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佐野洋子 絵本の世界展

世田谷文学館で現在行われているのが『100万回生きたねこ』でおなじみの佐野洋子さんの絵本展で、「佐野洋子 絵本の世界展」というもの。展示数がとても少ないので、ゆっくり観るには丁度良い感じだ。
佐野洋子さんの作品は『100万回生きたねこ』以外は知らなかったものばかり。
私はやはり『100万回生きたねこ』がいちばん好きだな。
2004年7月17日[土]〜9月20日[月祝]
〒157-0062 東京都世田谷区南烏山1-10-10

光と影のシンフォニー 藤城清治の世界展

初期の作品から現在の作品まで約100点が展示されていて、東京都写真美術館の地下展示室が迷路のようになっていた。混み具合もなかなかのもので、前へ進めない程の盛況ぶりだ。
印刷物で見た作品も綺麗なのに、本物は印刷物を見て綺麗だと思うよりも美しく、とても幻想的で本当に「素晴らしい」のひと言に尽きる。生(ナマ)の作品に光が当ててあるというのは格別だ。
藤城清治さんと言えば暮らしの手帖。そして小人というイメージがあるけれど、実際にはさまざまな作品を制作していた。宮沢賢治や聖書の他、「ウィー・アー・ザ・ワールド」というアフリカの飢餓の子供たちや世界のビッグスターを取り扱ったモノなど。小人や夢を与えるばかりでなく、飢餓を取り扱っている点でもわかるとおり、作品の幅がものすごく広い。
私が好きな作品は「宮沢賢治童話・やまなし」、「人魚姫」、「猫曜日」、「ぼくのアクアリウム」、「宮沢賢治童話・鹿踊り」、「天地創造より・バベルの塔」の6点。
「宮沢賢治童話・やまなし」
海の底に差し込んでいる光の加減と上方を泳ぐ魚がぼんやりしつつも煌めいている、というところが美しい。カニの泡ぶくも同じく幻想的な世界を醸しだしている。海藻が水の流れにそよいでいるところは、風呂に浸かった自分が揺らめいているようなそんな気持ち良さが思い出されて心地よい気分になった。
「人魚姫」
とにかく綺麗だ。サンゴも遠くの明かりも別世界で、人魚姫が座っている岩場が水晶に見えてしまう。右上の魚がアンコウのように光を持っているところも好きだ。アンコウはこの中では一匹だけ別物のようでもある。
「猫曜日」
猫がかわいくて仕方がない。しっぽで釣りをしているのかと思いきや、実は光る風船をつけていて、その光に向かって魚たちがジャンピングしている。海からのジャンピングというよりか空中ジャンピングもしくは空中浮遊に見える魚たち。
「ぼくのアクアリウム」
カエルくんがキュート。カエル好きにはたまらない作品だ。しかもそのカエルくんがロウソクを灯していて、大きなビンの底を眺めているのだ。「ぼくのアクアリウム」=「カエルくんの秘密の場所」といった感じで、ビン底には不思議な世界が広がっている。魚にタツノオトシゴ、イソギンチャク、楽器にウィスキーのビン…。ちょっぴりわくわくするような そして こっそりと覗きたくなってしまうアクアリウム。でもカエルくん以外にはあくまでも秘密なのだ…きっと。
「宮沢賢治童話・鹿踊り」
鹿たちの動きが最高。この踊りの輪に混ざりたい。こっそり入り込みたい。だけど少しでもススキがかさかさと音を立てたら鹿たちは一瞬にして消え去ってしまいそうだ。遠くから眺めている、しかできないのだ。残念…何だかもどかしい。
「天地創造より・バベルの塔」
影絵でこれができるのか…というくらい精密で遠近感があって幽玄だ。影絵だからこそ出来る色合いが絶妙だから、空と地平線の凄味が違う。これぞバベルの塔だ。
2004年7月17日[土]〜9月5日[日]〒153-0062 東京都目黒区三田1-13-3

弘法大師入唐1200年記念「空海と高野山」

たくさんの書と仏像類を見てきました。

≪展示内容≫
第一章 空海と高野山の歴史
第二章 空海の思想と密教のかたち
第三章 信仰の重なりとその美術
第四章 山の正倉院
第五章 近世の高野山


第二章に展示してあった「重要文化財 両界曼荼羅図」「重要文化財 胎蔵界曼荼羅図」、かなりくすんで古びてはいたものの、やはり圧倒されるものでした。密教の曼荼羅ってのは凄いです。サイズがとても巨大なので、暗い館内では上部はあまりよく見えず、でした。作品保護のためとはいえあまりに暗い…。
しかし暗い中でも第三章に展示されていた運慶・快慶作の仏像類は迫力大。さりげない照明効果が像を際立たせていたようです。あまり近くで見られなかったけれど、遠くからでも強いオーラを感じました。
≪迫力のあった像一覧≫
【重文】 大日如来坐像
【重文】 屏風本尊
【重文】 不動明王立像
【重文】 毘沙門天立像
【重文】 毘沙門天立像(胎内仏)
【重文】 不動明王坐像寺
【国宝】 八大童子立像 恵光童子像 (運慶作)
【国宝】 八大童子立像 恵喜童子像 (運慶作)
【国宝】 八大童子立像 烏倶婆[言我]童子像 (運慶作)
【国宝】 八大童子立像 清浄比丘童子像 (運慶作)
【国宝】 八大童子立像 矜羯羅童子像 (運慶作)
【国宝】 八大童子立像 制多伽童子像 (運慶作)
【国宝】 八大童子立像 指徳童子像
【国宝】 八大童子立像 阿耨達童子像
【重文】 孔雀明王像 (快慶作)
などなど....
これだけの重文・国宝が見られる機会はほとんどないので貴重な展覧会だったと思います。
2004年4月6日[火]〜5月16日[日]
〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9

ヴァチカン美術館所蔵 古代ローマ彫刻展

古代ローマの彫刻というと、真っ先に思い浮かぶのが、高校の世界史の教科書や資料集に載っていた写真だ。案の定、見たことがあるようなないような、そんな彫像が並んでいた。
中でも、“カエサル”、“アウグストゥス”、“トラヤヌス帝”、“カラカラ帝”の彫刻には、変な懐かしさというか親しみさえ感じてしまった。(これら胸像を見たら、誰もがこの感覚に陥るのではないかと…思う)。
資料集として『新詳 世界史図説』を使用していた方は覚えているかもしれないが、そこに載っていた“クレオパトラを見て驚くカエサル”の絵が、面白くて授業中に友人と笑った記憶がある。
絨毯の中から現れたクレオパトラに驚いたカエサルの姿がへっぴり腰に見えるからだ。
そんなカエサルとは違って、展示されている彫刻は立派なカエサルなのだけれど。
〈展示内容〉
第I章 肖像の誕生
第II章 肖像とアイデンティティ
第III章 特徴的髪型をした女性の肖像:古代の装い
第IV章 肖像と永遠
第V章 帝国の象徴
第VI章 古代肖像の終焉
立派な皇帝たちの彫刻は、第V章 帝国の象徴 に展示されている。
彫刻以外には第III章で展示されている、女性が使用していたさまざまな化粧道具類があった。

2004年3月2日[火]〜5月30日[日]
〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7
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