\PR!/
ついに陸自の輸送艦となる、小型級船舶が2024年10月に進水します。
陸海の組織文化を乗り越えた、統合運用の象徴となるか!?
図1 ラーミーニード級
引用wiki
建造の過程では、多大な陸海の文化を乗り越えて苦労したと思われます。
ビーチング能力などで、結構苦労しただろうなあ〜!
(前回記事):『韓国玄武-5ミサイルってデカいな!!』
\こちらもご参考にPR!/
(1)ついに陸自が進水式を挙行!
陸上自衛隊から、小型級船舶の命名進水式が発表されました。
図2 進水式発表
引用URL:https://www.mod.go.jp/gsdf/news/press/2024/pdf/20241010.pdf
なんだか、自衛艦とか書いてるけど陸幕中央も良く分かってない?
1.1 名称どうするんだろうねえ?
まず興味があるのが、小型級船舶の名称です。
順当にいけば、「小型輸送船1号」ぐらいの名称になるでしょう。
図3 輸送艇2号
引用wiki
海自の輸送艇2号との混同を避けるため、名称の調整をしてるはずです。
ただ陸自のことだから、「ふじ」だの「あきつまる」など好き勝手に命名するかも?
1.2 大火力リークスさんに仕様書がある!
小型級船舶(LSU)と中型級船舶(LSV)については、大火力リークスさんが仕様書の表紙のみ開示された結果を公表しています。
図4 仕様書
引用URL:https://drive.google.com/drive/folders/1SBKAtlPFtp136M-4d4I3jsbfTFakMMhD
表紙のみですが、いくつも重要な点が書かれているので分析します。
@日本海事協会(NK)規則に基づき建造(商船規格で設計)
A船内装備品は海上自衛隊装備品と合わせる(海自補給実施要領を適用)
B海洋汚染防止条約(MARPOL)に準拠
C船体塗粧(としょう)は海自規則に合わせる
仕様書表紙でも、結構な情報が書かれていることになります。
少なくとも陸自迷彩で船体が塗装される!なんてことはなさそうです。
大火力リークスさんが公開してくれている各種情報は、本当にありがたい宝の山です!
1.3 コータムが船舶に乗ることはなさそうだね!
心配していたのは、陸自が船舶用にも広帯域多目的無線機(コータム)を搭載しかねないことでした。
図5 コータム
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/EedkIsfU8AA81Zo?format=jpg&name=small
まあ部隊との連絡用で、別途コータムの設置があるでしょう。
船舶用無線もコータムでやる!と言い出しそうなのが陸自の特徴です。
(ソフトウェア無線機だから、やろうと思えばできるかも?)
陸自は何でも独自で仕様書や規格を作ってしまうのので、防衛装備庁の担当者は苦労したのでしょう。
『とにかく海自装備品に合わせろ!補給品が足りなくなる!』
補給整備を担当する、呉造修補給所が苦労することになるでしょう(涙)!
\水陸機動団を送り届けろ!PR/
1/144 陸上自衛隊 水陸両用車 AAV7 人員輸送型/指揮通信型 【SGK08】 (プラモデル)おもちゃ プラモデル 価格:2431円 |
(2)なんでレーダーが二つも必要なんだ(怒)!
たぶん陸自と防衛装備庁・海自との間で、一番揉めた装備が想像できます。
図6 船舶レーダー
引用URL:https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcTQD8nx89vGxR4YI8zdAA2oAixjN0aakr2N8g&s
何でレーダーを2つも積まないといけないんだ!と陸幕は怒っているかもしれません。
2.1 外洋に行くならレーダー2つ搭載は常識だぜ!
外洋を航行する船舶に航海用レーダー2つ搭載は、船乗りの世界では常識的な話になります。(沿岸操業の漁船などはレーダー1つでも良い)
図7 ラミーニード級
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FUdgjnqUUAASYoP?format=jpg&name=large
陸自小型級船舶のモデルとなった「ラミーニード級輸送艇」も、レーダーを2つ装備しています。
さらに衛星通信アンテナや、各種無線機器用アンテナも必要になります。
南西諸島へ投入するため、外洋航行をする小型級輸送船舶なら航海用レーダー2つ装備は当然となります。
ただ陸自の文化だと、同じような目的のレーダー2つ装備は理解に苦しむでしょう。
防衛装備庁や造船会社は、たぶん相当苦労したと思います。
2.2 後退のための装備なぞ不要!ただ前進あるのみ!
勇猛果敢な陸上自衛隊だと、ビーチング用装備品も理解不能な装備になるかも?
図8 輸送艇1号
引用wiki
揚陸(ビーチング)用装備の一つに、船尾錨があります。
これは上陸時に船体を擱座(ビーチング)させた後、洋上に戻るとき後進の足掛かりになります。
両用戦でビーチングするときは必須の装備ですが、陸自の文化では「不用装備!」なんて揉めたかもしれません。
2.3 固定武装でも揉めてそうだなあ!
海自輸送艇2号などでは、固定武装で20mm機関砲JM61-Mを搭載しています。
図9 20mm機関砲
引用wiki
ただ陸上自衛隊で20mm機関砲を搭載してるのは、AH-1S攻撃ヘリのみです。
固定武装について、12.7mmM2機関銃搭載か20mm機関砲か?
ワンチャンスで、24式装輪装甲戦闘車Mk-44 30mm機関砲(ブッシュマスターU)を搭載するかも?
(海保はてるま型巡視船で大量に使用実績があるため)
船橋上部に、30mm機関砲を装備したたトップヘビーになりそう!
\PR!/
(3)自衛艦旗を掲揚することになるかな?
自衛隊共同部隊の船舶と言うことでもあるので、艦旗の問題も出てきます。
図10 日の丸
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Ehig_gMVkAcAfGZ?format=jpg&name=large
小型級船舶は支援船扱いなので、日の丸を掲げることになるでしょう。
3.1 陸自連隊旗では船の識別にならない!
陸自の連隊旗に使われる自衛隊旗は、船舶の識別用には使えません。
図11 自衛隊旗
引用wiki
ただ自衛艦旗を掲げるとなると、陸自側が嫌がるでしょう。
そうすると無難に、日の丸を掲げることになります。
(海自油槽船YOTも日の丸です。)
就役行事で、どの旗を艦尾に掲げるのか注目です。
3.2 海上輸送隊群はこれから発展期!
共同の部隊である海上輸送隊群は、陸自輸送科が中心になり運航する形になります。
海自も運航開始の時には、船長機関長なの派遣や造修補給で支援するでしょう。
(陸自から船長を生むのは、あと5年ほどかかるでしょう)
図12 輸送艦勤務の陸自
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FgiyC8_VUAE_SnR?format=jpg&name=large
幹部や陸曹の教育訓練はすでに始まり、輸送艦などで勤務する陸自隊員も多くなっています。
船長や士官、機関・運用・補給要員を継続して教育訓練するのは時間がかかります。
今後の動向に注目して、陸自輸送艦を応援しましょう!
\PR!/
防衛・軍事ランキング
↑ブログ主の更新意欲維持の為↑バナーをクリック↑
↑していただければブログ主が↑頑張ります↑
やはり造船所によって特色を持っており、官公庁の1品モノは結構嫌われていますね。
常石造船には、装備庁の担当者と共にある支援船建造で営業に行きましたけど「全隻随意契約でなければ受けられない」ときっぱり断られてしまった経験があります。
(複数隻を1隻ずつ一般競争入札する条件になっていたので・・・)
さらに船舶建造に使う鋼鉄については、非常に大変でした。
商船で使用してる鋼鉄を使えればいいけど、下手に防衛省規格の高張力鋼・調質高張力鋼の使用が指定されるとどえらいことになります。
市販の高張力鋼・調質高張力鋼とは規格が一部異なり、えらい硬くて溶接しにくいため価格上昇の原因になってきます。
(支援船で商船規格を適用するのは、船体価格上昇を抑えるため)
ただ乗員からは、高張力鋼を要求してきてまあ検査官の悩みでした。
おか自事業部も、輸送船舶を建造するのに知床の事故の件や船舶安全法一部改正があるのに、レーダーは1基でいい!なんてなかなかアンテナの低いことをさらけ出していますね〜。
おか自事業部担当者のアンテナの低さが原因で、会計検査院の「不当事項」を食らってうみ自事業部が大迷惑をこうむったのは忘れていません。
金払いは良いけど書類が超面倒なのでやりたくない造船会社が結構いる> 今治とか常石あたりですかねぇ。両社とも独自路線を歩んでいる上に、バルクキャリア船を得意とする会社で、日本で1番多く船を作っている会社ですから(製造トン数で1位)、艦艇や巡視船、海洋物の1品モノにあまり関心がないです。
加えて検査官をされていたらご存じでしょうけど、会社によって材料の鉄を買う会社が変わります。当然のことながら製鉄時に使うコークスの量などが変わりますから、鉄の硬さなどにも変化があり、硫黄分が多いと柔らかくなって軟鉄っぽくなります(バルカーとか大型船を作るには柔らかい方が良い)。
https://business.nikkei.com/atcl/report/15/278202/102300075/
海自輸送艇1号型> ええ。それを引き合いに「なぜLCUでは2つ必要なのか」と言ってきたようです(ご存じでしょうけどおか地事業部は陸幕長⇔装備庁長官の協議でいじれるので・・・)。それを支援船の造修整備関連規則の見直し(知床観光船絡みで、船舶安全法が一部改正されるため)の最中に言うかね?と。
https://www.mod.go.jp/j/policy/hyouka/yosan_shikko/2022/2022_itaku_seika01.pdf
内海造船も調査兼漁業取締船の建造実績があるけど、よくぞLCU・LSVの建造を取りに行ったと思います。
建造数が見込めるとはいえ、なかなかチャレンジャーな会社ですね。
(防衛省のフネ建造は、金払いは良いけど書類が超面倒なのでやりたくない造船会社が結構いると聞いています。
やはり航海レーダー2つ搭載に、陸自から文句が出ていたのですね。基
私も検査官時代に、小型船建造をしてたけど陸自出身の主任検査官に「なんでレーダー2つもいるんだ!」と文句を言われてGMDSSと船舶設備規定を最初から説明する羽目に有っています。
海自輸送艇1号型(今回の小型級船舶とほぼ同じ大きさ)は、航海レーダー1基なのでその印象が強かったのだと思います。
(防衛省船舶設計基準で設計のため、レーダー設備などに除外規定が適用されています)
因島でLNGやっているのによく受けたなと(こちらも船主の指導を受けながら不得意な部分を外注に出しました)。
https://in-no-shima.jp/2024/07/22/7765/
陸自の文化だと、同じような目的のレーダー2つ装備は理解に苦しむ> 言われたようです。船舶設備規定の『船舶(総トン数三〇〇トン未満の船舶であつて旅客船以外のものを除く。)には、機能等について告示で定める要件に適合する航海用レーダー(総トン数三、〇〇〇トン以上の船舶にあつては、独立に、かつ、同時に操作できる二の航海用レーダー)を備えなければならない』で「LCUには不要だ」と文句を垂れてきたと。