2016年11月22日
胃を全摘した胃がんの”師匠”
胃がんの師匠
私が初めて師匠として崇めた人。
入社して4〜5年目でその人の下に就いた。
歳は丁度父親と同じ。
当時の父は酒に溺れていたこともあり、
師匠が余計に輝いて見えた。
本当に仕事ができる人で、人間力も高かった。
厳しさの中にやさしさを持つ、典型的な職人気質の人。
色々なことを学んだ。
ある年、
景気が低迷する中、定年を5年以上残して
早期退職の希望者を募った。
その会社の経営者はそんな団塊の世代の技師達の肩を叩いた。
まだまだ教わりたいことが山ほどあった。
師匠に追いつくことを当面の目標にもしていた。
先日脳卒中で他界したもう一人の恩師たちなど数人が
会社から一気に姿を消した。
私がその会社を辞めるきっかけでもあった。
そんな理不尽なことの影響もあり、
何回かに分けて、20人前後の若者が退職した。
社会で初めて体験した、とてもやるせない、
理不尽な出来事だった。
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何も食えねぇよ
あれから15年近くが経つ、
逞しかった師匠は、老人に近づいていた。
・・・8年前、お腹の激痛で救急搬送された。
胃がんが見つかった。
全摘だった。
それ以来、胃がんとの共存が始まった。
たまに顔を合わせる程度だが、
癌を患っているとは思えないほど元気な人だ。
師匠の口癖は「何も食えねぇよ」だ。
胃がんで、自分の胃を全摘したことで、
食事事情がガラッと変わってしまった。
思うように食べれないということを
「何も食えねぇよ」と言う。
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やせ細った身体
顔つきはしっかりしている。
眼もまだ輝いている。
身体が弱っているのは一目でわかるが、
気持ちはまだまだ保っている。
少なくとも私の目にはそう映った。
仕事は引退して、今は年金暮らし。
そんな姿を想像したことはなかった。
師匠はパワーあふれる人で、生涯現役が
とても似合う人だ。
80になっても90になっても仕事は辞めない、
そう思っていただけに、現実の厳しさを痛感している。
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