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2022年04月12日
押下
(画面上の) ボタンを押下する。
押下 (おうか) は、以前から社内向けの仕様書などではよく見かける単語でしたが、これが「クリック」と「タップ」の両方を含む操作として一般的な文書で使われていました。最近はパソコンでもスマートフォンでも使えるものが増えているので、「クリック」や「タップ」という特定の入力方法に限定した表現は避け、何にでも通用する表現を使う傾向にあります。
マイクロソフトの日本語スタイルガイドには、「選択する」(select) を使うようなことが書いてありますが、「選択」は他の場面でもよく登場するので、××を選択して、選択ボタンを選択する、みたいなことになりがちです。この点「押下」なら押すという操作を明示できて便利です。
ただ、「押下」には厳密な意味もあり、物理的なボタンを押す、キーボードのキーを押す、ボタンを押し下げる (指を放してボタンが上に戻る動作は含まない) などの操作を意味している場合もあります。
じゃ、もう単純に「押す」でよくない?と思うのですが、だめですかね。
日付: 2022/04/12 情報元: 企業の外部向け文書
2022年03月21日
番号
ミーティング番号を入力して会議に参加する。
ミーティング番号、会員番号、学籍番号、出席番号などなど、identifier の意味で「番号」が使われることがよくあります。実際に番号の中身を見ると、数字だけではなく、ローマ字や、場合によっては漢字が含まれていることもあり、そのまま「番号 = number」と訳していると技術的な文書では都合が悪くなることがあります。
identifier は ID と略すことが多く、meeting ID、member ID、student ID などの記述はよく目にします。日本語としても「ユーザー ID」などはかなり浸透していますが、それでも「番号」の方がよく使われているように思います。「マイナンバー」なんてものもあるし。でも、これは全部数字だからいいのかも。
日付: 2022/03/21 情報元: 社内文書
2022年02月12日
エラー
ABC が無効になり、エラーが発生する場合がある。
DEF 処理に失敗しても、エラーが発生しない場合がある。
DEF 処理に失敗しても、エラーが発生しない場合がある。
不具合報告書で、エラーに関する表現がたまたま 2 つ並んで登場しました。1 つ目はエラーが発生することが不具合、2 つ目はエラーが発生しないことが不具合です。
2 つ目の不具合は、詳しい説明を読んでみると、処理が失敗したときにエラー メッセージなどが表示されず応答がなくなる、という現象でした。プログラムはちゃんとエラーになるように作る必要があるんですね。
どちらの「エラー」の意味なのかは文脈から明らかなことが多いですが、一応、注意は必要です。
日付: 2022/02/12 情報元: 企業の外部向け文書
2022年01月18日
詳細な概要
この節では、詳細な概要を提供します
英日翻訳された文章には「詳細な概要」という言葉がわりと登場してきます。detailed overview とか detailed outline の訳語ですが、詳細なの? 概要なの? どっちなの? とちょっと疑問を感じます。一口に「概要」といっても、本当にざっくりしたものから相当に細かいものまであることを考えれば「詳細な概要」も間違いではないでしょう。でも、やっぱりちょっとおかしいような、とはいえ、何か名訳を提案できるわけでもなく、もやもやが残ります。
日付: 2022/01/18 情報元: 企業の外部向け文書 (翻訳物)
2022年01月09日
見守る
リモートワークの社員を見守る
リモートワーク社員の勤怠管理をするシステムの文脈で「見守る」が使われていました。「仕事ぶりを監視してるぞ」というより、「あなたを見守ります」といった方が優しい感じはします。
一般的には、「見守る」という言葉は社員の健康や感情に焦点をあてるシステムでよく使われているようでした。検索していたら「サイバー脅威を見守る」という表現もありましたが、脅威を見守るだけではシステムとしては優しすぎる気がします。
日付: 2022/01/09 情報元: 社内文書
2021年12月08日
張る
コネクションを張る
英日翻訳のネットワーク関連資料で set up a connection という表現が登場し、set up の訳語で悩んでいました。近くに establish もあり、これを「確立」としてしまったので何か他にないかと考えていました。いろいろ検索してみると「張る」という表現がカジュアルな記事ではよく使われていました。
「張る」を日本語の辞書で調べると、「ネット (網) を張る」という例文があり、ネットワークも網っちゃぁ網だしなぁ、なんて思っていました。でも、お堅い文書にはちょっと合わないですかね。
日付: 2021/12/08 情報元: 個人のブログ
2021年10月12日
11 (イレブン)
Windows 11 (ウィンドウズ イレブン)
先日から Windows 11 が公開されています。私は「11」の読み方にちょっと迷ったのですが、マイクロソフトの公式イベントでは「ウィンドウズ イレブン」と呼ばれていました。「じゅういち」ではないようです。
「イレブン」はちょっとわかりにくいんじゃないかと思ったのですが、実際に音として聞いたり、しゃべったりしてみると、意外とすんなり受け入れられます。これって、コンビニの「セブンイレブン♫」が浸透しているからですかね。
日付: 2021/10/12 情報元: 製品名
2021年09月28日
利用ユーザー
システムの利用ユーザーは、3 種類に分けられます
「利用」と「ユーザー」なんて冗長!!と思ってこの投稿を書き始めたのですが、念のためにネットを検索してみたら「利用ユーザー」という言葉はかなり使われていました。
実際に “利用している” ユーザーを指していることが多く、「アクティブ ユーザー」と同義で使われているようでした。契約をしているけど今は利用していないユーザーや、契約はしていないけど一時的に使っているユーザー、サービスの利用はしないけどシステムにはアクセスするユーザーなど、世の中にはいろいろな「ユーザー」がいるらしいです。
まあ、今回私が翻訳していた文書の文脈では特にそんな状況はなく、単に user の意味のようでした。
日付: 2021/09/29 情報元: 社内文書
2021年08月18日
電源
電源をつないでご参加ください
オンライン セミナーの参加マニュアルに「有線 LAN をご使用ください」などの注意書きと一緒に書かれていました。普段から在宅勤務でデスクトップ パソコンを使っている私は「電源をつながないでどうするの??」と思わずツッコミました。
最近の「パソコン」はノート PC が主流なんですね。なので、上記の注意書きは「バッテリーじゃなくて、ちゃんとした電源につないでください」という意味でした。よく見たら、マニュアルの挿絵もノート PC になっていました。
最近は、英語でも、昔だったら「PC」といっていただろうところに「laptop」が使われていることがあります。
日付: 2021/08/18 情報元: イベント公式サイト
2021年08月12日
フォロー
チームのメンバーをフォローする
カタカナの「フォロー」をそのまま follow と訳してはいけない、というのは昔からよく言われていました。たいていは、支援する、擁護する、手伝うなどの意味なので、そのように訳す必要があります。ただ、最近は SNS の文脈で「フォロー」が使われることがあり、これはそのまま follow ですよね。
「メンバーをフォローする」と言えば、少し前だったらほぼ間違いなく「そのメンバーを手伝う」という意味でしたが、最近は SNS のようなシステムで本当にフォローすることを意味している場合があります。
日付: 2021/08/12 情報元: 社内文書