アフィリエイト広告を利用しています
<< 2024年02月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29    
検索
リンク集
最新コメント
チェコの銀行1(十二月二日) by ルイ ヴィトン 時計 レディース hウォッチ (03/20)
メンチンスキ神父の謎(四月卅日) by にっしやん (12/30)
メンチンスキ神父の謎(四月卅日) by にっしゃん (12/30)
メンチンスキ神父考再び(七月卅日) by にっしゃん (12/30)
カレル・チャペクの戯曲残り(二月朔日) by K (08/16)
最新記事
カテゴリーアーカイブ
記事ランキング
  1. 1. 『ヨハネス・コメニウス 汎知学の光』の刊行を寿ぐ(四月十日)
  2. 2. no img 『羊皮紙に眠る文字たち』『外国語の水曜日』(三月十九日)
  3. 3. no img コメンスキー――敬虔なる教育者、あるいは流浪の飲んだくれ(九月廿七日)
  4. 4. no img すべての功績はピルスナー・ウルクエルに(一月廿六日)
  5. 5. no img 「トルハーク」再び(三月廿日)
  6. 6. no img トルハーク四度(十月二日)
ファン
タグクラウド










ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

広告

posted by fanblog

2023年01月09日

ハヤブサ考じゃなくて、ソコル考(になってしまった)



 さて、次の問題は、sokolのもう一つの訳語であるハヤブサである。日本語でハヤブサに対するイメージというと、やはり「速いもの」、「スピードのあるもの」だろうか。たしか、鉄道の特急や、バイクの愛称として使用されていたが、それも速さを強調するために付けられたもののはずだ。新幹線の命名に使われた音や光の速さが、目に見えない、実感できない速さだとしたら、ハヤブサは目で見ることができる速さの象徴だと言えようか。

 では、チェコ語のsokolのイメージはというと、正直よくわからない。チェコ語で鳥の名前以外に使われるsokolと言えば、日本でも知る人ぞ知る体操団体「ソコル」で、団体だけではなく会員たちのこともsokolと呼んでいる。女性はsokolkaだったかな。この団体は民族の身体能力向上を目標として19世紀後半に設立され、去年が設立160周年になるのだが、移民などを通じて世界各地に支部が存在する。6年に一度開催される全ソコル大会は、チェコでは大きなニュースとなる。
 なぜこの団体が、sokolと名付けられたのかというと、日本語版のウィキペディアでは、「英雄を「ソコル」と呼ぶ南スラヴの習慣から名付けられた」という説を、紹介している。ちなみにこの項目では、チェコ語のsokolを鷹として説明している。この辺にも、動物学と無関係なところでは、「sokol=タカ」という図式が反映されていると考えてよさそうである。

 体育団体のソコルは、第一次世界大戦後のチェコスロバキア独立に際しては、オーストリアに徴兵された軍人たちが、シベリアやフランス、イタリアなど国外でチェコスロバキア軍団として活動しており不在だったこともあり、国内における軍事力を担っていたという話もある。軍団員が帰国してチェコスロバキア軍が体裁を整えるまでの間は、ソコルの団員が、軍に入ったかどうかまでは知らないが、銃を手に取って軍事活動に参加していたというのだ。ソコルの訓練の中に軍事的なものが取り入れられていたなんて話も聞いたような記憶もある。
 チェコスロバキアの民族的団結の象徴の一つであったソコルは、マサリク大統領には賞賛されたが、ナチスとソビエトには完全に忌避され、ナチスの占領下では活動を禁止され組織も解散を命じられた。ソ連の支配下では、全国的な体操大会は存在したが、ソコルの名は完全に消され、スパルタキアーダという名前の下に、社会主義的なテーマを与えられたマスゲームを中心とした大会が開催されていた。市町村単位から始まる地区予選を勝ち抜いたグループだけが、プラハのストラホフで行われる全国大会に出場することができ、全国から勝ち抜いてきたグループが共同でマスゲームを披露していたという。社会主義的なテーマと、ほぼすべての学校の子供たちが予選に参加していたことを除けば、大会で披露されるマスゲームは、ソコルの時代と極めてよく似ている。

 ただし、ソコルの役割は、sletという鳥が跳び集まることを意味する言葉で名付けられた体操大会を開催することだけではない。現在でもチェコの各地に、大きな町になるとその町だけで、いくつかのソコルの支部があり、sokolovnaという体育施設の入った建物が置かれている。そして、多くの場合スポーツチームの拠点、母体となっているのである。支部によって扱うスポーツは違うのだが、オロモウツの場合には、陸上競技場とテニスコートが併設された二つのソコロブナを確認している。
 スポーツチームの母体という点では、特に新たなスポーツクラブを立ち上げるのが経済的に割に合わないマイナースポーツの場合には、一部リーグのチームのなかにさえソコルのチームが存在する。例えば、ハンドボールの場合は、男女とも二つのソコルのチームが一部リーグで活動している。スポンサーなどの関係でチーム名からは外しているだけで、実際にはソコルが母体になったチームは、ハンドボールでも、それ以外のスポーツでも他にも多いし、アマチュアや少年スポーツのレベルになるとその数は更に多くなる。
 一言で言えば、軍のチーム、もしくはその後継チームであるドゥクラと並んで、チェコではよく見かけるスポーツチームの名前なのである。プロレベルだと選手を一応軍人にして最低の収入を保証している(と思われる)ドゥクラのほうが目立っているけど。それから旧共産圏には、ディナモという名前の、かつては秘密警察とつながりがあったとも言われるチームもあるが、流石にチェコでもその数は多くない。
 ということで、ハヤブサの仲間の鳥についてはまた次回。






【このカテゴリーの最新記事】
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/11805761

この記事へのトラックバック
プロフィール
olomoučanさんの画像
olomoučan
プロフィール


チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。