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2016年03月15日

ベチェルニーチェク(三月十二日)



 午後七時から始まるチェコテレビのニュースの前に、他に見るべきものがなかったので、久しぶりにチャンネルをベチェルニーチェクに合わせた。以前はニュースと同じ第一放送で六時四五分から放送されていたので、チャンネルを第一に合わせて見るともなく見ていることも多かったのだが、子供向けの専用チャンネルDが誕生して以来、第二放送とDに移動してしまって、目にする機会がめっきり減っていたのだ。

 このベチェルニーチェクは、1965年にチェコスロバキアテレビで放送が始まり、それ以来五十年以上にわたって、毎日午後六時四五分から、十分弱、子供たちを楽しませてきた。いや、今でも楽しませている。時間になるとテーマ曲と共にキャラクターのベチェルニーチェク君が登場し、一輪車、自動車と乗り物を変えながら宣伝のチラシを投げるというオープニングがあり、番組が終わった後には、もう一度登場して「お休みなさい」と言って頭を下げる。小さい子どものころには、このお休みなさいを聞いたら、寝るのが決まりだったという人もいる。
 ただし、ベチェルニーチェクと一口に言っても、五十年以上も同じアニメやドラマが放送され続けているわけではない。子供向けに製作された短編のシリーズを放送する番組をベチェルニーチェクと読んでいるのである。内容はさまざまで、日本でも知られているモグラの「クルテク」や、パペットアニメーションの傑作「パットとマット」などは、本来ベチェルニーチェクで放送されたものである。他にも実写版映画も作られたアニメーション「マフとシェベストバー」、ひげ面の盗賊が主人公の「ルムツァイス」、クルコノシュ山脈の主が登場する実写版の「クラコノシェ」などが、よく知られている。 今でも毎年新しい作品が作られてはいるが、過去の人気作品が再放送されることも多い。親子で同じ作品を見る、いや孫まで入れて三代同じ番組を見て育ったなんて人もいそうだ。

 この番組で放送されるシリーズの特徴としては、実写であれ、アニメーションであれ、声を当てるのはナレーター役の俳優一人しかいない点が挙げられる。「クルテク」や「パットとマット」のように、そもそも台詞のないものもあるが、登場人物が多く台詞のあるものであっても、声や話し方を変えることで、違う人物であることを示しながらナレーターが一人で進めていくのである。これはおそらく、ベチェルニーチェクのコンセプトが、おばあさん(お母さんでもお父さんでもいいけど)が、子供に語って聞かせる昔話、物語のテレビ版というものだからだろう。
 ポーランドの外国番組の吹き替えは、一人の俳優が台本を淡々と読んでいくだけという話だが、チェコの吹き替えは共産主義の時代から評価が高い。フランスのルイ・デ・フィネーという俳優が、チェコ語に吹き替えられた自分の映画を見て、吹き替えた俳優の声のほうが自分の声よりも役に合っていると言って賞賛したという話もあるぐらいだ。だから、ベチェルニーチェクで一人の俳優が語るのは予算の削減のためではないと断言できる。

 現在放送中のベチェルニーチェクは「ビドリーセク」という動物が主人公の実写版である。ビドラ、つまりカワウソの子供が穴にはまって動けなくなったところを釣り人に救われて、町の中の家に連れて帰られ、部屋の中であれこれやらかすというのが、十二日の分のストーリーだった。この後は、家から逃げ出して、町を出て自然に帰るまでが、さまざまなエピソードを重ねて描かれるはずである。初めて放送されたのが2003年だから、すでに十年以上前の作品だけれども、古さは感じさせない。可愛い動物に対する愛情というものは普遍なのだろう。
 ベチェルニーチェクには、このビドリーセクのように、動物が主人公となるシリーズがいくつかある。いずれもバーツラフ・ハロウペクという映像作家の作品である。キツネ、オオカミ、ヤマネコ、イノシシなどの子供を使った作品が制作されているが、一番有名で評判の高い作品は「メーデョベー」という熊の子供たち三兄弟を主役にした作品だろう(自分が一番最初に見たものなのでそう感じるのかもしれないが)。動物園で母親が育児放棄した子熊を引き取って育てながら映像を撮影し、一つの物語を作り上げている。物語上はもちろん、そんな話にはならず、モラビア東部のベスキディの山の中で木こりが切り倒した木の下に、三匹の子熊がいたという話になっている。

 動物と子供に演技をさせるのは大変だとはよく聞く話ではあるが、このドラマでは、演技なんかさせずに、普通に過ごすさまを、もちろん、いろいろ起こりやすいように、熊たちのいる部屋の中に中身の入った買い物籠を置いて出て行ったり、車に乗せてチェコの各地に出かけて未知の環境の中に放り込んだりなんてことはするわけだが、全体としてドキュメンタリー的な手法で撮影されている。小さな子供のころはともかく、ある程度成長してくると餌代が大変だっただろうし、あちこち連れて歩くのも大変そうである。
 しかし、一番大変だったのは、大人になった熊たちの引き取り手を探すことだったらしい。他の小さな動物達なら、ペットとして家で飼える人たちもいるだろうが、熊を自宅で飼うというわけにはいくまい。最終的にはベロウンという町の自然公園みたいなところに引き取られて暮らしていて、インターネット上には今年の一月に熊たちの十六歳の誕生日をお祝いするイベントの告知が出ていた。ハロウペク氏は、今でも時々訪れて、旧交を温めているらしい。
3月13日16時30分。



 女の子向けっぽいのでちゃんと見たことはないが、これもベチェルニーチェク。3月14日追記。


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チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















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