そういうバブル的都会を思わせる曲です。カッコいいですよね。
玉置さん、歌詞間違えてますね。気が付きませんでした・・・。
気が付いてからは、聴くたびにドキドキします。
かっこいい曲ですよね。メロディがクールで都会的な感じ。でも何とも言えないもの寂しさがあって、ただのロックな曲じゃないですよね。
そういう玉置さんやメンバーのセンスって凄いです。
ふふふ ハードボイルド、結構好きですよ。違う矢作さんの本など好きですね〜♪
だからよく分かります。
どちらかと言うと、探偵事務所に通ってくる近所の電話番のオバサンとかに憧れますが(笑)。
トバさん、こんなのご存じですか?
ハードボイルド好きなら、ぜひやってみてください。
http://park22.wakwak.com/~phil/boggy.html
(これ以外にもいろいろ有りますよー)
映像を拝見すると……マイクの使い方が……いや、腕の動きから拝察するだけなんですが、かなり慣れていらっしゃいますね。抑揚・強弱をお付けになるのに、効果的なマイクの位置をおわかりになっているように思われます。偉そうに講釈たれていますが、わたくしはわかっていないので、いつでも平べったい歌を歌います(笑)。おおいに見習いたいものです。
次の曲
ははあ、ベスト20ですか。わたくしなど、本ブログのコンセプト上、ベスト300くらいはいきます(笑)。冗談はおいといて、この曲はどうしても20曲選べといわれたら、わたくしでも入れると思います。
これもつい二回聴いちゃったじゃないですか(笑)。いやー、ほんとうに上手です!わたくしピアノは非常にイマイチですが、ピアノ担いで乱入したくなります。こんなにも安全地帯への変わらない愛を歌で表現できて、うらやましい限りです。
2016年最後にステキな歌をありがとうございます。2017年もよろしければぜひぜひ!お願いします!それではよいお年を!
今日はブルーに泣いてるカラオケバージョンをお届けします。
採点ではなくカラオケ音源としてお楽しみ下さい。
http://sp.nicovideo.jp/watch/sm30318886
そして2016年最後は、私の好きな曲ベスト20(笑 絞れない)に入る、こちらで締めます。
http://sp.nicovideo.jp/watch/sm30333850
よいお年をお迎え下さい🎵