2020年06月28日
関係代名詞2「který」(六月廿四日)
今日は関係代名詞の使い方の説明というよりは、具体的に「který」を2格以下の格で使う例を紹介して、簡単なコメントをつけていくことにする。形容詞の格変化を覚えていれば、関係代名詞「který」なんて習うより慣れよで、いろいろ考えながら使っているうちに使えるようになるものだ。
・Univerzita zrušila letní školu, které jsem se chtěl zúčastnit.
(大学は、私が参加しようと思っていたサマースクールを中止にした)
連体修飾節が付く名詞はサマースクール、チェコ語では「letní škola」なので、「který」は女性型の格変化をしなければならない。連体修飾節の動詞「zúčastnit se」は、2格をとるので、女性単数の2格「které」になるというわけである。一方主文の動詞「zrušit」は4格を取るので、「letní školu」となる。名詞と関係代名詞の格は一致しなくてもいいのである。
・Potkal jsem na nádraží Čechy, kterých jsem se zeptal na cestu na nádraží.
(駅までの道を尋ねたチェコ人達に駅で会った)
名詞は男性活動体複数。連体修飾節の動詞「zeptat se」は2格を取るので、関係代名詞は複数2格で「kterých」となる。本当は「さっき」とか加えたかったのだけど長くなりすぎるので省略。
・Kamarád, kterému jsem půjčil peníze, jel do Japonska.
(お金を貸してやった友達が日本に行った)
名詞は友達。この場合は男一人なので、関係代名詞は男性活動体単数で変化させる。動詞「půjčit」は、日本語の「貸す」と同様に、貸す相手を3格で表すので、「kterému」としなければならない。2格と3格は、わかりやすく、日本語と対照しやすい例を探すのが大変だった。
・Prodal jsem v antikvariátu knihy, které jsem si koupil v Japonsku.
(古本屋で、日本で買ってきた本を売った)
この文では、名詞は本で女性名詞だが、複数なので関係代名詞は女性の複数を使う。動詞「koupit」が必要とするのは4格なので、女性複数の4格「které」を使う。
・Chodíme každý měsíc do divadla, které vlastní náš známý.
(私たちは、毎月、知り合いが所有する劇場に通っている)
名詞が中性の劇場で単数。連体修飾節の動詞が必要とするのは4格で「které」となる。
・Cestoval jsem po Japonsku s kamarády, které znám od svého dětství.
(子供のころから知っている友人たちと日本を旅行しました)
名詞は友人。ただし男性を含む複数。連体修飾節の動詞「znát」のせいで、関係代名詞は4格。つまり複数4格の「které」が使われる。友達が一人の場合は、男女それぞれ以下のようになる。
・Cestoval jsem po Japonsku s kamarádem, kterého znám od svého dětství.
・Cestoval jsem po Japonsku s kamarádkou, kterou znám od svého dětství.
次は6格だが、前置詞なしには使えないことを覚えておこう。ここは場所を表す前置詞でちょっと遊んでみる。
・Mluvil o státu, ve kterém pracoval jako učitel.
(あの人は先生として仕事をした国について話した)
名詞の国は男性不活動体単数。名詞「stát」は場所を表す前置詞としては「v」を取るので、関係代名詞の男性不活動体単数6格の前に「v」を置かなければならない。国名は国によっては男性名詞だったり女性名詞だったり、単数ではなく複数だったりするので、いろいろなバリエーションで使われることになる。
・Mluvil o České republice, ve které pracoval jako učitel.
・Mluvil o Česku, ve kterém pracoval jako učitel.
同じチェコを表す言葉でも正式名称のチェコ共和国を使うと、女性名詞単数になるので、関係代名詞は「ve které」、略語というか俗語のチェスコを使うと中性名詞単数なので、「ve kterém」となる。
・Mluvil o Slovensku, na kterém pracoval jako učitel.
・Mluvil o Ukrajině, na které pracoval jako učitel.
同じ国名でも、中性単数のスロバキアと、女性単数のウクライナの場合には、「v」ではなく「na」を取る。さらにフィリピンは女性名詞の複数なので次のようになる。
・Mluvil o Filipínách, na kterých pracoval jako učitel.
こんなややこしいのは嫌だという人のために存在するのが、いや本当はそんなことはないのだろうけど、前置詞「v/na」の代わりに場所を問う疑問詞「kde」を使う方法である。これなら、地名の性も単複も、必要とする前置詞も問わずに問題なく使える。これについてはまた、別の機会にまとめて説明、いや例文を紹介しよう。
前置詞を使わずに「který」を7格で使う例文が思いつかなかった。それっぽいのは思いついたのだけど、どれもこれもなんか変というものばかりだったので、割愛せざるを得ない。その分、前置詞+7格の例文をたくさん考えることにする。ということで、今回もちょっと挙げたけど、次回は全治しつきの関係代名詞である。
2020年6月25日10時。
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