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2018年10月09日

『勉強した?』という質問

「睡眠時間が8時間。十分すぎるほどの時間だね。そこに一日8時間勉強したとして、まだ8時間残っている。お風呂と食事で8時間はかからないね。だから、8時間勉強することは、勉強中心の生活をするなら、全然難しいことではない。誰でも可能だったわけだ。」

「昨日までの連休、明日からの中間試験に備え、勉強に明け暮れた人は、ほぼ一日中勉強している。中には10時間くらい勉強している人もいる。その一方で、連休中、30分や一時間くらいのしか勉強していない人もいる。」

「これじゃ、成績に差が出ても当然だ。成績が低いからって、神様が意地悪なわけではない。もちろんたくさん勉強した人は、応援されて、いいことがあるだろう。そうでない人は、そうなるべく行動したわけだから、やっぱり自分の責任。一切の言い訳はできないね。」

「『勉強した?』って、人に聞く人は、勉強していない人だよ。自分が勉強していないことに、不安と少しの罪悪感があるから、他の人に中に、自分と同じ仲間がいるかどうかを確認したくて、聞くんだ。」

「だから、『勉強していない』って、答えられると安心する。ここにも勉強していない人がいたんだ、って、確認できたからね。ところが本当は違う。」

「本当に勉強している人は、『勉強した』とは言わない。どちらかというと、『勉強していない』と言うことが多い。それは、『勉強した』と言うと、自分が勉強していることを、人に自慢しているようで、嫌だからだ。だから、勉強した人も、勉強していない人も、『勉強してない』と答えることになる。」

「だから、勉強したかどうか、尋ねた人は、試験が終わって結果が出てくると、愕然とする。『あいつ、勉強してない』って言っていたのに…、となる。」

「また、本当に勉強している人は、他の人に、『勉強した?』とは聞かない。そういう人は、たとえ『勉強していない』と答えられたとしても、『本当は勉強しているに違いない』、と思うだろうし、また、『そんなはずはない』とも思うから、そもそも、こうした質問をすること自体意味がないということを知っているからだ。」

試験前には、教室内で、こうした心理戦が繰り広げられる。
勉強していていない人は、自分が勉強をしていないことを一番よく知っている。周りに勉強している人が沢山いると、焦りの気持ちにはなるが、突然試験前にやり気になるわけではなく、直前にやっても、さしたる成果は出ないことも知っているから、結局は、大して勉強することなく試験を迎えることになる。

「『勉強した?』なんて、友達に聞くなよ。勉強しない者同士、お互い傷口をなめ合っても、何もいいことはない。それにこの質問は、『私は勉強していません』と、皆にアピールしているだけなのだから、結局は恥ずかしいことを言っているということだ。」
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