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2019年08月01日

フラデツ・クラーロベー再考(七月卅日)



 プラハ在住の方から、フラデツに行ったことがあるというコメントを頂いた。プラハからなら直通の電車もあるはずだし、オロモウツから行くよりはるかに楽だよなあと少しうらやましく思ったのだが、チェコ鉄道の接続検索ページで調べてみたら、プラハ−フラデツの直行便が意外に少ないことと、時間がかかることに驚いた。
 直線距離としては大体同じぐらいのところにあるパルドルビツェまで、停車駅の数に左右されるけれども、ほとんど1時間以内に到着するのに、フラデツまでは1時間45分かかるので、パルドルビツェでフラデツ行きの普通、もしくは快速に乗り換えた方が早く着くのである。これがペンドリーノ導入によって高速化が進められた恩恵なのだろう。これならオロモウツから行くのと、それほど大きな違いはない。
 プラハからニンブルク、ポデブラディと気の惹かれる街が並んでいる路線だけど、幹線から外れるし改修工事が後回しにされているのだろう。ボヘミアのほうは土地勘がないから、どの街とどの街が鉄道で結ばれているのかとか、どのぐらい時間がかかるのかとか、知らないので、何となくのイメージで近そうだとか考えて、実際に調べてみると時間がかかりすぎて行けそうもないなんてところが出てくる。北ボヘミアのリベレツ行ってみたいんだけどね。オロモウツから日帰りは難しそう。

 さて、いただいたコメントには、チェコ語のフラデツ・クラーロベーの語源について書かれたものがリンクされていたので、訳はしないけれども引用しておく。

Nejstarší doložený název původně (od konce 10. století) hradiště a sídla Přemyslovců, od 11.–12. století sídelního hradu Přemyslovců je z roku 1073 (castrum Gradec), z čehož během 12. století vzniklo německé Grätz (k roku 1259 doloženo jako Gretz, 1352 Grecz). V češtině se díky hláskové změně g v h v první polovině 13. století vyvinulo v Hradec (staročeské hradec znamenalo „menší nebo vedlejší hrad“). Poté, co se již hrazené královské město stalo roku 1373 věnným městem českých královen, byl ke jménu připojován neshodný přívlastek Králové, což je genitiv singuláru substantiva králová („manželka krále, královna vdova“), latinsky Reginae (Hradecz regine, 1373), německy Königin (der Stat Khunigin Gract, 1557). Německá podoba se nakonec zkrátila na Königgrätz (Khuniggräcz, 1568), což je někdy mylně chápáno jako „králův hradec“ (německé König znamená „král“).



 斜め読みして、大事そうなところをつまみ食いすると、フラデツにはもともとプシェミスル家の城塞と集落が存在したこと、名称に関してドイツ語との関係が強調されていることから、おそらくドイツ系の住民が多かったことが考えられる。フラデツの意味に関しては、hrádekと同様、hradの指小形だと考えてよさそうである。

 フラデツの後にクラーロベーがついていることに関して重要なのは、13773年に「věnné město českých královen」になったと書かれているところである。これは十四世紀の初めにバーツラフ三世がオロモウツで暗殺された後の、王朝交代期のドサクサにまぎれて一瞬だけボヘミア王の地位に就いたハプスブルク家のルドルフが、再婚して王妃としたバーツラフ二世の王妃だったエリシュカ・レイチカ、もしくはポルスカーに、フラデツなどのいくつかの国王都市を御料地として与えたことから始まったものである。その後、ルクセンブルク家のカレル四世によって制度化され、最終的には東ボヘミアを中心とする全部で九つの都市が王妃に属するものとされた。
 中にはフラデツと同じで、後にクラーロベーのつく、動物園で有名なドゥブール・クラーロベーや、作曲家マルティヌーの出身地として知られるポリチカなどが含まれている。これらの都市からの税収が直接ボヘミアの王妃のものとされたり、各都市から特定の産物が王妃に対して献上されたのだろうと推測するが、詳細はよくわからない。重要なのは、フラデツが王妃に属する街だったということである。この制度は実質的には、1620年のビーラー・ホラの戦いの後に機能しなくなったが、形式上はチェコで王政が廃止された1918年のチェコスロバキア独立時まで存続していたらしい。

 つまり、クラーロベーは、フラデツが王妃のものであることを表すためにつけられた言葉で、これによって他にも存在するフラデツとの差別化が行なわれたと考えられる。ということは、引用の中にも書かれているが。クラーロベーは、形容詞ではなく名詞で2格にして後からかけたものだということになる。1格クラーロバーは王の妻、配偶者をあらわす言葉で、王妃(クラーロブナ)とほぼ同じだと考えていいのだろうか。クラーロブナの場合には女王の意味でも使用されるから、女性の王のことではないことを強調されるためにクラーロバーが使われたのかもしれない。
 問題は、単数二格になっていることで、具体的なある王妃の街の意味になり、代々の数々の王妃たちの街という意味にはならないから、引用の中でも「neshodný」と、適切ではないとされているのだろう。この解釈が正しければ、フラデツ・クラーロベーではなく、複数二格でフラデツ・クラーロビーフ(králových)、もしくはフラデツ・クラーロベン(královen)となるのが文法的に正しいということになる。気になるのはクラーロバーという言葉が、そんなに昔からあったのかということだけど、どうなのかな。

 ただし、そもそも町や村の名前に名詞の二格を使うこと自体が、チェコ語では一般的ではないことは忘れてはいけない。同じ地名が他にもあって区別が必要な場合には、チェスキー・クルムロフのように形容詞を使うか、フラニツェ・ナ・モラビェのように前置詞と町が属する地方名、もしくはテプリツェ・ナド・ベチボウのように前置詞とそばを流れる川を使うことが多い。人名に起源するなら、カルロビ・バリのように所有形容詞を作る。
 フラデツの場合には、特定の人物に起源があるわけではないから所有形容詞を使って、クラーロブニン(Královnin)・フラデツにはできなかったのだろう。ならば、クラーロブナから形容詞を作って、クラーロブニー(Královnní)・フラデツというのが、一般的なチェコ語の町の名前の作り方から想定できる形ということになる。このフラデツ・クラーロベーという地名がチェコ語の文法からも、一般的な地名の作り方からも外れているのを、誤りと取るべきなのか、東ボヘミア地方の習慣的な用法、つまりは方言と取るべきなのかはわからないけど。
 以上クラーロベーについての素人なりの考察である。
2019年7月30日24時30分。














タグ:地名 鉄道
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