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2018年11月22日

強制補講

ベネッセの速報が出たので、学年ごとに成績を集計してみると、どの学年も2ポイント以上成績がダウンしていることが分かった。

「この結果出ても、放課後の補講は続けるんですかね。」
隣の担任が、ぽつり…。

入学生徒のレベルが落ちてきたので、学力アップと、保護者のニーズに応えるためにと、主として成績不振者を集めての補講を始めたのが今年の4月。原則部活動をやらない、火曜日と金曜日の放課後に、7時間目、8時間目の時間帯に行われている。

昨年は、
「『たくましい』生徒を育てよう。」
という校長の号令のもと、希望すれば火曜日と金曜日にも部活動ができたのだが、今年度からは一転、方針が変わり、部活は禁止になり、『強制補講』が実施されるようになった。

この『強制補講』、実は、生徒も先生も不幸せなことになっている。

対象生徒が成績不振者であるためか、彼らは補講を「逃げる」のである。

だから、担当教員らは、校舎内を探し回ってでも、彼らを教室に連れてくる。
そうした教員たちの心労に加え、そこまで逃げ回る生徒たちのモチベーションもきわめて低い。
しかも強制的にやらされている中での、成績アップは望めない。

「宿題をやらない生徒を居残りさせて宿題を解かせる」、のであればまだしも、特定の生徒ばかりを呼び出して、プリントやら宿題を解かせるというシステムは、うまくいっていない。

どうやら、お互いが疲れてしまって、もはや機能不全を起こしているようだ。

昨年一年間は、どんどん成績が上がった。
そのときは、強制の補講はなかった。

「何故この結果出たのか、分析しなさい。」
などと、校長からの大号令がかかりそうだが、もとよりこの方法では向上は難しいことは見えていた。
生徒が意欲的に勉強することができれば、成績は自ずと上がっていく。

保護者対策、募集対策としての意味合いもあったのだろうが、主役は誰なのかを忘れてはならない。

「教員がどんなに意見しても、校長は話を聞かないからなあ…。」
そんなぼやきが聞こえてくる。
保護者からの意見は、クレーム対策としてすぐに対応するが、教職員たちの意見は、なかなか反映されない。

模試対策をして、クラスで目標を決め、個人の目標もクラスに掲示し、授業でも対策をしてなお、この結果であるということは、何かが間違っていると言わざるを得ない。

教育の世界は、現在進行形で生徒が存在する。
失敗が予想されるような実験は、慎まなければならないのではないだろうか。








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