アフィリエイト広告を利用しています
<< 2024年02月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29    
検索
リンク集
最新コメント
チェコの銀行1(十二月二日) by ルイ ヴィトン 時計 レディース hウォッチ (03/20)
メンチンスキ神父の謎(四月卅日) by にっしやん (12/30)
メンチンスキ神父の謎(四月卅日) by にっしゃん (12/30)
メンチンスキ神父考再び(七月卅日) by にっしゃん (12/30)
カレル・チャペクの戯曲残り(二月朔日) by K (08/16)
最新記事
カテゴリーアーカイブ
記事ランキング
  1. 1. 『ヨハネス・コメニウス 汎知学の光』の刊行を寿ぐ(四月十日)
  2. 2. no img 『羊皮紙に眠る文字たち』『外国語の水曜日』(三月十九日)
  3. 3. no img コメンスキー――敬虔なる教育者、あるいは流浪の飲んだくれ(九月廿七日)
  4. 4. no img すべての功績はピルスナー・ウルクエルに(一月廿六日)
  5. 5. no img 「トルハーク」再び(三月廿日)
  6. 6. no img トルハーク四度(十月二日)
ファン
タグクラウド










ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

広告

posted by fanblog

2019年07月14日

děd〈私的チェコ語辞典〉(七月十二日)



 祖父という意味のこの言葉に関する最大の問題は、正しい形が「děd」なのか、「děda」なのか確証が持てないところにある。親しみをこめて「お祖父さん」とか、「お祖父ちゃん」というときには、指小形の「dědeček」を使えばいいから、問題はないのだけど。この手の組み合わせは、他にも「otec(父)」と「tatínek(お父さん)」、「matka(母)」と「maminka(お母さん)」なんかがあって、正しいかどうかは知らないが、日本語と同じように使い分けている。

 ところで、モラビアで一番高い山は、標高1491メートルのプラデット(Praděd)である。この「praděd」が曽祖父の意味であることを考えると、「děd」が本来の形で、「děda」は話し言葉的な形だと考えたほうがよさそうだ。家族に関する呼称はチェコにもいろいろなバリエーションがあって、それぞれ微妙に違うらしいのだけど、その違いがわかるところまではきていない。
 父親を表す言葉には、上に挙げた以外にも「táta」「taťka」なんかがあるし、母親なら「mamka」「máma」がある。そういえば、七月五日のツィリルとメトデイの記念日に放送された、この二人の人生を描いたドラマで、二人が出会う場面で、「アホイ・ブラーホ」と言うという噴飯モノの演出がなされていたらしい。

 「ブラーホ」は、「brácha」の5格なのだが、この言葉、若い人たちがよく使う完全な口語的表現なのである。ツィリルとメトデイの時代、それに宗教関係者だったことを考えると、その口から「アホイ・ブラーホ」なんて言葉が出てくるのは、興ざめ以外の何物でもない。修道院の修道僧たちが互いを「兄弟」と呼び合っていたのは確かだろうけど、当時のものであっても口語的な表現を使っていたとは思えない。
 それなら、映画「ペリーシュキ」でボレク・ポリーフカが使っていた「ブラシュレ」のほうがましである。ツィリルとメトデイがやってきたのは、大モラバ国の時代で、場所は現在の南モラビアだといわれているから、モラビア方言なら許せる気がする。去年のサマースクールで指摘されるまでは、そんな言葉が存在することも知らなかったんだけど。

 話を戻そう。「praděd」の「pra」は、古さを強調するときに使う接頭辞で、「prastarý(とても古い/高齢の)」なんて場合に使う。ピルスナー・ウルクエルのチェコ語名「Plzeňský prazdroj」の「prazdroj」も「zdroj(源/起源)」に「pra」がついたもので、源の中でも古いもの、別な言い方をすればオリジナルの中のオリジナルを意味する言葉で、プラズドロイがすべてのピルスナータイプのビールの起源であることを示しているのである。

 家族関係の話に戻ると、「prababička」は曾祖母で、「prarodiče」は祖父母である。方向は違うけど曾孫は「pravnuk(男)」「pravnučka(女)」になる。そこで、使い物にならない頭で考えたことがある。「děd」と「děda」のぢちらが正しいのかわからないなら、「otec」に「pra」をつければ祖父になるんじゃないかと。
 実際にやってみたら……。思いっきり馬鹿にされた。祖父は世界中にいくらでもいるし、これまでもいくらでもいた。でも「praotec」は、古今東西世界に一人しか存在しないのである。そう、「praotec」は、父の中の父、つまりはすべてのチェコ人の祖である伝説上のチェフをさす言葉だった。この伝説知っているはずだったのになあ。「Čech」だけだと一般のチェコ人と区別がつかなくなるから、ほぼ毎回「praotec Čech」という形で使われるのだった。我ながらアホである。

 他に「pra」がつくもので、覚えておいたほうがいいものとしては、「pravěk(原始時代)」がある。「starověk(古代)」「středověk(中世)」「novověk(近代)」は考えれば何とかなりそうだけど、「pravěk」は知らないとどうしようもない。原始時代に生きていた原始人は「pračlověk」になるからセットで覚えておくとよさそうだ。「prales」の場合は、辞書には「原始林」と出ているのだけど、実際にはそこまで古くない森林に対しても使われているので注意が必要である。これは日本語の問題でもあるかな。

 例外的に古さと関係ないものにつくのが、「málo(少し)」についた「pramálo」である。個人的には単独では使いにくいので、「málo, málo, pramálo」と続けて使うことが多い。これで、少ないというよりは、少なすぎてまったく足りていないということを強調するのである。ボサーク師匠のサッカーの中継で覚えた表現だったかなあ。

 表題にした「děd」とは関係ない話になってしまった。いつものことだから気にすることもないか。
2019年7月13日22時。






現代チェコ語日本語辞典 [ 小林正成 ]












タグ:家族 接頭辞
【このカテゴリーの最新記事】
この記事へのコメント
こんにちは

昨日からオロモウツに来ています。
トリニティホテルに日本語のできる女性がいますが、オロモウツの大学で学習したとのお話でした。
わたしは明日はチェンストホーバに移動してしまいます。よろしければフェイスブックをご覧ください。

Facebook:Motohisa Ochiai
Posted by 落合 基久 at 2019年07月15日 22:57
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/8972739

この記事へのトラックバック
プロフィール
olomoučanさんの画像
olomoučan
プロフィール


チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。