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2019年10月12日

行列好きの民族(十月十日)



 神のカーヤがなくなって十日目、明日金曜日には、プラハのブルタバ川に浮かぶ島「スロバーンスキー・オストロフ」にあるジョフィーン宮殿でお別れ式が行われる。宮殿内に棺が安置され、一般の人も花などをささげることができるようだ。ニュースなどでは、30万人もの人が訪れると予想されている。チェコ以外から来る人もいるだろうけれども、平日の金曜日にチェコの全人口の3パーセントほどの人が集まるわけだから、カレル・ゴットの人気というのはやはりとんでもない。

 一般の人がジョフィーン宮殿に入れるのは金曜日の午前8時からだというのに、夜7時のニュースが始まる時点で、すでに最初のファンが行列に並ぶ準備をしていた。ジョフィーンではコンサートが行われており、まだ会場内の設営はもちろんのこと、外の集まった人たちに行列を作らせるための柵などの設置も始まっていなかった。それでも島に渡る橋の上で、準備が整うのを待つ人が10人近くいただろうか。
 最初の一人はチェコ人の男性で、次には何とドイツから出てきたというグループがいて、さらに南ボヘミアから来た人たちが、一晩中行列して会場を待つために、飲み物食べ物、毛布などを準備して並んでいた。行列は、ジョフィーン宮殿の前から、スロバーンスキー島を出て橋を渡り、川岸の道を国民劇場沿いに北上し、一つ目のレギエ橋をマラー・ストラナ側に渡って、川岸を南下すたところまで延びることが予想されている。

 この周辺では交通規制が行われ、トラムも運行を停止することになっているので、プラハ市の交通局は、地下鉄のナーロドニー・トシーダの駅を会場への最寄りの駅として利用することを勧めているが、警察ではブルタバ川の対岸のアンデル駅の利用を勧めているらしい。会場まではナーロドニー・トシーダのほうが近いけれども、行列の尻尾に就くためにはアンデルのほうが便利になるという判断である。
 鉄道会社も、金曜日と言えば、午後プラハから外に向かう電車の利用率が高く、車両の追加をすることが多いのだが、明日は朝からプラハ行きの輸送力の増強に全力を挙げると言っていた。それでも限界はあるから、確実に乗りたいなら事前に座席を予約することを勧めている。夜の10時まで開いているとはいっても、地方からだと仕事が終わってからというわけにもいくまい。そうなると、ゴットのために年休を取った人がたくさんいそうである。これで大丈夫なのかチェコ経済と言いたくなるけど、週末にやるとさらに人手が増えてプラハの混乱は拡大するだろうから、金曜日というのがぎりぎり妥協できる線なのかな。

 個人的には、行列に並ぶというだけでもうんざりなのだが、チェコの人はやはり、日本人と同様に行列に並ぶのが好きなのだろう。日本人の行列好きは、ウィンドウズ95が発売になったときのばか騒ぎとか、コンサートなどのチケットの販売が電話で予約できるようになったときに、行列しないのが寂しいなんてことをいう人もいたしで、疑いの余地はない。
 チェコ人の場合には、共産主義の時代はもの不足で、どの店に何が入荷するという情報が入ると、確実に買うためには行列しなければならなかったんだという話をさんざん聞かされたから、行列は嫌いなんだろうと思っていた。しかし、規模は今回ほどではないとはいえ、プラハ城や国会などの普段は一般公開されていない場所が、公開される日にチェコ各地からやってきた人たちが行列を作るし、スーパーの新規開店のときにも行列ができることがあることを考えると、実は行列に並ぶのが好きな人が多いんじゃないかと思えてくる。行列ができていたから、何の行列かわからなかったけどとりあえず並んでみたなんてことを言う人もいるし。
 昔、日本で知り合ったアイドルファンのチェコ人も、サイン会に徹夜で日本人に交じって行列して、同じアイドルのファンだということで、あれこれ話せたなんてこと楽しそうに語っていたしなあ。あの人が追っかけしていたアイドルは引退してしまったけど、今でもアイドルファンを続けているのかな。

 とまれ、土曜日にはプラハ城の聖ビート教会(多分)で、プラハ大司教の主催の元、追悼のためのミサが行われる。これが国葬ということになるのかな。ただ参加できるのは事前に招待された人だけで一般の人は入れない。招待される人の中には当然政治関係者も大量に並んでいて、ゴットが宗教によっても政治家によっても利用されるのは避けようがない。本人もそれは仕方がないと思っていたのではないだろうか。このミサのためにプラハ城内でも交通の規制が行われ、観光客の移動に影響を与えそうだとも言う。
 それに、教会内に入れない一般の人のために、たしかプラハ城内の中庭の一つか、プラハ城前の大きな広場かに、両方かも知れんけど、巨大なスクリーンを設置して、ミサの様子を映し出すいわばファンゾーンのようなものを設置することが決まっている。うちのは何でそこまでするかと頭を抱えているけど、やはりチェコ人にとって、一部のドイツ人にとっても、ゴットという存在は、神のごとく大きなものだったのだということを意味しているのだろう。
2019年10月10日24時。









posted by olomoučan at 07:02| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ
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