2018年02月11日
七格の話(二月八日)
先日の記事の冒頭に、チェコ語に関する記事にコメントをもらってありがたいなんて話を書いたら、なんだかチェコ語について欠かなければならないような気がしてきたので、予定を変更して、予定なんてものが本当に存在したのかどうかは自分にもよくわからないのだが、以前コメントちょっと話題になっていた七格の使い方について書いておく。
七格は一般に手段方法を表すといわれるのだが、日本語の「手で食べる」「車で行く」の「で」に当たるものだと思えばいい。ただし、ちょっと注意が必要なものもある。例えば、「行く」に関しては、
Jedu autem.(車で行く)
Jedu vlakem.(電車で行く)
なのに、
Jedu na koni.(馬で行く)
Jedu na kole. (自転車で行く)
になるのである。トラムやバスなども七格を使うから、動力を使う交通機関は、七格を使って、生き物の力で動くものは、「na +六格」になるのかなと思わなくもないのだが、バイクは「na motorce」だったと思う。ということは、乗り物の中に入るものの場合は七格で、上に乗る形のものは「na +六格」だということにしておこう。
質問の場合には、
Čím pojedme? (何で行く?)
と聞くことになって、答えは使うものによって、七格か「na +六格」を選ぶことになる。
それから、同じ「行く」に関するものとしては、ある場所を通り抜けていくときに、七格を使うことがある。その場合にはただの「jít」「jet」ではなく、接頭辞の「pro」をつけることが多い。
Prošel jsem městem.(町を通り抜けた)
Jdu svou cestou.(自分の道を行く)
最後のは比喩的に、自分なりの方法でなんて意味で使われることの方が多いかもしれない。十年以上前に耳にすることが多かった曲に、出だしが「cestou necestou」で始まるのがあったなあ。MIG21だったかなあ。これは、「道があろうがなかろうが、通り抜けて進む」という意味だろうか。
質問は「kudy」を使って、
Kudy jste šli do města?
答えは、「tudy(こっちから)」「tamtudy(あっちから)」を使ってもいいけど、「touto cestou(この道を通って)」とか七格で答えたくなる。多分答えても大丈夫だと思うけど、「kudy」を使った質問をされる機会自体が少ないからなあ。昔はモラビア方言で、「tady」の七格っぽい「tadyma」なんてのを使ったこともあるなあ。「z kama」があるなら、「tadyma」があってもいいはずである。
もう一つの七格単独での使い方は、職業や役職などを表すときに、普通は一格を使うところを七格にするというものである。人名とか基本的に一生変わらないものは仕えないようだが、「私があなただったら」のような仮定法でも使うことがある。この使い方で一番よく使うのは、動詞「být(〜である)」「stát se(〜になる)」の二つである。
Jsem student.(私は学生です)
Studentem jsem já.(学生は私です)
On se stal prezidentem. (彼は大統領になった)
ただ単に七格にして「jsem studentem」でもいいのだろうけど、強調するときに使うことが多いような気がするので、語順を変えてみた。有名な「テラスキ・ソム・マヨロム・ヤー」もスロバキア語だけど七格が使われているし。
他にも、まだ説明していないけど動詞を受身にした場合の実際の動作主も七格で表す。これについては受身の説明をするときにまとめて説明した方がよさそうである。いつになるかはわからないけどさ。
ということで、次は七格をとる前置詞の話である。
2018年2月9日22時。
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