アフィリエイト広告を利用しています
<< 2018年11月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
検索
リンク集
最新コメント
チェコの銀行1(十二月二日) by ルイ ヴィトン 時計 レディース hウォッチ (03/20)
メンチンスキ神父の謎(四月卅日) by にっしやん (12/30)
メンチンスキ神父の謎(四月卅日) by にっしゃん (12/30)
メンチンスキ神父考再び(七月卅日) by にっしゃん (12/30)
カレル・チャペクの戯曲残り(二月朔日) by K (08/16)
最新記事
カテゴリーアーカイブ
記事ランキング
  1. 1. 『ヨハネス・コメニウス 汎知学の光』の刊行を寿ぐ(四月十日)
  2. 2. no img 『羊皮紙に眠る文字たち』『外国語の水曜日』(三月十九日)
  3. 3. no img コメンスキー――敬虔なる教育者、あるいは流浪の飲んだくれ(九月廿七日)
  4. 4. no img すべての功績はピルスナー・ウルクエルに(一月廿六日)
  5. 5. no img 「トルハーク」再び(三月廿日)
  6. 6. no img トルハーク四度(十月二日)
ファン
タグクラウド










ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

2018年11月12日

仮定法1(十一月七日)



 前回チェコ語について書いたときに、次は仮定法だと書いた記憶がある。ちょっと一本になりそうなネタもないので、久しぶりにチェコ語について、つまり仮定法について書くことにする。仮定表現は、日本語では、「すれば」「したら」「するなら」などいくつかの形があって、それぞれ微妙に意味、使い方が違うのだが、チェコ語にもいくつかあるのだが、仮定法と言った場合には、一般に「kdyby」「by」と動詞の過去形を組み合わせたものをさすことが多い。
 「kdyby」は文頭、もしくは節の最初に来て、仮定の意味、つまり「〜すれば」という意味を表す。それに対して仮定を受ける側の「by」は、節の二番目の位置に来る。「by」はまた単独で婉曲表現としても使われる。婉曲というよりは、表現を和らげて丁寧にするのに使われると考えたほうがいいかもしれない。とまれ先ずは形から入ろう。
 人称変化は一人称単数から三人称複数まで以下のようになる。変化する部分は変わらないので「kdy」は括弧に入れておく。

 1単 (kdy)bych
 2単 (kdy)bys
 3単 (kdy)by
 1複 (kdy)bychom
 2複 (kdy)byste
 3複 (kdy)by

 三人称は単数と複数で形が同じだが、一緒に使う動詞の過去形で単数か複数化区別できる。単数であれば「-l / -la / -lo」と主語が男性、女性、中性の場合で変わるが、複数であれば、「-l i / -ly / -ly / -la」と男性名詞が活動体と不活動体で語尾が変わるので、四つの語尾を使い分けなければならない。一人称、二人称の場合には必ず男性か女性が主語になるので、中性の語尾を取ることはないが、主語となる人物が男性か、女性か、単数か複数かで動詞の過去形の語尾を変えなければならない点は変わらない。
 また、口語では「být」の現在変化につられて、一人称単数を「(kdy)bysem」、複数を「(kdy)bysme」という形で使う人も増えているが、これはまだ正しいチェコ語としては認められていないので、知り合いにそんなチェコ語を使う人がいたら悪影響を受けないように注意しなければならない。
 実際に文を作ってみよう。

 Kdybych neuměl(a) česky, nemohl(a) bych žít v České republice.
 チェコ語ができなかったら、チェコに住めないだろう。

 動詞の末尾に「(a)」をつけたのは、女性の発言だった場合には「a」が付くことを示している。この文の「kdybych」のあとに、例えば「tehdy(あのとき)」を入れると、「あのとき日本語ができていなかったら、チェコに住めていなかったろう」と古典文法では反実仮想と呼ばれるタイプの仮定を示すこともできる。チェコ語にも反実仮想用の文法は存在するのだが、動詞の過去形を二つ並べるなどややこしく、現在では普通の仮定法で代用してしまうことが多い。
 もちろん両方の節の主語が一致しなければならないということはない。いくつか組み合わせてみよう。できるだけ単純な短い文にする。訳を普通の仮定にするか反実仮想にするかは気分で決めた。

 Kdyby nemělo letadlo zpoždění, stihl bych poslední vlak do Olomouce.
 飛行機が遅れなければオロモウツ行きの最終に間に合うでしょう。

 Kdyby se mi nelíbila Olomouc, nebydlel bych tam.
 オロモウツが気に入っていなかったら住んでいません。

 Kdybych čekal trochu déle, mohl bych se setkat s Petrem.
 もう少し長く待っていればペトルに会えていたのに。

 Kdyby vám to nevadilo, jel bych do Prahy.
 よろしければ、私がプラハに行きます。

 Bylo by dobré, kdybyste přišel o hodinu dříve.
 一時間早く来てもらえるとありがたいんですが。

 Bylo by špatné, kdybych neudělal toto zkoušku.
 この試験に合格できなかったらやばいんだよなあ。


 ところで「by」のある部分だけを使った丁寧な婉曲表現も、もともとは前半部分が存在していて、省略されるようになったと考えてもいい。例えば、

 Kdybyste měl čas, mohl bych se vás na něco zeptat?
 お時間があるようでしたら、質問させてもらっていいでしょうか。

 いきなり、「質問してもいいですか」と聞くよりも、「時間があれば」と仮定したり、最初に時間があるかどうか質問したりした方が、丁寧な表現になるのは日本語もチェコ語も変わらない。だから「by」を使うことによって、「Kdybyste měl čas」や「Kdyby vám to nevadilo」のような仮定法が省略されていることが示唆され、丁寧に響くのではないかと考えられる。いや、本当かどうかは知らんけど、このように考えれば、納得して使えるというだけの話である。
 実際には、「Dám si kávu」と言っても、「Dal bych si kávu」と言っても大差はないんだろうけど、「by」を使った仮定法で注文したりお願いしたりできるようになると、チェコ語がものすごくできるようになった気分になれたものだ。

 ちなみに、かつてチェコ語を勉強していたころは、毎晩仮定法の勉強のために、いや実践のために飲み屋に出かけていたものだ。お金を払ったあとに、お店の人にお願いしたのだ。

 Kdybyste měli nový tácek, nemohl byste mi ho dát?
 新しいコースターがあったらもらえないでしょうか。

 Kdybyste měli jiné tácky, chtěl bych si je vzít.
 これとは違うコースターがあれば、ほしいんですけど。

 とか「kdyby」以外の方法も交えて、さまざまなバリエーションを駆使して毎晩できるだけ違う表現を使うようにしていたのだ。その結果、仮定法がある程度使えるようになり、コースターのコレクションも増えていった。つまり、我が仮定法は飲み屋で、ビールとコースターによって鍛えられたのである。
2018年11月8日23時55分。









プロフィール
olomoučanさんの画像
olomoučan
プロフィール


チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。