正信偈に
「遊煩悩林現神通 入生死薗示応化」(正信偈)
とあります。
「煩悩の林に遊びて神通を現じ、
生死の薗に入りて応化を示す」
と読みます。
天親菩薩のみ教えをおっしゃっているところです。
ここにで「功徳の大宝海に……応化を示す」と
「」がついており、いえりとあります。
天親菩薩が仰っているということです。
まず、「煩悩の林」とあります。
煩悩とは、欲、怒り、愚痴、このほか105あり全部で108.
一人一人に108の煩悩があります。
15人いれば、108の煩悩が15あると言うことです。
煩悩の林ですね。
苦しみ悩みの人々のことです。
その煩悩の林で、遊びて、とおっしゃっています。
ここでいう「遊ぶ」とはどういう意味でしょうか。
カラオケで遊ぶとか、
遊園地で遊ぶという意味ではありません。
「遊ぶ」とは、自由自在の活躍をするとか、
縦横無尽とか、痛快至極、
とにかく楽しくて仕方ないという意味です。
では、なにが、そんなに楽しくて仕方がないのかといいますと
「仏法を伝える」、
「破邪顕正する」、
「法施」が楽しくて仕方がないとおっしゃっています。
「神通を現ずる」というのは、五神通の力で。
宿命通、天眼通、天耳通、他心通、神足通のこと、
神通力をもって、苦しみ悩みの人々の中に飛び込まれて、
法施する、痛快至極だ。
「生死の園に入りて」も同じ意味です。
生死とは、苦悩のこと、生きているおのにとって、
死ぬことほど苦しいことはありませんから、
苦悩のことを、仏教では、生死といいます。
「応化を示す」も「神通を現じ」と同じ意味です。
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