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安全地帯・玉置浩二の音楽を語るブログ、管理人のトバです。安全地帯・玉置浩二の音楽こそが至高!と信じ続けて四十年くらい経ちました。よくそんなに信じられるものだと、自分でも驚きです。
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2016年10月16日


安全地帯III 抱きしめたい』七曲目、「風」です。

アルフィーの高見沢さんが、ラジオでこの曲を好きとおっしゃった、とどこかで読んだ記憶がありますが…もうソースは確認できませんでした。また聞きのまた聞きの、さらにまた聞き……ですね。

わたくし疑うこともせず読んだ瞬間に「さもありなん」と思いました。高見沢さんはやたらハードロックっぽい人なのに、ソロアルバムでは「赤い糸」とか、今にも消え入りそうな繊細な曲を歌う人、というイメージでしたもので、反射的にありそうだと思いました……。

なんか、心の中で勝手に作られた相性みたいなものがあって、それに初めて気づかされた時の快いショックがあったんですね。そういうときに人はデマを信じるのでしょう(笑)。や、もちろん本当に高見沢さんがそうおっしゃったのかもしれませんけれども。

さて、以前の記事でも書きましたが、この曲はわたくし安全地帯で一番か二番に好きな曲です。それだけに、書きすぎないように気を付けたいものです。

ボーカル:ひたすらやさしくAメロBメロを歌いきった後の、サビの三声コーラスが、信じられないくらい美しいです。

ギター:高速アルペジオをツインで、ときに同じフレーズを弾き、ときに役割分担し、軽快で重厚な演奏になっています。

ベース:ルートと五度上の音を四分で交互に弾きながら、まるで坂道を軽やかに歩く足音のようなAメロ、Bメロを演出し、サビで四分のうち一拍目と四拍目を基本に弾くことで、まるで立ち止まりながら少しずつ歩き、思いを巡らす主人公の足元を表現しているかのようです。

ドラム:サビで多少バリエーションを変えつつも、ロールが基本です。わたくしこの曲でロールの練習をいたしました。ただ連打するだけじゃん、とお思いになる方、ぜひやってみてください。できる人は当たり前にできますが、やったことのない人は、このペースで連打を続けられるようになるまで、思ったより時間がかかるのでは……?

田中さんの意図としてはおそらく、バスドラはベースに、スネアのロールはギターのアルペジオに完全に合わせるということだと思うんですが、これはわたくしに言わせれば神業です。ドラムが打たれていれば合わせやすくなるわけでは必ずしもありません。むしろ隙間がないので、遊びがまったくない機械のような状態になります。どこか歯車が狂うと、バンド全体が一気にヨレヨレになりかねません。スローな曲ながら、メンバー間はものすごい緊張感で満たされていたのかもしれません。

ここで伸びやかに歌う玉置さんたちのリズム感覚って、いったいどうなっているのでしょう。わたくしは一小節が16分割されていることだけで、うお!こりゃフルじゃん!と慌ててしまうのですが、メンバーの頭のなかでは、実は64分割位されていて、四回に一回弾けばいいじゃん、楽だなーとか思っているのでは……と思われるくらい正確です。ライブでも同様なのがさらに驚愕です。デジタル・レコーディングを玉置さんが嫌っていたのも納得です。要りません、デジタル。傍からみても。

さて、歌詞ですが、わたくしこの歌詞には感銘を受け、そんなことして何になるのと今でも思うんですが、歌詞をノートに何回も何回も書いて覚えました。覚える必要はまったくないんですが、覚えたくて仕方がなかったのです。歌詞の世界を自分の血肉にしたいとでも思ったのでしょうか。何かにとりつかれたように書いていました。数学の『解法のテクニック』でも書き写していればいいのに、そんな気は全く起こりませんでした。ティーン時代の精神的偏りが発揮されてしまったわけです。うーん、仕方ないですよね、それしか見えなかったんだから。

松井さんが、合宿所の伊豆から、おそらく軽井沢に恋人とともに「逃れ」て、ひとり早起きの散歩をしている坂道でこの歌詞を思いついた……とは書いていないのですが、そう示唆しているようにしか見えない記述を残しています(松井五郎『Friend』CBSソニー出版、1987年より)。なんとロマンチックな!それも松井さんの演出なのではないかと思わなくもないんですが、制作秘話までロマンチックってどういうことですか!と、松井さんに徹底的に参ってしまうほうが楽しめるのは明らかです(笑)。

この曲は、わたくし街のレコード屋にCDが出回り始めた初期に手に入れ、何度も何度もリピート再生しました。それ以来かれこれ30年くらい、折に触れて聴き続けています。おかげで、聴き逃している音がないんじゃないかってくらい聴きましたが、まだ飽きません。一つの曲にこんなに参ってしまう経験は他にほとんどありません。それ以前に聴いたサイモン&ガーファンクルがそれに近かったかもしれませんが、あの時はLPレコードと、それを録音したカセットでしたので、特定の曲だけを何度も聴いたわけではありません。CDがある、ない、の時代の違いなのか、「風」はLPだろうがカセットだろうが繰り返し聴いてしまったのか、比べようがありませんが、「風」がわたくしにとって群を抜いて特別な曲であることは間違いありません。もはや人生の一部です。

わたくしが、もし高崎晃にハマりきっていた十代後半以降にこの曲に出会ってしまったら、「少女趣味だなあ」で終わったかもしれません。この曲を知っている知人にも、わたくしほど「風」に異常な執着を示しているらしき人は見あたりませんでした。いつどこで何にどのように出会うかによって、人生は変わっていくのかもしれません。わからないものですね。

だからこそ、どんなにソースがわからない話でも、高見沢さんに一種特別な親近感を覚えてしまうのです(笑)。

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感想(14件)


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この記事へのコメント
SaSaさんに教えていただいた、この歌詞と曲との奇跡は、当ブログ活動中随一の驚きでした。いやー、そんなことが起こるものなのですね。想像すらしてませんでした。

絵画とか映画のワンシーン、という表現は、よくわかります。恋愛物語ぜんぶを語ろうとしない手法は、当時は斬新だったのでしょう。わたくしものごころ付いたときにはすでにそれが当然になっていたような気がしますが、松井さんの詞はとにかく美しいのです。

実家のある街で、坂の途中でふと立ち止まる……うーん、しばらく寝込みたくなりますので、実家の近くはなるべく何も考えずササっと通行するようにしたいと思います(笑)。
Posted by トバ at 2019年06月06日 18:03
コメントすごい勉強になります。
詞がぴたりと曲にはまるというの、
なんだか奇蹟みたいですね。
この歌、聴いていると切なくて、でもちょっと残り火みたいな温もりが。
あー、そーだよなー………って。(遠い目)
安全地帯の歌って聴いてると一曲一曲が一枚の絵画や、映画のワンシーンを切り取った瞬間を感じます。
この曲は、きっと恋愛したことのある人なら
誰でも一度くらいは記憶している思い出なのではないでしょうか。
実家に帰って昔歩いた坂道とかで、ふと立ち止まっちゃう、そんな夕暮れです。
Posted by でみ at 2019年06月05日 23:28
おお…!倉庫のなかを!なんというお手間をかけてしまったのでしょう。気軽に読みたい知りたいなどと思ってしまって、せっかくのお休みにご迷惑をかけてしまったのではないでしょうか。申し訳ありません。そして、ほんとうにありがとうございます。

なんと!詞と曲が別々につくられており、それが偶然合体した!それがどんなに単純な曲でも信じられないのに、ましてやあの「風」がそうだった?……おっしゃるとおり、わたくしもこの曲で詞と曲は不可分だと思います。これは……生き別れになっていた双子のようなもので、それが玉置さんと松井さんのなかにそれぞれ宿っていて、幾度もの共作を経てやっと巡り会えた、とでもいうべきでしょう。そんな経験しちゃったら、もう一生やめられないでしょうね。

2001年ですと、きっとウッドストックスタジオで翌年の『安全地帯IX』を作っていたのでしょうね。そして松井さんも訪れて、80年代と同じ空気のなかで、ふと「風」のことを思い出した……40代になってもロマンチックな松井さん、惚れ惚れします。

せめて、わたくしのわかることを……

「軽井沢は北海道の空気に近い」は、ある程度あたっているように思われます。軽井沢って、山に囲まれているのに、へんに開放感があるんですね。湿気の少ない緑の匂いが惜しみなく満ちているのも、本州、とくに太平洋側では感じることの少ない清涼感があります。もしかして、80年代中期の安全地帯フィーバーには、本州の人たちが「北海道」を肌で感じたのに似たショックがあったのかもしれないなあ〜なんて、またまた妄想なんで、ちっともお礼の情報になっていないんですが(笑)。

Posted by トバ at 2017年03月13日 06:31
こんにちはSaSaです!「風」の詞先の件ですが、、、
自宅の倉庫からファンクラブ会報を引っ張り出して、みつけました!以下の会報から引用します。

・松井五郎(作詞家)「あの空の向こうから 第1回」(『STAR Vol.23』玉置浩二メンバーズ。クラブ"STAR"、2001年12月)

引用ここから //////////
 安全地帯のサードアルバムに「風」という歌がある。じつはこの歌詞は安全地帯のためにというのではなく、当時、軽井沢ヘの旅行中、宿泊していた万平ホテルで書いた詩だったんだ。そして、その詩は、東京へ戻ってから浩二から届いたメロディとひとつになった。そんなことはあまりないことなんだけどね。普通は、先に曲があって作詞をすることがほとんどなので、あのときは別々の場所で生まれた詞と曲が、奇跡のようにひとつの歌になったことを、僕自身とても感激したのを覚えている。浩二はこのことをきっと知らないと思うけど、浩二がソロのアルバムジャケットで万平ホテルで撮影した写真を使っていたのを見たときは、なんか不思議な感じがしたな。浩二が軽井沢に住んでいることを聞いたときも、ちょっと驚いたしね。でも、軽井沢は北海道の空気に近いのかもしれないね。
////////// 引用ここまで

・・・というわけで、確かに「詞先」ではあった、、、んですけども、曲も別に作っていて『合体させたらできちゃった』ということなのです。改めて文章を確認して、あまりのことに愕然としておりますが、そう書いてあるんだから仕方がないです。あの詞とメロディは絶妙にフィットしていて、不可分のように思ってましたが。。。なんにしろすごい曲です。ちなみにこの文章が書かれた当時は、玉置さんたちは軽井沢で安全地帯の新曲を作ってました。そういうなかで、この文章が書かれています。
Posted by SaSa at 2017年03月12日 19:40
おお、「僕のヒストリー」という番組だったのですか!わたくし、当時はよくラジオを聴いていたのですが、いわゆるエアチェックが甘かったようです(笑)。玉置さんが司会で高見沢さんがゲスト…なんと豪華な!当時知っていたら、120分テープをセットしてかじりつきだったことでしょう。早速、youtubeを検索してみます!

ファンクラブの会報に松井さんが寄せた文章!ああー
、そういうのがあるから、ファンクラブの年会費ってものがより意味をもつんですよね。2000年ころなら払えたのに、入ってませんでした。そんないいこと教えてもらったら、ファンクラブの方々に悪い気がします。…でも聞かずにいられない(笑)。

ステキすぎる情報をありがとうございます。せめて、記事を心を込めて書かせて頂く所存であります(笑)。
Posted by トバ at 2016年12月14日 06:52
こんにちはSaSaです。ひきつづき記事、全部拝読しております!
さて、コメントを追記しまーす(笑)

高見沢さんが「風」を好きだった、というのは、
1987年に突如放送され、玉置さんがMCをしたFMラジオ「僕のヒストリー」という番組です。
ゲストが高見沢さんで、「ドライな感じの安全地帯の曲が好き」「アコースティックな安全地帯は良い」
という流れで、例として『風』が出てきました。
歌詞にある「クツ」が印象に残っているそうです。

あと、「風が詞先でできた」というのは、2000年代初頭の玉置浩二&安全地帯ファンクラブ会報に、
松井五郎さんが寄稿した文章の中に書いてありました。原本があるはずなのですけど、
ちょっと離れたところに保管してありますので、こんどみつけたときに書き込みますね!
Posted by SaSa at 2016年12月13日 19:33
そんな、もったいないお言葉を!ありがたくて申し訳なくて…ありがとうございます!

この曲は詞が先!しかも唯一の!わたくし、玉置さんの曲で詞が先の曲があることすら存じ上げませんでした。しかもこの曲とは…!どおりで、詞の力が強いように感じられるわけですね。ノートに何度も書いたかいがあるというものです(笑)。ナイスな情報、ありがとうございます!
Posted by トバ at 2016年11月26日 23:08
全記事、とても楽しく、時に感銘を受けながら、共感しながら読ませていただいています。
歌詞の分析や演奏スタイルまで考察されていて、とても勉強になりますm(_ _)m

この曲は玉置&松井コンビのうち、唯一の詞先で出来た曲だと聞いています。
歌詞の力がより強く出ている作品なのかもしれませんね。
Posted by SaSa at 2016年11月26日 22:32
おお!本当ですか!そうか、youtubeにラジオ音源がアップされていることもあるのですね。ナイスな情報ありがとうございます!

アスカさんが…そうですか…武沢びいきのわたくしですが、なんと蠣崎さんのFREAKSはまだ聴けていないのです。残念至極です。
Posted by トバ at 2016年10月17日 07:17
高見沢さんの話はユーチューブで実際に本人の声で聞いたことがあります

ASKA(チャゲアス)も蛎崎弘の「フリークス」を大絶賛していたそうです
ミュージックステーションに武沢さんと蛎崎さんで出演した時に
唄の準備が整う合間にアナウンサーとタモリさんで短い会話をする
その時にASKAの話になった。












Posted by タコ at 2016年10月17日 02:27
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