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2021年01月13日

4格を取る前置詞1(正月十日)



 4格を取る前置詞は多いのだが、4格しか取らない前置詞はそれほど多くない。まずは4格しか取れないものを取り上げて、あとはすでに触れたものも含めて、分類した形で示そうと思う。

@pro
 日本語では「ため」と訳されることが多いけれども、動作の目的や対象、場合によっては理由、原因を表すことのできる前置詞である。別の表現で置き換えることができる場合も多いのだが、4格を取るということは、1格と同じ形になるものが多いと言うことである。つまりは格変化をあまり覚えていなくても何とか正しく使えるということなので、ついつい使ってしまうものである。

 いくつか例を挙げよう。

・Koupil jsem tuto knihu pro kamaráda.
(友達のためにこの本を買った)
≒Koupil jsem tuto knihu kamarádovi.

 この文は3格を使って表現しても意味はほとんど変わらないと思う。ただ誰かのために買った後に、それを渡すときに使う。「To je pro tebe」という表現は、3格にはできない。無理やり日本語に訳すと「これはお前のためのものだよ」とでもなるだろうか。日本人なら「はい、どうぞ」とか、「これ、あげる」とかいいそうだけど。これで思い出すのはチェコの童話映画「S čerty nejsou žerty」でいくらでもポケットから金貨を取り出せる魔法の外套を手に入れた主人公が、「To je pro nás(これは我々のためのもの)」「To je pro knížete(これは侯爵のためのもの)」と交互に言いながら一枚ずつ金貨を取り出すシーンである。

 これをもう少し進めると、映画「Tmavomodrý svět」で若きチェコ人飛行士が、イギリス軍で英語の授業の後に思わずこぼす「Angličtina není pro mě」(語順は微妙に違うかも)につながる。「英語は俺のためのものではない」、つまり「英語は俺には向いていない」ということである。チェコ語を勉強しているからには、「Čeština je pro mě」と言い続けたいものである。
 さらにこれに形容詞を付け加えると、「Čeština je pro mě těžká」などとなるわけだが、日本語に訳すと「チェコ語は私にとって難しい」となるのはわかるだろう。「pro mě」の代わりに「na mě」を使ってもほぼ同じ意味になると思うのだが、チェコの人たちがどう使い分けているのかはよくわからない。自分では、一般的にチェコ語全体を指すときには「pro mě」で、具体的な問題に関しては「na mě」を使っているような気がする。

 次の例である。

・Pro nemoc učitele se nebude konat dnešní výuka.
(先生の病気のために今日の授業は行われません)

 完全にこれと同じではないけれども、初めてこの手の文を見たときには、一瞬戸惑ったのを覚えている。「pro nemoc」の部分が問題で、病気が目的であるかのような印象、つまり病気になるために授業がないと理解してしまいそうだった。考えてみれば、日本語の「ために」にも原因を表す使い方があるのだからそれと同じだと思ってしまえばいいのだが、こういう場合にはどうしても「kvůli nemoci(病気のせいで)」を使ってしまう。

 もう一つ典型的な使い方を。

・Šel jsem do města pro pivo.
(街までコーヒーを買いに行った)

 これが、「na pivo」になると、「飲みに行った」ということになる。「na + 4格」の場合には、行った先で、するべきことをする、ビールの場合には飲むのである。だから「na film」だと、「映画を見に行った」になる。それに対して、「pro + 4格」の場合には、行った先で手に入れて戻ってくるのである。だから、街やお店に行った場合には、「買いに行った」になるし、自宅に戻るのなら「取りに行った」で、図書館に「pro knihu」だったら、「借りに行った」ということになる。

 ところで、この「pro」と疑問詞の「co」を組み合わせて一語化したのが、疑問詞の「proč」である。「č」は「co」の短縮形で前置詞と合わせて一語化するときに現れるもので、「není zač」の「zač」も「za co」が一語化したものである。「proč」は「pro co」、つまり「何のために」から、「どうして/なぜ」という意味で使われることになったと考えられる。ちなみにスロバキア語も同様で「proč」に当たる言葉は、「prečo」で前置詞の「pre」に疑問詞の「čo」がそのままついたものになる。スロバキア語はあまり詳しくないから、一語化してない可能性もあるけれども。

 最後に疑問を、どうしてチェコでは乾杯のときに「na zdraví」というのだろう。健康のために乾杯だったら「pro」でもよくないか。こういうのに疑問を持っても答えは出ないものだけど、この文章を書いていたらそんな疑問がわいてしまった。
 以下次回である。
2021年1月11日24時。












タグ:4格 前置詞
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