『安全地帯III 抱きしめたい』六曲目、「Kissから」です。
この曲は、B面を最初から景気づけるかのような、アップテンポナンバーです。
田中さんの、もっとドシドシ踏みたいのを我慢しているかのようなバスドラと(これが、難しいんです。その老獪さがたまらない!)ガシ!ガシ!と刻まれるスネアのコンビネーションは悶絶ものです。ぜひドラムの音に耳を澄ませてみてください。
逆に、わりと遠慮なくビシビシ弾いているように聴こえる六土さんのベースが、田中さんの控えめなドラムと相まって、この曲の不思議なアップテンポ感を演出しているように聴こえます。そもそもこの曲、テンポ自体はそんなに速くないですよね。
ツインギターは「ワインレッドの心」Bメロ以降のような武沢トーンバリバリのカッティングが鳴りっぱなし、そこへ矢萩さんのアオリと粘っこいオーバー・ドライブトーンによるギターソロの組み合わせという、まさに本ブログ執筆者の大好物です。
そんな、安全地帯の本領発揮!ともいえるアレンジパターンの秀曲なんですが、「恋の予感」と「風」に挟まれているというあまりうれしくないポジションを与えられているように思えます。CDだったら飛ばされちゃうんじゃないかという位置ですね。アナログ盤だったらもちろんB面頭から聴きますけども。
「風」を何べんも繰り返し聴きたかったわたくし、この曲を飛ばしてしまっていた時期がありました。皆様申し訳ございません!わたくしこの曲の凄さに気づいておりませんでした。もちろん、いまでも気づいている保証はございませんが、少なくとも、「風」聴きたさに飛ばすことはございません。
この曲の魅力に気づきはじめたのは、『ENDLESS』を就寝時に毎晩聴くようになってからです。110分テープに録音してあったものを、ウォークマン、というかKENWOODのウォーキングステレオで二時間近くも聴きながら眠りにつくという贅沢をしていた、80年代も終わりの頃のことです。たいてい、選曲的に、序盤のマスカレードとか真夏のマリアとかで眠れることは少なく、だいたい「エイジ」くらいで眠くなってきて、「つり下がったハート」で意識が遠のき、「あなたに」「…ふたり…」でとどめを刺され、「風」のころにはもう眠ってる……カセットがガシャッとB面に切り替わった音で少し気が付いて、ああー、また「風」を聴けなかったなー、と少しだけ思って、また眠ってしまうというのがいつものパターンでした。
そんなわけで、「風」を聴かずに「Kissから」を毎日聴いていたわけです。
「Kissから」、「ブルーに泣いてる」、「Big Joke」、「エイジ」と、見事にギターバリバリのロック色強めな曲が続く曲順で毎晩毎晩聴いていると、「Kissから」のアレンジも次第に耳に焼き付いて、どのフレーズも忘れがたく印象的で、魅力に溢れるものであることが、だんだんにわかっていった、当たり前になっていった、という感じです。
なお、その数年後、メタリカの『…And Justice for All』における「Harvester of Sorrow」でも同じ体験をしております(笑)。メタリカはビデオだったんですけど、これも寝ながら早送りとかしていられないので、真っ暗な部屋で毎晩メタリカのライブビデオを見続けていたら、他の曲との相乗効果で、いつのまにか好きになっていた、というパターンです。アルバムで聴いていたときは、何じゃこの曲、飛ばせ飛ばせ、という感じだったんですけども。
もはや話は完全にそれているんですけど、いまの若い人たち大丈夫ですかね、MP3プレイヤーとかで音楽聴いていて。ライブアルバムぶっつづけ再生とか、ちゃんとしているんでしょうか。心配になります。余計なお世話なんですが。
さて、「Kissから」に話を戻しますと、玉置さんのボーカルが、毎度のことながら、松井さんの計算された歌詞でイキイキと輝いています。
「かっこ」「ベッド」「きっと」「もっと」と、促音で勢いをつけてリズム感を出し(それがまた武沢さんのカッティングと合うんです)、
「砂時計の心」「秘密という響き」という言葉で、ガマンできなさを詩的に昇華させ、
「〜のように〜おいで」と繰り返す歌詞で色気を爆発させるという、
へたにカラオケなどで歌うと非難されかねないギリギリのラインを、玉置さんは卓越した技量と信じがたい歌心で、見事に綱渡りしています。
とりわけ『ENDLESS』ライブで、「いま……」と、消えゆくように歌っているんですが、玉置さんはこういうのが抜群にうまいですよね。力強いのにささやくように歌うって、スタジオでディレクターとかにそんな指示出されても、歌える人いませんって。ただでさえ色気ムンムンの歌詞にこの歌い方をされては、ノックアウトされても仕方ありません(笑)。
そんなわけで、聴き込めば聴き込むほどその凄さがわかるスルメのような一曲、「Kissから」のご紹介でした。
価格:1,545円 |
ヴァイが映画に出ていたとは……ヴァイくらいでないとこなせない役どころだったのでしょうけども、それにしても……うーむ。
スティーブ・ヴァイさん、ちょと検索したところ、
映画クロスロードに出演されていたようです。
すっかり、姿を消したラルフ・マッキオ(ベストキッドの人)主演。
もっかい見たくなってきました。
残念ながら、ばりばりロックの洋楽でアルバムきいたことがあるの、ストーンズとアイアンメイデンくらいで…。
後は流行してよくかかるものしか
わからないです。
安全地帯の分類がロックになっていて
驚いたんですが、(ロックじゃなきゃなんなんだ?というのはサテオキ)
ここの解説を読むと、ああ、ロックやねんな、
と、納得したです。
私は、有害と後はベストしか手元に残ってないです。
断捨離で大量にCDは捨ててしまった……笑
私の知り合いは皆、安全地帯も聖飢魔IIも
アウェーです。
(小さい声)…有害、好きです…
思いました。
聴いていて、ええ?こんなん歌うの?照れずに?
って感じで、かなりの衝撃曲です。
きっと若い頃に聴いたら、もやもやしそう。 笑
ただ、歌い手さんご本人の素のキャラが、
そういうネタをさらっと会話にはさめるような
オープンな感じなので、歌えるのかな。
なかなか、こういう系の歌で凄くウマイ!ていうのは、
知る限りでは
デーモン閣下ぐらいしか思い付きません。