2020年06月29日
関係代名詞3「který」前置詞付(六月廿六日)
前回は6格を除いては、連体修飾節に前置詞を使わない例文を苦労して考え出したのだが、今回はさまざまな前置詞を使った場合にどうなるかを見ておこう。これも2格を取るものから順番に進めていく。
・Plavali jsme v rybníku, u kterého stojí vysoký strom.
そばに高い木が立っている池で泳ぎました。
何かが何かのそばにある場合には、前置詞「u」と2格で表す。この場合には名詞は池で男性名詞不活動体の単数なので、関係代名詞は前置詞と合わせて、「u kterého」となる。
・Kamarádky, u kterých jsem se včera ubytovala, pracují
v japonské firmě.
昨日泊めてくれた友達は日系企業で仕事をしている。
友達は女性ばかり複数なので、関係代名詞は「u kterých」となる。形容詞の格変化と同じで三性共通の形が多いので、格変化させて使うのは実は複数の方が楽である。問題は、日本人の習性として単複を意識するのを忘れて単数で使ってしまいがちなこと。
念のために友達の性と単複を変えたバリエーションも上げておく。
・Kamarád, u kterého jsem se včera ubytovala, pracuje
v japonské firmě.
・Kamarádi, u kterých jsem se včera ubytovala, pracují
v japonské firmě.
・Kamarádka, u které jsem se včera ubytovala, pracuje
v japonské firmě.
上から順番に男性単数、男性複数、女性単数である。
・Dnes se sejdu s otcem, od kterého bych si mohl půjčit peníze.
今日は、お金を貸してくれるはずの父と会うことになっている。
名詞は父、当然男性活動体で一人しかいないから単数。関係代名詞は「od kterého」。父を母に変えると、女性名詞なので以下のようになる。
・Dnes se sejdu s matkou, od které bych si mohl půjčit peníze.
この文、無理やり感が強いけど、それは日本語にしやすい例文を作る必要があったからである。チェコ語の関係代名詞を使った文の中には、日本語で連体修飾節を使うと不自然な文、理解しにくい文になるものがかなりある。
・Rodiče mi poslali japonskou rýži, bez které nedokážu žít.
なしでは生きていけない日本のお米を両親が送ってくれた。
チェコ語の名詞「rýže」は女性名詞。一粒一粒数えたりはしないので常に単数で扱う。関係代名詞は女性単数2格で「bez které」。
日本語訳がなんとも窮屈な不自然なものになっている。連体修飾節を「それなしでは生きていけない」としたほうがましかとも思ったけれども、翻訳でなければ使わないという点ではどちらも大差ない。日本語から訳す場合には「日本のお米がないと生きていけないのだが、両親が送ってくれた」とすれば、チェコ語でも問題なく通じる。
・Vynalezl novou látku, z které se vyrábí různé léky.
いろいろな薬の原料となる新しい物質を発明した。
女性名詞の単数の「látka」を受けるので、関係代名詞も女性単数二格で、前置詞とあわせて「z které」。
これもまた直訳すると変な日本語になりそうなので、連体修飾節の部分をわかりやすくなるように訳した。これも日本語訳をチェコ語に直訳しても通じると思う。
・V toto večírku se seznámil s ženou, do které se hned zamiloval.
そのパーティーで女性と出会い、すぐに恋に落ちた。
・V toto večírku se seznámila s mužem, do kterého se hned
zamilovala.
そのパーティーで男性と出会い、すぐに恋に落ちた。
相手が女性か、男性かで関係代名詞の形が変わっているのはわかるだろう。主語が男性か女性かで変わる動詞の過去形の語尾にも注意しなければならない。
この文は連体修飾節を使うと不自然な日本語になるものの典型なので、訳しかたを変えた。チェコ語では連体修飾節が名詞の後に来る。ということは主文の動詞の後にくることもあるということなので、その場合、連体修飾節の情報のほうが、主文の情報よりも新しくなっていても、読むときの順番を考えれば問題ない。日本語の場合は、短い文であれば問題ない場合もあるだろうけれども、ややこしい文にしたり、文章中に何度も繰り返したりすると理解できなくなってしまう。
日本語で考えた文をチェコ語に直訳しても、わかってもらえないと言うことは少ないので、チェコ語ではこんな表現も使うんだという知識にとどめておいて、自分では無理に使う必要はない。いちいち日本語にせずに直接チェコ語で文章を書くようになると、自然に使えるようになるのだが、それを日本語にしようとすると違和感が沸き起こってしまう。今回も例文を考え出すのに苦労した所以のひとつである。
2020年6月27日20時。
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