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2024年11月23日

ロシアがICBMを使いやがったか?!

『もっとひでえことが始まるぞ!』
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2024年11月21日の夕方に、ロシアがICBM使用の速報が入り肝が冷えました。

通常弾頭(訓練弾頭?)により、軽微な被害で済んだようです。

図1 RS-26
図1 RS-26.jpg
引用URL:http://militaryrussia.ru/i/284/553/DRI44.jpg

ロシアは中距離弾道弾(IRBM)と主張していますが、ほぼICBMでしょう。

問題は核のエスカレーションが進んで、核兵器使用のハードルが下がってしまったことです。
(前回記事):『拝啓内閣総理大臣閣下への懇願
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(1)何を撃った?なぜここから?という疑問へ

ICBMが実戦で使用されるのは、史上初めてのことになります。

図2 SS-18
図2 SS-18.jpg
引用URL:https://missiledefenseadvocacy.org/wp-content/uploads/2015/11/ss-18-770x385@2x.jpg

戦略核を運ぶICBMの使用は、核戦争の勃発以外には無いと思っていました。

1.1 RS-26「ルベジ」が有力か?

各種専門家からの指摘で、発射されたのはRS-26「ルベジ」の可能性が高いと思われます。

図3 想像図
図3 想像図.jpg
引用URL:http://militaryrussia.ru/i/284/553/WAsOO.jpg

あくまで想像図として出回っているのは、3段式固体燃料ロケットです。

SS−27「シックルB」の小型版として、開発中でしたがあまり活発ではありませんでした。

弾薬不足で急遽試験機を、再生造して使用したのかもしれません。

1.2 「オレシニク」中距離弾道弾というロシアの主張

ロシアプーチン大統領は、11月21日午後に中距離弾道弾(IRBM)「オレシニク」を発射したと公表しました。

図4 アヴァンギャルド
図4 アバンギャルド.jpg
引用URL:https://k-politika.ru/wp-content/uploads/2020/12/YS7LxIcKrJg-415x300.jpg

マッハ10以上の極超音速ミサイルとロシアは主張していますが、SS−19に搭載した「アヴァンギャルド」極超音速飛行体と誤認させる狙いかもしれません。

このときは、ICBMをベースに速度マッハ28以上としています。

ICBMはさすがにアメリカを刺激するので、IRBMとしてごまかすことにしたのかもしれません。

RS−26は、脱法ICBMなんて呼ばれるほど射程が短いものであり今後の報道が注目されます。

1.3 なぜアストラハン州から発射されたか?

今回ミサイル発射地点は、カスピ海沿岸のアストラハン州です。

図5 アストラハン州
図5 アストラハン州.png
引用URL:https://www.travel-zentech.jp/world/map/russia/image/Map_of_Astrakhan_in_European_Russia.png

近隣に固定ICBMミサイルサイトはない!という意見もあるようですが、重要な施設があります。

ロシア軍のミサイル射撃試験施設である、「キャプシン・ヤール」という施設があります。
(関連記事):『イスカンデルのデコイ機能がついに露見?!【軍事技術】
図6 イスカンデル
図6 イスカンデル.jpg
引用URL:http://militaryrussia.ru/i/284/816/ERe55.jpg

ここからであれば、いろんなミサイル部品を集めて発射することも可能です。

RS−26を保管して、発射できるようにしたのかもしれません。

ただ着弾地点のドニプロまで、直線距離約1000kmというのは留意すべきかもしれません。

中距離弾道弾(IRBM)にしては、短すぎるのでロフテッド軌道での発射かもしれません。
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(2)ポストINF条約時代の恐怖が現実に!

2019年にINF(中距離核戦力全廃)条約が、失効しました。

図7 条約調印
図7 条約調印.jpg
引用wiki

冷戦時代の核の恐怖が、こんなにも早く蘇ることになります。

2.1 日本・欧州を射程にしたSS-20セイバー

中距離弾道弾といわれても、北朝鮮のミサイルに慣れてしまってピンと来ないかもしれません。

図8 火星14
図8 火星14.jpg
引用URL:https://i.namu.wiki/i/L-BFJEAErqYFJHo_U5m9RZ-eCZZylfCc47MH_ZmuejOEW3RKEN6kyLvwtKe3_jZro1tudb_pT2rUgNp6c_0UEA.webp
しかし冷戦時代は、日本もソ連のSS-20「セイバー」中距離核ミサイルの射程内でした。
図9 SS-20
図9 SS-20.png
引用URL:https://alternathistory.ru/wp-content/uploads/2024/06/0-SS-20-01.png

『ソ連の核はきれいな核兵器!』

そんなプロパガンダが日本で流され、隣国が核兵器を配備したことを正当化されていました。
(関連記事):『グロテスクな核弾頭のタワーだ!【軍事技術】
あの時の恐怖が蘇ります。

2.2 有識者の警告は正鵠を得ていた。

2020年に発売された書物で、ポストINF条約時代への警告がされていました。
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RS-26についても、事実上のIRBMであることが小泉先生から指摘されていました。

もう一度、BMDを含めたミサイル防衛を考えるべきでしょう。
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(3)IRBM対策を急げ!

RS-26については、事実上のIRBMと判断すべきでしょう。

図10 イスカンデル核兵器
図10 イスカンデル核弾頭.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Dpfo-EEW4AEs1F8?format=jpg&name=large

イスカンデルに続き、核弾頭搭載可能弾道ミサイルが使用されたことを重視すべきです。
(関連記事):『イスカンデルMに戦術核を搭載できるのか?

もはや核使用は、寸前まで来ているとみるべきです。
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2024年10月22日

第三次世界大戦を阻止した軍人の追悼

『1999年6月に第三次世界大戦は開戦寸前だった』
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第三次世界大戦を阻止した英雄と言える英軍人が、80年の生涯を終えました。

彼の名はサー・ジャクソン将軍、元英陸軍参謀総長です。

図1 サージャクソン将軍
図1 サージャクソン将軍.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/GaKeNwOa4AAyBGD?format=jpg&name=900x900

1999年6月12日にロシア軍とNATO軍が衝突寸前となった、プリテシュナ危機は日本では知られていません。

たった一人の英国将軍により、1999年に第三次世界大戦が発生するのを防いだのです。
(前回記事):『陸自小型級船舶がついに進水する!
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(1)コソボ紛争そしてロシア空挺軍急襲!

1999年にコソボ紛争があり、NATO軍がセルビア爆撃をしたのは知られています。

図2 アライドフォース作戦
図2 アライドフォース作戦.jpg
引用wiki

2か月に及ぶ空爆により、セルビアは和平会談に応じてコソボ紛争は終結に向かいます。

1.1 サー・ジャクソン将軍はどんな人

英国陸軍サー・ジャクソン将軍は、1999年にNATO即応軍団司令官として勤務していました。

図3 将軍
図3 将軍.png
引用wiki
若いころ英国空挺部隊などに勤務して、1972年の「血の日曜日事件(北アイルランド)」など血なまぐさい経歴を持っています。

1999年には、NATO即応軍団司令官としてコソボ紛争の指揮を執っていました。

古き良き軍人として、懐にはいつも愛用のウィスキーを入れたフラスクを持ち歩いていたそうです。

彼が第三次世界大戦を防いだと言えるのは、1999年のコソボ紛争終結時の行動です。

1.2 コソボ紛争終結そして平和維持軍(KFOR)派遣へ

1999年5月には、セルビア爆撃中に中国大使館を誤爆するなど緊張が高まりました。

図4 中国大使館
図4 中国大使館.JPG
引用wik

1998年のアジア通貨危機などが起きている中で、中国大使館の誤爆事件など第三次世界大戦に段々と近づく状況です。

セルビアが和平交渉に応じて、コソボ紛争は1999年6月11日に紛争終結となります。

国連安保理が1999年6月10日に決議をして、NATO主導の平和維持軍KFORが発足し部隊展開が6月12日に予定されていました。

1.3 ロシア空挺軍第98師団が空港占拠!

ロシアは伝統的友好国であるセルビアに、NATO軍が進駐することを憂慮していました。

そのため電撃的に1999年6月12日、ロシア空挺軍第98師団の先遣隊をコソボプリテシュナ空港に派遣して占拠します。

図5 ロシア空挺軍
図5 ロシア空挺軍.jpg
引用URL:https://www.reddit.com/media?url=https%3A%2F%2Fexternal-preview.redd.it%2FaCj3QF67xG_v_rfjvCcsgvKkNgHV1dNC0IIakXBKs60.jpg%3Fauto%3Dwebp%26s%3Dabd25f9eedc41a8e5d0eee724bce7a9374100862

突如現れたロシア軍に、空港周辺は大混乱に陥りました。

元々ロシア軍はKFORに加わる予定でしたが、6月11日に参加破棄を国連に通告して空港をロシア空挺部隊が占拠する事態となります。

またプリテシュナ空港は、KFORの活動拠点となる予定であり確保が大前提でした。

NATO軍最高司令官(米陸軍大将)は激怒し、「ロシア軍であっても撃破して空港を占拠せよ!」と無茶苦茶な命令を出します。

このまま1999年6月12日に、ロシア軍とNATO軍が全面衝突して第三次世界大戦開始となるか?!
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(2)老将軍の冷静な判断が世界を救った!

事前偵察をしていたSASの報告を受けたジャクソン将軍は、プリテシュナ空港に直接乗り込むことにしました。

図6 ヘリで乗り付け
図6 ヘリで乗り付け.jpg
引用URL:https://www.difesaonline.it/sites/default/files/pictures/021019%20storia%20k3b.jpg

空挺兵らしい大胆かつ、素早い動きでした。

2.1 米国にはNO!を突きつける判断

サー・ジャクソン将軍は、無茶な命令を出してきたNATO軍司令官(米陸軍大将)に対して、
『お前のために戦争を始めるつもりはない!』
とはっきりと命令拒絶を行います。

米国はF-117ステルス戦闘機が撃墜されるほどの損害を出しており、命令無視の英国にカンカンとなります。

後に米国は間違いを認め、命令を出した米陸軍大将を解任します。

冷静な英陸軍将軍の判断が、第三次世界大戦を回避したと言えます。

2.2 ロシア軍と話を付ける!

空港に直接乗り込んだ将軍は、ゲリラ攻撃を受けて殺気立つロシア空挺軍と直接対峙します。

図7 空港での対峙
図7 空港での対峙.jpg
引用URL:https://www.difesaonline.it/sites/default/files/styles/large/public/article/021019%20storia%20k0.jpg?itok=yuUXO7t_

周りにはSASやらスペツナズなど、歴戦の兵士が睨み合い発砲寸前でした。

そんな中で、サー・ジャクソン将軍はロシア軍の指揮官に切り出します。
『とりあえずウィスキーでも飲まないか戦友?』
図8 協力
図8 握手.jpg
引用URL:https://balkaninsight.com/wp-content/uploads/2024/06/254648-1280x847.jpg
英国人らしいウィット溢れる会話により、ロシア軍も態度を軟化させその場でロシア軍もNATOとは別の指揮系統でKFOR参加が決まります。
(後日ロシア軍からサー・ジャクソン将軍にウオッカが贈呈されました)

当時のロシア軍は、プロ意識が高く冷静な行動を選択して第三次世界大戦は回避されました。

2.3 日本での関心は薄い

これほどの危機があったのですが、日本ではほとんど知られることはありませんでした。

ちょうど6月12日には、東京相和銀行が経営破綻して大ニュースになっていまいた。

図9 破綻
図9 破綻.JPG
引用wiki

そんな中で同じ日に発生していた第三次世界大戦の危機に、関心を寄せる人は少なかったのです。
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(3)マジに戦争にならなくてよかったよ(汗)!
25年前の出来事ですが、振り返るとマジに第三次世界大戦の瀬戸際でした。

図10 キューバ危機
図10 キューバ危機.jpg
引用wiki

核魚雷が発射寸前までいった、1962年キューバ危機の再来でした。

3.1 世界は紛争に満ちていた。

1999年は世界各地で、武力衝突が続いていた年でした。

@印パ紛争(カルギル戦争):インド・パキスタン双方が戦術核使用寸前
Aバドメ戦争(アフリカ):エチオピア・エリトリア国境紛争でロシア・ウクライナが代理戦争
B第二次コンゴ内戦:アフリカ大戦とも呼ばれる戦争
C東ティモール紛争:1999年にはインドネシアとオーストラリアが軍事衝突寸前


図11 バドメ戦争
図11 バドメ戦争.jpg
引用URL:https://www.cnn.co.jp/storage/2021/12/21/66ffd86f283edb2cc1a2442eda4a77a2/t/768/432/d/ethiopia-tigray-tank-02-26-2021-super-169.jpg
マジに第三次世界大戦にならなかったのが、不思議なくらいの混乱でした(汗)

サー・ジャクソン将軍が、理性的な命令不服従をしなかったら世界は崩壊していたかもしれません。
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3.2 第三次隻大戦を防いだ将軍に哀悼を!

サー・ジャクソン将軍は、2024年10月15日に80年の生涯を終えました。

第三次世界大戦を阻止した英雄として、記憶しておくことが追悼になるでしょう!
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2024年10月04日

韓国玄武-5ミサイルってデカいな!!

『超ぶっとい弾道ミサイルを出してきたな!』
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韓国で開発が進む、「玄武-5」と呼ばれる弾頭ミサイルがついにお披露目されました。

発射機(TEL)に乗せられたミサイルは、マジにデカいミサイルとなっています。

図1 玄武-5(Hyunmoo-X)
図1 玄武5.jpg
引用URL:https://www.aljazeera.com/wp-content/uploads/2024/10/AP24275186997901-1727842312.jpg?resize=1170%2C780&quality=80

もはやICBM級の大きさになっていますが、短距離弾道ミサイルだそうです。

これを海軍水上艦からも発射するって、正気かなぁ?
(前回記事):『護衛艦さざなみ台湾海峡航行キター!
\こちらもご参考にPR!/
(1)想像より巨大な玄武-5弾道ミサイル!

韓国の玄武-5弾道ミサイルは、2022年に発射映像が登場しています。

図2 発射映像
図2 発射映像.jpg
引用URL:https://vpk.name/file/img/novaya-yuzhnokoreiskaya-ballisticheskaya-raketa-hyunmoo-5-v-hode-puska-s-primeneniem-tehno-x72tb2tk-1665534421.t.jpg

2022年に予想されたよりも、デカいミサイルになって驚いています。

1.1 北朝鮮並みのミサイルになったな!

近年韓国は、新型ミサイル玄武-4シリーズを登場させています。

図3 玄武-4
図3 玄武-4.jpg
引用URL:https://missilethreat.csis.org/wp-content/uploads/2021/10/rok-mod-hyunmoo-sept-2021.jpg

イスカンデルミサイルそっくりと言われた玄武-2Bを改良したもので、大型化してバンカーバスターや潜水艦発射型などバリエーションを増やしています。

ただ今回登場したTEL搭載の、玄武-5ミサイルは度肝を抜きました。

図4 後ろ姿
図4 後ろ姿.jpg
引用URL:https://www.zona-militar.com/wp-content/uploads/2024/10/Hyunmoo-V-corea-del-sur-1024x576.jpeg.webp

1.2 9軸で総重量36トンのミサイル!

玄武-4ミサイルのTELでさえ、5軸の大型車両を使用していました。
図5 玄武TEL
図5 げんぶTEL.jpg
引用URL:https://i.namu.wiki/i/bCJ4EopLbzIwMwS0i4-0gFgg_PPF_L4NjqIYMKJG5kAyCTISx1p0o_OubviMdnIT__CFEMeoYl2QPf3d4jKoog.webp

まさか2倍近い大きさのTELが必要な、大型ミサイルになっているとは思いませんでした。

韓国からの情報では、ミサイル本体は36トンで弾頭重量8トンになるとのこと!

図6 火星15号
図6 火星15号.jpg
引用URL:https://img8.yna.co.kr/photo/yna/YH/2018/02/08/PYH2018020847130088200_P4.jpg

北朝鮮の火星15号ICBMに匹敵する、巨大ICBMとも言えます。

1.3 艦上発射も視野に?!

韓国の玄武-5ミサイルは、あくまで北朝鮮司令部を破壊する目的だとしています。

しかし、艦船に玄武-5を搭載して発射することも検討中とのこと。

図7 計画中
図7 計画中.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/GYtQ8nPaEAA58Jf?format=jpg&name=4096x4096

可動式発射台を艦上に建てるなど、艦船のバランスが愉快なことになりそうです。
(普通の技術者なら怒りだすわ!)

まあ韓国の弾道ミサイル技術は、なかなか侮れなくなりました。
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(2)やはり似て来るのかね?

韓国が玄武-2Bを登場させたときは、「ロシアのパクリだ!」なんて言われました。
図8 似ている
図8 似ている.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/DGuI_C-XgAEXXt6.jpg

しかし目的を追求すると、似通ってくるのが技術という物です。

2.1 自動小銃はみな同じ?!

目標が似ていると、技術的に同じようなものが出来るのはよくあることです。
図9 小銃一覧
図9 小銃一覧.jpg
引用URL:https://i.pinimg.com/originals/a1/08/53/a108533a70fa7d22477e20a5e5586775.jpg

陸自の20式小銃も発表されると、世界各国の新小銃と似通っていたことがありました。

FN SCARのパクリと言われたり、ポーランドGrotにそっくりだったりしています。

技術を追求すると、やはり似通ってくるのかもしれません。

2.2 玄武-4-4とインドK-15SLBMの相似も!

2021年に韓国がSLBM玄武-4-4が登場して、かなりの騒ぎになりました。

図10 玄武-4-4
図10 玄武ー4−4.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/E_VbIsnVUAAlOm0?format=jpg&name=small

ただ似たような開発は、インドの通常弾頭型SLBMであるK-15でも行われています。

図11 K-15
図11 k-15.jpg
引用URL:https://missilethreat.csis.org/wp-content/uploads/2016/08/k-15-2-1024x696.jpg

インドのK-15は、2013年に発射成功となっています。

技術開発の進化が、韓国にも進んでいるようです。
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(3)コールドランチ技術の謎は残る!

ただ韓国の技術には、いまだ解けないナゾがあります。

図12 KM-SAM
図12 KM-SAM.jpg
引用wiki

西側各国では珍しいコールドランチ技術を、どこまで取得しているかです。

3.1 S-400の技術は本物か?

韓国のKM-SAM中距離地対空ミサイルには、ロシアのS-400の技術が入っていると言われています。

図13 S-400
図13 S-400.png
引用URL:https://strafasia.com/wp-content/uploads/2020/02/Untitled-2.png

S-400のコールドランチを応用すれば、大型ミサイルの発射にも使えます。

しかし総重量36トンとも言われる、玄武-5を実際に発射できるか?

どこまで韓国は、ロシア技術を内製化できているのか今後も注目です!
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2024年09月19日

ロシア海軍オケアン2024演習をどう見るか?

『ロシア海軍最期の残照となるか?もしくは有事か?』
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2024年9月10日からロシア海軍が、オケアン2024演習を開始しました。

海自の古い人間なら、オケアン演習と聞くといざ有事か?!と勘違いします。

図1 オケアン2024
図1 オケアン2024.jpg
引用URL:https://news.store.rambler.ru/img/635cdba37e1fc288f1e3bfbf20ace0b3?img-format=auto&img-1-resize=height:350,fit:max&img-2-filter=sharpen

この時期にソ連時代を超える、最大規模のオケアン海軍演習を行うのは何故か?

ロシア海軍最期の残照か?それとも有事への布石か?
(前回記事):『令和7年度防衛費概算要求が出てきたよ!
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(1)オケアン(океан:海洋)とは何か?

海上自衛隊にいた人間ならば、耳にタコが出来るくらい聞かされた演習名です。

図2 オケアン70
図2 オケアン70.jpg
引用URL:https://proza.ru/pics/2023/08/11/289.jpg

特にオケアン70の結果は、海上自衛隊の方向性を決めた演習とも言えます。

1.1 オケアン演習は核攻撃演習を含む海軍演習

ソ連海軍のころから、たびたび海軍演習は行われてきました。

しかし「オケアン(океан)」の名前を付けた演習は、緊張感をもって語られます。

図3 核攻撃
図3 核攻撃.jpg
引用URL:https://kartinki.pibig.info/uploads/posts/2023-03/thumbs/1680233457_kartinki-pibig-info-p-severnii-flot-kartinki-prikolnie-arti-2.jpg

オケアン演習は、ソ連海軍/ロシア海軍において世界規模で核攻撃演習を含む総合演習だからです。

特に1970年の、オケアン70はソ連海軍が脅威であることを示しました。

1.2 日本近海で大演習したことも?!

中国海軍空母遼寧が、日本の接続水域を通過したと大騒ぎになっています。

図4 空母遼寧
図4 空母遼寧.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/js/pdf/2024/p20240918_01.pdf

しかし1970年代のソ連海軍は、日本近海で核攻撃演習を含む演習をしています。

図5 ソ連海軍の動き
図5 ソ連海軍の動き.png
引用URL:http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/1976/w1976_01005.html

沖ノ島沖や九州西方、北海道道東沖でやりたい放題にソ連海軍が演習していました。

海上自衛隊の8艦8機体制編成のきっかけは、オケアン演習のトラウマから誕生したと言っても過言ではありません。

1.3 いまだ沈まずや空母ミンスクは?

さらに海自を恐怖に陥れたのは、1979年に空母ミンスクが太平洋艦隊に配属されたことです。

図6 空母ミンスク
図6 空母ミンスク.jpg
引用wiki

1980年代の架空戦記では、いかに空母ミンスクを撃沈できるかが問題でした。

しかし2024年になって空母ミンスクが炎上するとは!

図7 ミンスク炎上す!
図7 ミンスク炎上す!.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/GVIeTOaWsAEATsN?format=jpg&name=large

空母ミンスクは、空自第3飛行隊の獲物だったのに〜!

敵砲火をかいくぐり、ASM-1をたたき込むF-1支援戦闘機が見たかった!

そんなロシア海軍ですが、この時期に史上最大規模のオケアン2024演習を開始しました。
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(2)威嚇か?最後の残照か?それとも?

ウクライナへの侵攻が続く中で、オケアン70を超える400隻以上の艦船が参加した演習開始となりました。

図8 発射
図8 発射.jpeg
引用URL:https://www.newsinfo.ru/image/article/1/2/3/36123.jpeg

単なるロシア海軍の練度維持と見るには、オケアン演習の規模が大きすぎるんですよね。

2.1 ロシア海軍は今後弱体化する

オケアン2024演習は、ロシア太平洋艦隊を敵軍(青軍)として北方艦隊など自軍(赤軍)が迎撃するシナリオです。

図9 司令部
図9 司令部.jpg
引用URL:https://i.ytimg.com/vi/1NkVIOlb1hg/hq720.jpg?sqp=-oaymwEhCK4FEIIDSFryq4qpAxMIARUAAAAAGAElAADIQj0AgKJD&rs=AOn4CLC1Esfy3s8MOmmpnjIOkEIXWJorcA

黒海艦隊やバルト海艦隊が、地理的封鎖状態の中で行われています。

さらに修理や大規模改修を行える、黒海基地が使用不能の状態でありロシア海軍は今後弱体化していきます。

そのため、ロシア海軍最後の大演習となるかもしれません。

2.2 ザーパド2021のような実例もある!

今回のオケアン2024を単なる演習と見るには、ザーパド2021のような先例があり安心できません。

図10 ザーパド2021
図10 ザーパド2021.jpg
引用URL:https://vesti.uz/wp-content/uploads/2021/08/uchenija-300x220.jpg

2021年には、ソ連軍最大規模演習のザーパド81を超える演習が行われました。

その兵力が転用されて、ロシアのウクライナ侵攻に使用されています。

単なる脅し・練度維持と見ることは、結構危険と見ています。

2.3 ロシアの対日侵攻はありうるか?

これもまた疑問符が付く話であり、ウクライナ戦争でさらに対日侵攻能力は減少したと言えます。

図11 揚陸艦
図11 揚陸艦.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/GTJwbvjaAAAhjeo?format=jpg&name=small

太平洋艦隊には揚陸艦が4隻しかなく、侵攻の尖兵となる2個海軍歩兵旅団もウクライナに投入され壊滅状態です。

図12 海軍歩兵
図12 海軍歩兵.jpg
引用wiki

さらに対日侵攻主力となる陸軍第68軍団も、大半がウクライナに投入されて壊滅しています。

そのため今すぐ対日侵攻する余力は、ほとんど無くなったと言えます。
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(3)原潜による核威嚇を考慮すべきか?

残されたのは、カムチャツカ半島の原潜部隊だけです。

図13 原潜部隊
図13 原潜部隊.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/surround/img/rus_d-act_202403/03.jpg

原潜による、日本への核恫喝を考慮すべきでしょう。

3.1 核恫喝に日本は耐えられるか?

2024年6月ごろから、ロシア派は戦術核兵器の演習を段階的に進めてきました。

図14 イスカンデル
図14 イスカンデル.jpg
引用URL:https://img.hani.co.kr/imgdb/japan/news/resize/2024/0523/171641236264_20240523.JPG

ただ日本側の反応は鈍いのが、平和を享受した日本の現状です。

ウクライナを支援する日本に、支援を止めるようロシアが核恫喝したとき日本は耐えられるか?
(無条件降伏・北海道を割譲します!と弱腰の首都圏の人間なら言い出しそう)
今後の情勢に注目です。
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2024年08月30日

海保が強襲揚陸艦を持つのかい?!

『強襲揚陸艦を巡視船と言うのは無理じゃね?』
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2025年度(令和7年度)の概算要求が、続々と出てきました。

驚くべきは、海上保安庁の多目的巡視船建造要求!

図1 多目的巡視船
図1 多目的巡視船.png
引用URL:https://www.mlit.go.jp/page/content/001760292.pdf

多数のヘリとゴムボート(GB)搭載による、住民避難をを支援する目的です。

けどこれってどう見ても強襲揚陸艦・・・
(前回記事):『中国海軍艦艇も耐衝撃試験をやるんだね!
\こちらもご参考にPR!/
(1)デカすぎ?!多目的巡視船!

海上保安庁が、多目的に使用できる巡視船を建造したいという気持ちはわかります。

図2 巡視船
図2 巡視船.jpg
引用URL:https://www.kaiho.mlit.go.jp/soubi-yosan/soshiki/ship/hida.jpg 

洋上救難を主目的にすると、船体の缶多数の住民収容などに支障をきたします。

1.1 海保としては住民退避を目指したい

南西諸島や各地の離島から、災害などで住民避難を行う巡視船が欲しいというのは当然出て来るでしょう。

図3 口永良部島
図3 避難.jpg
引用URL:https://blogs.mbc.co.jp/mbcnews/cat_heisei/4855/

2015年5月に鹿児島県口永良部島噴火が発生したとき、民間フェリーが住民救出をしました。

海保としては全島避難などでは、民間船舶の手を借りることになります。

今後予想される南西諸島有事では、海保単独での住民退避を行う必要もあります。

1.2 全長200m3万トンはデカすぎ!

そんな中で海上保安庁から、多目的巡視船の要求が出てきました。

普段は、尖閣周辺の警備に従事して有事の際には住民退避に活用するものです。

図4 海上保安庁
図1 多目的巡視船.png
引用URL:https://www.mlit.go.jp/page/content/001760292.pdf
しかしニュースを見て驚きました!

全長約200m排水量約3万トンという、超大型巡視船です。

どう考えても、強襲揚陸艦にしか見えません!
(関連記事):『空母より強襲揚陸艦が欲しいのが海自の本音!

以前記事で、海自は強襲揚陸艦(多目的輸送艦)が欲しい!と書きました。

まさに海自が欲しいものを、海保が建造するという状況です。

1.3 文民保護の観点からは妙案ではある!

海保版強襲揚陸艦かどうかはともかく、国民保護の観点からは十分必要性があります。

日本ではあまり知られていない、ジュネーブ条約の文民保護識別マークが使用できます。

図5 文民保護マーク
図5 文民保護マーク.jpg
引用URL:https://www.kaiho.mlit.go.jp/info/books/report2024/html/topics/images/006-05.jpg

2023年5月に海上保安庁で実証訓練が行われた、巡視船に文民保護マークを付けたものです。

ジュネーブ条約追加議定書では、このマークを付けた船舶は攻撃対象にしてはならないとしています。

台湾・南西諸島有事には、多目的巡視船の活躍機会は十分あるといえます。

ただ建造費680億円と、それに見合う運用が出来るかどうかです。
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(2)建造はどこがする?病院船機能を付与する?

今回の多目的巡視船は、建造するにも大変なところになるでしょう。

図6 下関造船
図6 下関造船.png
引用URL:https://www.mhi.com/sites/g/files/jwhtju111/files/styles/desktop_image_style/public/2021-10/21100802-1.jpg.webp?itok=iCHD6CNL

海保巡視船とフェリー双方の、建造経験が無いとかなり難しいでしょう。

2.1 下関か玉野か横浜か?

3万トンの多目的巡視船については、基礎となる大型フェリーがあります。

図7 フェリーあざれあ
図7 フェリーあざれあ.jpg
引用wiki
新日本海フェリーがかつて所有していた、「フェリーあざれあ」「フェリーしらかば」がモデルになりそうです。

全長約200m、乗客約1000人や多数の車両を搭載していました。

IHI東京工場(既に閉鎖)で建造しており、IHI横浜で建造が出来るでしょう。

対抗馬として、三菱マリタイムシステムズ下関工場・玉野工場と言ったところです。

図8 三菱玉野
図8 三菱マリタイムシステムズ.png
引用URL:https://www.mhi.com/jp/group/mhimts/sites/g/files/jwhtju2256/files/styles/crop_freeform/public/2024-03/mhimts_mv_01_pc.png?itok=yvYjjqSz

2.2 ウェルドックを作るなら玉野工場が有利かな?

多目的巡視船に、ウェルドック(船体内乾ドック)を付けるなら玉野工場が有利です。

図9 ウェルドック
図9 ウェルドック.jpg
引用wiki
離島から小型船舶で巡視船に住民を運ぶとき、直接艦内に収容できるウェルドックは有利です。

GBなどの小型ボートでいちいち吊り上げるより、よほど簡単です。

玉野工場は、建造経験があるため有利でしょうがもはや強襲揚陸艦です。

2.3 病院船構想と区別しないとね!

かつて政府主導で、災害対策用の病院船構想がありました。

図10 病院船
図10 病院船.png
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/B7tsFCACUAEumIh?format=jpg&name=900x900

検討していくにつれ、強襲揚陸艦が最適との結論が出てきています。

病院船とは区別して、多目的巡視船は活用していくべきでしょう。

尖閣警備巡視船専従部隊への、母船補給機能があってもいいかもしれません。
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(3)離島警備住民避難体制の整備を!

南西諸島有事では、12万人の避難者輸送に10日かかるとの試算が出ました。

図11 住民避難
図11 住民退避.png
引用URL:https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO4355683023012024000000-3.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=319&h=319&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=77dddda92c6534ea0ceeb30559c8ce56

これはもっと真剣に、住民退避活動を検討すべきでしょう。

3.1 ウクライナ戦争の戦訓

ウクライナ戦争では、住民退避行動に多くの教訓を残しています。

図12 住民退避
図12 ウクライナ.png
引用URL:https://images.wsj.net/im-615739/square

ウクライナでは、2014年のドンバス紛争から内務省主導で住民退避が行われました。

2022年の開戦後、住民退避は各所で急務になっています。

今後とも多目的巡視船などを利用した、住民退避活動には留意しましょう。
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2024年06月18日

韓国レーダー照射事件は玉虫色の決着!

『真相は文在寅逮捕で明らかになるか?!』
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2024年6月に、日米韓防衛当局会談が行われました。

2018年12月の韓国レーダー照射事件は、再発防止で一応の決着となります。

図1 会談
図1 会談.jpg
引用URL:https://img.hani.co.kr/imgdb/japan/news/resize/2024/0603/171737331351_20240603.JPG

結局真相は闇の中に葬られ、ぎくしゃくした日韓関係が再開するようです。

これは文在寅前大統領の逮捕まで、真相は出てこないでしょう。
(前回記事):『空自F-35B戦闘機の燃料に関する大問題!
\こちらもご参考にPR!/
(1)2018年に何があったか?

すでに5年半前のことになりましたが、2018年に日韓が緊張状態に陥りました。

図2 レーダー照射事件
図2 照射事件.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/surround/radar/final_view/21x_hosoku3.jpg

2018年12月20日、海自P-1哨戒機が韓国海軍駆逐艦から火器管制レーダー照射を受けました。

1.1 火器管制レーダー照射という異常事態

本ブログでも、2018年から2019年にかけて何本かのレーダー照射関連記事を書きました。
(関連記事):『韓国レーダー照射彼らはルビコン川を渡ってしまった。
(関連記事):『韓国レーダー照射を技術的視点から首謀者の推測へ!
(関連記事):『韓国レーダー照射「電波要表」という秘密文書がある。

海軍の世界では火器管制(FC)レーダー照射は『撃つぞ!』という敵対行為となります。

図3 CUSE
図3 CUES.jpg
引用URL:https://imgv2-2-f.scribdassets.com/img/document/458784055/original/30008b72e9/1713337910?v=1

2014年に日韓共に署名した海上衝突回避規範(CUES)において、FCレーダー照射は明確な違反行為です。

海自P-1哨戒機から、韓国海軍に国際VHFで問い合わせても何も回答が無く防衛省は事態公表に踏み切りました。

1.2 韓国の反発と泥沼の水掛け論に発展

2018年12月22日には、韓国軍当局はFCレーダー照射は誤って発生してしまったとの見解が出てきました。

これで本来ならば海軍同士の手打ちとなるはずが、その後泥沼化していきます。

12月24日にはFCレーダー照射の事実を否定する、異例の展開になります。

図4 現場映像
図4 現場映像.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/surround/radar/20181228z.html

本来表に出るはずのない、現場映像やレーダー照射音が公表されるなど泥沼化していきます。

GISOMIA問題や輸出管理問題など、各種問題も絡んで2019年以降は日韓関係が対立してきました。

1.3 2024年になりようやく決着!

韓国では、2022年に文在寅大統領が退任して尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が発足します。
図5 尹錫悦大統領
図5 ユン政権.jpg
引用wiki

まともな保守中道政権が誕生して、ぎくしゃくしていた日韓関係も修復されていきます。

2024年6月1日に行われた、日韓防衛相会談にてレーダー照射問題の決着がつきました。

図6 三者会談
図6 三者会談.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/profile/minister/kihara/photo/20240602d.jpg

とりあえず、再発防止と共同訓練の再開という玉虫色の決着となります。

米国としても日韓が対立したまま、ずるずると時間が過ぎるのを座視できないとの判断でしょう。

まあ真相究明には程遠いですが、一応の手打ちとなるでしょう。

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(2)韓国側から興味深い説明も!

真相解明にはほど遠いですが、韓国側から事件に関する興味深い説明が出てきました。
図7 韓国青瓦台
図7 韓国大統領府.jpg
引用URL:https://www.opencheongwadae.kr/resources/images/mps/main/visual/bg.jpg

レーダー照射事件に、韓国青瓦台(大統領府)が大きく関与していたと説明があったそうです。

2.1 従北政権文在寅大統領の時代

2018年当時は、従北政権とまで言われた文在寅(ムン・ジェイン)大統領の時代でした。

図8 南北会談
図8 南北会談.jpg
引用URL:https://img.hani.co.kr/imgdb/japan/news/resize/2021/0201/161213605088_20210201.JPG

北朝鮮の金正恩総書記と何度も会談するなど、従北体制がヒドイ状態でした。

そんな中で発生した、レーダー照射事件は韓国にとって何としても有耶無耶にしたいことだったのでしょう。

2.2 韓国大統領への報告は12月23日か?

今回の日韓国防相会談に先立ち、制服組同士の話し合いで韓国から重要な説明がありました。
『文在寅大統領が隠蔽を指示したため何も言えなくなった』

事件発生当初からささやかれていた、韓国大統領府による隠蔽工作がはっきりと証言されました。

最初はFCレーダー照射を認めながら、突然レーダー照射を否定する不可解な行動に根拠があったわけです。

図9 時系列
図9 時系列.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/surround/radar/index.html

時系列を読み直してみると、12月24日になり韓国の主張が突然ひっくり返ったことが分かります。

おそらく12月23日に、文在寅大統領に報告が行われ隠蔽指示が出たため主張が反転したのでしょう。

やはり文在寅大統領が、騒動の火種となったといえます。

2.3 今のうちにケリをつけるのが最善でしょう

色々文句もあり真相究明には程遠いですが、妥協の産物として今回の合意となりました。

2027年には韓国大統領選挙があり、親北派の野党が優勢です。

図10 曹国(チョ・グク)
図10 チョグク.jpg
引用wiki
何もなければ、玉ねぎ男なんて言われたチョ・グク(曹国)元法務部長官が大統領になるでしょう。

またまた反日政権に逆戻りとなり、関係改善は不可能になります。

今のうちに最終的不可逆な解決をしておいた方が、日本にとっても有利です。

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(3)文在寅前大統領逮捕フラグ?!

文在寅前大統領は現在、自宅近くで書店を経営しているようです。

図11 文在寅
図11 書店.jpg
引用URL:https://image.ajunews.com/content/image/2023/04/26/20230426111325900621.jpg

しかし隠蔽証言がでてきたことで、逮捕が近いかもしれません。

3.1 2020年黄海公務員事件で大規模捜査!

文在寅前大統領については、2020年に黄海にて海洋水産部公務員が北朝鮮に射殺された事件の隠蔽を指示したとされています。

図12 捜索
図12 捜索.jpg
引用URL:https://japanese.joins.com/upload/images/2023/12/20231208090121-1.jpg

北朝鮮が射殺したことを知りながら、「自主的に北へ亡命した」など北朝鮮擁護を続けました。

捜査が進展しており、そろそろ逮捕になるかもしれません。

だからこそレーダー照射事件と合わせて、韓国政権が日本に譲歩して来たと見えます。

3.2 文在寅前大統領で真相が解明されるか?

韓国大統領経験者は、ほとんどが逮捕・亡命・自殺という末路を辿ってきました。

図13 李明博
図13 李明博.jpg
引用URL:https://img1.yna.co.kr/photo/yna/YH/2018/03/14/PYH2018031405580088200_P4.jpg

逃げ切りかと思われた、李明博(イ・ミョンバク)元大統領も収賄で逮捕実刑判決となりました。

文在寅前大統領も、2024年〜2025年には逮捕されて真相が出て来るかもしれません。

真相究明の時間を、楽しみに待ちましょう!
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2024年01月16日

KN-23がウクライナで使われるとは!【世界情勢】

『イスカンデルは完全に枯渇したかな?』
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2022年から始まったウクライナ戦争において、ロシアが北朝鮮製KN-23を使用する事態となりました。

皮肉なことにKN-23の実戦デビューとなっています。

図1 KN-23
図1 KN-23.png
引用URL:https://nonproliferation.org/wp-content/uploads/2019/06/preliminary-analysis-kn-23-srbm_4.png

実戦データを収集した北朝鮮は、より改良型ミサイルを出してくるでしょう。

注目すべき事態です。
(前回記事):『NBC偵察車の早期用途廃止への慚愧【軍事技術】
\こちらもご参考に!PR/

(1)KN-23がロシアから発射された?!

2024年1月になりアメリカは、北朝鮮製KN-23弾道ミサイルがロシアからウクライナに発射されたと発表しました。

図2 米国発表
図2 米国発表.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/GDClUG_b0AA4Qv9?format=jpg&name=medium

北朝鮮の弾薬支援は、弾道ミサイルまで供与していたことになります。

1.1 間違いなくKN-23の破片だ・・・

2024年に入ってからウクライナ各所でイスカンデルミサイルとは異なる部品発見報告が相次ぎました。

図3 部品
図3 部品.jpg
引用URL:https://englishsl.com/wp-content/uploads/2024/01/Russia-fires-North-Korean-missiles-at-Ukraine-for-first-time-640x427.jpg

ロシアのイスカンデルミサイルにしては、ずいぶんと古めかしい構造となっています。

どこかで見たようなボルト止めのロケットとなると、あの国しかありません。

図4 北朝鮮KN-23
図4 北朝鮮KN-23.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/card_img/1745810129306484736/-ZdPAbLa?format=jpg&name=small

北朝鮮のキムカンデルこと、KN-23短距離弾道ミサイルにそっくりです。

ほぼ断定されたのは、やはりミサイル底部の部品の写真が登場したことです。

図5 ミサイル底部写真
図5 ミサイル底部.jpg
引用URL:https://fakty.com.ua/wp-content/uploads/2024/01/06/novyj-proyekt-1.jpg

ああ、これはKN-23で確定だなと言えるものでしょう。

1.2 射程は500kmほどなのか?

今回ウクライナに向けて発射されたKN-23については、約460kmを飛行したとされています。

KN-23は射程約500kmと言われており、ほぼ最大射程で発射したと言えるでしょう。

図6 イスカンデル
図6 イスカンデル.jpg
引用wiki

しかしながら射程400kmと言われたイスカンデルミサイルが約800km飛行したこともあります。

KN-23は射程約1000kmまで行くのでは?と以前から主張してきました。
(関連記事):『【北朝鮮】イスカンデルミサイルもどきを再整理してみる!

かなり厄介なことになりそうです。
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(2)KN-23について判明したこと。

ウクライナで発見されたKN-23の部品は、イスカンデルとは異なる部分があります。

図7 発射機
図7 比較画像.jpg
引用URL:https://www.b14643.de/Spacerockets/Specials/Pukguksong_GLBM-2/analysis3.jpg

専用の発射機でイスカンデルとは共通化していないと考えられていました。

しかしながら、従来予測が覆ることになりそうです。

2.1 ミサイル直径が同じ?

ウクライナからの情報では、KN-23の直径が予測より細くイスカンデルミサイルと同じ直径であるとされています。

図8 部品計測
図8 部品計測.jpg
引用URL:https://reporteasia.com/wp-content/uploads/2024/01/photo_l-34.jpg

かなり荒い部品計測ですが、直径約0.9mであるとされています。

この情報はかなり重大な情報となり、北朝鮮ミサイルの性能向上をうかがわせるものです。
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2.2 2019年の予測では直径約1.1mだった

KN-23が登場した2019年にはいくつかの写真から、KN-23の寸法が予測されていました。

図9 寸法予測
図9 寸法予測.jpg
引用URL:https://www.b14643.de/Spacerockets/Specials/Pukguksong_GLBM-2/analysis4_a.jpg

この時は、直径約1.1mと予測されていました。

しかしながらウクライナに着弾したのは、直径約0,9mのミサイルだったのです。

予測が間違っていたのか?最初から直径0.9mのミサイルだったのか?

今後検証が必要でしょう。

2.3 KN-23とイスカンデルに共用性があるかもしれない。

2019年に登場したときは、KN-23とイスカンデルミサイルに共用性が無いと思われていました。

しかしながらウクライナ戦争により、ロシアがKN-23を使用したことで可能性が出てきました。

図10 KN-23改良型
図10 KN-23改良型.jpg
引用URL:https://www.b14643.de/Spacerockets/Specials/Pukguksong_GLBM-3/2021_5.JPG

すでに北朝鮮は2022年にKN-23改良型として大型化したミサイルを登場させています。

注文に応じて、イスカンデル発射機に合わせたミサイル製造も可能になっているでしょう。

今後イスカンデルKN-23のようなキメラミサイルが登場する可能性も否定できません。

警戒して状況監視をするべきでしょう。

戦争中の急速な技術進歩は、時としてとんでもないものを生み出します。

恐れるべきでしょう。
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2023年08月06日

ロプーチャー級揚陸艦大破に追い込んだか!【世界情勢】

『ひさびさの大物艦船撃破かな』
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2023年8月4日に、黒海にてロシア海軍揚陸艦がウクライナUSVに攻撃されました。

写真を見る限り、ほぼ大破(航行不能)に追い込めたといえます。

図1 ロプーチャー級揚陸艦
図1 ロプーチャー級.jpg
引用URL:https://twitter.com/Republic_Mag/status/1687359958344413184/photo/1

ロシア海軍黒海艦隊は、受難続きですが何とかさせずに済んだようです。

USVは、港湾襲撃に有効だが決定的威力には欠けるかな?
(前回記事):『中国052D駆逐艦のダメコンは悪くないが・・?【軍事技術】

\こちらもご参考に!PR/

(1)ロプーチャー級揚陸艦大破!

2022年3月に、アリゲーター級揚陸艦が撃沈されて以来の揚陸艦への戦果です。

図2 2022年3月の撃沈
図2 2022年の撃沈.jpg
引用URL:https://images.wsj.net/im-511257?width=1280&size=1.33333333

ウクライナUSVが、着々と戦果を挙げている状況です。

1.1 船腹に大穴を開けることに成功か?

今回の攻撃は、揚陸艦が傾斜して曳航(航行不能)になるほどまでのダメージを与えました。

図3 傾斜写真
図3 傾斜写真.jpg
引用URL:https://twitter.com/Capt_Navy/status/1687559381770981377/photo/1

左舷に被弾して、約10〜15度の傾斜となっています。

相当量の浸水があり、航行不能によりえい航されて港に戻ってきたようです。

報道では、約450kgの炸薬の爆発による模様です。

一応攻撃成功と言えるでしょう。

1.2 今回は大破と判定できる

艦船の損傷段階についてはっきりとした基準があるわけではありませんが、

・小破:艦船の機能にダメージがあるが修理すれば行動できる
・中破:艦船機能・武装に大ダメージがあり、戦闘能力減少(自力航行可能)
・大破:戦闘能力を失い浮かんでいるだけ(自力航行不能)
・撃沈:文字通り沈没した状態
・轟沈:短時間で沈没した場合

今回は、上部構造物が無事のようですが航行不能のため大破判定といえます。
(浸水により機関部が使用不能かな?)

1.3 撃沈まで追い込めなかったのはUSVの限界だと思う

軍艦を大破まで追い込めたのは、かなり上出来といえます。

しかしながら、揚陸艦は船体中央部に大きな開口部があります。

図4 船首から
図4 船首から.jpg
引用wiki

ロシア海軍のダメコン能力不備を指摘する声もありますが、USVでは船体中心部までダメージが届かないともいえるでしょう。

対艦ミサイルのように、高速で突っ込んでくる衝撃力があれば中心部まで爆風を届かせられたかもしれません。

USVについて、ゲームチェンジャーとするにはまだ早いでしょう。
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(2)USV(水上ドローン)は魔法の弾丸に非ず!

ウクライナ戦争にて、ウクライナの救世主となりつつあるのがUSV(水上ドローン)です。

図5 ウクライナUSV
図5 ウクライナUSV.jpg
引用URL:https://twitter.com/CavasShips/status/1573166144537694209/photo/1

黒海を射程範囲に、ロシア軍港に襲撃を行っています。

2.1 戦時急造兵器としては上出来なもの

ウクライナUSVについては、海上戦力が壊滅したウクライナの急造兵器として登場しました。

図6 H.I.サットン氏の解説図
図6 サットン氏解説.jpg
引用URL:http://www.hisutton.com/images/Ukraine-Navy-Maritime-Drone-USV-Cutaway-940.jpg

潜水艦や海軍艦船の解説に定評のある、H.I.サットン氏が詳しくウクライナUSVを解説してます。

無人高速艇に大量の炸薬を搭載して、対艦ミサイルを超える長攻撃距離攻撃を可能にしています。

戦時の急造兵器としては、十分なものでロシア黒海艦隊の活動を妨害するには十分でしょう。

2.2 艦船撃沈までの能力はない

一時期は、USVがゲームチェンジャーになるかと思われましたがあまり成果が上がっていません。

一番の理由としては、魚雷のような一発で撃沈できる破壊力が無いことです。

図7 コール襲撃
図7 コール襲撃.jpg
引用wiki

2000年に発生した、駆逐艦コール襲撃では約300kgの炸薬を搭載した小型ボートが使用されています。

船体に大穴が開き、大量の浸水をしながらなんとか沈没を免れています。

水上からの攻撃では、ダメコン能力がある艦船への撃沈は厳しくなったといえます。

2.3 無人潜水艇UUVに近くないと厳しいか?

潜水艦の魚雷が1発で艦船を撃沈できるのは、竜骨(キール)を破壊できるように水中爆発能力を備えたからです。

無人ドローンにて、同じように艦艇の撃沈を狙うには全潜没ができるUUVの能力が必要になるでしょう。

図8 UUV
図8 UUV.jpg
引用URL:https://twitter.com/ShephardNews/status/1687418450828726274/photo/1

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(3)USV攻撃能力の限界が見えた

ウクライナUSVの活躍は、海戦に新たな兵器運用を見せたといえます。

しかしながら、ミサイルや魚雷を超える攻撃能力があるとは言えなくなりました。

3.1 港湾警備という海軍古来の戦術の重要性

ウクライナUSVによる軍艦襲撃は、新しい戦術のように見えますが本質は古くからの海戦術の焼き直しです。

港湾警備に対抗する、襲撃・閉塞作戦を無人機で行っています。

図9 旅順港襲撃
図9 旅順港襲撃.jpg
引用wiki

1898年の米西戦争や1904年の日露戦争では、軍港への襲撃や閉塞船作戦が行われました。

対抗するために港湾警備は海軍戦術の一つとして成立して、2000年以降は特殊部隊やゲリラ攻撃対処なども追加されていきます。

ウクライナ戦争でのUSV攻撃は、港湾警備への形を変えた攻撃といえます。

決して海戦の決定的戦術にはならないでしょう。

今後も、ウクライナ戦争の海戦状況は注目していくべきでしょう!
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posted by sstd7628 at 16:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 世界情勢

2022年08月31日

現代補給戦は恐怖の物量戦!【世界情勢】

『やっぱり補給戦は恐ろしい物量戦になるな〜!』
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2022年2月にウクライナ戦争が開戦して、半年が経過しながらいまだに終戦の兆候が見えない状況です。

国土防衛戦となったウクライナでは、恐ろしいほどの弾薬燃料などが消費されています。

図1 弾薬ケース
図1 弾薬ケース.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FbJWNdiVsAE2BuY?format=jpg&name=small

積みあがった弾薬ケースの山を見て、我が国の弾薬備蓄と共に輸送手段の確保という現実問題に直面します。

ホントに現代戦は、物量戦と輸送力の戦いとなるでしょう!
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(1)恐ろしいほどの弾薬消費量!

ウクライナ戦争については、SNSの可視化により近代戦の状況を明らかにしています。

図2 砲弾準備
図2 砲弾準備.jpg
引用URL:https://images.wsj.net/im-611613/?width=700&size=1.5

供与された西側155mm砲弾準備をしている光景が、写真にも出てくるようになりました。

1.1 弾薬ケースの山を見て戦慄が走る!
数日前に、ウクライナ某所での155mm榴弾砲に使用する装薬の空ケースが積まれた写真が登場しました。

図3 榴弾砲射撃
図3 榴弾砲射撃.jpg
引用URL:https://d1ldvf68ux039x.cloudfront.net/thumbs/photos/1411/1661651/1000w_q95.jpg

榴弾砲を射撃するときには、当然として発射装薬が必要となります。

最近では射程に合わせて、装薬量を簡単に変更できるユニバーサルチャージャーが主流となっています。

1.2 装薬がドーナッツ状になるユニバーサルチャージャー!

装薬単位を簡単に変更できるM232A1は、相当数がウクライナに供給されかなりの射撃量となっているようです。

図4 捕獲されたM232A1
図4 捕獲された装薬.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FWwlOzrXgAcLLgo?format=jpg&name=large

ロシア側にも捕獲されていますが、相当量の装薬が砲弾と共に戦場に補給されている状況です。

1.3 補給部隊への負担はものすごい状況に!
これだけ射撃しているということは、補給部隊が輸送して前線部隊に砲弾・装薬を届けるのにかなりの作業量となっているといえます。

図5 装薬搭載
図5 装薬荷下ろし.jpg
引用wiki

発射装薬がケースに入って簡単に持ち運びできるようにはなりましたが、補給を行うトラックなどに搭載荷下ろしをする手間が相当かかることになります。

さらに分散した砲兵部隊へ、適時に補給をしていくとなると現代戦の桁違いの物量消費を見せられて戦慄しかありません。

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(2)弾薬備蓄もいいけど輸送・搭載荷下ろし作業を考慮してるかな?

ウクライナ戦争の影響からか、長射程対艦ミサイルの大量備蓄方針が政府主導で決まるなど変化しています。

図6 弾薬庫
図6 弾薬庫.jpg
引用URL:http://www7b.biglobe.ne.jp/~chi-tan/images/maehata1.jpg

弾薬備蓄は良いことですが、弾薬庫が準備できるんですかね?

2.1 弾薬庫の補修もままならない状況

現状においては、弾薬庫の新設工事はいろんな影響を受けてなかなか進まない状況です。

さらには、既存の弾薬庫についても補修工事について何度も会計検査院にツッコミを入れられている状況です。

図7 工事概要
図7 工事概要.jpg

引用URL:https://report.jbaudit.go.jp/org/h27/IMG/2015-h27-0567-0-z0.jpg

2015年ごろから、さんざん弾薬庫の土堤はちゃんと補修しろやゴルァ!と会計検査院に言われている状況です。

さらなるミサイル弾薬備蓄と言われても、ちゃんと弾薬庫が準備できるのかな?

2.2 輸送能力の整備も重要!
弾薬備蓄を増強するのもいいですが、弾薬を実際に現地に届けるという輸送能力の向上も忘れてはいけません。

(参考記事):『【幕僚編D】反撃作戦立案!幕僚達の闘いは敵意図看破!!

以前に紹介した、自衛艦隊後方幕僚部の演習に参加したときも弾薬燃料があっても輸送手段・補給拠点までの輸送に非常に苦労しました。

さらに現場では、弾薬燃料食料品などあらゆるものについて搭載荷下ろしは人力を必要としています。

図8 03陸演
図8 03陸演.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FBuqEfgVEAQRNcN?format=jpg&name=900x900

自動化が進んだといっても、まだまだ人力で搭載荷下ろしが必要な状況です。

そんな輸送能力を強化することが、完全に忘れられてる気がします。
(後方が地味だとでも言いたいんかい〜!)

2.3 ウクライナ補給部隊の苦労に共感する。

そんな中で、北部東部南部の戦線にまんべんなく補給を届け続けているウクライナ軍の補給部隊の奮闘はかなりのものです。

図9 ウクライナ寿司
図9 ウクライナ寿司.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/ext_tw_video_thumb/1537649689520394240/pu/img/j2xKyglFvolOHcT0.jpg

6月ごろに、ウクライナ兵が野外で寿司を食べている光景を見てまだ何とか補給ラインが機能していることがよくわかります。

今後は、冬に向けた準備となりさらに苦労が多くなるでしょうが頑張ってほしいものです。
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(3)戦争は補給戦だよ!

戦争については、前線で撃ちあうだけではなく補給戦にて大量の物量を補給できるかどうかで決まるとも言えます。

図10 ロシア空挺兵
図10 ロシア空挺軍.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Fad0TZTXwAMHQZ5.jpg:medium

精鋭であるはずのロシア空挺軍第7親衛空挺師団兵士でさえ、サビた機関銃を侵攻直前に供与されたという話を聞いて兵站の重要性を痛感しました。

ホントに、現代戦は補給の物量戦にかかっていますよ!
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posted by sstd7628 at 13:51| Comment(9) | TrackBack(0) | 世界情勢

2022年07月30日

北朝鮮軍の必読本をようやく買えました!【雑記】

『すんげえ内容いっぱいで買ってよかった!』
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2020年ごろに、北朝鮮軍に関する本が登場したと聞いてから2年が経過して最近ようやく購入することができました。

「朝鮮民主人民共和国の陸海空軍」(The Armed Forces for North Korea )と呼ばれるオランダで発行され日本語版が出たものです。

図1 表紙
図1 本.gif

近年北朝鮮に関する本や特集はあれど、陸海空軍に関してここまで情報を集めた本はないでしょう。

お値段以上のすごい価値のある本として、北朝鮮を理解する上で必須本です!
(前回記事):『【軍事技術】VLSの洋上再装填が話題なので・・・
\こちらもご参考に!PR/

(1)お値段以上のすごい価値のある北朝鮮軍の書籍

以前から、本ブログでは北朝鮮関係を追っかけていましたが基礎情報が足りないと痛感していました。

(参考記事):『【北朝鮮】イスカンデルミサイルもどきを再整理してみる!

図2 北朝鮮
図2 北朝鮮.jpg
引用URL:https://img9.yna.co.kr/etc/inner/JP/2017/05/22/AJP20170522000500882_01_i_P2.jpg

そんな中で、北朝鮮軍に関する本が外国で登場すると聞いて待っていました。

1.1 OSINTサイトOryxから登場!

北朝鮮の陸海軍に関する本を出版したのは、オランダに本拠地を置くOSINTグループOryxです。

図3 Oryx
図3 oryx.png
引用URL:https://1.bp.blogspot.com/-HLfgaUHRLnc/XwNGwWwCQYI/AAAAAAAAN5g/Uh4v-kIdiWoEuTZgIs6TUabEYBEzGswDgCK4BGAYYCw/s1600/23.png

私が最初にoryxを参照するようになったのは、沿ドニエストル共和国の情報を捜索する中で偶然出会ったものです。
(参考記事):『【世界情勢】ルーマニアをめぐる世界情勢がロシアの戦争の火種になる!

この中で、ルーマニア情勢の発火点の一つとしてトランスニストリア(沿ドニエストル共和国)の情報を探していました。

日本語サイトでは、まず発見できないであろう沿ドニエストル共和国の情報が入手でき非情に参考になりました。

1.2 北朝鮮情報の参考としても利用!

さらに、北朝鮮情報について日本では探しにくい情報のありかなども発信されていて非常に参考になりました。

図4 北朝鮮兵士
図4 北朝鮮兵士.png
引用URL:https://militarywatchmagazine.com/m/articles/2017/12/28/images/image_5a47c8c37a0da5_72243078.PNG

突然パレードに登場した、ヘリカルマガジン装備の北朝鮮兵士などについても冷静な論評に関心していました。

1.3 Tarao Goo氏という貴重な存在

そんな中で、日本においてoryxの情報について翻訳・紹介しているというTarao Goo様という存在を知りました。

図5 Tarao Goo様のTwitter
図5 Tarao Goo.png
引用URL:https://twitter.com/GreatPoppo

Tarao Goo様がいなかったら、発刊して間もなくの2021年に和訳版の本が登場することもなかったでしょう。

本気の情熱にて、北朝鮮軍本の和訳版出版に尽力した活動に敬意を表します。
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朝鮮民主主義人民共和国の陸海空軍 [ ステイン・ミッツァー ]

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(2)5~6万円の値段が付いていても不思議じゃないほどの内容!

発刊された北朝鮮軍の本は、「朝鮮民主主義人民共和国の陸海空軍」という名称で発行されました。

近くの書店になかなか入荷せず、最近ようやく入荷して購入できました。

2.1 お値段以上の衝撃と情報の充実!

北朝鮮軍の本を入手して思ったことは,

・価格5〜6万円以上する本として売ってても不思議じゃないぞ!(税込み5720円)
・知りたかった情報が全部ある!

という衝撃の感想でした。

図6 先軍915
図6 先軍915.png
引用URL:https://x0.ifengimg.com/res/2021/230CC8EF7EA0DE38C48185CEACE1D746506CABEB_size312_w553_h333.png

今まで知らなかったことや、知りたかったけどどれが本当の話なのか不明だった部分が全部書いていました。

2020年までの情報ですが、十分北朝鮮軍を理解するうえで必読本といえます。

2.2 北朝鮮にT-72戦車はあるのか?
北朝鮮を調べていると、色々な戦車の写真が登場してくるのですが一つの疑問が根底にありました。

図7 T-72戦車
図7 T-72戦車.png
引用wiki

それは、T-72戦車が北朝鮮に存在するのかどうかというものです。

先軍915などT-72戦車に似た最新鋭戦車が出てくるものの、オリジナルのT-72戦車が登場する気配がありませんでした。

結果として、北朝鮮軍本では少なくとも1両のT-72戦車が北朝鮮に渡っているという情報が得られました。

しかも、T−62戦車をベースに国産化戦車にT-72戦車の技術が適用されていることが紹介されています。

2.3 北朝鮮海軍にOTOメララがあるのか?
また北朝鮮軍のウワサとして聞いていた中で、イタリアOTOメララ76mm速射砲が存在するという話がありました。

図8 北朝鮮展示会
図8 北朝鮮展示会.jpg
引用URL:https://21stcenturyasianarmsrace.files.wordpress.com/2022/01/north-korean-naval-weapons-exhibition-2021.jpg

2021年の北朝鮮武器展示会には、OTOメララ76mm速射砲そっくりの兵器が展示されていました。

北朝鮮軍本では、この情報にも触れておりリビア経由で現物を入手した上で北朝鮮が国産化に成功して海外輸出までしてることまで書かれています。

図9 ミャンマー海軍
図9 ミャンマーフリゲート.jpg
引用wiki

そうなると船体が中国技術援助で建造されたミャンマー海軍のフリゲートに、北朝鮮国産化のOTOメララ76mm速射砲が搭載されていた理由が説明できるわけですね〜?
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(3)やはりOSINTはすげえ!

北朝鮮に関する情報は、日本にいるとやはりどこかバイアスがかかった情報が多く入ってきます。

図10 核弾頭起爆装置
図10 北朝鮮起爆装置.jpg
引用URL:http://www.journalist.or.kr/data/photos/20170936/art_1504486822.jpg

核弾頭起爆装置と思われる写真が出ても、日本では冷静かつ理論的な論評が期待できない状況です。

3.1 海外の冷静なOSINTは参考になる!

海外のOSINTを行うグループについては、北朝鮮核ミサイル問題に冷静かつ理論的な論評を行ってくれるので参考となります。

Oryxについてはウクライナ戦争にて脚光を浴びましたが、2013年ごろから着実かつ冷静にOSINTを行ってきました。

冷静なOSINTとその集大成としての書籍出版に今後とも期待しましょう!

3.2 keenedge1999様がサイトをオープンしましたよ〜!

そんな中で、旧ブログのころから経験と知識に富んだコメントを寄せてくださったkeenedge1999様がブログを開設いたしました。
(サイト):『Keenedgeの湯治場(第二源泉)

ご贔屓にしてくださいね〜!
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posted by sstd7628 at 14:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界情勢
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