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2019年05月12日

三格の話(五月十日)



 三格は、与格なんて言い方もされるように、何かを与える先、動座の結果の向かう先を示す格である。それが、日本人にはわかりにくい、日本語では間接的な受身形で表すことの多いいわゆる関係の三格につながっていくのだけど、それについては以前、ブログを始めて、かなり早い時期に書いた記憶があるから触れない。
 一般に三格を日本語に訳すときには、助詞の「に」を使うことが多いのだが、日本語で「に」だからといって絶対に三格になるわけではなく、逆にチェコ語の三格が確実に「に」で処理できるわけでもない。だから、われわれチェコ語を勉強する日本人としては、三格=「に」が成立しない動詞とその正しい使い方を覚えていかなければならない。

 まずチェコ語の三格が「に」にならない例から行くと、「気に入る」という意味の「líbit se +三格」が上げられる。例えば、「Líbila se mi Olomouc」という文を考えてみよう。これに無理やり三格=「に」を適用して、「オロモウツは私に気に入った」なんて訳を見かけることもないわけではないが、これでは自然な日本語とはいえない。
 語順を気にせず自然な日本語にするなら、「私はオロモウツが気に入った」だろう。オロモウツを文頭に持ってくると「オロモウツは私の気に入った」でも不自然さを拭えないから、「私」を省略して「オロモウツが気に入った」とするのが一番自然な日本語訳だということになる。質問の「Líbila se vám Olomouc」も、「オロモウツは気に入りましたか」とするのだから、日本語に訳す際には人称代名詞は省略したほうがいいのである。

 同様に、食べ物、飲み物が気に入ったとき、つまりおいしかったときに使う「chutnat + 三格」も、三格になっている人を訳してしまうと、不自然になる。「Toto pivo mi chutná」は、「このビールは美味しい」で十分で、「私に美味しい」なんて不要である。どうしても「私」を使いたいのであれば、「このビールは私の口に合う」と訳すしかない。ただ、「美味しい」と「口に合う」は、全く同じではないので、いつでも使えるというわけではないけど。
 ちなみに食べ物や飲み物が気に入ったときに「líbit se」を使うのは、日本人には理解できない理由で、使えないらしいので、日本語で「このビール気に入った」と言いたいと思っても、それを「美味しい」に置き換えてチェコ語にする必要がある。散々間違いだと指摘されて、使い分けられるようにはなったが、どうしていけないのかは全く理解できていない。

 日本語に訳す際に、ややこしいことは考えないで、人称代名詞の三格を省略した方がいいものとしては、「chtít」の再帰受身形がある。「Chci」と「Chce se mi」とでは、もちろん全く同じ意味にはならないが、日本語で「私」を使ったとしてもその違いを表すことはできない。肯定形よりも使うことの多い否定形の「Nechce se mi jít」だったら、「何となく行きたくない」とか、「気が進まない」と訳したいところである。
 しかし、疑問の「Chce se ti jít?」はどう訳そう。「行きたい?」と訳すのは論外にしても、「気が進む?」なんて質問はされても困ってしまう。せいぜい「行く?」とか、「行く気はある?」ぐらいしか思い浮かばないのだけど、これでいいのかねえ。とまれ、この「chtít se + 三格」は婉曲表現のようだから、日本人には使いやすいので、日本語でどう言うか考えることなく使ってしまうのである。

 それから、「欠ける/足りない」という意味の「chybět」も状況によっては、三格になっている人称代名詞を省略したほうがいい。能力が足りないことを表す場合、例えば「Chybí mi slovní zásoba」なら、「私には語彙が足りない」と「に」を使って訳しても問題はない。ただ、「Co vám chybí?」のような、ものが足りなくて残念だという意識を表すような使い方の場合は、そうはいかない。「Chybí mi pivo」を「私にはビールが足りない」とか「私にはビールが欠けている」と訳してもわからなくはないけれども、ここは状況に応じて「ビールが飲みたい」とか「ビールが飲めなくて苦しい」なんて訳すべきところであろう。

 チェコ語から日本語ではなく、日本語からチェコ語に訳すときに気をつけなければならない三格=「に」が成り立たない動詞は、「助ける/手伝う」という意味の「pomoct/pomáchat」である。日本語だと「人を手伝う」「仕事を手伝う」と物も人も助詞「を」で表すのだが、チェコ語では人は三格になる。物のほうは前置詞を使う。「v + 六格」「při + 六格」が一般的かな。

 予定より長くなったので、日本語で「に」だけど、チェコ語では三格にならないものについては、次回に回すことにする。「Protože se mi strašně chce spát」
2019年5月11日24時。










タグ:格変化 三格
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