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posted by fanblog

2018年10月09日

寒いから迷走中(十月五日)



承前
 幸いなことにチェコはドイツあたりのトチ狂った環境先進国とは違って、原子力発電を継続することを決めている。しかも発電所が二つあるので、基礎の電力の供給源としては非常に安定している。その上に各地に大き目の火力発電所があり、地域に熱湯をパイプラインで供給するための熱湯生産施設でも発電をしている。水力も大きなダムに設置された大きな発電所だけでなく、川の水流を利用した発電量の小さな発電所も各地にあって、電源の種類も多いので、冬場にブラックアウトが起こることはほぼありえない。雪で電線が切れての地域的な停電はよく起こるけれども、起こりやすい地域では、暖炉があったり、薪を使用する旧型のボイラーが残してあったりと対策をとっているところが多いようである。

 そんなチェコでも、一度電気会社がブラックアウトの恐れがある、ブラックアウトじゃなくてホワイトアウトだったかもしれないけれども、と発表したことがある。それは、福島の原子力発電所の事故にパニックを起こしたドイツ政府の、太陽光発電の推進のために異常に高額な買い取り価格を導入するという失策にチェコ政府が愚かにも追随してしまったときのことである。
 現在の交流の電力提供では発電量と使用量が一致しなければならないなどとまことしやかに語られることが多いが、それは完全な正解とは言いきれまい。随時変わり続ける使用量に合わせて常時発電量を変えて完全に一致させるなどというのはどう考えても不可能なのだから、電力の供給網にはある程度の冗長性が持たされているはずである。その許容量を越える差が発生し、許容時間を越えて継続したときに送電網全体がダウンしてしまう恐れがあるらしい。

 これは発電量が少なすぎる場合だけでなく、大きすぎる場合も同様で、チェコで問題になったのは雨後のたけのこのように増えていた太陽光発電所の電力供給の不安定さで、天候次第で発電量がころころ変わる太陽光発電は、発電量が少ないうちは、その変動を電力網の冗長性で吸収することが可能だったが、総発電可能量が大きくなりすぎて、吸収しきれない恐れが出てきての非常事態宣言だったようだ。
 幸いにして最悪の事態は発生せず、その後宣言が繰り返されることもないので、送電網のゆとりを大きくすることができたのか、例の欧州電気市場というやつに結びついて、国外に送電することで対処できるようになったのか、とにかく大きくなりすぎた太陽光発電に対する対策はできたようである。それでも、買取のコストを電気の小売価格に載せているわけだから、消費者にしてみればそこまでする必要があったのかという気持ちは禁じえない。

 一度は、ドイツなどの熱狂に巻き込まれて、同時に恐らくは政治家たちのクライアントたちからの要求で、太陽光で発電された電力の高額買取を決めて電力会社に押し付けたものの、夜中に電気をつけて発電させると使用する電気料よりも買い取り価格のほうが高いとか、チェコ国内で最も肥沃だと言われる畑がつぶされて太陽光発電所が設置されるとか、あれこれ問題が発生した結果、政府は太陽光発電で得た収入に対して特別税を課すという挙に出た。お金は約束通り支払うけど、税金を取るから、その結果実質的な買い取り額はそれほど高くなくなるという姑息な手段を選んだわけである。
 当然のように太陽光発電で一儲けを狙った連中に裁判を起こされて敗訴し、当初の約束通りの買取額が適用され税金は課されないことになったのだが、この一連の税金を課すとか課さないとかの交渉自体が、有権者に向けたポーズで、最初から結末の決まっている茶番劇でしかないようにも見えた。最終的には、太陽光発電所の認可された年によって買取価格が下がっていくことになったのかな。その価格の下がる境目のぎりぎりで間に合う間に合わないのところで、わいろをもらって早めの日付で認可したとかいう汚職事件も起こっている。真相は今に至っても明らかではないけれども。

 現在野党の市民民主党やTOP09辺りは、ANOのバビシュ政権のやっていることはひどいと非難するが、太陽光発電をめぐる迷走を思い出すと、当時の政府のめちゃくちゃぶりも今の政府に劣るものではないと思われてくる。特にこのころ外国人いじめの諸政策が始まったことを考えると、外国人としてはあの頃のほうがマシだったとは口が裂けても言えない。

 外国人いじめの政策というのは、一つはすでに何度もいちゃもんを付けているEU圏外から送られてきた荷物を税関で止めて開封し、消費税を課すという例のあれ。二つ目は、すでに廃止されたが、長期滞在ビザは最長で半年しか認めないという制度。一年留学予定の学生は期間中に延長することを余儀なくされていた。いつの間にか何のアナウンスもなく一年貰えるようになっていたのは朗報ではあるが、制度が変わったときの混乱の責任は、ソボトカ内閣のホバネツ内相にあるのかな。最後がチェコのビザを受け取るためには、ビザの期間中を通じてチェコ国内の保険会社が提供する保険に入っていなければならないというルール。それまでは、留学生は日本の留学保険で何の問題もなかったし、延長の場合にはそれも不要だったのだが、チェコの保険会社が提供している外国人向けの保険に入らなければならなくなった。
 これらはどれもこれも外国人からできるだけ金を搾り取ろうという発想のもとに制定された法律である。少なくともそう確信している。外国人と言いながら、EU市民は対象外になっているし、当時は日本や韓国などのアジアからの投資が盛んだったから、実質的にはアジア人を狙い撃ちにした政策だったと言える。アジア人から搾り取っても大した額にはならないと思うのだが、当時は財政赤字垂れ流し状態だったからなあ、少しでもというのがあったのだろう。とはいえそれを許せるかと言えば断じて否で、バビシュ政権がこの悪法をすべて撤廃してくれたら、犯罪者だろうだ何だろうが両手を挙げて支持する。まあ外国人の支持を集めても何にもならないんだけどね。だからこそカロウセクもこんな政策を導入できたんだろうしさ。
 今回の迷走はここまで。
2018年10月7日23時。










posted by olomoučan at 06:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 戯言
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