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2022年2月にウクライナ戦争が開戦して、半年が経過しながらいまだに終戦の兆候が見えない状況です。
国土防衛戦となったウクライナでは、恐ろしいほどの弾薬燃料などが消費されています。
図1 弾薬ケース
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FbJWNdiVsAE2BuY?format=jpg&name=small
積みあがった弾薬ケースの山を見て、我が国の弾薬備蓄と共に輸送手段の確保という現実問題に直面します。
ホントに現代戦は、物量戦と輸送力の戦いとなるでしょう!
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(1)恐ろしいほどの弾薬消費量!
ウクライナ戦争については、SNSの可視化により近代戦の状況を明らかにしています。
図2 砲弾準備
引用URL:https://images.wsj.net/im-611613/?width=700&size=1.5
供与された西側155mm砲弾準備をしている光景が、写真にも出てくるようになりました。
1.1 弾薬ケースの山を見て戦慄が走る!
数日前に、ウクライナ某所での155mm榴弾砲に使用する装薬の空ケースが積まれた写真が登場しました。
図3 榴弾砲射撃
引用URL:https://d1ldvf68ux039x.cloudfront.net/thumbs/photos/1411/1661651/1000w_q95.jpg
榴弾砲を射撃するときには、当然として発射装薬が必要となります。
最近では射程に合わせて、装薬量を簡単に変更できるユニバーサルチャージャーが主流となっています。
1.2 装薬がドーナッツ状になるユニバーサルチャージャー!
装薬単位を簡単に変更できるM232A1は、相当数がウクライナに供給されかなりの射撃量となっているようです。
図4 捕獲されたM232A1
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FWwlOzrXgAcLLgo?format=jpg&name=large
ロシア側にも捕獲されていますが、相当量の装薬が砲弾と共に戦場に補給されている状況です。
1.3 補給部隊への負担はものすごい状況に!
これだけ射撃しているということは、補給部隊が輸送して前線部隊に砲弾・装薬を届けるのにかなりの作業量となっているといえます。
図5 装薬搭載
引用wiki
発射装薬がケースに入って簡単に持ち運びできるようにはなりましたが、補給を行うトラックなどに搭載荷下ろしをする手間が相当かかることになります。
さらに分散した砲兵部隊へ、適時に補給をしていくとなると現代戦の桁違いの物量消費を見せられて戦慄しかありません。
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(2)弾薬備蓄もいいけど輸送・搭載荷下ろし作業を考慮してるかな?
ウクライナ戦争の影響からか、長射程対艦ミサイルの大量備蓄方針が政府主導で決まるなど変化しています。
図6 弾薬庫
引用URL:http://www7b.biglobe.ne.jp/~chi-tan/images/maehata1.jpg
弾薬備蓄は良いことですが、弾薬庫が準備できるんですかね?
2.1 弾薬庫の補修もままならない状況
現状においては、弾薬庫の新設工事はいろんな影響を受けてなかなか進まない状況です。
さらには、既存の弾薬庫についても補修工事について何度も会計検査院にツッコミを入れられている状況です。
図7 工事概要
引用URL:https://report.jbaudit.go.jp/org/h27/IMG/2015-h27-0567-0-z0.jpg
2015年ごろから、さんざん弾薬庫の土堤はちゃんと補修しろやゴルァ!と会計検査院に言われている状況です。
さらなるミサイル弾薬備蓄と言われても、ちゃんと弾薬庫が準備できるのかな?
2.2 輸送能力の整備も重要!
弾薬備蓄を増強するのもいいですが、弾薬を実際に現地に届けるという輸送能力の向上も忘れてはいけません。
(参考記事):『【幕僚編D】反撃作戦立案!幕僚達の闘いは敵意図看破!!』
以前に紹介した、自衛艦隊後方幕僚部の演習に参加したときも弾薬燃料があっても輸送手段・補給拠点までの輸送に非常に苦労しました。
さらに現場では、弾薬燃料食料品などあらゆるものについて搭載荷下ろしは人力を必要としています。
図8 03陸演
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FBuqEfgVEAQRNcN?format=jpg&name=900x900
自動化が進んだといっても、まだまだ人力で搭載荷下ろしが必要な状況です。
そんな輸送能力を強化することが、完全に忘れられてる気がします。
(後方が地味だとでも言いたいんかい〜!)
2.3 ウクライナ補給部隊の苦労に共感する。
そんな中で、北部東部南部の戦線にまんべんなく補給を届け続けているウクライナ軍の補給部隊の奮闘はかなりのものです。
図9 ウクライナ寿司
引用URL:https://pbs.twimg.com/ext_tw_video_thumb/1537649689520394240/pu/img/j2xKyglFvolOHcT0.jpg
6月ごろに、ウクライナ兵が野外で寿司を食べている光景を見てまだ何とか補給ラインが機能していることがよくわかります。
今後は、冬に向けた準備となりさらに苦労が多くなるでしょうが頑張ってほしいものです。
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(3)戦争は補給戦だよ!
戦争については、前線で撃ちあうだけではなく補給戦にて大量の物量を補給できるかどうかで決まるとも言えます。
図10 ロシア空挺兵
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Fad0TZTXwAMHQZ5.jpg:medium
精鋭であるはずのロシア空挺軍第7親衛空挺師団兵士でさえ、サビた機関銃を侵攻直前に供与されたという話を聞いて兵站の重要性を痛感しました。
ホントに、現代戦は補給の物量戦にかかっていますよ!
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防衛・軍事ランキング
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お寿司のワサビが凄い量ですね。
兵站の話となると、なかなか横幅が広くて体系的な学問として難しいところがあります。
初歩としては、井上孝司先生が2012年に出版した「現代ミリタリー・ロジスティクス入門―軍事作戦を支える人・モノ・仕事」が入門書としてはおすすめです。
大量物量補給戦の苦闘や現代補給の実戦を学ぶには、湾岸戦争での米軍補給責任者だったW・パゴニス中将が1992年に出版した「山・動く」がかなり参考になります。
けど兵站については、「戦った後の後始末」についての部分もありなかなかそこらへんは書籍になっていないところもあります。(センシティブな部分もあり本にしにくい)
兵站を入門から学ぶときは、この二冊がおすすめです。
写真のものは、旧海軍の施設を米軍が接収して使用していたものです。(2000年ぐらいまで)
さすがに、旧軍の弾薬庫(備蓄施設)については現代基準に合うように改修、補強が行われているところです。
弾薬はナマモノですので、弾薬備蓄庫には空調が効くようにはなってきました。
(作業整備場は、旧軍由来の施設がまだ使われているところもあります。)
BMD関連予算でで弾薬庫・作業工場の整備がようやく進んできた状況です。(海自の新規土地買収については「軍転法」によりなかなか進まないため、弾薬庫整備も進まない部分があります。)
文谷センセも海自の時は施設職種だったので色々言いたいことや、恨み節がたくさんでしょうね〜。
同期にも施設畑に進んだものがおり、まあ海自施設の施設投資への貧弱さを嘆いていまいた。
会計検査院の苦言を利用して、何とか改善していくしかないですね。
SNSによる補給等の兵站活動まで伺える様になった現状は、
専門誌やビデオを探しても取り上げてるかどうかの一昔前と
比べると隔世の感がありますね。
リアルタイムで生情報が大量に流れて来る分、受け取る側に
それを正しく捌く知見やスキルが無いと誤認等のリスクが
ありますが日本国内では兵站に関する体系的な書籍が乏しく、
その様になってしまいやすくなる環境も仕方ないのかなと思います。
である故に、実務経験のある管理人様のブログは貴重な媒体です。
私個人としては、最近増補新版が出た『補給戦』(中央公論新社)と
『現代ミリタリー・ロジスティクス入門』(潮書房光人新社)の2冊が
よくまとまっている本ではと感じております。
管理人様が上記以外の本や公開されている資料でご存じの物がありましたら、
ブログ記事として紹介して頂けると嬉しいです。
現代のお弾薬様、おミサイル様には空調が必須なんでは?
ロシア軍が錆びた弾薬コンテナを集積してましたが、さすがに問題外とは思います。
逆にアメリカ軍の弾薬缶は豪華過ぎ&使い捨てで頭がクラクラします。
考えものの弾薬備蓄強化論
https://japan-indepth.jp/?p=69384
マル検さんはこちらが思ってもみなかったような切り口で来るので、逆に感心させられることが多々ありました。我々民間の方ですと、官給品とか秘文書の管理とかですかね。
会計検査院の指摘は、なかなか本質を突いてくるのでキツながらも適正な執行につながるので貴重なものです。
予算が付きにくい施設補修にも、会計検査院の指摘を受けて予算が付くというありがたさがあります。
概算要求について、一応提出がされましたがさてこれから何が削られてくるのか戦々恐々のところがあります。
イージス・システム搭載艦は真っ先に予算否認査定になりそうですが・・(イージス艦状況にしろ!と言われそうです。)
いやはやですね…
予算一応今日本決まりですが、辛かったです。